60歳を超えても意欲的に働いてもらいたい。そう考えたとき、定年延長のような大がかりな制度変更をしなくても使える助成金があります。高年齢者向けの評価制度・研修制度・健康管理制度などを整備すると、中小企業で最大60万円が助成されます。
65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)の要点まとめ
正式名:65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種指定なし
- 利用目的
- 高年齢者向けの評価制度・賃金人事処遇制度・研修制度・在宅勤務制度・健康管理制度等の整備
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし(中小企業・中小企業以外で助成額が異なる)
いくら
- 補助上限額
- 評価制度・処遇制度の導入等で中小企業60万円。機器等導入は経費の60%(上限50万円)
- 補助率
- 定額(機器等導入は経費の60%または45%)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 通年(予算がなくなり次第終了。実施は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構=JEED)

いくらもらえる?措置内容で変わる金額
支給額は、実施した雇用管理制度の整備の内容によって変わります。
| 実施した措置 | 中小企業 | 中小企業以外 |
|---|---|---|
| 高年齢者向けの評価制度・賃金人事処遇制度の導入または改善 | 60万円 | 45万円 |
| 短時間勤務・隔日勤務、在宅勤務、研修制度、健康管理制度等(②〜⑤) | 30万円 | 23万円 |
| 雇用管理制度の整備に伴う機器等の導入 | 導入経費×60% | 導入経費×45% |
複数の措置をあわせて実施した場合の支給額は、単純合算ではなく「いずれか高い額」となります。つまり評価制度の導入(60万円)と研修制度の導入(30万円)を同時に行っても、受け取れるのは60万円です。機器等の導入経費が50万円を超える場合は50万円が上限になります。
この助成金には、他に「65歳超継続雇用促進コース」(定年引上げ等)と「高年齢者無期雇用転換コース」(有期契約労働者の無期転換)があり、それぞれ支給額・要件が異なります。
承認までの重要なタイミングと必要書類
このコースは「計画の申請」と「支給の申請」の2段階に分かれており、計画申請のタイミングが最大の隠れ期限です。
- 計画開始の3か月前の日まで:「雇用管理整備計画書」を機構理事長に提出し、計画内容の認定を受ける
- 認定された計画にもとづき、高年齢者雇用管理整備の措置を実施する(実施期間:1年以内)
- 措置の実施状況と、計画終了後6か月間の運用状況を明らかにする書類を整備する
- 計画期間終了日の翌日から6か月後の日の翌日から2か月以内に、機構理事長に支給申請を行う
「計画開始の3か月前」という提出期限を逃すと、その計画年度での申請ができません。措置の実施を思い立ってから3か月以内に着手できるよう、早めに計画書を準備しておく必要があります。
対象になる措置・ならない措置
- 対象になる例:60歳以上の従業員向けに専門職制度を新設し、役割に応じた賃金・処遇制度を整備した
- 対象になる例:高年齢者向けの在宅勤務制度を新たに導入した
- 対象にならない例:法定の健康診断(雇入時健診・定期健診)のみを実施した場合(法定外の健康管理制度=胃がん検診等が対象)
よくある質問
Q. 60歳以上の従業員が1人もいない会社でも申請できますか?
支給申請日の前日において、1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が、計画終了日の翌日から6か月以上継続して雇用されていることが要件のひとつです。対象となる従業員がいない場合は申請できません。
Q. 定年延長とセットで申請する必要がありますか?
必須ではありません。定年延長等は「65歳超継続雇用促進コース」という別のコースで扱われます。雇用管理制度の整備だけでも、このコースの対象になります。
Q. 申請先は労働局ですか?
このコースは労働局ではなく、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の各都道府県支部が窓口です。他の雇用関係助成金と申請先が異なる点に注意してください。
