防衛省の予備自衛官向け給付金には、雇っている間ずっと払われるものがあります。この給付金は違います。訓練を終えた社員が即応予備自衛官に任用された時点で、1人あたり56万円が1度だけ支給されます。
対象は、自衛官の経験がない予備自衛官を雇う会社です。パンフレットでは、この人を「一般公募予備自衛官」と呼びます。即応予備自衛官になるには、基本特技の訓練が約40日間かかります。その間、会社は社員を送り出します。給付金はこの負担に応える仕組みです。
即応予備自衛官育成協力企業給付金の要点まとめ
正式名:即応予備自衛官育成協力企業給付金
だれが
- 申請者
- 一般公募予備自衛官を雇う法人・団体・個人事業主
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 予備自衛官の育成への協力(雇用・人材育成)
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 公式資料に記載なし(企業規模の定めなし)
いくら
- 補助上限額
- 1人あたり56万円(一括支給)
- 補助率
- 定額(かかった費用に関係なく1人56万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 締切の記載なし(志願時か新規雇用時に申請)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
週の所定労働時間が30時間に届かない社員は、対象になりません。パート採用の場合は、契約書の時間を先に見てください。
一般公募予備自衛官とは、自衛官の経験がない予備自衛官のことです。任用までに「軽火器」か「迫撃砲」の基本特技を身につけます。休暇扱いなどの措置は、労働協約か就業規則で定めておきます。社内で予備自衛官制度を周知するよう努めることも、要件に入っています。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国・地方公共団体・公共法人である
- ✕ 社員本人が個人事業主である
- ✕ 週の所定労働時間が30時間に届かない
いくら支給される?
支給額は、1人あたり56万円の定額です。訓練の期間や、会社が負担した人件費の多さとは連動しません。
- 任用された社員が1人:56万円 × 1人 = 56万円
- 任用された社員が3人:56万円 × 3人 = 168万円
- 週25時間勤務のパートが任用された:要件の「週30時間以上」に届かず、支給なし
人数の上限は、パンフレットに記載がありませんでした。複数人を同時に送り出す予定がある場合は、先に地方協力本部へ確認してください。
申請の流れ
- 社員が志願する(社員→自衛隊。会社の雇用関係が前提)
- 会社が給付金を申請する(会社→地方協力本部)
- 社員が基本特技の訓練を受ける(約40日間。会社は休暇扱いなどで送り出す)
- 即応予備自衛官に任用される(自衛隊)
- 給付金が支払われる(地方協力本部→会社。1人56万円を一括。任用された月の翌月)
申請の時期は、地方協力本部の案内で次の2つとされています。
- 雇っている一般公募予備自衛官が、教育訓練への参加を志願したとき
- 教育訓練の期間中に、その人を新たに雇ったとき
申請は任用を待たず、志願した時点で出します。パンフレットの図でも、申請は訓練より前に置かれています。給付金が支払われるのは、任用された日の属する月の翌月です。
必要な書類
準備できた 0 / 3
この給付金の提出書類は、公式資料に一覧がありません。表の2行目と3行目は、要件(雇用関係と、訓練中の休暇などの措置)を示す資料として用意しておくと安心なものです。申請書の様式と必要な書類は、地方協力本部で確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 週30時間に届かない:所定労働時間が週30時間未満の社員は、要件を満たしません。
- 訓練の期間を欠勤扱いにする:訓練に出る期間は、特別休暇や勤務免除などにします。不利益な扱いをしないことが、就業規則などで明らかである必要があります。
- 任用の前に退職する:任用されたときに雇用関係が続いていることが要件です。
- 基本特技がとれず任用されない:支給は、即応予備自衛官に任用された場合です。
同じ防衛省の別の給付金との違い
同じパンフレットに、似た名前の給付金がほかに3つあります。対象になる場面が違うので、並べます。
| 制度 | 払われる場面 | 金額 |
|---|---|---|
| 育成協力企業給付金(この記事) | 一般公募予備自衛官が任用されたとき | 1人56万円(一括) |
| 即応予備自衛官雇用企業給付金 | 即応予備自衛官を雇っている間 | 月額42,500円(年額51万円) |
| 雇用企業協力確保給付金 | 社員が防衛出動・災害派遣などで招集されたとき | 日額34,000円×日数 |
| 予備自衛官事業継続給付金 | 事業主本人が招集されたとき | 日額34,000円×日数 |
雇用企業給付金とこの給付金を、同じ会社が両方受けられるかは、パンフレットに書かれていません。併給の可否は、地方協力本部に確認してください。いずれの給付金も課税対象です。
よくある質問
一般公募予備自衛官とは何ですか?
