窓を二重にして寒さと結露を何とかしたい。そう考えて調べ始めると、「内窓を足す」と「窓ごと交換する」の2つの方法があり、しかも補助金の単価がまったく違うことに気づきます。
国の「先進的窓リノベ2026事業」で戸建てのいちばん大きい窓を最高グレードで工事した場合、内窓設置は1か所14万円、外窓交換は1か所23.9万円です。差は9.9万円。ところが工事費は外窓交換のほうが大きく、単純に「補助額が高いほうが得」とは言えません。
この記事では、内窓設置と外窓交換の補助単価を同じ表で並べたうえで、どちらを選ぶべきかの判断材料、東京都の上乗せ、申請の手順を整理します。窓の断熱改修全体でどの制度を選ぶかは断熱窓の補助金、内窓そのものの基本は内窓の補助金で扱っています。
対象になるのは住宅所有者・賃借人・管理組合等の個人・団体で、実際の申請手続きは登録事業者(窓リノベ事業者)が代行します。国の先進的窓リノベ2026事業は1戸あたり100万円が上限(内窓1か所22,000円〜152,000円、外窓交換1か所41,000円〜302,000円)、東京都の上乗せは1戸あたり最大200万円(断熱防犯窓は300万円)です。国は着手期間が2025年11月28日〜遅くとも2026年12月31日、都は事前申込みが2026年5月29日〜2027年3月31日です。
先進的窓リノベ2026事業は環境省の事業です。同じ時期に国土交通省なども進める「みらいエコ住宅2026事業」でも窓は対象になりますが、同じ窓に両方は使えません。県や市の補助は国より先に予算が尽きることがあり、令和8年度は埼玉県が7月29日に、神奈川県が9月30日に受付を締め切りました。申請方法と必要書類、店舗や会社の窓の扱い、確定申告との関係も、後ろの節にまとめています。

二重窓の補助金の全体像
二重窓化に使える補助金は、次の2層で考えると分かりやすくなります。
- 国の制度:「先進的窓リノベ2026事業」。全国どこに住んでいても対象です
- 都道府県・市区町村の上乗せ制度:東京都のように、国の補助にさらに上乗せする制度を用意している自治体があります
国の制度は登録事業者(窓リノベ事業者)による施工が必須で、住まい手が直接申請することはできません。県や市の制度は申請の仕組みが違うので、後ろの各節で確かめます。
【国の制度】先進的窓リノベ2026事業
先進的窓リノベ2026事業は、窓の断熱改修に特化した国の制度です。前年度までの同種事業の後継として、2026年度も継続実施されています。
先進的窓リノベ2024事業や2025事業を載せた記事は、単価も上限も2026事業とは別の表です。「二重窓 補助金 2024 いくら」と調べて出てきた数字で見積もると、いまの額とずれます。先進的窓リノベ2025事業で補助を受けた窓は、返金した場合も含めて、2026事業の対象になりません(公式の対象要件のページ)。
対象になる工事
- 内窓設置:既存窓の内側に新しい窓を追加する、いわゆる二重窓化の工事
- 外窓交換(カバー工法):既存の窓枠を残し、その上から新しい窓枠をかぶせて交換する工法
- 外窓交換(はつり工法):既存の窓枠を壁ごと撤去して新しい窓を入れる工法
- ガラス交換:サッシはそのままで、ガラスだけを断熱性能の高いものに交換する
- ドア交換:同一契約内で行う場合に対象
対象要件
- 既存住宅であること。 「リフォーム工事の契約時点で、建築から1年が経過した住宅」または「過去に人が居住した住宅」を指します(建築日は検査済証の発出日が基準)
- 戸建住宅・集合住宅(低層・中高層)が対象
- 内窓は、既存の外窓の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に設置するものに限ります。既存の外窓1つに内窓を3つ以上付ける工事は、既存のガラス面と同数にする場合などを除き対象外です
- 窓リノベ事業者(登録施工業者)との工事請負契約が必須
- 1申請あたりの補助額の合計が5万円以上であること
- 補助対象者は、住宅所有者・賃貸供与者・賃借人・集合住宅の管理組合/管理組合法人・買取再販事業者など
サイズ区分と性能グレードの定義
補助額はサイズ区分と性能グレードの掛け算で決まります。
| サイズ区分 | 窓の面積 |
|---|---|
| 特大(G) | 4.0㎡以上 |
| 大(L) | 2.8㎡以上4.0㎡未満 |
| 中(M) | 1.6㎡以上2.8㎡未満 |
| 小(S) | 0.2㎡以上1.6㎡未満 |
性能グレードは熱貫流率(Uw値) で分かれます。熱貫流率は窓を通じて逃げる熱の量を示す数値で、小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
