コロナ融資の返済が重い。物価高でさらに厳しくなっている。こんなとき使える保証制度はあるのか——あります。ただし、金融機関の窓口に直接申し込むだけでは使えません。 「経営サポート会議」や「中小企業再生支援協議会」等の支援を受けて作成した再生計画等にもとづくことが前提の制度です。
「経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)」は、2025年3月31日に終了した「感染症対応型」の後継として始まった信用保証制度です。これは補助金ではありません。 融資を受けるときに信用保証協会に支払う保証料を、国の政策で引き下げる仕組みです。借りたお金の返済義務は変わりません。
保証限度額は2億8,000万円。一般の普通保証・無担保保証とは別枠で使えます。既存の保証枠を使い切っていても、この制度なら追加で保証を受けられる可能性があります。
経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者) |
| 制度名 | 経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型) |
| 対象業種 | 全業種(信用保証協会の保証対象業種。新型コロナウイルス感染症の影響で借入が過大となり、物価高・人手不足等により厳しい状況にある事業者) |
| 利用目的 | 事業再生を実行するために必要な資金(コロナ融資の借換を含む) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業者(中小企業信用保険法上の中小企業者。業種ごとに資本金・従業員数の基準が定められています) |
| 補助上限額 | 保証限度額2億8,000万円(一般の普通・無担保保証とは別枠) |
| 補助率 | 保証割合は責任共有保証(80%保証)が原則。ただし100%保証、およびセーフティネット5号からの借換は100%保証(いずれも既往の保証付き借入金の範囲内に限る)。保証料率0.3%(国による軽減前は原則0.8%または1.0%) |
| 申請受付 | 「感染症対応型」終了(2025年3月31日)後に開始。取扱期間の終期は公式ページに記載なし(各信用保証協会へお問い合わせください) |
| 公式サイト | 中小企業庁「物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業者に向けた新しい保証制度の取扱いを開始します」 |
図: 経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)の全体像。詳しくは本文で解説します
対象になる/ならないの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| コロナの影響で借入が過大になり、物価高・人手不足でさらに厳しい状況にある中小企業者 | 借入過多の状態にない、通常の資金需要で融資を検討している事業者(他の保証制度の対象になり得ます) |
| 経営サポート会議や中小企業再生支援協議会等の支援を受けて再生計画等を作成できる事業者 | 金融機関や支援機関を通さず、単独で保証を申し込みたい事業者 |
金融機関の窓口に直接「この保証を使いたい」と申し込むだけでは進みません。経営サポート会議か中小企業再生支援協議会のどちらかを通じて再生計画等を作成することが前提になっています。まずは取引金融機関か、都道府県の中小企業再生支援協議会に相談するところから始まります。
よく誤解されるポイント【コロナ融資の借換だけの制度ではない】
「セーフティネット5号からの借換」という文言があるため、コロナ融資の借換専用の制度だと誤解されがちですが、対象は借換に限られません。事業再生を実行するために必要な資金であれば、新規の資金調達にも使えます。保証割合が100%になるのは、あくまで「セーフティネット5号からの借換」と「既往の保証付き借入金の範囲内で借り換える場合」に限られ、それ以外は責任共有保証(80%保証)が原則です。
似た名前の制度との違い
同じ案内ページには、物価高・人手不足の影響を受ける中小企業者向けの「協調支援型特別保証制度」という別の保証制度も掲載されています。こちらはプロパー融資の併用と経営行動計画の策定・報告が要件で、経営サポート会議や再生計画は前提になっていません。「借入が過大で事業再生が必要」なら経営改善サポート保証、「価格高騰・人手不足への対応として新たな投資をしたい」なら協調支援型特別保証制度、というのが大まかな使い分けです。
よくある質問
Q. 金融機関に直接申し込めますか?
A. 直接は申し込めません。経営サポート会議または中小企業再生支援協議会等の支援を受けて再生計画等を作成することが前提です。まずは取引金融機関か中小企業再生支援協議会に相談してください。
Q. コロナ融資の借換以外にも使えますか?
A. 使えます。対象は「事業再生を実行するために必要な資金」全般で、借換に限定されていません。ただし保証割合100%が適用されるのは借換等の一部のケースに限られます。
Q. 一般の保証枠を使い切っていても利用できますか?
A. 利用できる可能性があります。この制度の保証限度額2億8,000万円は、一般の普通保証・無担保保証とは別枠です。
