工場を新設したり、本社ビルを建て替えたりすると、固定資産税・都市計画税の負担がその年から重くのしかかります。設備投資そのものの資金繰りは計画していても、税負担まで織り込んでいる会社は意外と多くありません。
京都市の「本社・工場等新増設等支援制度」は、市内の企業が本社・工場等を新増設したときに、その資産にかかる固定資産税・都市計画税相当額の一部を、複数年にわたって補助する制度です。中小企業(区分によって100〜150%)、大企業(区分によって50〜75%)と補助率が分かれており、上限は1億円です。
この記事は「本社・工場等新増設等支援制度」の内容です。 市外から京都市に初めて進出する場合は「市内初進出支援制度」が別にあります。すでに京都市内に拠点があり、そこを増設・新設する場合はこちらの制度が対象になります。
本社・工場等新増設等支援制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人) |
| 制度名 | 京都市企業立地促進制度補助金(本社・工場等新増設等支援制度) |
| 対象業種 | 製造業・ソフトウェア業・情報処理サービス業等 |
| 利用目的 | 本社・工場等の新増設に伴う固定資産税・都市計画税相当額の支援 |
| 対象地域 | 京都府京都市 |
| 従業員数 | 常時雇用者数5名以上(区分により資本金1億円以下かつ従業員100人以下等) |
| 補助上限額 | 1億円 |
| 補助率 | 小規模事業者A 100〜150%(3年間)、小規模事業者B 50〜75%(2年間)、大企業は別途設定(1年間) |
| 申請受付 | 通年受付。着工前に申請し交付決定を受ける必要あり |
| 公式サイト | 京都市「本社・工場等新増設等支援制度/京都型グローバル・ニッチ・トップ企業育成補助金」 |

自分の会社は対象になる?
対象になるのは、京都市内で本社・工場等を新増設する製造業・ソフトウェア業・情報処理サービス業等の企業です。京都市独自の区分で、小規模事業者A(資本金1億円以下かつ従業員100人以下)と小規模事業者B(それ以外の中小企業者)、大企業に分かれ、区分ごとに補助率と補助期間が変わります。
- 小規模事業者A: 固定資産税等相当額の100〜150%を3年間補助
- 小規模事業者B: 固定資産税等相当額の50〜75%を2年間補助
- 大企業: 固定資産税等相当額の一定割合を1年間補助
なお中小企業者かどうかは、業種ごとに資本金・従業員数の基準が法律(中小企業基本法第2条第1項)で決まっており、どちらか一方を満たせば該当します(製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下など、業種によって基準が異なります)。京都市独自の「小規模事業者A/B」区分は、この法律上の中小企業者をさらに規模で細分したものです。
対象になる投資の目安
補助を受けるには、次のような要件を満たす必要があります。
- 設備の取得額が一定額(1,000万円〜2,500万円程度)以上であること
- 常時雇用者数が5名以上であること
- 新たな雇用が1名以上生まれる、または生産性の向上が見込まれること
小規模な改修や、雇用を伴わない設備更新だけでは対象にならない可能性がある点に注意してください。新増設のタイミングで「何人雇うか」「何を作る設備か」まで事業計画に落とし込んでおくことが、申請の土台になります。
いくら戻る?
補助の考え方は「固定資産税・都市計画税相当額×補助率×補助年数」です。土地は対象に含まれず、建物・設備にかかる新規の固定資産税等が対象になります。
例えば、小規模事業者Aが工場を新設し、初年度の固定資産税等相当額が500万円だったとします。補助率150%が適用されれば、初年度だけで750万円、これが3年続けば理論上は2,000万円を超える計算になります。ただし上限は1億円で頭打ちになるため、大規模な投資ほど上限に近づきやすくなります。
動く順番
- 新増設する本社・工場等の計画(設備投資額・雇用計画)を固める
- 京都市産業観光局 企業誘致推進室に事前相談する
- 着工前に申請し、交付決定を受ける
- 竣工後、固定資産税等の課税実績にもとづいて補助を受ける
交付決定より前に着工してしまうと対象外になる可能性が高いため、事前相談は早い段階で行ってください。
よくある質問
Q. 大企業でも対象になりますか?
対象にはなりますが、補助率・補助期間は中小企業(小規模事業者A/B)より低く設定されています。詳しい補助率は京都市の窓口でご確認ください。
Q. 土地の購入費も補助の対象になりますか?
いいえ。対象となるのは建物・設備にかかる固定資産税・都市計画税相当額で、土地は対象外です。
Q. 補助を受けている途中で従業員が減った場合はどうなりますか?
雇用の維持・拡大が前提の制度であるため、要件を下回った場合は補助額の見直しが行われる可能性があります。詳細は京都市の窓口にご確認ください。