- P(SS):Uw 1.1以下
- S:Uw 1.5以下
- A:Uw 1.9以下
内窓設置にはAグレードの区分がありません。 内窓はP(SS)とSの2段階だけで、Uw1.5を超える内窓は国の補助対象外です。外窓交換とガラス交換にはAがあります。
★内窓設置と外窓交換、補助額はいくら違うか
戸建住宅(延床面積240㎡以下の非住宅建築物を含む)の単価を並べます。
| グレード | サイズ | 内窓設置 | 外窓交換(カバー工法) | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| P(SS) | 特大(G) | 140,000円 | 239,000円 | +99,000円 |
| 大(L) | 89,000円 | 188,000円 | +99,000円 | |
| 中(M) | 58,000円 | 138,000円 | +80,000円 | |
| 小(S) | 36,000円 | 89,000円 | +53,000円 | |
| S | 特大(G) | 76,000円 | 156,000円 | +80,000円 |
| 大(L) | 52,000円 | 124,000円 | +72,000円 | |
| 中(M) | 34,000円 | 92,000円 | +58,000円 | |
| 小(S) | 22,000円 | 60,000円 | +38,000円 | |
| A | 特大(G) | ― | 116,000円 | ― |
| 大(L) | ― | 88,000円 | ― | |
| 中(M) | ― | 66,000円 | ― | |
| 小(S) | ― | 41,000円 | ― |
低層集合住宅・延床面積240㎡超の非住宅建築物(3階建以下)の外窓交換はさらに高く設定されています。
| グレード | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS) | 302,000円 | 229,000円 | 156,000円 | 92,000円 |
| S | 202,000円 | 153,000円 | 104,000円 | 62,000円 |
| A | 174,000円 | 133,000円 | 92,000円 | 54,000円 |
集合住宅の内窓設置もP(SS)で40,000円〜152,000円と、戸建てより高い単価です。
ガラス交換という第3の選択肢
サッシを触らずガラスだけ替える方法もあります。単価は低いですが、工期と工事費も小さく済みます。
| グレード | 特大(2.0㎡以上) | 大(1.4㎡以上2.0㎡未満) | 中(0.8㎡以上1.4㎡未満) | 小(0.1㎡以上0.8㎡未満) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS) | 78,000円 | 52,000円 | 32,000円 | 11,000円 |
| S | 53,000円 | 35,000円 | 23,000円 | 7,000円 |
| A | 41,000円 | 27,000円 | 18,000円 | 5,000円 |
※ガラス交換だけサイズ区分の面積の切り方が異なります(窓ではなくガラス1枚の面積で判定)。
内窓と外窓交換、どちらを選ぶべきか
補助額だけを見れば外窓交換が有利ですが、判断材料は4つあります。
| 判断軸 | 内窓設置 | 外窓交換(カバー工法) |
|---|---|---|
| 国の補助額(戸建・P・特大) | 140,000円 | 239,000円 |
| 工事の規模 | 既存窓を残して内側に足すだけ | 窓枠ごと交換する |
| 開口部の見た目 | 窓が2枚になり、開閉が2回になる | 見た目は1枚のまま |
| 有効開口 | 既存枠の内側に付くため、わずかに狭くなる | カバー工法では枠が二重になる分わずかに狭くなる |
補助額の差(特大で9.9万円)が、工事費の差を上回るかどうかが分かれ目です。 これは製品と現場の条件で変わるため、窓リノベ事業者に両方の工法で見積りを取ってもらうのが確実です。
一般的な傾向として、次のような使い分けになります。
- 開閉の手間より断熱・防音を優先し、費用を抑えたい → 内窓設置
- 既存のサッシが劣化していて、どのみち交換が必要 → 外窓交換
- 賃貸物件で原状回復を考える必要がある → 内窓設置のほうが戻しやすい
同じ家の中で工法を使い分けることもできます。 リビングの大きな窓は外窓交換、その他の部屋は内窓設置、という組み合わせも可能です。
5万円の壁:まとめて工事したほうが有利
1申請あたりの補助額合計が5万円以上でなければ申請できません。
