障害のある社員が入社してすぐの数か月は、業務のやり方や職場のルールに慣れず、離職につながりやすい時期です。職場適応援助者助成金は、この時期に寄り添って支援する「ジョブコーチ」の活動費用を助成する制度です。
ジョブコーチには2つの立場があります。外部の支援機関から派遣される第1号(訪問型)と、自社の社員として配置する第2号(企業在籍型)で、助成の計算方法がまったく違います。第1号は支援した日数に応じた日額制、第2号は配置した月数に応じた定額制です。どちらの体制を選ぶかで、助成金の受け取り方も変わります。
職場適応援助者助成金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(第1号:法人格を有し障害者就労支援の実績がある社会福祉法人等/第2号:障害者を雇用する事業主) |
| 制度名 | 職場適応援助者助成金 |
| 対象業種 | 全業種(第2号は障害者を雇用する事業主) |
| 利用目的 | 障害者の職場適応を支援する職場適応援助者(ジョブコーチ)の活動費用・配置費用 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(障害者雇用促進法上の事業主が対象) |
| 補助上限額 | 第1号:援助日1日14,200円(3時間未満は7,100円)、援助者1人月28万4千円まで/第2号:配置1人月15万円 |
| 補助率 | 第1号:定額(助成率の定めなし)/第2号:3/4 |
| 申請受付 | 通年(都道府県支部高齢・障害者業務課で随時受付。公式ページに具体的な締切日の記載なし) |
| 公式サイト | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「職場適応援助者助成金の様式」 |

第1号(訪問型)と第2号(企業在籍型)の違い
| 第1号職場適応援助者助成金 | 第2号職場適応援助者助成金 | |
|---|---|---|
| 支援の形 | 社会福祉法人等の職員が訪問して支援 | 自社の社員をジョブコーチとして配置 |
| 助成額 | 援助実施日1日につき14,200円(3時間未満は7,100円) | 配置1人につき月15万円(助成率3/4) |
| 上限 | 援助者1人につき月28万4千円まで | ― |
| 支援期間の限度 | 対象者1人あたり1回につき1年8か月 | 対象者1人あたり1回につき6か月(累積12か月) |
訪問型は日数に応じて積み上がり、企業在籍型は月額の定額という違いです。継続的に社内で支援体制を作りたいなら第2号、外部の専門知識を都度借りたいなら第1号が向きます。
第1号を使うための実施主体の要件
第1号を使えるのは、事業主自身ではなく、次の要件を満たす社会福祉法人等です。
- 法人格を有していること
- 定款または寄付行為等で障害者の就労支援が規定されていること
- 第1号職場適応援助者養成研修を修了した者を雇用していること
- 障害者雇用に係る支援の実績があること
- 地域センターとの業務連携関係があること
事業主が直接申請するのではなく、支援を委託する社会福祉法人等の側が助成金の対象になるという構造です。自社にジョブコーチを置けない場合は、こうした支援機関に依頼する形で活用することになります。
雇用前支援において協力事業主に支払った費用相当額も、対象障害者1人につき月5万円まで助成対象です。第1号職場適応援助者養成研修の受講にかかる旅費相当額も対象ですが、研修修了後6か月を超えて援助を開始しない場合は不支給になる条件が付いています。
よくある質問
自社の社員をジョブコーチとして育てて配置する場合はどちらが対象ですか
第2号職場適応援助者助成金の対象です。配置1人につき月15万円、助成率3/4で助成されます。支援期間は1回につき6か月、累積で12か月が限度です。
訪問支援を依頼したい場合、誰が申請しますか
第1号は、支援を行う社会福祉法人等の側が申請者になります。事業主が直接申請する助成金ではありません。依頼先の支援機関が要件を満たしているか確認が必要です。
発達障害のある社員にも使えますか
はい。第1号・第2号とも、対象となる障害者に発達障害者が含まれています。
