補助金kw

外壁塗装の補助金、「塗るだけ」だと対象外の理由

#地域補助金#地域
締切
公式ページで要確認

外壁塗装の見積を取ると、30坪程度の住宅でも60万〜90万円、面積が広ければ100万円を超えることがあります。足場を組む費用、下地の補修費用、複数回に分けて塗る手間賃を合わせるとこの金額になり、決して安い工事ではありません。この金額を見て「補助金は使えないか」と考えるのは自然な発想です。

ただ先に結論を言うと、「外壁の色を塗り替えるだけ」の工事に使える国の補助金はありません。外壁塗装が補助の対象になるのは、遮熱塗料・高日射反射率塗料への交換など、省エネ性能を上げる工事だと認められた場合に限られます。ここを知らずに「外壁塗装 補助金」で検索し、期待して自治体の窓口に行くと、対象外と言われて終わることが少なくありません。

なぜ単純な塗り替えは対象外になりやすいのか。自治体の補助制度の多くは「省エネ改修」や「地球温暖化防止」という予算枠の中に組み込まれており、外壁の見た目を良くすること自体には予算が付いていないからです。塗料を性能で選び、断熱・遮熱という効果を数値で示せる工事だけが、その予算枠の対象になります。この線引きを知らずに窓口へ行くと、「外壁塗装は対象外です」とだけ言われて終わってしまいがちですが、実際には「塗料の種類を変えれば対象になる」という手前で線が引かれています。

何から始めるか

外壁塗装で補助金を使おうと考えたとき、多くの人が最初にやってしまうのが「業者に見積を依頼して、いい塗料を選んでもらう」ことです。しかし、これが実は一番危険な順番です。 補助金の対象になる制度は、たいてい「工事の契約・着工前に申請し、交付決定を受けてから発注する」という順番を求めます。

  1. お住まいの自治体(環境政策課・住宅課など)に、遮熱・省エネ塗装を対象にした補助制度があるか確認する
  2. 制度があれば、対象になる塗料の種類(高日射反射率塗料・遮熱塗料等)を確認する
  3. 対象塗料を使う前提で見積を取り、交付申請を行う
  4. 交付決定を受けてから業者と契約・着工する
  5. 工事完了後、実績報告を提出し、補助金を受け取る

先に契約・着工してしまうと、その時点で補助の対象外になる自治体が多いため、見積を取る段階から「補助金を使いたい」と業者に伝え、申請のタイミングを合わせてもらうことが重要です。

まず知っておくこと:国の制度に「外壁塗装補助金」はない

外壁塗装や屋根塗装そのものを目的とした、全国共通の国の補助金は存在しません。東京都のような都道府県・市区町村が独自に実施する制度を探すことになります。

では何が対象になるのか。 東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」を例にすると、補助の対象経費は断熱材の購入費や高断熱浴槽の購入費が中心で、遮熱塗装については塗料代のみが補助対象です。つまり「外壁を塗る」という工事全体ではなく、その工事の中の「省エネ性能を高める部分」だけが補助の対象になる、という考え方です。

この線引きを知らないと、「塗装費用の一部が戻ってくる」と期待して、実際には塗料代の一部しか対象にならず、想定より少ない金額に驚くことになります。「補助金があるから外壁塗装をする」のではなく、「外壁塗装をするなら、条件に合う塗料を選んで補助金も使う」という順序で考えると、期待とのズレが小さくなります。 塗装のタイミング自体は、外壁の劣化状況(チョーキング現象・ひび割れ等)にもとづいて決めるのが基本で、補助金の有無を理由に工事の時期を早める・遅らせる必要はありません。

見積を取る前に確認しておくこと

補助金を使う前提で外壁塗装を進める場合、見積の取り方も普段と少し変わります。次の3点を、業者への相談前に自分で確認しておくと、手続きがスムーズになります。

  • 自治体の補助制度の有無と、対象になる塗料の条件(遮熱塗料・高日射反射率塗料など、指定の性能基準を満たす製品かどうか)
  • 申請の締切・予算枠の残り(予算に達すると年度の途中で受付が終了する自治体が多いため、早めの確認が必須)
  • 業者が補助金の申請書類(見積書の書式など)に対応してくれるか(自治体指定の様式で見積を出してもらう必要がある場合があります)

業者に「補助金を使いたい」と伝えるタイミングは、見積を依頼する最初の段階が理想です。契約直前や工事開始後に伝えると、申請のタイミングに間に合わないことがあります。外壁塗装の専門業者であっても、自治体の補助制度に詳しいとは限らないため、業者からの案内を待つのではなく、施主側から自治体に確認する姿勢のほうが確実です。