- 戸建てで中サイズの窓にSグレードの内窓を1か所 → 34,000円で申請できません
- 同じ窓を外窓交換(S)にすれば92,000円で申請できます
- 内窓のままでも、2か所やれば68,000円で申請できます
「まず1か所だけ試す」は補助金の観点で不利です。 まとめて発注すれば5万円の要件を満たしやすく、事業者の出張費も1回で済みます。
申請タイミング(重要)
二重窓の工事は、個人が直接申請する制度ではありません。 窓リノベ事業者が申請の手続きを行います。
- 着手期間:2025年11月28日〜遅くとも2026年12月31日(予算上限到達時点まで)
- 工事請負契約より前に工事に着手した場合、補助対象になりません
- 申請手続きは窓リノベ事業者が行い、住宅所有者が直接申請することはできません
見積りを取る段階では問題ありません。 契約を結ぶ前に工事を始めてしまうと、その時点で補助の対象から外れます。
都道府県・市区町村の上乗せ(東京都の例)
東京都は、国の先進的窓リノベ2026事業に上乗せするかたちで、独自の窓断熱補助を用意しています。窓口は公益財団法人東京都環境公社が運営する「クール・ネット東京」です。
令和8年度「既存住宅における省エネ改修促進事業」の単価
内窓設置
| グレード(熱貫流率) | 特大 | 大 | 中 | 小 |
|---|---|---|---|---|
| P(1.1以下) | 133,000円 | 106,000円 | 72,000円 | 46,000円 |
| S(1.1超1.5以下) | 82,000円 | 65,000円 | 44,000円 | 28,000円 |
| A(1.5超1.9以下) | 32,000円 | 26,000円 | 18,000円 | 12,000円 |
| B(1.9超2.3以下) | 20,000円 | 16,000円 | 13,000円 | 10,000円 |
外窓交換
| グレード | 特大 | 大 | 中 | 小 |
|---|---|---|---|---|
| P | 277,000円 | 220,000円 | 163,000円 | 109,000円 |
| S | 187,000円 | 149,000円 | 110,000円 | 74,000円 |
| A | 147,000円 | 117,000円 | 87,000円 | 58,000円 |
| B | 98,000円 | 78,000円 | 57,000円 | 37,000円 |
ガラス交換
| グレード | 特大 | 大 | 中 | 小 |
|---|---|---|---|---|
| P | 69,000円 | 55,000円 | 34,000円 | 11,000円 |
| S | 45,000円 | 36,000円 | 24,000円 | 7,000円 |
| A | 37,000円 | 30,000円 | 19,000円 | 5,000円 |
| B | 23,000円 | 19,000円 | 12,000円 | 3,000円 |
ドア交換:P 220,000円/S 149,000円/A 117,000円/B 78,000円(1枚あたり)
東京都の単価表には、Aグレード(Uw1.5超1.9以下)とBグレード(1.9超2.3以下)の内窓もあります。国の内窓はSグレード(1.5以下)が下限なので、単価表の幅は都のほうが広くなっています。ただし設置する窓は、国の先進的窓リノベ・みらいエコ住宅のどちらかで補助対象製品に登録されたものに限られます(都の公式ページ)。
上限額と受付期間
- 戸建住宅・通常の集合住宅の上限は200万円/戸
- 断熱防犯窓を使う場合は300万円/戸(住宅省エネ2026キャンペーンの補助対象製品一覧で「断熱窓+防犯窓」として登録されている製品に限る)
- 管理組合が50戸以上を改修する場合は240万円×改修戸数
- 令和8年度は助成単価が増額され、窓のサイズに「特大」が加わりました(都の公式ページ)
- 事前申込み:2026年5月29日から受付。契約締結が2026年4月1日〜6月30日の場合は、事前申込みの受付期限が2027年3月31日と別に定められています
- 交付申請兼実績報告:2026年6月30日〜2029年3月30日
- 設備の契約・施工は「事前申込み受付後」であることが条件です。事前申込みから交付申請まで1年以内に完了させる必要があります
東京都以外にお住まいの方も、同様の上乗せ制度がある可能性があります。 お住まいの都道府県・市区町村の公式サイトで「二重窓 補助金」「内窓 助成」などのキーワードで確認してください。
いくらもらえるか(試算)
ケース1: リビングの掃き出し窓1か所(東京都外・国の補助のみ)
