社員のDX人材育成やリスキリングにお金をかけたいが、研修費用がネックになっている。そんな会社を後押しするのが人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」です。定額制のeラーニング利用料からIT分野の専門的な訓練まで、幅広いメニューが用意されています。
人材開発支援助成金(人への投資促進コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 人材開発支援助成金(人への投資促進コース) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 定額制訓練・高度デジタル人材訓練・自発的職業能力開発訓練など5メニューの訓練経費・訓練期間中の賃金助成 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業・大企業で助成率が異なる) |
| 補助上限額 | 1事業所1年度あたり2,500万円(成長分野等人材訓練は1,000万円)。受講者1人あたりは訓練メニューごとに規定 |
| 補助率 | 経費助成率45〜75%(中小企業・訓練内容により異なる)+賃金助成 |
| 申請受付 | 通年(令和4〜8年度の期間限定助成) |
| 公式サイト | 厚生労働省「人材開発支援助成金」 |

いくらもらえる?5つの訓練メニューで変わる金額
「人への投資促進コース」は、令和4〜8年度の期間限定助成として設けられた制度で、5つのメニューがあります。中小企業の場合の経費助成率は次のとおりです。
| 訓練メニュー | 経費助成率(中小企業) | 賃金助成額(中小企業) |
|---|---|---|
| 定額制訓練(サブスクリプション型eラーニング) | 60%(賃金要件等満たすと+15%) | なし |
| 高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練 | 75% | 1,000円/時間 |
| 情報技術分野認定実習併用職業訓練 | 60%(+15%) | 800円/時間+OJT実施助成額20万円 |
| 自発的職業能力開発訓練 | 45%(+15%) | なし |
| 長期教育訓練休暇等制度 | 経費助成20万円(定額) | 1,000円/時間(有給休暇の場合) |
定額制訓練は、社員が定額受け放題のeラーニングを受講した場合の利用料に対して助成される仕組みで、1人1か月あたり2万円が経費助成の上限です。1事業所1年度あたりの上限は、成長分野等人材訓練を除くメニューで合計2,500万円(うち自発的職業能力開発訓練は300万円まで)、成長分野等人材訓練は別枠で1,000万円です。
承認までの重要なタイミングと必要書類
この助成金は「訓練を始める前に計画を提出する」という原則が徹底されています。
- 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の策定(事前準備)
- 「職業訓練実施計画」を作成し、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に管轄労働局に提出する(定額制訓練は、契約期間の初日から起算して6か月前から1か月前までの間)
- 職業訓練実施計画にもとづき訓練を実施する
- 訓練修了日の翌日から2か月以内に、必要書類を管轄労働局に提出する
- 支給申請までに、訓練にかかった経費全額を支払う
訓練開始の1か月前を過ぎて計画届を提出すると、その訓練は助成の対象外になります。研修会社やeラーニングサービスとの契約を進める前に、計画届の提出スケジュールを逆算しておくことが実務上の要です。
対象になる訓練・ならない訓練
- 対象になる例:社員に定額受け放題のeラーニングを導入し、DX関連スキルの習得を体系的に進めた
- 対象になる例:情報処理安全確保支援士など、ITSSレベル3・4相当の資格取得講座を受講させ、試験費用も自社負担した
- 対象にならない例:訓練計画届の提出前に、すでに研修を開始してしまっていた
よくある質問
Q. eラーニングの利用料だけでも申請できますか?
はい。定額制訓練は、サブスクリプション型の研修サービス利用料に対する助成メニューです。1人1か月あたり2万円を上限に経費助成率(中小企業60%)が適用されます。
Q. 従業員が自分で選んだ資格講座の費用も対象になりますか?
自発的職業能力開発訓練が該当します。労働者が自発的に受講した訓練費用を事業主が負担した場合に、経費の45%(賃金要件等を満たすと60%)が助成されます。
Q. 「人への投資促進コース」はいつまで使えますか?
令和4〜8年度の期間限定助成として設けられています。制度自体が今後どうなるかは年度ごとの制度改正によって変わるため、活用を検討する際は最新の公式情報を確認してください。