実際に対象になる工事・ならない工事

工事の内容補助の対象になりやすいか
通常の塗料での塗り替え(色や見た目の維持のみ)対象外になることが多い
遮熱塗料・高日射反射率塗料への塗り替え自治体の省エネ改修補助の対象になりうる(塗料代のみが対象の場合もある)
外壁の断熱改修(外壁材ごと張り替える等)断熱リフォームの補助対象になりうる
防火性能の向上を伴う改修防火・耐震化系の助成制度の対象になりうる場合がある
横にスクロールできます

ここが「外壁塗装 補助金」で検索する人が一番知りたいところです。 単純な塗り替えは対象外、性能向上を伴う塗り替えは対象になりうる、というのが実態に近い整理です。

遮熱塗料・断熱塗料とはどんな塗料か

補助金の対象になりやすい「遮熱塗料」「断熱塗料」がどんな塗料か分からないと、業者との会話でも判断がつきません。簡単に整理しておきます。

  • 遮熱塗料: 太陽光(近赤外線)を反射し、外壁や屋根の表面温度が上がりにくくなる塗料。高日射反射率塗料とも呼ばれます
  • 断熱塗料: セラミック素材などを配合し、熱の伝わりを遅くする塗料。外からの熱を室内に伝えにくくする効果があります
  • 一般的なシリコン塗料などと比べて塗料自体の価格が高くなることが多く、その価格差の一部を補助金でカバーする、という位置づけになります

通常の塗料からこれらの塗料に変更すると、材料費が上がります。 自治体の補助金は、この上がった分の負担を一部軽くする仕組みだと理解すると、金額感がつかみやすくなります。

自治体の実例で見る(東京都内)

  • 国立市「住宅省エネルギー化補助制度」: 屋根・屋上の高日射反射率塗料または遮熱塗料の塗装で、上限4万円の補助
  • 東京都「既存住宅における省エネ改修促進事業」: 高断熱窓・ドア・断熱材・浴槽が中心の補助制度で、遮熱塗装は塗料代のみが対象経費に含まれる
  • 杉並区「エコ住宅促進助成」・墨田区「地球温暖化防止設備導入助成制度」: いずれも省エネ設備・改修を対象にした自治体独自制度で、外壁の遮熱・断熱改修が対象に含まれる場合がある
  • 千代田区「ヒートアイランド対策助成」: 屋上・壁面の高反射率塗料・熱交換塗料での塗り替えなどが対象に含まれる制度です。区の環境政策課が窓口になっています

共通して言えるのは、「外壁塗装」という名前の補助金ではなく、「省エネ改修」「環境対策」という名前の補助金の中に、条件付きで外壁塗装(の性能向上部分)が含まれている、という構造です。 自分の自治体で探すときも、「外壁塗装」ではなく「省エネ改修」「遮熱」「断熱リフォーム」といった語で探すほうが見つかりやすくなります。

いくら戻るかを計算する

自治体の実例を使って、実際にどれくらい戻るかを計算してみます。

ケース: 30坪の住宅で外壁塗装を行い、遮熱塗料(高日射反射率塗料)に変更する場合 工事費全体が80万円だったとします。国立市の「住宅省エネルギー化補助制度」のように上限4万円の定額補助であれば、工事費80万円に対して補助されるのは4万円のみで、実質負担は76万円です。「補助金が出る」と聞いて期待する金額と、実際に出る金額には大きな差があることが分かります。

東京都の省エネ改修促進事業のように「塗料代のみ」が対象になる制度の場合、工事費80万円のうち塗料代が15万円だとすると、補助の対象になるのはこの15万円部分だけです。ここに補助率がかかるため、さらに実際の補助額は小さくなります。

業務の変化まで見るとこうなります。 「外壁塗装で数十万円戻る」という期待を持って動くと、実際の補助額(多くは数万円程度)とのギャップに驚くことになります。外壁塗装の補助金は「工事費の負担を大きく減らす」ためのものではなく、「性能向上の一部を後押しする」ための小規模な支援だと捉えておくのが実態に近い理解です。

それでも、数万円でも戻ってくるなら申請する価値はあります。 申請書類の準備自体は、見積書・現況写真・塗料の性能資料をそろえるだけで、大がかりな手間ではありません。「どうせ大した金額にならないから」と申請自体を諦めてしまうのは、もったいない判断です。