特大(4.0㎡以上)の窓1か所を工法別に比べます。
| 工法 | グレード | 補助額 | 5万円要件 |
|---|---|---|---|
| 内窓設置 | P(SS) | 140,000円 | 満たす |
| 内窓設置 | S | 76,000円 | 満たす |
| 外窓交換(カバー) | P(SS) | 239,000円 | 満たす |
| 外窓交換(カバー) | A | 116,000円 | 満たす |
| ガラス交換 | P(SS) | 78,000円 | 満たす |
特大サイズなら、どの工法・グレードでも1か所で5万円の要件を満たします。
ケース2: 戸建て全体で6か所を内窓化(東京都内・国+都を併用)
リビング掃き出し窓(特大)1か所、寝室(大)1か所、居室(中)3か所、洗面所(小)1か所をP(SS)/Pグレードで施工した場合。
| 窓 | サイズ | 国(戸建・P) | 都(P) | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| リビング掃き出し窓 | 特大 | 140,000円 | 133,000円 | 273,000円 |
| 寝室 | 大 | 89,000円 | 106,000円 | 195,000円 |
| 居室① | 中 | 58,000円 | 72,000円 | 130,000円 |
| 居室② | 中 | 58,000円 | 72,000円 | 130,000円 |
| 居室③ | 中 | 58,000円 | 72,000円 | 130,000円 |
| 洗面所 | 小 | 36,000円 | 46,000円 | 82,000円 |
| 合計 | 439,000円 | 501,000円 | 940,000円 |
計算上は94万円ですが、実際に受け取れるのは工事費の実額が上限です。 補助額の合計が工事費を上回る場合、超えた分は支給されません。見積書の税抜き工事費と補助額の合計を必ず見比べてください。
ケース3: 同じ6か所を外窓交換にした場合(東京都内)
| 窓 | サイズ | 国(戸建・P) | 都(P) | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| リビング掃き出し窓 | 特大 | 239,000円 | 277,000円 | 516,000円 |
| 寝室 | 大 | 188,000円 | 220,000円 | 408,000円 |
| 居室①〜③ | 中×3 | 414,000円 | 489,000円 | 903,000円 |
| 洗面所 | 小 | 89,000円 | 109,000円 | 198,000円 |
| 合計 | 930,000円 | 1,095,000円 | 2,025,000円 |
国の上限100万円に近づく規模になります。 ここまでの規模になると、工事費も大きくなるため、「補助額の計算値」ではなく「工事費のうち何割が補助で戻るか」で判断してください。
ケース4: マンションの管理組合が共用部の窓を一括で二重窓化(東京都内)
- 都の制度では、管理組合が50戸以上を改修する場合、上限が240万円×改修戸数になります
- 国の制度でも、集合住宅の外窓交換はP(SS)の特大で302,000円と、戸建てより高い単価が設定されています
- 管理組合が補助対象者に含まれるため、組合名義での申請が可能です
ケース5: 工法を組み合わせる(東京都外)
リビングだけ外窓交換、他は内窓設置という組み合わせも可能です。
- リビング掃き出し窓(特大)を外窓交換P(SS)→ 239,000円
- 寝室(中)2か所を内窓設置P(SS)→ 116,000円
- 合計 355,000円
同一契約であれば、工法の混在は問題ありません。 ただし同じ窓に内窓と外窓交換の両方を申請することはできません。
補助金を最大限使うための考え方
- 面積の大きい窓から優先する。 単価はサイズ区分で決まるため、大きい窓ほど1か所あたりの補助額が大きくなります
- 同一契約でまとめる。 5万円の要件を満たしやすく、出張費も1回で済みます
- グレードを1段階上げたときの「差額のうち何割が補助で戻るか」を見積りで確認する。 製品価格の上がり幅と補助額の上がり幅を並べて比べます
- 東京都内なら、国と都の単価を合わせて試算し、見積書の工事費と見比べる
併用できるか
- 国の先進的窓リノベ2026事業と、東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は併用が可能です
- みらいエコ住宅2026事業(外壁・屋根なども含む断熱改修の国事業)と先進的窓リノベ2026事業は、同一の窓に対して重複申請できません。窓は窓リノベ、他の部位はみらいエコ住宅、という切り分けになります
