東京都に申請すれば、レセコンの改修費は戻ってくるのか。戻るのは、国(社会保険診療報酬支払基金)の交付決定通知書をすでに持っている施設だけです。国への申請は令和8年9月30日に締め切られていて、新しく国の補助に申し込んでから都に進むことはできません。
この補助金は、国の補助に東京都が1/4を上乗せするものです。上限は病院が14.1万円、診療所と薬局が1.8万円です。
医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金の要点まとめ
正式名:医療DX推進に向けた医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(医療機関・薬局の開設者)
- 対象業種
- 医療業(病院・診療所・薬局)
- 利用目的
- 医療費助成の受給者証をマイナンバーカードで使うためのレセコン改修
- 対象地域
- 東京都内に開設している医療機関・薬局
- 従業員数
- 規定なし(施設単位で申請)
いくら
- 補助上限額
- 病院14.1万円/診療所・薬局1.8万円
- 補助率
- 1/4(国の補助への都の上乗せ分)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 〜2027年2月26日(国の交付決定後にjGrantsで申請)
うちの施設は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国の交付決定をまだ受けていない
- ✕ 診察券の利用だけに対応した改修
- ✕ 難病等の改修補助を受けた
- ✕ こどもDX推進事業の補助を受けた
公費負担医療とは、国や自治体が医療費を負担する制度のことです。地方単独医療費助成は、自治体が独自に医療費を助成する制度を指します。今回の改修は、これらの受給者証をマイナンバーカードで確認できるようにするものです。病院と診療所は、病床数で分かれます。20床以上が病院、20床未満が診療所です。
国の補助と都の補助は、順番が決まっています。国の交付決定が先で、都への申請があとです。逆の順番は成り立ちません。
対象外のうち、難病・小児慢性特定疾病・自立支援医療(精神通院医療)の医療費助成に関する改修補助と、デジタルサービス局が交付した「こどもDX推進に向けた医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」の補助は、過年度に受けていた場合に対象から外れます。この補助金自体を過去に受けた場合も、要綱で対象外です。
過年度に国の交付決定を受けて、都の申請をまだしていない施設は、今年度の申請ができます。
いくら戻ってくる?
対象経費に1/4をかけた額と、上限額のどちらか少ないほうです。千円未満は切り捨てます。上限は、病院が56.6万円の1/4で14.1万円、診療所と薬局が7.3万円の1/4で1.8万円です。
- 病院が改修費56.6万円を払った:56.6万円 × 1/4 = 14.15万円 → 千円未満を切り捨てて14.1万円
- 病院が改修費30万円を払った:30万円 × 1/4 = 7.5万円
- 診療所が改修費7.3万円を払った:7.3万円 × 1/4 = 1.825万円 → 1.8万円
- 診療所が改修費5万円を払った:5万円 × 1/4 = 1.25万円
上限に届くのは、病院で56.6万円以上、診療所・薬局で7.3万円以上の改修費がかかったときです。それ以上払っても、都の補助は増えません。
都のチラシには、国の補助とあわせた自己負担の例が載っています。改修費56.6万円の病院は、国が1/2の28.3万円、都が14.1万円で、自己負担が14.2万円です。改修費7.3万円の診療所は、国が3.6万円、都が1.8万円で、自己負担が1.9万円になります。
何に使える?
対象にならないもの
- 診察券をマイナンバーカードで使うためのレセコン・再来受付機などの改修
- 領収書内訳書に「レセプトコンピューター関係(PMH)」の記載がない経費
対象になるもの
- 公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認ができるようにするレセコンの改修費
国の補助は診察券用の改修も対象ですが都の補助は対象にしません。同じ工事の見積もりに診察券用の機能が入っているときは領収書内訳書で金額を分けて書く必要があります。
領収書内訳書の「レセプトコンピューター関係(PMH)」欄が空で、金額も不明確だと、都には申請できません。国に出す前に、この欄の書き方を確かめてください。
申請の流れ
- レセコンを改修する(医療機関・薬局→ベンダー。国への申請前に完了)
- 国(基金)に申請して交付決定通知書を受け取る(医療機関・薬局→基金。期限は令和8年9月30日で、すでに過ぎています)
- GビズIDを取る(医療機関・薬局→デジタル庁。プライムかメンバー。発行まで2〜3週間)
- jGrantsで都に申請する(医療機関・薬局→事務局。令和9年2月26日まで)
- 審査を受ける(事務局・都→医療機関・薬局。不備は差戻しの連絡が来ます)
- 交付決定兼額の確定の通知を受け、振込を受ける(都→医療機関・薬局)
GビズIDは、国の補助の申請前でも取れます。申請後の支払いは、不備がなければ2〜3か月程度が見込みとFAQにあります。
医療法人や大型チェーン薬局など、複数の施設をまとめる組織は、代表者が一括して申請できます。
必要な書類
準備できた 0 / 6
申請額算出表の正式名は別記第1号様式別紙1です。委任状は、申請代表者の名義ではない口座への支払いを希望するときだけ出します。
令和6年度に国の交付決定を受けた施設で、領収書や領収書内訳書の代わりに見積書や契約書を国へ出していた場合は、都へは領収書と領収書内訳書を別に用意して出します。様式は基金のサイトにあります。
jGrantsに添付するファイル名の先頭には、医療機関コードまたは薬局コードと施設名をつけます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 国の交付決定通知書がない:通知書の写しが申請の必須書類です。国の申請期限が過ぎた今は、新しく取る道がありません。
- PMH欄の記載がない:領収書内訳書に対象金額がはっきり出ていないと、申請できません。
- オンライン資格確認をやめた:交付の条件として、公費負担医療などのオンライン資格確認ができる環境を整え、続けて実施することが求められます。
- 不正や目的外の使用:交付決定が取り消され、返還を命じられます。返還には、年10.95%の違約加算金がかかります。
取得価格が30万円以上の機械や器具は、法定の耐用年数が終わるまで、都の承認なく目的外に使ったり、売ったり、貸したりできません。
受付状況の読み方・補助金のあとの手続き
都の事務局のトップページには「今年度の申請受付は終了」という表示が残っています。同じサイトの「申請方法」のページと令和8年度のチラシには、申請期限が令和9年2月26日とあります。トップページの案内は3月末で終わった前年度事業の文面とみられますが、公式には説明がないため申請の前に事務局へ電話で確かめるのが確実です。
補助金を受けたあとは、令和9年4月以降に、消費税の仕入控除税額の報告を依頼される予定です。jGrantsで報告するため申請に使ったGビズIDと申請履歴は削除しないでください。
よくある質問
国の補助金を申請していなくても、東京都の補助金だけ申請できますか?
