従業員の1人が即応予備自衛官だと、年に30日間は訓練で職場を空けます。災害などの招集にもいつ応じるか分かりません。その間の人件費や業務の穴埋めを、国が月額で支える仕組みがあります。
雇用している即応予備自衛官1人につき、月額42,500円(年額51万円)です。払われるのは年4回で、各回3か月分です。ただし1週間の所定労働時間が30時間以上で、1年以上の雇用が見込まれることが条件なので、短時間パートで雇っている場合は先にここを確かめてください。
即応予備自衛官雇用企業給付金の要点まとめ
正式名:即応予備自衛官雇用企業給付金制度
だれが
- 申請者
- 即応予備自衛官を雇う法人その他の団体・自家営業主(国・自治体等は除く)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 即応予備自衛官を雇用する企業等の負担への給付(訓練出頭・招集への協力)
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 年額51万円(即応予備自衛官1人あたり月額42,500円)
- 補助率
- 定額
いつ・どこへ
- 申請受付
- 受付期間の記載なし(支払いは年4回、1・4・7・10月の末日まで)
うちの会社は対象になる?
即応予備自衛官とは、年間30日間の訓練出頭が義務づけられ、予測の困難な災害時などの招集にも常時応じる自衛官です。次の5つにすべて当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
団体は法人その他の団体、自家営業主は自分で事業を営む個人です。所定労働時間は、雇用契約などで決まっている1週間の労働時間です。招集期間は招集訓練や災害等招集の期間を指します。
あわせて、即応予備自衛官制度の周知にも努めるよう求められています。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 1週間の所定労働時間が30時間に届かない
- ✕ 雇っているのが一般の予備自衛官だけ
- ✕ 国・地方公共団体・公共法人である
いくら入ってくる?
1人あたり月額42,500円です。12か月で510,000円(年額51万円)になります。人数が増えれば、その分だけ増えます。年額51万円は、1人を12か月分雇用した場合の額です。
- 1人を1年間雇用する:42,500円 × 12か月 = 51万円
- 2人を1年間雇用する:42,500円 × 2人 × 12か月 = 102万円
- 1人分の1回の支払い(3か月分):42,500円 × 3か月 = 127,500円
払われるのは年4回です。毎年1月・4月・7月・10月の末日までに、それぞれ前月までに支給事由が発生している額(各回3か月分)が支払われます。たとえば10月末の回なら、7月から9月の分にあたる計算です。
月の途中で雇用が始まったときや終わったときの日割りは、防衛省のページに記載がありませんでした。該当しそうなら地方協力本部に聞いておくと確実です。
週30時間のラインはどこにある?
つまずきやすいのは、パート勤務の即応予備自衛官を雇っているケースです。
- 1日6時間 × 週5日 = 週30時間:要件を満たす
- 1日7.5時間 × 週4日 = 週30時間:要件を満たす
- 1日5時間 × 週5日 = 週25時間:要件を満たさない
勤務時間を延ばせば要件を満たせる場合もあります。ただし1年以上の雇用見込みもセットで求められるので、契約を変えるなら両方をそろえて考えると整理しやすくなります。
申請の流れ
- 雇用条件を確かめる(事業者。週の所定労働時間と、1年以上の雇用見込みを確認)
- 休暇の扱いを整える(事業者。訓練・招集の期間を特別休暇や勤務免除にする)
- 申請書をもらう(事業者→最寄りの地方協力本部の援護課または予備自衛官課。給付金支給申請書は複写式)
- 書類をそろえて提出する(事業者→地方協力本部)
- 年4回の支払いを受ける(1月・4月・7月・10月の末日まで)
必要な書類
準備できた 0 / 7
申請書は、最寄りの地方協力本部の援護課または予備自衛官課で受け取ります。休暇措置などを確認できる書類は、写しでも構いません。申請要領など詳しい手続きは、最寄りの地方協力本部に問い合わせる形になっています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 週の所定労働時間が30時間に届かない:パートの勤務時間が週30時間未満だと、支給要件を満たしません。
- 1年以上の雇用が見込めない:「1年以上引き続き雇用されることが見込まれること」が要件です。短い期間の契約をどう扱うかは、防衛省のページに記載がありません。
- 訓練期間を不利に扱っている:訓練や招集で休んだ期間を理由に、人事考課で不利益な扱いをすると要件を外れます。
- 即応ではない予備自衛官を雇っている:この給付金の対象は即応予備自衛官だけです。
4つの給付金は、どれを見ればいい?
防衛省の予備自衛官まわりの給付金は4つあります。雇用主向けが3つ、事業を営む本人向けが1つです。
| 給付金 | 向けの人 | 額 |
|---|---|---|
| 即応予備自衛官雇用企業給付金(この記事) | 即応予備自衛官を雇う企業等 | 1人あたり月額42,500円 |
| 即応予備自衛官育成協力企業給付金 | 自衛官経験のない予備自衛官を雇い、約40日間の教育訓練を経て即応予備自衛官に任用された企業等 | 1人あたり56万円(一括) |
| 雇用企業協力確保給付金 | 災害等の招集や招集中の負傷・疾病で、従業員が出勤できなくなった企業等 | 1人あたり日額34,000円 |
| 予備自衛官事業継続給付金 | 事業を営む予備自衛官・即応予備自衛官本人が、招集で自分の事業を行えなくなった場合 | 1人あたり日額34,000円 |
よくある質問
一般の予備自衛官を雇っている場合も対象になりますか?