- 給湯省エネ2026事業(高効率給湯器)とは対象設備が違うため、同じ住宅で両方を使うことは可能です
- 東京都・東京都環境公社が実施する他の助成との重複受給はできません
- 同じ窓に内窓設置と外窓交換を重ねて申請することはできません
申請の流れ
- 窓リノベ事業者を探す:登録事業者であることを確認します
- 見積り:内窓と外窓交換の両方で、各窓のサイズ区分・性能グレード・1か所ごとの補助額を書いてもらいます
- 東京都の制度を使う場合は事前申込み:契約・工事の前に事前申込みを済ませます
- 工事請負契約を結ぶ
- 工事の着手:契約後に着工します
- 工事完了
- 交付申請(事業者が実施)
- 補助金の受け取り:工事代金から差し引く方式か、後日返金される方式かは契約内容によります
補助金がいつどのように手元に来るかを、契約前に事業者に確認してください。
申請方法
国の先進的窓リノベ2026事業では、窓リノベ事業者が事務局の「住宅省エネポータル」で申請します。住まい手が自分で申請する窓口はありません。住まい手がやるのは、工事請負契約を結ぶこと、事業者と指定様式の共同事業実施規約を取り交わすこと、必要書類を事業者に渡すことです。
事業者の側には、交付申請の前に予算を確保する「交付申請の予約」があります。予約は任意で、受付は遅くとも2026年11月16日までです。予約の有効期間は、提出から3か月か2026年12月31日の早いほうです。交付申請は、工事の完了と引渡しのあとに出します。交付申請の受付は遅くとも2026年12月31日までで、どちらも予算の上限に達した時点で終わります。
振込は、交付決定から1〜2か月後が予定されています。事業者から住まい手への還元は、契約代金に充てる方法か現金で支払う方法のどちらかで、現金の場合は補助金の交付から遅くとも2か月以内と決まっています。
必要書類
公式の申請手続きのページでは、書類が提出する人ごとに分かれています。
住まい手が関わる書類は次のとおりです。
- 共同事業実施規約(指定様式。事業者と住まい手の両方が記入します)
- 本人確認書類(種類は交付申請の手引きで確認します)
- 建物の不動産登記事項証明書(該当する場合のみ。登記情報提供サービスの出力でも可)
事業者が用意する書類は、工事請負契約書、設置した窓の性能証明書、工事前と工事後の写真、着工写真です。工事前の写真には提出の免除がなく、撮り忘れると補助金を受けられません。撮影するのは事業者ですが、契約の前に「いつ、どの窓を撮るか」を聞いておくと安心です。
注意点(対象外になるケース)
- 契約前に工事を始めた場合:着工日が契約日より前だと補助対象になりません
- DIYで設置した場合:登録事業者による施工でなければ性能証明書が発行されず対象外です
- 対象製品以外を使った場合:性能証明書が発行される対象製品でなければ対象外です
- 建築から1年が経過していない住宅:既存住宅の定義を満たしません
- 補助額の合計が5万円未満の場合:申請そのものができません
- 同じ窓に複数工法を重ねた場合:内窓と外窓交換を同一の窓で二重に申請することはできません
- 予算上限に達した場合:必ずもらえるものではありません。予算の範囲内で運用されているため、想定より早く受付が終了することがあります
県や市の補助は国より先に予算が尽きます
東京都のほかにも、窓の断熱に補助を出す県や市があります。ただし令和8年度は、受付が早く終わった例が目立ちます。ここに書いた内容は、各自治体の公式ページで確かめたものです。
埼玉県
埼玉県窓断熱リフォーム支援事業は、国の先進的窓リノベ2026事業かみらいエコ住宅2026事業を使って県内の住宅の窓を断熱改修した場合に、費用の一部を県が補助するものです。予算執行率が100%に達したため、令和8年7月29日に申請受付を終了しました。県のページには、予算の上限に達した後の申請には補助金を交付できない、と書かれています。
神奈川県
令和8年度神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金は、外気に接する窓(玄関ドアなど含む)の改修が必須で、壁・天井・床の断熱は任意です。補助額は、補助対象経費の3分の1か15万円のどちらか低い額が上限です。国の制度と違って、申請者本人が申請する必要があり、施工業者による代行申請はできません。 交付決定の前に改修工事に着手すると対象外になります。県のページは、契約に係る行為は着手に当たらず、着手は改修工事の着手を指すとしています。審査には2か月程度かかることがあります。令和8年度は申請額が予算額に達したため、9月30日の受付分で締め切られました。
