令和8年度は、年金生活者支援給付金の基準額が3.2%上がりました。物価の変動に合わせて毎年度改定される仕組みで、老齢の基準額は月5,450円から5,620円になっています。
この給付金は、年金とは別に振り込まれます。条件に当たっていても、請求書を出さなければ支給されません。 年金を受けている人には、毎年9月の第1営業日から順次、緑の封筒ではがき型の請求書が届きます。
年金生活者支援給付金の要点まとめ
正式名:年金生活者支援給付金(老齢・障害・遺族)
だれが
- 申請者
- 個人(本人)
- 対象業種
- 指定なし(個人が申請)
- 利用目的
- 年金を受けている低所得者の生活支援
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし(個人が申請)
いくら
- 補助上限額
- 84,300円(障害1級の年額)。老齢は月5,620円が基準
- 補助率
- 定額(老齢は保険料の納付・免除期間で決まる)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 随時(請求した月の翌月分から支給)
- 公式サイト
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
自分は対象になる?
いちばん相談の多い老齢の給付金から見ます。老齢基礎年金(国民年金から65歳以降に出る年金)に上乗せされる給付金で、次の3つにすべて当てはまる人が対象です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
前年の年金収入とその他の所得の合計が、昭和31年4月2日以後生まれで826,500円以下、昭和31年4月1日以前生まれで824,100円以下なら基準内です。障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この所得に含めません。令和8年10月分から令和9年9月分は、令和7年の所得で判定します。
次のどれかに当たると、支給されません。
- ✕ 世帯に住民税の課税者がいる
- ✕ 前年の所得が基準額を超えた
- ✕ 日本国内に住所がない
- ✕ 年金が全額支給停止になっている
- ✕ 刑事施設等に拘禁されている
所得が基準額を少し超えた人にも道があります。老齢で826,500円を超え926,500円以下(昭和31年4月1日以前生まれは824,100円超924,100円以下)なら、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象です。基準を超えた分だけ給付額が減る仕組みになっています。
障害と遺族は、見る場所が別です。障害基礎年金または遺族基礎年金を受けていて、前年の所得が「4,918,000円+扶養親族の数×38万円」以下なら対象です。同一生計配偶者が70歳以上か老人扶養親族なら48万円、特定扶養親族か16歳以上19歳未満の扶養親族なら63万円で計算します。
いくらもらえる?
給付額は、年金の種類で決まり方が違います。令和8年度の基準額は次のとおりです。
| 区分 | 月額 | 決まり方 |
|---|---|---|
| 老齢 | 5,620円が基準 | 保険料の納付・免除期間で増減 |
| 障害1級 | 7,025円 | 等級で固定 |
| 障害2級 | 5,620円 | 等級で固定 |
| 遺族 | 5,620円 | 子が2人以上なら人数で割る |
老齢だけは計算が必要です。納付済期間は月5,620円を、免除期間は月11,768円(4分の1免除は5,884円)を土台に、480か月(40年)を分母にして按分します。免除期間とは、国民年金の保険料の全部または一部を免除された期間のことです。金額は昭和31年4月2日以後生まれの場合で、昭和31年4月1日以前生まれは11,734円(4分の1免除は5,867円)です。
- 納付が240か月、全額免除が60か月の人:5,620円 × 240÷480 = 2,810円、11,768円 × 60÷480 = 1,471円。合わせて月4,281円(年51,372円)
- 40年すべて納付した人:5,620円 × 480÷480 = 5,620円(年67,440円)
- 障害1級の人:7,025円 × 12か月 = 84,300円(年額)
- 3人の子が遺族基礎年金を受けている家庭:5,620円 ÷ 3 = 1,873円(子1人あたり月額)
補足的な給付金は、所得で調整されます。調整支給率は「(926,500円-前年の所得)÷100,000」です。昭和31年4月2日以後生まれで、40年納付、前年の所得が85万円なら、5,620円 × 0.765 = 4,299円です。
