浴室のリフォームで補助金を探している方は、大きく2つに分かれます。冬に寒い風呂を何とかしたい方と、親や自分が転ばないようにしたい方です。
この2つは、使う制度が完全に別です。前者は省エネ系(国の住宅省エネ2026キャンペーン)、後者は介護保険の住宅改修(上限20万円)です。窓口も、申請のタイミングも、必要な資格も違います。
しかも、両方に当てはまる方も多い。「寒くて滑る風呂を、暖かくて安全にしたい」という要望は、2つの制度を組み合わせて実現することになります。
先に押さえておきたい注意点が2つあります。
- 2026年度は、省エネ系で「浴槽だけ」の工事が申請できなくなりました。 窓の断熱工事を組み合わせることが必須になっています
- かつて浴室リフォームの定番だった「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、令和8年度は実施されません。 公式サイトに「令和8年度、本事業は実施しません」と明記されています。この制度を紹介している記事は情報が古いものです
まず自分がどちらの系統かを決める
判断は「何を解決したいか」で決まります。
| 解決したいこと | 使う制度 | 上限額 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 浴室が寒い・光熱費が高い | みらいエコ住宅2026事業 | 40〜100万円/戸 | 登録施工業者が申請 |
| 浴室の窓が寒い・結露する | 先進的窓リノベ2026事業 | 100万円/戸 | 登録施工業者が申請 |
| 給湯器が古い・お湯の効率が悪い | 給湯省エネ2026事業 | 機種により最大17万円/台+加算 | 登録施工業者が申請 |
| 転倒が心配・介助が必要 | 介護保険の住宅改修 | 20万円(うち1〜3割が自己負担) | 市区町村の介護保険担当課 |
| 介護認定はまだだが高齢 | 自治体の高齢者住宅改修助成 | 自治体による | 市区町村の高齢福祉担当課 |
この表で行き先が決まります。以下、系統ごとに見ていきます。
【省エネ系】みらいエコ住宅2026事業
国土交通省の事業で、住宅省エネ2026キャンペーンの中核です。断熱改修と省エネ設備をまとめて支援します。
補助上限額
住宅の建築年と、目指す断熱性能の水準で4通りに分かれます。
| 住宅の建築年 | 義務基準まで引き上げ | 次世代省エネ基準まで引き上げ |
|---|---|---|
| 平成3年以前 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
対象は原則として平成28年12月31日以前に新築された住宅です。築10年未満の家は対象外になります。
2026年度の最重要ポイント:浴槽だけでは申請できない
ここが去年までと決定的に違うところです。
1つの居室(トリガールーム)で、次のいずれかの工事を行うことが必須になりました。
- 義務基準パターン … 開口部(窓・ドア)の断熱改修 + 躯体(床・壁・天井)の断熱改修 + 特定エコ住宅設備の設置
- 次世代省エネ基準パターン … 開口部の断熱改修 + 躯体の断熱改修
つまり、高断熱浴槽や節湯水栓を入れるだけでは、この事業では1円も出ません。 窓の断熱工事が最低1か所は必要です。
「浴室の窓が小さいから、そこを内窓にすればいいのでは」と考える方もいますが、要件化工事は1つの居室で行う必要があり、その居室が浴室である必要はありません。リビングの窓を内窓にして躯体の断熱改修を行い、その上で浴室の設備を任意工事として積み上げる、という組み方が現実的です。
この設計変更は、「水回りだけ直したい」という読者にとって重い制約です。補助金を使うなら、工事の計画そのものを「窓から」組み直す必要があります。
浴室まわりで対象になる工事
必須工事を満たしたうえで、次のような工事を積み上げていきます。
- 高断熱浴槽の設置(お湯が冷めにくい浴槽)
- 節湯水栓の設置(少ない湯量で同じ使用感を得る水栓)
- 高効率給湯器の設置
- 手すりの設置(バリアフリー改修)
- 段差の解消(バリアフリー改修)
- 通路幅の拡張
- 浴室乾燥機の設置
工事ごとの補助単価は、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトで公開されています。 施工業者に見積りを出してもらう際、どの工事がいくらで積算されるかを確認してください。
申請のスケジュール
- 交付申請の予約 … 2026年11月16日まで
- 交付申請 … 2026年12月31日まで