大阪市
大阪市の住宅省エネ改修促進事業は、窓だけの断熱改修も「部分改修」として対象にしています。条件は、居間を含む2つ以上の居室について、外気に接する窓をすべて断熱改修することです。補助率は省エネ基準レベルで5分の2(上限30万円/戸)、ZEH水準で5分の4(上限70万円/戸)です。申請の手引き(令和8年4月版)によると、交付決定の通知を受けてから工事請負契約を結び、着工する順序で、工事着手予定日の30日前までの申請が求められています。交付申請の提出期限は令和9年1月29日ですが、申請状況によっては、それより前に受付を締め切ることがあるとされています。
福岡市
福岡市の公式ページ「住宅窓の断熱改修について」は、市が実施する断熱窓への改修の補助制度はないと案内し、国の補助制度を紹介しています。福岡市で二重窓にするなら、使えるのは国の制度が中心になります。
横浜市
横浜市のチラシ(令和8年7月)は、「横浜市既存住宅断熱改修補助」を、先進的窓リノベ2026事業・みらいエコ住宅2026事業・給湯省エネ2026事業と並べて載せています。外皮平均熱貫流率(UA値)0.46以下の省エネ性能と、耐震性能の確保が条件に挙がっており、例に出ているのは1棟全体を断熱改修する場合です。窓だけの二重窓化が対象になるかは、横浜市建築局住宅政策課に確認してください。
編集部の判断として、県や市の補助も使うつもりなら、国の契約より先に、県や市の受付状況と着工の条件を確かめることを勧めます。神奈川県のように交付決定を待ってから工事に着手する制度や、大阪市のように交付決定を待ってから契約・着工する制度があるためです。国の制度は工事着手が2026年12月31日までなので、順序を間違えると、どちらかを諦めることになります。
店舗・企業・法人の窓は対象になるか
先進的窓リノベ2026事業の対象は、住宅と、用途が限られた非住宅建築物です。
- 店舗併用住宅:戸建住宅の分類には店舗併用が含まれます。ただし、現に店舗や施設など住宅以外に使っている居室の窓は、原則として対象になりません
- 法人が持つ賃貸住宅:住宅を所有して賃貸に出す個人または法人は、補助対象者に入っています
- 非住宅建築物:建物を所有する個人・法人(地方公共団体を含む)が対象で、建物の用途と立地する用途地域で可否が決まります
非住宅建築物のうち、第1種・第2種低層住居専用地域に立地するものは対象になる場合があります。それ以外の地域では、低層住居専用地域で建てられる用途から、店舗と兼用住宅が除かれています。企業が事務所や店舗の窓を二重窓にするなら、公式の対象要件(非住宅)にある建物用途の一覧表で、自社の建物が当てはまるかを先に確かめてください。
ホームセンターで内窓を買って自分で付けた場合
カインズなどのホームセンターで内窓を買い、自分で取り付けた場合は、補助の対象外です。窓リノベ事業者との工事請負契約がないためです。住宅の所有者が窓を購入し、取付だけを事業者に頼む施主支給も、公式の対象外の工事に挙がっています。
ホームセンターの取付サービスを使う場合は、工事を請け負う会社が窓リノベ事業者として登録されているかを、契約の前に公式の登録事業者検索で確かめてください。取り付ける内窓が、性能証明書の出る対象製品であることも条件です。
二重窓の補助金と確定申告
窓を改修した人が確定申告で使える可能性があるのは、国税庁タックスアンサーNo.1219「省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」です。居室の窓の改修工事は、対象の工事に入っています。
補助金を受けた場合の扱いが要点です。控除額の計算は「A×10%+B×5%」で、Aは一般省エネ改修工事の標準的な費用の額から、補助金等の額を差し引いた後の金額です。差し引いた後の額が50万円を超えることも、適用の要件になっています。ほかに、自分が所有して住む家であること、令和10年12月31日までに居住の用に供すること、床面積50㎡以上なら合計所得金額が2,000万円以下であることなどが挙がっています。
補助金を受け取ったこと自体が所得税の課税対象になるかは、この記事では確認できていません。税務署か国税庁のタックスアンサーで確かめてください。
お住まいの自治体で探す方法
この記事で紹介した東京都の上乗せ制度は一例です。お住まいの地域の制度は次の方法で確認してください。
- お住まいの市区町村の公式サイトで「二重窓 補助金」「内窓 助成」を検索する
- 都道府県の環境部局・住宅部局のページを確認する
- 窓リノベ事業者に相談する(登録事業者は自治体の補助制度に詳しいことが多いです)
よくある質問
二重窓(内窓)1か所あたりいくら補助されますか?
