予備自衛官が招集されると、勤め先は社員を日数ぶんだけ失います。その穴を埋めるため、雇う側に1人1日3.4万円が支給されます。支給日数には上限90日があり、最大は306万円です。休日は日数に入らず、予備自衛官本人が事業主の場合は対象外です。
雇用企業協力確保給付金の要点まとめ
正式名:雇用企業協力確保給付金
だれが
- 申請者
- 事業者(予備自衛官等を雇う法人・団体・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 従業員が招集で勤務先を離れた期間の支援
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限306万円(日額3.4万円 × 90日)
- 補助率
- 定額(日額×勤務先で働けなかった日数)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 締切の記載なし(地方協力本部に申請書を出す)
- 公式サイト
- 防衛省・自衛隊「予備自衛官等の各種制度」
うちの会社は対象になる?
予備自衛官と即応予備自衛官は、普段は民間で働き、必要なときに自衛官として招集される人です。次の4つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 予備自衛官本人が個人事業主
- ✕ 国・地方公共団体・公共団体
予備自衛官本人が事業を営む場合は、別の制度(予備自衛官事業継続給付金)の話になります。くわしくは後ろの節に書きました。
支給の対象になる場面は2つです。
- 防衛出動、国民保護等派遣、災害派遣などの招集に応じ、勤務先を離れた
- 招集中か訓練招集中に、公務上の負傷や疾病で勤務先を離れた
2つ目は入院などの治療が必要な場合です。パンフレットの図には「上限を90日とする」という注記があります。
いくら出る?
額は日額34,000円に、従業員が勤務先で働けなかった日数をかけて決まります。就業規則上の休日は日数に入りません。防衛省の案内ページの算式には「上限を90日とする」と付いています。
- 10日間の招集で、休日が土日:34,000円 × 8日 = 27.2万円
- 10日間の招集で、休日が土曜だけ:34,000円 × 9日 = 30.6万円
- 公務上の負傷で14日入院、休日が土日:34,000円 × 10日 = 34万円
3つとも、自衛隊のパンフレットに載っている図の数え方です。
休日を除くので、招集の日数がそのまま支給日数にはなりません。日数の上限は90日なので、1人ぶんの最大は34,000円 × 90日 = 306万円です。90日が1回の招集ごとか通算かは、確認した資料に書かれていません。
申請の流れ
- 従業員に予備自衛官等がいるか確かめる(事業主→従業員)
- 地方協力本部に、事前の申請の時期を確かめる(事業主→地方協力本部。パンフレットは事前の申請が必要と書く)
- 招集のあと、申請書に書く内容を揃える(事業主→自社。理由・働けなかった期間・休日の日数など)
- 給付金支給申請書と添付書類を出す(事業主→最寄りの地方協力本部)
- 給付金を受け取る(防衛省→事業主)
「事前」がいつまでを指すのかは、確認した資料に書かれていません。申請書は、事業に従事できなかった期間を書く様式です。事前の申請とこの申請書が同じものかも、資料に書かれていません。時期は最寄りの地方協力本部に問い合わせてください。
必要な書類
準備できた 0 / 2
添付書類の例として、案内ページは次を挙げています。このうち、雇用関係と休日を確認できるものを出します。
- 就業規則、労働協約、雇用契約書、雇入通知書、雇用実態証明書
- 賃金台帳、源泉徴収票、給与支払報告書
申請書には、法人名・代表者名(社印)、予備自衛官等の住所と氏名、事業に従事できなかった理由と期間、就業規則上の休日とその日数、勤務形態と週の所定労働時間、振込先口座、雇用事業所と担当者の連絡先を書きます。負傷や疾病の場合は、負傷または発病の年月日と、公務上の災害の認定年月日の欄もあります。提出先は、申請書の宛名にある防衛大臣または地方協力本部長です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 本人が事業主:予備自衛官本人が事業を営む場合、この給付金は出ません。本人向けの別制度があります。
- 雇い主が国や自治体:国、地方公共団体、公共団体は支給対象から除かれています。
- 事前の申請がない:パンフレットは事前の申請が必要と明記しています。しないまま招集された場合の扱いは書かれていません。
- 私傷病での欠勤:負傷や疾病で出るのは、招集中か訓練招集中の公務上のものに限られます。
似た制度とどう違う?
防衛省は、予備自衛官等を雇う企業向けに複数の給付金を用意しています。出る場面と相手が違います。
| 制度 | 出る場面 | 受け取る人 |
|---|---|---|
| 雇用企業協力確保給付金 | 災害派遣などの招集時 | 雇う企業 |
| 即応予備自衛官雇用企業給付金 | 雇っている間 | 雇う企業 |
| 予備自衛官事業継続給付金 | 災害派遣などの招集時 | 事業を営む本人 |
雇う企業が受け取る側なら、この記事の給付金です。即応予備自衛官を雇うなら、平時の給付金も別にあります。
よくある質問
雇用企業協力確保給付金はどんな会社がもらえますか?