- いずれも予算上限に達した時点で終了します
2026年9月11日時点で、みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)の予算消化率は6%です。まだ余裕がありますが、年度末に向けて申請が集中する傾向があります。
【省エネ系】先進的窓リノベ2026事業
浴室の窓だけを断熱したい場合は、こちらが使えます。環境省の事業で、予算は1,125億円です。
- 補助上限は1戸あたり100万円
- 対象はガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法・はつり工法)、ドア交換
- 1申請あたりの補助額合計が5万円以上であることが条件
最後の条件が浴室では効いてきます。 浴室の窓は小さいことが多く、1か所だけの内窓設置では5万円に届かない場合があります。その場合は、他の部屋の窓と合わせて1つの申請にまとめることになります。
なお、同じ窓に対して先進的窓リノベ2026事業とみらいエコ住宅2026事業の両方を申請することはできません。 どちらか一方です。窓だけなら窓リノベ、断熱改修と設備をまとめてやるならみらいエコ住宅、という選び分けになります。
【介護系】介護保険の住宅改修(上限20万円)
こちらが本記事の核です。省エネ系の記事では扱いが薄くなりがちですが、浴室リフォームで最も使われている制度でもあります。
いくら出るか
支給限度基準額は20万円です。要介護度に関係なく、一律20万円です。
ただし20万円がそのまま戻るわけではありません。20万円のうち、所得に応じて1割・2割・3割が自己負担になります。つまり、
- 自己負担1割の方 … 20万円の工事で18万円が支給、自己負担2万円
- 自己負担2割の方 … 16万円が支給、自己負担4万円
- 自己負担3割の方 … 14万円が支給、自己負担6万円
20万円を超えた分は全額自己負担です。25万円の工事なら、超過分の5万円はまるごと自己負担になります。
対象になる工事は6種類
介護保険の住宅改修で認められるのは、次の6種類だけです。
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑りの防止および移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え(扉の撤去を含む)
- 洋式便器等への便器の取替え
- 上記に付帯して必要となる工事
浴室に当てはめると、次のようになります。
- 浴槽への出入りのための手すり → 1番
- 脱衣所と洗い場の段差解消 → 2番
- 洗い場の滑りにくい床材への変更 → 3番
- 浴室ドアを開き戸から引き戸へ → 4番
- 上記に伴う下地補強や配管の移設 → 6番
逆に、対象にならないものもはっきりしています。
- 浴槽そのものの交換(またぎやすい浴槽への入れ替え)は、6種類に含まれません
- ユニットバスへの全面改装も、単体では対象外です
- 浴室暖房乾燥機の設置も対象外です
ただし、ユニットバス全体を入れ替える工事の中に、段差解消や手すり設置が含まれていれば、その部分だけを切り出して申請できる場合があります。工事費の内訳を分けてもらう必要があるので、ケアマネジャーと施工業者に相談してください。
前提条件:要介護・要支援の認定が必要
介護保険の制度なので、要支援1〜2または要介護1〜5の認定を受けていることが前提です。認定を受けていない方は使えません。
認定の申請は市区町村の介護保険担当課で行います。申請から認定まで通常1か月程度かかるので、リフォームを急いでいる場合は早めに動いてください。
最も重要な注意点:事前申請が必須
工事を始めてから申請しても、介護保険の住宅改修費は一切支給されません。
八王子市の説明では「市へ事前に申請し、改修計画の確認を受けること。(着工後の申請は制度の対象となりません。)」と明記されています。これは全国共通の運用です。
正しい順番はこうです。
- ケアマネジャー等に相談する(住宅改修が必要な理由書を作ってもらう)
- 施工業者に見積りを取る
- 市区町村に事前申請する(見積書・平面図・現況写真・理由書などを提出)
- 市区町村の確認を待つ
- 工事の着工
- 完成後、領収書・完成写真を添えて支給申請
- 支給
3番と4番を飛ばすと0円になります。 業者から「うちで手続きしますよ」と言われても、事前申請が済んでいるかを自分で確認してください。
20万円は1回きりか
原則として、20万円の枠は生涯で1回です。ただし例外が2つあります。
- 要介護区分が3段階以上上がった場合 … もう一度20万円まで使えます
