第15次公募で、専門家活用枠に新しい類型が一つ増えました。小規模売り手支援類型です。個人事業主が店舗や事業を売る場面を想定した枠です。

結論から言うと、個人事業主も事業承継・M&A補助金の対象です。中小企業だけの制度ではありません。ただし、使える枠と注意点は法人と少し違います。

個人事業主も対象になる(結論)

対象事業者の基準は、資本金または従業員数です。個人事業主の場合は従業員数で判定されます。

  • 小売業:常時使用する従業員5人以下(小規模事業者)
  • サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):同じく5人以下
  • 上記以外の業種:20人以下

多くの個人事業主は、この基準に当てはまります。法人化しているかどうかは、対象・対象外を分ける要件ではありません。

個人事業主が使う枠はどれか

4つの枠のうち、個人事業主が使う場面が多いのは次の2つです。

  • 専門家活用枠(小規模売り手支援類型):個人事業主が店舗や事業を第三者に売る場合。補助上限450万円、補助率2/3
  • 事業承継促進枠:親族や従業員に事業を継がせ、その後継者が設備投資や新しい取組をする場合。補助上限800万円(賃上げ要件で1,000万円)、補助率1/2以内(小規模事業者は2/3以内)

廃業する場合は、廃業・再チャレンジ枠も使えます。補助上限150万円、補助率1/2以内(要件により2/3以内)です。

いくらもらえるか(個人事業主のシミュレーション)

美容室(従業員2人・個人事業主が第三者に事業を譲渡) M&A支援機関登録制度に登録された仲介業者に依頼し、仲介手数料の見積もりは150万円。従業員2人は小規模事業者の基準(5人以下)に該当するため、専門家活用枠の小規模売り手支援類型が使えます。 → 150万円 × 2/3 = 約100万円の補助(上限450万円の範囲内)。

雑貨店(従業員3人・親族に承継し、キャッシュレス決済とネット販売を導入) 子どもが後を継ぎ、老朽化したレジをタブレット型のPOSレジに更新。ネット販売もあわせて始める計画で、見積もりは180万円(事業承継促進枠)。従業員3人は小規模事業者に該当し、補助率2/3。 → 180万円 × 2/3 = 120万円の補助(上限800万円の範囲内)。

屋号・許認可の引き継ぎは対象になるか

個人事業の譲渡では、屋号や許認可を引き継げるかどうかが気になるところです。ここは補助金の対象・対象外の話ではありません

飲食店営業許可のように、業種によっては許認可が個人単位で発行されており、譲渡先が改めて取得し直す必要がある場合があります。この判断は法律にもとづくもので、税理士・行政書士など専門家の領域です。

補助金が対象にするのは、あくまで承継・M&Aにかかる仲介手数料や設備投資などの費用です。許認可を引き継げるかどうか自体が、補助金の審査対象になるわけではありません。

対象にならないものの例

  • M&A支援機関登録制度に未登録の仲介業者への支払い
  • 交付決定より前に契約・発注した費用
  • 個人の生活費や、事業と関係のない支出
  • 風俗営業等、公的資金の使途として不適切とされる事業

対象経費は、あくまで承継・M&Aに直接かかる費用に限られます。事業と私生活の支出が混在しがちな個人事業主は、この線引きを特に意識しておきたいところです。

必要書類とタイミング

タイミングやること
検討を始めたらすぐGビズIDプライムを取得する(個人事業主も取得可能。発行に2〜3週間)
枠が決まったら専門家活用枠ならM&A支援機関登録済みの仲介業者を選ぶ/事業承継促進枠なら認定経営革新等支援機関に相談する
公募期間中電子申請システム(Jグランツ)で申請。確定申告書の写しなど個人事業主向けの添付書類を用意
採択発表後交付決定(契約・発注はここから)
事業実施後実績報告 → 入金
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GビズIDプライムは法人・個人事業主のどちらでも取得できます。発行までに2〜3週間かかるため、検討を始めた段階で申請しておくと安心です。

法人成りしてから申請すべきか

法人化していないと使えない制度ではありません。個人事業主のままでも申請できます。

一方で、譲渡の手法(事業譲渡か、法人成りしたうえでの株式譲渡かなど)によって、税務上の扱いは変わります。この判断は税理士の領域です。補助金の対象になるかどうかとは切り離して、別途専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問

個人事業主でも小規模売り手支援類型は使えますか?

はい。第15次公募で新設されたこの類型は、個人事業主が想定される場面の一つです。補助上限450万円、補助率2/3です。

屋号や許認可は補助金の審査に関わりますか?

いいえ。屋号・許認可の引き継ぎ可否は法律上の判断であり、補助金の対象・対象外を分ける要件ではありません。判断そのものは税理士・行政書士に確認してください。

従業員がいない一人事業主でも対象になりますか?

対象になります。従業員数の基準は「上限」であり、従業員がいない、または少人数でも問題ありません。むしろ小規模事業者の基準(5人以下・20人以下)に該当しやすく、補助率が上がる場合があります。


小規模売り手支援類型は新設されたばかりの枠で、どう事業計画に位置づけると伝わりやすいかの実例がまだ広く出回っていません。GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、記入の考え方を紹介しています。

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この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
制度名事業承継・M&A補助金(専門家活用枠[小規模売り手支援類型を含む3類型]/事業承継促進枠/PMI推進枠/廃業・再チャレンジ枠)
対象業種全業種
利用目的事業を引き継ぎたい
対象地域全国
従業員数個人事業主も対象。小規模事業者は業種により5人以下または20人以下
補助上限額小規模売り手支援類型は450万円。他枠は150万円〜1,000万円(特例で最大2,000万円)
補助率1/2〜2/3(枠・要件で変動。小規模売り手支援類型は2/3)
申請受付第15次公募は2026年7月24日(金)17:00に終了。次回(16次)は公式サイトで随時発表
公式サイト事業承継・M&A補助金 公式サイト
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

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※補助上限額・補助率・公募スケジュールなどの制度内容は、公募要領の改定により変更される場合があります。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

出典(一次情報): 事業承継・M&A補助金 公式サイト令和7年度補正予算(15次公募)中小機構「補助金活用ナビ」事業承継・M&A補助金のご案内