申請してから工事完了までの流れと注意点

外壁塗装の補助金は、申請から実際に補助金が振り込まれるまで、3か月〜半年程度かかることが多いとされています。全体の流れは次のようになります。

  1. 交付申請: 見積書・工事計画書等を添えて自治体に提出
  2. 審査: 自治体による審査(1〜2週間程度かかることが多い)
  3. 交付決定通知: 審査が通れば「交付決定通知書」が届く
  4. 契約・着工: 交付決定を受けてから業者と契約し、工事を始める
  5. 完了報告: 工事完了後、完了報告書・工事費用の証明書類を提出
  6. 確定通知・振込: 自治体の確認を経て補助金が振り込まれる

申請した内容と違う工事に変更する場合は、その都度追加の申請が必要になる点にも注意が必要です。例えば「遮熱塗料で申請したが、施工中に別の塗料に変更した」というケースでは、変更後の内容が対象外になる可能性があります。

書類をそろえる

自治体独自の遮熱・省エネ塗装補助で、共通して求められる書類はおおむね次のとおりです。

  • 補助金交付申請書(自治体の窓口・公式ページで入手)
  • 工事箇所の現況写真(申請時点、着工前のもの)
  • 使用予定の塗料の性能を示す資料(メーカーのカタログ・性能証明書等)
  • 工事費の見積書
  • 工事完了後の写真、工事費用の支払いを証明する書類(完了報告時)

「使用予定の塗料の性能を示す資料」は、業者から取り寄せる必要があるため、見積の依頼時にあわせて頼んでおくと後の手続きがスムーズになります。塗料のメーカー名・製品名が分からないまま申請すると、対象になる塗料かどうかの判断ができず、審査が長引く原因になります。見積書の段階で塗料名が明記されているかを確認しておくだけでも、後々のやり直しを防げます。

国の窓の断熱改修とセットにする手もある

外壁塗装単体では国の補助が使えなくても、窓の断熱改修(内窓設置等)とあわせて実施すれば、国の住宅省エネキャンペーン系の補助金と、自治体の外壁関連補助金を両方使えるケースがあります。

例えば窓10か所の内窓設置で国から約50万円、東京都から別枠で約30万円が出た実例があり、合計で約80万円の補助を受けたケースが報告されています。外壁塗装だけを目的にするより、窓や断熱をあわせて計画したほうが、使える補助金の選択肢が広がります。

複数の補助金を併用できるか

外壁塗装の遮熱塗装補助と、窓の断熱改修の補助を同時に使えるかどうかは、多くの読者が気になる点です。

  • 異なる工事(外壁の塗料と窓の断熱改修)に対する補助であれば、同時に申請できることが多いです。前述の窓10か所の内窓設置で国から約50万円、都道府県から別枠で約30万円が出た実例のように、国と自治体の制度を組み合わせるケースもあります
  • ただし同じ工事に対して2つの制度から重複して補助を受けることはできません。 例えば「外壁の遮熱塗装」に対して、自治体のヒートアイランド対策助成と省エネ改修助成の両方から補助を受けることは、通常認められません
  • 複数の補助金を併用したい場合は、それぞれの窓口に「他の補助金と併用可能か」を必ず確認する必要があります。自治体の担当課が違うと、互いの制度を把握していないこともあるため、施主側から両方に確認するのが確実です

「補助金を使えば使うほど得」と考えて複数申請を計画する前に、まず1つの制度の対象条件と手続きを正確に理解するほうが、結果的に早く進みます。 制度が変わるたびに求められる書類・タイミングが異なるため、同時進行で管理するのは意外と手間がかかります。

また、申請先が国と自治体で分かれる場合、それぞれ別の締切・別の予算枠で動いていることも押さえておく必要があります。国の窓の断熱改修の予算枠が残っていても、自治体側の外壁関連の予算が先に埋まってしまうこともあり、「片方だけ通って片方は対象外だった」という結果になることも珍しくありません。

事業者(店舗・事務所)が外壁塗装をする場合

これまでは個人の住宅を前提に説明してきましたが、店舗や事務所など事業用の建物の外壁塗装を検討している事業者の場合、使える制度が変わることがあります。

  • 個人向けの省エネ改修助成は、多くが居住用の住宅を対象にしており、店舗専用の建物は対象外になることが多いです
  • 事業者の場合、小規模事業者持続化補助金のような事業支援系の補助金の中に、店舗の外観改修(外壁塗装を含む)が対象経費として認められる場合があります。ただし「販路開拓の取組」として位置づけられる必要があり、単なる老朽化対策としての塗装は対象になりにくい点に注意が必要です
  • 自治体の商店街活性化事業の一環で、店舗の外観整備に補助が出るケースもあります