- 別の住宅に転居した場合 … 転居先で改めて20万円まで使えます
また、20万円は一度に使い切る必要はありません。10万円分だけ工事して、残り10万円を後日使うこともできます。浴室の手すりを先に付け、後からトイレの改修を追加する、という使い方ができます。
償還払いと受領委任払い
支給の受け取り方に2通りあります。
- 償還払い … 工事費の全額をいったん自分で払い、あとから保険給付分が戻ってくる
- 受領委任払い … 自己負担分(1〜3割)だけを業者に払い、残りは市区町村から業者に直接支払われる
受領委任払いが使えると、手元の資金が大きく助かります。 20万円の工事なら、立て替えが2万円で済むか20万円必要かの違いです。
ただし、受領委任払いを使えるのは市区町村に登録した業者だけという自治体が多くあります。使いたい場合は、事前に市区町村と業者の両方に確認してください。
【介護系】自治体の高齢者住宅改修助成
介護認定を受けていない高齢者向けに、市区町村が独自の助成制度を持っていることがあります。名称は「高齢者住宅改修費助成」「住宅改造助成」などさまざまです。
- 介護保険の20万円とは別枠で使える自治体もあります
- 介護保険の20万円を使い切った後の上乗せとして設計されている自治体もあります
- 所得制限が設けられていることが多くあります
制度の有無・金額・併用の可否は自治体ごとにまったく違います。 お住まいの市区町村の高齢福祉担当課に問い合わせるのが確実です。
自治体独自の浴室リフォーム助成の探し方
ここまでの制度は国のものですが、横浜市・神戸市・名古屋市・さいたま市をはじめ、多くの市区町村が独自の住宅改修助成を持っています。 国の制度に自治体が上乗せする形と、自治体単独の制度の両方があり、内容は自治体ごとにまったく違います。全国の制度をこの記事で網羅することはできないため、自分で調べる手順を示します。
- 「(お住まいの市区町村名)+住宅改修+補助金」または「+浴室+助成金」で検索する。例: 「横浜市 住宅改修 助成金」「神戸市 浴室 改修 補助金」
- 検索結果の中から、市区町村の公式サイト(ドメインが
.lg.jpまたは市区町村名を含む公式ドメイン)だけを見る。リフォーム会社のまとめページは情報が古いことがあるため、最終確認は必ず公式ページで行う - 高齢者向けの改修助成は高齢福祉課・介護保険担当課、省エネ・耐震などの改修助成は住宅政策課・環境政策課が窓口になっていることが多いので、目的に応じて担当課を確認する
- 公式ページに制度が見つからない場合は、市区町村の代表電話から「浴室のリフォームで使える補助金はありますか」と聞くのが最短です。ページに載っていない小規模な制度が窓口対応でのみ案内されることもあります
- 東京都・埼玉県のように、都道府県が市区町村とは別に独自の上乗せ制度を持っている場合もあります。「(都道府県名)+住宅省エネ+補助金」でも確認してください
都道府県・市区町村の制度は、国の制度(みらいエコ住宅2026事業・介護保険の住宅改修)と併用できることが多くありますが、ルールは自治体ごとに異なります。 「国の補助を受けた分は対象経費から差し引く」という自治体もあれば、そのまま上乗せできる自治体もあるため、申請前に必ず窓口で確認してください。
マンション(分譲・賃貸)の浴室リフォームで注意すること
マンションにお住まいの方は、専有部分か共用部分かで使える制度が変わります。
| 部分 | 該当する工事の例 | 補助金の扱い |
|---|---|---|
| 専有部分 | 浴室内の設備交換(浴槽・給湯器・手すりなど)、専有部分の窓(内窓) | 区分所有者本人が、みらいエコ住宅2026事業・介護保険の住宅改修などを個別に申請できる |
| 共用部分 | 配管の更新、外窓のサッシ交換、建物全体の断熱改修 | 管理組合が合意のうえで申請する。個人では申請できない |
分譲マンションで浴室の窓を内窓にしたい場合、その窓が専有部分に当たるか共用部分に当たるかは管理規約によるため、リフォーム工事の前に管理組合・管理会社に確認が必要です。共用部分に当たる窓は、区分所有者が個人の判断で勝手に改修することはできません。
賃貸マンションにお住まいの方は、給湯器や浴室設備の交換は所有者(大家)の許可が前提です。介護保険の住宅改修は賃借人でも申請できますが、退去時の原状回復も含めて、事前に大家・管理会社と合意しておく必要があります。
2025年度から変わった点(2024・2025年の情報のまま計画しない)