端数は、50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を1円に切り上げます。免除期間に掛ける金額は、毎年度の老齢基礎年金の改定に応じて動きます。
申請の流れ
請求の入口は、年金の受け取り方で分かれます。1〜3のうち、自分に当たるものを選びます。
- はがき型の請求書が届いた人は、そのまま出す(本人→日本年金機構。電子申請か郵送。届いた緑の封筒の案内に沿う)
- 65歳になる人は、年金請求書に同封された請求書を出す(本人→年金事務所。65歳の3か月前に届き、誕生日の前日以降に提出)
- 障害・遺族の年金を新しく請求する人は、年金の請求と同時に出す(本人→年金の請求窓口。年金の請求手続きとあわせて)
- 1〜2か月後に、支給決定通知書が届く(日本年金機構→本人)
- 初回の支払い月の上旬に、振込通知書が届く(日本年金機構→本人。年金と同じ口座に入る)
支払いは原則、偶数月の15日です。土日祝日のときは、直前の金融機関の営業日になります。前月と前々月の2か月分が、年金とは別に振り込まれます。10月分と11月分は12月15日の支払いです。
請求した月の翌月分から支給されるのが原則です。ただし、新しく基礎年金の受給権を得た人は、受給権を得た日から3か月以内に請求すれば、さかのぼって支給されます。はがきが届いたら、後回しにしないことを勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 4
A4型の請求書は、はがきを紛失した人や、新しく年金を請求する人が使います。所得状況届は、支給要件に当たるか確認できない人にだけ、A4型とあわせて届きます。年金請求書は、65歳になる人に事前送付されるものです。
成年後見人が手続きする場合は、請求書の氏名欄に年金受給者の氏名を書きます。電話番号欄には成年後見人の電話番号を書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 請求書を出さなかった:自動では支給されません。出した月の翌月分から始まるので、遅れた月は支給が始まりません。
- 住所が国内でなくなった:日本国内に住所がないと支給されません。国外へ転出するときは、給付金専用ダイヤルか年金事務所へ届出が必要です。
- 年金が全額支給停止になった:土台の年金が止まると、給付金も止まります。
- 刑事施設等に拘禁された:支給されません。こちらも届出が必要です。
- 所得が基準を超えた:毎年、前年の所得で見直されます。基準を超えた年は、支給が止まります。その後に条件へ当たるようになったときは、あらためて請求書を出します。
令和8年度の変更点と、見落としやすい点
令和8年度の基準額は、前年度から3.2%の増額改定です。
| 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 老齢 | 5,450円 | 5,620円 |
| 障害1級 | 6,813円 | 7,025円 |
| 障害2級 | 5,450円 | 5,620円 |
| 遺族 | 5,450円 | 5,620円 |
老齢は、免除期間がある人の分が老齢基礎年金の改定でも動くので、3.2%きっかりの増額にならないことがあります。老齢基礎年金の満額は、令和8年度で月70,608円(昭和31年4月1日以前生まれは70,408円)です。
受け取り始めたあとは、金額が変わるたびに支給金額(改定)通知書が届きます。年金と同時に受けている人には、改定通知書と振込通知書が一つにまとまった大判はがきで届きます。見込額は、はがき型の請求書に月額で書かれています。
詐欺にも注意が要ります。機構や厚生労働省が、電話で家族構成や口座番号、暗証番号を聞くことはありません。手数料を求めることもありません。不審な電話は、年金事務所か警察相談専用電話(#9110)に伝えてください。
よくある質問
年金を受けていれば自動で振り込まれますか?
自動では振り込まれません。年金生活者支援給付金は、請求書の提出が必要です。条件に当たる人には、毎年9月の第1営業日から順次、はがき型の請求書が緑の封筒で届きます。提出から1〜2か月後に支給決定通知書が届き、請求した月の翌月分から支給されるのが原則です。一度受け取り始めると、条件を満たし続けるかぎり翌年以降の手続きは原則要りません。条件に当たるか迷う場合は、まず請求書を出して判定を受けるほうが早いと考えます。
はがきが届かない、または失くしたときは?