予備自衛官または即応予備自衛官を雇う法人、その他の団体、個人事業主が対象です。国、地方公共団体、公共団体は除かれます。業種や従業員数の指定は、確認した資料にありません。従業員が防衛出動や災害派遣などの招集に応じて勤務先を離れたときに、支給の対象になります。まず社内に予備自衛官等がいるかを、本人の申告で確かめます。
日額34,000円は何日ぶん出ますか?
従業員が勤務先で事業に従事できなかった日数ぶんです。就業規則上の休日は除きます。10日間招集され、休日が土日なら8日ぶん、土曜だけなら9日ぶんです。日数の上限は90日で、最大は306万円です。90日が招集1回ごとか通算かは、確認した資料に書かれていません。長期の招集が見込まれる場合は、地方協力本部に確かめてください。休日の数え方は、自社の就業規則の定めにそって決まります。
従業員が招集中にけがをした場合も出ますか?
出ます。招集中か訓練招集中に、公務上の負傷や疾病で入院などの治療が必要になり、勤務先を離れた場合も対象です。日額は同じ34,000円です。パンフレットの図には、入院等の日数に「上限を90日とする」という注記があります。案内ページの算式にも、同じ90日の上限が付いています。私傷病は対象に含まれません。
予備自衛官本人が個人事業主の場合は使えますか?
使えません。予備自衛官等が個人事業主の場合は、この給付金の対象外と明記されています。自分で事業を営む予備自衛官が招集された場合は、予備自衛官事業継続給付金という別の制度があり、額は同じ日額34,000円です。自分が雇い主なのか、事業を営む本人なのかで、使う制度が分かれます。両方に当てはまる場合は、窓口で相談してください。
申請はいつまでにすればいいですか?
締切日は、確認した資料に書かれていません。パンフレットの注記で、事前に支給の申請が必要と案内されています。招集が決まってから慌てないよう、予備自衛官等を雇った時点で、地方協力本部に申請の方法を聞いておくのが安全です。事前がいつまでを指すのかは、公式資料に説明がありません。窓口で時期を確かめたうえで、書類を準備してください。
申請先はどこですか?
最寄りの自衛隊地方協力本部に確かめてください。パンフレットの図でも、給付金の支給には地方協力本部が関わる形で描かれています。申請書は防衛省の案内ページからダウンロードし、最寄りの地方協力本部へ出します。住所や担当課の電話番号は、各地方協力本部の予備自衛官担当で案内しています。申請前に、必要な書類を窓口で聞いておくと、出し直しを防げます。
どんな書類が必要ですか?
給付金支給申請書に加え、雇用関係と休日を確認できる書類が要ります。案内ページが挙げる例は、就業規則、労働協約、雇用契約書、雇入通知書、雇用実態証明書、賃金台帳、源泉徴収票、給与支払報告書などです。すべてを出すのではなく、雇用関係と休日が分かるものを添えます。どれを出すか迷ったときは、申請の前に地方協力本部へ聞いてください。
申請書にはどんな項目がありますか?
事業主の法人名・代表者名(社印)、予備自衛官等の住所と氏名、事業に従事できなかった理由(招集か、公務上の負傷・疾病か)と期間があります。就業規則上の休日の曜日と、その期間中の休日の日数も書きます。ほかに、常勤か非常勤かと週の所定労働時間、振込先の口座、雇用事業所の名称と担当者の連絡先です。負傷・疾病の場合は、負傷または発病の年月日と、公務上の災害の認定年月日の欄があります。
即応予備自衛官雇用企業給付金とは何が違いますか?
出る場面が違います。即応予備自衛官雇用企業給付金は、雇っている間に出る平時の給付金です。週30時間以上の雇用や、1年以上の雇用見込みなどの条件があります。雇用企業協力確保給付金は、招集で実際に勤務先を離れたときに出ます。週30時間などの条件は、確認したパンフレットでは前者にだけ書かれています。
招集中の給与はだれが払いますか?
実運用での招集中の給与は、自衛官としての給与が支給されます。パンフレットに、適切な給与算定のために在職証明書等の提出が必要という注記があります。この給付金は、その間に勤務先が受ける穴を支えるためのものです。雇い主が賃金を払うかどうかは、就業規則や雇用契約で決まります。資料には取り決めが書かれていません。
問い合わせ先はどこですか?
最寄りの自衛隊地方協力本部です。予備自衛官等の担当課が、事前申請の方法や書類の質問に答えています。制度の全体は、防衛省・自衛隊の「予備自衛官等の各種制度」のページにまとまっています。申請の前に、従業員の予備自衛官としての区分と招集の予定を、本人に確かめておくと話が早く進みます。