自衛官の経験がない予備自衛官のことです。パンフレットは、この人が即応予備自衛官に任用されるために、基本特技の訓練が必要だと説明しています。訓練は約40日間が基準で、「軽火器」は36日間、「迫撃砲」は39日間です。元自衛官を雇う場合の扱いは、公式資料に書かれていません。該当する場合は、地方協力本部に確かめてください。
即応予備自衛官雇用企業給付金と両方受け取れますか?
別の制度です。雇用企業給付金は、即応予備自衛官を雇う会社に月額42,500円が払われます。育成協力企業給付金は、任用のときに1人56万円が1度だけ払われます。両方を同じ社員について受けられるかは、パンフレットに記載がありません。任用が決まった時点で、地方協力本部に併給の可否を確認してください。
パートやアルバイトでも対象になりますか?
雇用形態ではなく、働く時間で決まります。要件は「1週間の所定労働時間が30時間以上」で、申請時に1年以上引き続き雇う見込みがあることです。週30時間以上働くパートなら対象になり得ます。週25時間のように30時間に届かなければ、対象外です。契約期間が短い場合も、更新の見込みを含めて本部に確認してください。
国や自治体の機関は申請できますか?
できません。支給の対象者から、国・地方公共団体・公共法人が除かれています。対象になるのは、民間の法人その他の団体と、個人事業主です。また、一般公募予備自衛官本人が個人事業主である場合も、対象から外れます。本人が事業主の場合は、別の「予備自衛官事業継続給付金」の対象かどうかを見てください。
訓練の間の給料は払う必要がありますか?
給料を払うかどうかは、パンフレットに書かれていません。書かれているのは、訓練に出る期間を特別休暇や勤務免除などにして、不利益な扱いをしないことです。これを労働協約か就業規則などで定めておく必要があります。無給の休暇にするか有給にするかは、会社の就業規則しだいです。社労士などに相談しながら決めてください。
申請はどこにすればいいですか?
地方協力本部が窓口です。パンフレットの図でも、会社の申請先と給付金の支払い元は地方協力本部になっています。会社の所在地を担当する本部に連絡してください。電話番号と担当課は、各地方協力本部のページで確認できます。東京の場合は、予備自衛官課(03-3235-5560)が案内しています。
締切はありますか?
公式資料に、締切日や受付期間の記載はありませんでした。代わりに、申請する時期が決まっています。社員が教育訓練への参加を志願したときか、訓練の期間中に新たに雇ったときです。社員が即応予備自衛官を目指すと決まった時点で、本部に連絡してください。任用のあとで申請できるかは、資料に書かれていません。
任用されなかった場合はどうなりますか?
給付金は、基本特技を取得して即応予備自衛官に任用された場合に支給されます。任用されなければ、支給の対象にならないと読めます。訓練の途中で社員が辞退したり、基本特技がとれなかったりした場合の扱いは、パンフレットに記載がありません。リスクとして知っておき、本部に相談してください。
任用のあとに社員が退職したらどうなりますか?
要件に、任用されたときに雇用関係を有することがあります。任用の時点で雇っていれば要件は満たします。任用後すぐに退職した場合に返還が必要かどうかは、パンフレットに書かれていません。長く雇う見込みがあることが、申請時の要件にもなっています。退職の見込みがある社員は、先に本部に伝えて確認してください。
社内での周知とは、何をすればいいのですか?
要件に「雇用企業内において予備自衛官及び即応予備自衛官制度等の周知に努めること」があります。努力義務の形です。具体的な方法は、パンフレットに書かれていません。地方協力本部のページには、自衛隊ポスターの掲示などをお願いしていると書かれています。どこまで求められるかは、本部に確認してください。
複数の社員を同時に送り出せますか?
給付額は1人あたりなので、人数が増えれば総額も増えます。1社あたりの人数の上限は、パンフレットに記載がありません。ただし、社員が同時に訓練に出ると、業務が回らなくなるおそれがあります。訓練は約40日間かかります。送り出す時期は、社員ごとにずらすなど、会社側で調整しておくと安心です。