請求書(A4型)を日本年金機構のページからダウンロードし、必要事項を書いて、近くの年金事務所に出します。はがき型が届くのは、基礎年金を受けていて新たに給付金を受け取れる人です。支給要件を確認できない人には、A4型と所得状況届が送られます。届くはずの時期に何も来ないときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)に電話して確かめてください。
電子申請でも請求できますか?
請求できます。令和7年1月以降にはがき型の請求書が届いた人は、電子申請で出せます。電子申請で出した場合は、郵送での提出は要りません。手順は、はがきに同封のリーフレットと、機構ページの動画で確かめられます。郵送の場合は、氏名などを書き、同封の目隠しシールを貼り、切手を貼ってポストに投函します。
振込はいつですか?
原則として偶数月の15日に、前月と前々月の2か月分がまとめて振り込まれます。15日が土日祝日のときは、直前の金融機関の営業日です。10月分と11月分なら12月15日です。年金とは別の振込で、受取口座は年金と同じです。初回の支払い月の上旬に、日本年金機構から振込通知書が届くので、そこで金額を確かめられます。
世帯全員が非課税とは、同居の家族も含みますか?
老齢の給付金は、請求する本人を含む世帯全員の住民税が非課税であることが条件です。世帯に課税者が1人でもいれば、対象外になります。世帯の範囲の細かい扱いは、機構のページに書かれていません。判定は、日本年金機構が市町村の情報をもとに行います。家族構成が変わったときは、給付金専用ダイヤルで確かめるのが確実です。
所得の基準は、どの年の所得で見ますか?
前年の所得で見ます。令和8年10月分から令和9年9月分の給付金を請求する場合は、令和7年の所得が対象です。老齢は、前年の年金収入とその他の所得の合計が、昭和31年4月2日以後生まれで826,500円以下なら基準内です。障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この合計に含まれません。
補足的老齢年金生活者支援給付金とは何ですか?
老齢の所得基準を少し超えた人向けの給付金です。昭和31年4月2日以後生まれなら、所得が826,500円を超え926,500円以下の人が対象です。給付額は、保険料納付済期間に基づく額に調整支給率を掛けて求めます。調整支給率は(926,500円-前年の所得)÷100,000で、所得が高いほど小さくなります。
障害の給付金はいくらで、誰が対象ですか?
障害基礎年金を受けていて、前年の所得が「4,918,000円+扶養親族の数×38万円」以下の人が対象です。給付額は障害等級で決まり、1級が月7,025円、2級が月5,620円です。老齢と違って、保険料の納付期間による増減はありません。新しく障害基礎年金を請求する人は、年金の請求と同時に給付金の請求も済ませます。
遺族の給付金は、子が複数いるとどうなりますか?
遺族基礎年金を受けていて、前年の所得が「4,918,000円+扶養親族の数×38万円」以下の人が対象です。給付額は月5,620円です。2人以上の子が遺族基礎年金を受け取っている場合は、5,620円を子の人数で割った額が、それぞれに支払われます。3人なら、1人あたり月1,873円です。
海外に住むことになったら、届出は必要ですか?
必要です。日本国内に住所がないと、給付金は支給されません。国外へ転出するときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か近くの年金事務所に届出をしてください。刑事施設等に拘禁されたときも、同じく届出が必要です。年金が全額支給停止の場合も支給されません。届出の様式は、窓口で案内されます。
成年後見人が手続きするときの書き方は?
請求書面の氏名欄には、年金受給者の氏名を書きます。電話番号欄には、成年後見人の電話番号を書きます。あて名面の差出人欄には、成年後見人の住所と氏名を書き、氏名は成年後見人であることが分かるように書きます。たとえば「成年後見人 ○○ ○○」です。詳しい手順は、機構ページの案内で確かめられます。
問い合わせ先と受付時間は?
給付金専用ダイヤル(ナビダイヤル)0570-05-4092です。050で始まる番号からは、03-5539-2216(一般電話)にかけます。受付は月曜が午前8時30分から午後7時、火曜から金曜が午前8時30分から午後5時15分、第2土曜が午前9時30分から午後4時です。基礎年金番号が分かるものを用意してください。