この給付金の対象は、即応予備自衛官を雇用している場合だけです。即応ではない一般の予備自衛官しか雇っていない企業は、この給付金を受けられません。ただし、予備自衛官等が災害等で招集されて出勤できなくなった場合には、雇用企業協力確保給付金(1人あたり日額34,000円)という別の給付金があります。どちらに当たるかは、地方協力本部で確かめられます。
パートで雇っている即応予備自衛官は対象になりますか?
1週間の所定労働時間が30時間以上であれば対象になり得ます。1日6時間で週5日ならちょうど週30時間です。1日5時間で週5日の週25時間だと要件を満たしません。あわせて、1年以上引き続き雇用されることが見込まれる必要があります。勤務時間と契約期間の両方が条件なので、片方だけ満たしても足りない点に注意してください。
1人あたり、年にいくらもらえますか?
雇用する即応予備自衛官1人あたり月額42,500円で、年額に直すと51万円です。1年間雇用すれば42,500円 × 12か月で510,000円です。複数人を雇用していれば人数分が対象です。2人なら年102万円の計算になります。月の途中で雇用が始まった場合などの日割りは、防衛省のページに記載がないので、申請の前に確認すると安心です。
給付金はいつ支払われますか?
年4回で、毎年1月・4月・7月・10月の末日までに支払われます。それぞれの回で、前月までに支給事由が発生している額(3か月分)がまとめて支払われます。1人分なら1回あたり127,500円です。10月末の回は、7月から9月の分にあたる計算になります。振込の具体的な日付までは公式ページに書かれていないため、地方協力本部で確かめてください。
どこに申請すればよいですか?
最寄りの自衛隊地方協力本部が窓口です。給付金支給申請書(複写式)は地方協力本部の援護課または予備自衛官課で入手できます。地方協力本部は全国に50か所あり、中小企業施策総覧にも、給付を受けたい給付金ごとの書類を各都道府県の地方協力本部に出すと書かれています。申請要領などの詳細も最寄りの地方協力本部に問い合わせる形です。
申請のときにどんな書類が必要ですか?
給付金支給申請書(複写式)のほか、雇用保険被保険者証の写し、雇用契約書、雇入通知書、就業規則、出勤簿などを出します。さらに休暇措置などを確認できる書類またはその写しも必要です。雇用条件と休暇の扱いを書類で確かめる仕組みなので、就業規則に訓練・招集時の特別休暇や勤務免除の定めがあるかを、先に社内で見ておくと進めやすくなります。
受付期間や締切はありますか?
防衛省のページに申請の受付期間や締切の記載はありません。支払いが年4回(1月・4月・7月・10月の末日まで)に分かれているだけです。このため、いつ申請を出せばどの回の支払いに間に合うのかは公式ページから読み取れません。雇用を始めた時期によって初回の支払い時期も変わるので早めに地方協力本部へ連絡して確かめるのが確実です。
国や自治体、公共法人も対象になりますか?
対象外です。支給の対象は即応予備自衛官を雇用する法人その他の団体と自家営業主(自分で事業を営む個人)で、国・地方公共団体・公共法人は除かれています。民間企業のほか、個人事業主が従業員として即応予備自衛官を雇っている場合も、要件を満たせば対象になります。自社が公共法人に当たるかどうか迷う場合は、地方協力本部に聞いてください。
「特別休暇・勤務免除扱い」とは、具体的に何をすればよいですか?
要件は、即応予備自衛官が招集訓練や災害等招集に応じる期間を特別休暇や勤務免除の扱いにするなどの措置を講じ、人事考課の上で不利益な取扱いをしないことです。訓練で休んだ日を欠勤として扱ったり、それを理由に評価を下げたりしないように、就業規則などで定めておく必要があります。具体的な書き方の指定は公式ページにないため、窓口に見せて確かめると安心です。
即応予備自衛官育成協力企業給付金とは何が違いますか?
この給付金は、即応予備自衛官を雇用している間、月額で支払われます。一方の育成協力企業給付金は自衛官経験のない予備自衛官を雇っている企業が、約40日間の教育訓練を終えて即応予備自衛官に任用されたときに、1人あたり56万円が一括で給付されるものです。支払いの形も対象になる場面も違うので、どちらにも当たる場合はそれぞれ別に確かめてください。
1年未満の契約で雇っている場合はどうなりますか?
要件は「1年以上引き続き雇用されることが見込まれること」です。1年未満の期間で雇用契約を結んでいる場合や契約更新を繰り返している場合に、見込みがあると扱われるかどうかは防衛省のページに記載がありません。判断が分かれるところなので、雇用契約書の内容を手元に置いて、地方協力本部に相談してください。契約の見直しを考えている場合も、先に確認すると安全です。
問い合わせ先はどこですか?
最寄りの自衛隊地方協力本部です。全国に50か所あり中小企業施策総覧に載っているQRコードから所在地を確かめられます。申請書の入手や必要書類や雇用条件の判断など、手続きに関わることはすべてここで聞けます。制度の概要は、防衛省・自衛隊のホームページの「予備自衛官等の各種制度」で読めます。申請の前に、最新の内容をあわせて確かめておくと安心です。