できません。国(社会保険診療報酬支払基金)の交付決定通知書を受け取っていることが、都への申請の条件です。通知書の写しは申請書類にも含まれます。国の申請期限は令和8年9月30日で、予算上限に達して受付を終了したと公式ページに出ています。通知書を持っていない施設は、この年度の都の補助を受けられません。
過年度に国の交付決定を受けましたが、今年度の都の申請はできますか?
できます。過年度に国の交付決定を受け、この補助金を申請していない施設は、今年度申請できます。ただし難病・小児慢性特定疾病・自立支援医療(精神通院医療)の改修補助や、デジタルサービス局のこどもDX推進事業の補助を受けていた場合は対象外です。令和6年度に見積書などで国へ申請した施設は、領収書と領収書内訳書も別に用意します。
病院と診療所で上限額が違うのはなぜですか?
公式ページには、病院は56.6万円、診療所・薬局は7.3万円を上限にそれぞれ1/4をかけると書かれています。上限額に差がある理由は、公式ページにも要綱にも記載がありません。国の補助の基準額が施設の種類で異なることが背景にあるとみられますが、都の資料には明記がないため理由を知りたいときは事務局へ問い合わせてください。
診察券をマイナンバーカードで使う改修も対象ですか?
対象外です。国の補助は診察券の利用のためのレセコンや再来受付機の改修も対象にしていますが、都の補助は、公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認ができるようにするレセコン改修の費用だけを対象にしています。診察券用の機能が同じ見積もりに入っているときは領収書内訳書で金額を分けて、都の対象分をPMH欄に書いてください。
申請にGビズIDは必要ですか?
必要です。申請は電子申請システムのjGrantsで受け付けていて、GビズIDプライムかGビズIDメンバーのアカウントが要ります。エントリーは使えません。プライムは、発行まで2〜3週間程度かかります。国の申請や改修の完了前でも取れるのでこれから申請する施設は、先にIDの手続きを済ませておくと間に合いやすくなります。
補助金はいつ振り込まれますか?
事務局のFAQでは、申請後に不備がなければ、2〜3か月程度を見込んでいると案内しています。不備があるとjGrantsから差戻しのメールが届き、マイページで修正して再提出する流れです。振込先の口座が申請者名義でない場合は委任状が要るので先に用意しておくと、差戻しによる遅れを防げます。
申請の締切はいつですか?
東京都への申請期限は令和9年2月26日(金)です。国の申請期限(令和8年9月30日)とは別です。ただし事務局のトップページに「今年度の申請受付は終了」という表示が残っているため公式ページの中で食い違って見えます。申請方法のページとチラシは2月26日までとしていますが、受付状況は事務局(0120-979-850)へ確認してください。
複数の施設をまとめて申請できますか?
できます。医療法人や大型チェーン薬局など、複数の施設で構成される組織の代表者が、所属する施設の申請をまとめて行う一括申請が認められています。ただし一括申請用のページは「準備中」と表示されています。一括で出す予定の法人は、申請方法のページで最新の状況を見るか、事務局に問い合わせてください。
同じ補助金を2回受けることはできますか?
できません。交付要綱で、過去にこの要綱による補助金の交付を受けていないことが補助対象者の条件になっています。一度交付を受けた施設は、次の年度に同じ補助金を申請しても対象外です。改修が複数回に分かれる施設は、どの経費を申請に含めるかを、申請の前に事務局へ確かめてください。
補助を受けたあとに守ることはありますか?
あります。公費負担医療などのオンライン資格確認を、続けて実施することが交付の条件です。取得価格30万円以上の機器は、耐用年数が終わるまで承認なく目的外に使えません。帳簿や証拠書類は、事業完了年度の終了後5年間保管します。令和9年4月以降に、消費税の仕入控除税額の報告も依頼される予定です。
問い合わせ先はどこですか?
東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局です。電話は0120-979-850で、土日祝日と年末年始を除く9時から17時に受け付けています。国の補助については、オンライン資格確認等コールセンター(0800-080-4583)が窓口です。GビズIDはデジタル庁のヘルプデスク(0570-023-797)に問い合わせます。