「浴室 リフォーム 補助金 2024」「2025」で調べて出てくる記事は、内容が古くなっている可能性があります。2025年度から2026年度にかけての主な変更点をまとめます。
- 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は令和8年度は実施されません。 令和7年度の交付申請で終了しており、公式サイトに「令和8年度、本事業は実施しません」と明記されています。この制度を紹介した記事は情報が更新されていません
- 住宅省エネキャンペーンを構成する断熱改修の事業名が変わりました。 令和7年度は「子育てグリーン住宅支援事業」でしたが、令和8年度は「みらいエコ住宅2026事業」に変わっています。制度の看板が変わっただけでなく、必須工事の要件も変わっています
- 2026年度は、1つの居室で「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」を行うことが必須になりました。 以前は浴室の設備だけを対象にできた年度もありましたが、2026年度は窓の工事を組み合わせないと申請できません
過去年度の金額・要件をもとに見積りを取ると、実際の補助額と食い違います。 必ず2026年度版の要件で確認してください。
やりたい工事から制度を引く
浴室で行う工事ごとに、どの制度が使えるかをまとめます。
| やりたい工事 | みらいエコ住宅2026 | 窓リノベ2026 | 介護保険の住宅改修 |
|---|---|---|---|
| 高断熱浴槽への交換 | ◯(必須工事とセット) | ✗ | ✗ |
| 節湯水栓の設置 | ◯(必須工事とセット) | ✗ | ✗ |
| 浴室の窓を内窓にする | ◯(必須工事の一部) | ◯(5万円以上) | ✗ |
| 手すりの設置 | ◯(任意工事) | ✗ | ◯ |
| 脱衣所と洗い場の段差解消 | ◯(任意工事) | ✗ | ◯ |
| 滑りにくい床材への変更 | ✗ | ✗ | ◯ |
| 浴室ドアを引き戸に | ✗ | ドア交換なら◯ | ◯ |
| 浴室暖房乾燥機の設置 | ◯(任意工事) | ✗ | ✗ |
| ユニットバス全体の入れ替え | 必須工事を満たせば一部 | ✗ | 含まれる工事のみ |
| 給湯器の交換 | ◯(または給湯省エネ2026) | ✗ | ✗ |
手すりと段差解消は、みらいエコ住宅2026事業と介護保険の両方で対象になり得ます。 ただし同じ工事に両方の補助を受けることはできません。 どちらか有利なほうを選ぶことになります。
判断の目安は次のとおりです。
- 断熱改修を伴う大規模なリフォームをするなら → みらいエコ住宅2026事業でまとめる
- 手すりと段差解消だけの小規模な工事なら → 介護保険のほうが手続きが軽く、自己負担も小さい
いくら戻るか(3ケースで試算)
ケース1: 寒い浴室を暖かくしたい(省エネ型)
平成元年築の戸建てで、リビングの窓を内窓にし、天井と壁に断熱材を入れ、浴室に高断熱浴槽と節湯水栓を設置するケースです。
みらいエコ住宅2026事業の義務基準パターンに該当すれば、上限は100万円/戸です。実際の補助額は工事ごとの単価を積み上げて決まるため、施工業者に試算してもらってください。
必須工事を満たすためにリビングの窓工事が入るのがポイントです。浴室だけを見ていると、この費用が想定外になります。
ケース2: 親のために手すりと段差解消をしたい(介護型)
要介護2の認定を受けた親のため、浴室に手すり2本、脱衣所と洗い場の段差解消、滑りにくい床材への変更を行う。工事費の見積りが18万円。
自己負担1割の場合、16.2万円が支給され、自己負担は1.8万円です。20万円の枠のうち2万円が残るので、後日トイレに手すりを付けることもできます。
この規模なら介護保険だけで完結します。 みらいエコ住宅2026事業を使おうとすると窓と躯体の断熱改修が必須になり、工事が一気に大きくなります。
ケース3: 寒さと安全の両方を直したい(併用型)
昭和60年築の戸建て。浴室を全面改装し、あわせてリビングと浴室の窓を内窓にする。工事費の総額が200万円。
- みらいエコ住宅2026事業 … 窓+躯体の断熱改修と高断熱浴槽・節湯水栓で積み上げ。住宅の建築年が平成3年以前なので上限100万円/戸
- 介護保険の住宅改修 … 全面改装の内訳から、手すり・段差解消・床材変更だけを切り出して申請。仮に工事費18万円分なら1割負担で16.2万円が支給
同じ工事に両方を充てることはできません。 高断熱浴槽はみらいエコ住宅、手すりは介護保険、というように工事項目ごとに振り分けます。 見積書を項目ごとに分けてもらうことが前提になります。
