海外で特許や商標を取りたくても、出願費用の高さで踏み出せない中小企業は少なくありません。国内出願と違い、外国出願は現地代理人費用や翻訳費用が別途かかり、金額が読みにくいのが実情です。工業所有権情報・研修館(INPIT)は、この外国出願・その後の手続にかかる費用の一部を補助する制度を設けています。
令和8年度からは、出願そのものにかかる費用を補助する「出願手続補助」に加えて、審査請求や拒絶理由通知への応答など、出願後の手続にかかる費用を補助する「中間手続補助」が新設されました。
図: INPIT外国出願補助金の全体像。詳しくは本文で解説します
INPIT外国出願補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主)※中小企業者、創業間もないスタートアップ(創業特定法人)、大学等、これらから実施権の設定・許諾を受けた個人・法人 |
| 制度名 | INPIT外国出願補助金 |
| 対象業種 | 指定なし(特許・実用新案・意匠・商標を外国に出願する事業者) |
| 利用目的 | 外国出願にかかる費用の補助(出願手続補助)、審査請求・拒絶理由通知への応答等にかかる費用の補助(中間手続補助) |
| 対象地域 | 全国(実施:独立行政法人工業所有権情報・研修館) |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者に準ずる(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当) |
| 補助上限額 | 公式ページに金額の明記が確認できず(詳しくはINPIT公式ページの公募要領(PDF)でご確認ください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(同上) |
| 申請受付 | 令和8年度は複数回公募。第4回は9月7日〜9月28日を予定 |
| 公式サイト | https://www.inpit.go.jp/shien/gaikoku/index.html |
出願手続補助と中間手続補助の違い
2つの補助は、対象になる費用のタイミングが違います。
- 出願手続補助:特許・実用新案・意匠・商標を外国に出願する時点の費用(出願手数料、現地代理人費用、翻訳費用等)が対象
- 中間手続補助:出願した後、審査請求や拒絶理由通知への応答など、権利化に至るまでの手続費用が対象
出願しただけで終わらず、審査対応の途中で費用がかさむのが外国出願の実情です。中間手続補助の新設は、そこを埋める狙いがあります。
「中小企業者」の判断で迷ったら
早見表にある中小企業基本法上の中小企業者の定義は、業種ごとに基準が異なります。自社がどの業種区分に当たるか、資本金と従業員数のどちらで判定するかで迷う場合は、INPIT外国出願補助金事務局に確認するのが確実です。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
中小企業者に該当する個人事業主も対象に含まれます。詳しい判定基準は公募要領でご確認ください。
すでに出願済みの案件も対象になりますか?
補助の種類(出願手続補助・中間手続補助)によって対象になるタイミングが異なります。公募要領に記載の対象期間を確認してください。
補助率や上限額はどこで確認できますか?
INPIT外国出願補助金の公式ページに掲載されている、回次ごとの公募要領(PDF)に記載されています。事務局への電話問い合わせでも確認できます。