事業用の建物は「個人の省エネ改修」と「事業者向けの補助金」の両方を確認する必要があるという点が、個人の住宅との大きな違いです。窓口が異なり、必要書類の様式も異なるため、事前に商工会・商工会議所と自治体の環境政策課の両方に相談しておくと、どちらの制度がより有利かを比較検討できます。

外壁塗装以外の工事を検討している場合

張替え・断熱改修・防火性能の向上など、塗装以外の外壁工事を検討している場合は、対象になる制度の範囲がさらに広がります。塗装以外の外壁工事に使える補助金の全体像は、次の記事で詳しく整理しています。

外壁の張替え・断熱・防火性能向上まで含めた補助金の探し方は「外壁工事の補助金」をご覧ください。

よくある質問

外壁塗装だけでも補助金は使えますか?

単純な色の塗り替えだけでは対象外になることが多いです。遮熱塗料・高日射反射率塗料への交換など、省エネ性能を高める工事だと認められた場合に、自治体独自の制度で対象になる可能性があります。

補助金は工事費全体に出ますか?

いいえ。東京都の制度のように、塗料代のみが補助対象になるケースがあり、足場代や下地処理費などの工事費全体には出ないことがあります。金額のイメージは自治体の公式ページで確認する必要があります。

国の補助金は使えませんか?

外壁塗装単体を目的にした国の補助金はありません。ただし窓の断熱改修など他の省エネ工事とあわせれば、国の住宅省エネキャンペーン系の補助金が使える場合があります。

どの自治体でも同じ補助金がありますか?

いいえ。自治体ごとに制度の有無・補助率・上限額が異なります。 実施していない自治体もあるため、お住まいの市区町村の公式ページで「省エネ改修」「遮熱塗装」等のキーワードで確認するのが確実です。

先に業者と契約してしまいましたが、あとから補助金を申請できますか?

自治体によって扱いは異なりますが、多くの制度は「交付決定前の契約・着工」を対象外にしています。 すでに契約している場合は、まず自治体の窓口に相談し、対象になるかどうかを確認してください。

外壁塗装の補助金で工事費の半分くらいは戻りますか?

実態としては戻りません。多くの自治体の制度は数万円程度の定額補助か、塗料代のみを対象にした補助であり、工事費全体の大きな割合を占める補助にはなりにくいのが実情です。過度な期待をせず、金額を確認したうえで計画することをおすすめします。

店舗の外壁塗装でも補助金は使えますか?

個人向けの省エネ改修助成は居住用住宅が中心で、店舗は対象外になることが多いです。事業者の場合は、小規模事業者持続化補助金など事業支援系の補助金の中で、外観改修が「販路開拓の取組」として認められるかを確認する必要があります。

どの塗料を使えば補助金の対象になりますか?

自治体が指定する遮熱塗料・高日射反射率塗料・断熱塗料などが対象になることが多いです。ただし対象となる塗料の種類・基準は自治体ごとに異なるため、業者に依頼する前に自治体の公式ページで対象塗料の条件を確認することをおすすめします。

申請から補助金が振り込まれるまでどれくらいかかりますか?

自治体・審査の混雑状況によりますが、申請から補助金の受け取りまで3か月〜半年程度かかることが多いとされています。工事を急いでいる場合でも、この期間を見込んで早めに動き出すことをおすすめします。

補助金の予算がなくなった場合、どうなりますか?

多くの自治体の制度は予算枠が決まっており、上限に達すると年度の途中でも受付を終了します。 「今年度はまだ大丈夫」と思って動くと、実際には数か月前に締め切られていることもあるため、検討を始めた段階で早めに窓口へ確認することをおすすめします。

補助金を使わずに外壁塗装をするのと比べて何が違いますか?

補助金を使うかどうかで工事そのものの品質は変わりません。違うのは使用する塗料の選択肢と手続きの手間です。対象になる塗料を選び、決められた順序で申請すれば数万円が戻る可能性がありますが、その分書類の準備や審査待ちの時間がかかります。工期を急ぐ場合は、補助金を使わない選択も現実的です。

この補助金について、専門家に相談する

対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

この補助金の専門家に相談する

免責事項: 本記事の内容は2026年9月時点で確認できた情報にもとづきます。補助上限額・補助率・対象要件・受付状況は自治体・年度により変更される場合があるため、申請前に必ず各自治体の公式ページで最新の内容をご確認ください。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
白木さん|元・自治体職員
制度をつくる側にいた元・自治体職員(産業振興)

市の産業振興課で補助金の設計・審査に関わってきました。「なぜこの要件があるのか」を制度の目的から説明できるのが強みです。窓口では伝えきれなかった制度の意図まで踏み込んで書きます。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。