この振り分けは施工業者とケアマネジャーの両方に関わるため、着工前に三者で内訳を確認するのが確実です。
業者選びで先に確認すること
浴室リフォームは、系統によって「頼むべき相手」が違います。ここを間違えると、工事はできても補助金だけが取れません。
省エネ系を使う場合
住宅省エネ支援事業者として事務局に登録済みの施工業者でなければ、申請そのものができません。見積りを取る前に事業者登録番号を聞いてください。「補助金は対応できます」という口頭の返事だけで進めないことです。
使用する浴槽・水栓・窓も、メーカーが事務局に登録した対象製品に限られます。カタログに「高断熱浴槽」と書いてあっても、登録されていなければ補助は出ません。見積書の型番と、公式サイトの対象製品一覧を突き合わせて確認してください。
介護保険を使う場合
こちらは施工業者の登録要件はありません。ただし、受領委任払いを使いたい場合は市区町村に登録した業者に限られることが多くあります。立て替えの負担を減らしたい方は、業者選びの段階で確認してください。
そしてもう1つ、住宅改修が必要な理由書を作成できる人が関わっているかが重要です。これはケアマネジャー、地域包括支援センターの職員、福祉住環境コーディネーター2級以上の資格者などが作成します。担当のケアマネジャーがいる方は、まずそこに相談するのが最短です。
両方を使う場合
見積書を工事項目ごとに分けてもらう必要があります。「浴室改装一式 180万円」という書き方では、どの部分が介護保険の対象工事なのかを切り出せません。着工前に内訳を出してもらってください。
対象外になる・支給されない要因
- 介護保険で、事前申請をせずに着工した … 最も多い失敗です。1円も出ません
- 省エネ系で、工事請負契約より前に着工した … 同じく対象外です
- 登録のない施工業者と契約した(省エネ系)… 対象製品を使っていても出ません
- みらいエコ住宅2026事業で、必須工事を満たしていない … 浴槽だけ、水栓だけでは通りません
- 窓リノベで補助額が5万円に届かない … 浴室の小窓1か所だけでは届かないことがあります
- 介護保険で、対象6種類に含まれない工事を申請した … 浴槽交換・浴室乾燥機は対象外です
- 要介護・要支援の認定を受けていない(介護保険)
- 予算上限に達した後の申請(省エネ系)
- 令和7年度で終了した制度を前提に計画した … 長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和8年度は実施されません
よくある質問
浴室リフォームの補助金はいくらもらえますか?
省エネ系のみらいエコ住宅2026事業なら1戸あたり40〜100万円が上限です(住宅の建築年と断熱性能の水準による)。介護保険の住宅改修なら支給限度基準額20万円で、そのうち所得に応じて7〜9割が支給されます。この2つは対象になる工事が違うので、どちらを使うかは「寒さを直したいか、安全を確保したいか」で決まります。
浴槽だけを交換したいのですが、補助金は使えますか?
2026年度は難しくなりました。みらいエコ住宅2026事業は、1つの居室で「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」を行うことが必須になったため、高断熱浴槽の設置だけでは申請できません。窓の工事を最低1か所組み合わせる必要があります。また、介護保険の住宅改修は対象6種類に浴槽交換が含まれていないため、こちらも使えません。
介護保険の20万円は何回でも使えますか?
原則として生涯1回です。ただし、要介護区分が3段階以上上がった場合と、別の住宅に転居した場合は、改めて20万円まで使えます。また、20万円を一度に使い切る必要はなく、10万円分だけ工事して残りを後日使うこともできます。
工事が終わってから申請してもいいですか?
いけません。介護保険の住宅改修は、市区町村への事前申請と改修計画の確認を受けてからでなければ着工できず、着工後の申請は制度の対象外になります。省エネ系の事業も、工事請負契約より前に着工した工事は対象外です。どちらの系統でも「申請してから工事」が原則です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業は使えますか?
令和8年度は実施されません。公式サイトに「令和7年度の交付申請は締め切りました。令和8年度、本事業は実施しません」と明記されています。この制度を紹介している記事は情報が更新されていないものです。同等の規模で使えるのは、みらいエコ住宅2026事業になります。
