最低賃金を引き上げたいが、原資となる生産性向上の設備投資が先立たない。そんな中小企業を後押しするのが、長野県の賃上げ環境整備促進補助金です。設備投資分は最大800万円まで補助されます。
長野県の「賃上げ環境整備支援事業」は、事業場内最低賃金の引き上げとあわせて、生産性向上に資する設備投資や人材育成に取り組む中小企業を支援する制度です。「基本型」と、基本型に上乗せできる「人材育成追加型」の2つで構成されています。
賃上げ環境整備支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 賃上げ環境整備促進補助金(基本型・人材育成追加型) |
| 対象業種 | 全業種 |
| 利用目的 | 賃上げ・生産性向上(設備投資・人材育成) |
| 対象地域 | 長野県内(県内に事業場がある事業者) |
| 従業員数 | 中小企業基本法の基準内(業種ごとに異なる) |
| 補助上限額 | 基本型: 最大800万円/人材育成追加型: 最大30万円(基本型と合わせて申請) |
| 補助率 | 基本型: 3/4~10/10/人材育成追加型: 10/10 |
| 申請受付 | 令和9年1月20日まで(事業完了は令和9年2月20日、実績報告は令和9年2月26日まで) |
| 公式サイト | 長野県「賃上げ環境整備促進補助金(基本型)について」 |

対象となる中小企業者とは、中小企業基本法第2条第1項に定められた事業者のことです。業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下で、どちらか一方を満たせば該当します。
基本型の対象と補助率
基本型は、国の業務改善助成金の対象外である中小企業事業者が対象です。事業所内最低賃金が1,112円以上1,500円未満で、「社員の子育て応援宣言」と「パートナーシップ構築宣言」の2つを行っていることが条件になります。
補助率は引き上げ前の最低賃金水準によって変わります。
| 引き上げ前の最低賃金 | 補助率 | 補助対象経費上限額 |
|---|---|---|
| 1,170円以上1,500円未満 | 3/4~4/5 | 80万~800万円 |
| 1,112円以上1,170円未満 | 9/10~10/10 | 80万~800万円 |
宣言事業者・認定事業者になっていると補助率が引き上げられるため、まだ宣言していない場合は先に手続きしておくと有利です。
人材育成追加型は基本型とセットで申請
人材育成追加型は単独では申請できません。基本型、または中小企業賃上げ・生産性向上サポート補助金(業務改善助成金上乗せ補助)に交付申請していることが前提です。研修・セミナー受講など人材育成にかかる経費に対し、全額(10/10)が補助され、上限額は最低賃金の水準に応じて22万円~30万円です。
金額シミュレーション
例えば、事業場内最低賃金1,150円の会社が最低賃金を30円以上引き上げ、生産性向上のための機械導入に500万円を投じる場合、補助率3/4~4/5の範囲で最大400万円前後が補助対象になります(宣言・認定状況により変動)。あわせて従業員研修に20万円かけた場合、人材育成追加型で全額が補助されます。
スケジュール
申請期限は令和9年1月20日、事業完了期限は令和9年2月20日、実績報告期限は令和9年2月26日です。設備投資は年度内に完了させる必要があるため、導入する設備が決まったら早めに見積を取り、逆算してスケジュールを組んでください。
よくある質問
国の業務改善助成金と両方申請できますか?
基本型は業務改善助成金の対象外である事業者が対象です。業務改善助成金を利用する場合は、賃上げ・生産性向上サポート補助金(上乗せ補助)を検討してください。
「社員の子育て応援宣言」をしていないと申請できませんか?
基本型の条件として、子育て応援宣言とパートナーシップ構築宣言の両方が必要です。未実施の場合は、まず宣言の手続きから始めてください。
人材育成だけを単独で申請することはできますか?
できません。人材育成追加型は、基本型または賃上げ・生産性向上サポート補助金に申請していることが前提になります。