戸建住宅の場合、国の先進的窓リノベ2026事業ではP(SS)グレードで36,000円〜140,000円、Sグレードで22,000円〜76,000円です。窓の面積区分(小・中・大・特大)によって決まります。集合住宅はこれより高い単価が設定されています。
二重窓の補助金(先進的窓リノベ2026事業)は、いつまで申請できますか?
国の先進的窓リノベ2026事業は、工事の着手が2025年11月28日から遅くとも2026年12月31日までです。公式サイトによると、交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも2026年12月31日までで、どちらも予算上限に達した時点で受付を終えます。リフォームの時期が決まったら、早めに窓リノベ事業者へ相談してください。東京都の助成の期間は、本文の東京都の節にある「上限額と受付期間」を見てください。
二重窓と外窓交換、補助額が高いのはどちらですか?
外窓交換のほうが高い設定です。戸建てのP(SS)グレード・特大サイズで比べると、内窓140,000円に対し外窓交換239,000円で、99,000円の差があります。ただし外窓交換は工事費も大きくなるため、補助額だけで判断せず総費用で比較してください。
同じ窓に内窓と外窓交換の両方を申請できますか?
できません。1つの窓に対して申請できる工法は1つです。
ガラス交換だけでも補助金は出ますか?
出ます。戸建てのP(SS)グレードで11,000円〜78,000円です。ただし単価が低いため、1か所だけでは5万円の要件を満たせないことが多く、複数箇所をまとめる必要があります。
個人で直接申請できますか?
国の先進的窓リノベ2026事業では、申請の手続きを登録事業者が行うしくみで、住まい手は直接申請できません。県や市は制度で違い、神奈川県は申請者本人が申請する必要があり、施工業者による代行申請はできません。東京都の公式ページには、手続を代行者に依頼する場合の案内があります。
賃貸住宅でも二重窓の補助金は使えますか?
はい。国の制度では住宅所有者・賃貸供与者・賃借人が補助対象者に含まれています。窓の工事に貸主の承諾が要るかは賃貸契約の内容しだいなので、事前に貸主へ確認してください。原状回復のしやすさを考えると、賃貸では内窓設置のほうが選びやすい工法です。
建てたばかりの家でも使えますか?
対象外です。契約時点で「建築から1年が経過した住宅」または「過去に人が居住した住宅」であることが要件です。
東京都以外に住んでいても国の補助は使えますか?
はい。先進的窓リノベ2026事業は全国が対象です。東京都の上乗せは都内の住宅に限られます。
1回の申請で複数箇所まとめて工事したほうがいいですか?
補助額の合計が5万円以上でなければ申請できないため、まとめたほうが要件を満たしやすくなります。また同一契約であれば工法の混在も可能なので、窓ごとに最適な工法を選べます。
内窓にAグレード・Bグレードはありますか?
国の制度ではP(SS)とSの2段階だけで、Uw1.5を超える内窓は対象外です。ただし東京都の単価表にはA・Bの区分があります。設置する窓が国の2事業のどちらかで補助対象製品に登録されていることが条件です。
補助金の合計が工事費を上回ったらどうなりますか?
上回った分は支給されません。補助金は工事費の実額が上限です。国と自治体を併用すると単価の合計が工事費を超えることがあるため、見積書の税抜き工事費と見比べてください。
東京都で国の補助だけ先に申請してもいいですか?
都の助成は、設備の契約・施工が「事前申込み受付後」であることが条件です(2026年4月1日〜6月30日に契約した工事には、別に受付期限があります)。都内で工事する場合は、国と都の両方の手順を事業者と確認してから契約してください。
二重窓の補助金の申請方法と必要書類は?
申請は窓リノベ事業者が住宅省エネポータルで行い、住まい手が自分で申請する窓口はありません。住まい手が関わる書類は、指定様式の共同事業実施規約、本人確認書類、必要に応じて不動産登記事項証明書です。工事請負契約書・性能証明書・工事前後の写真は事業者が用意します。工事前の写真は提出が免除されず、撮り忘れると補助金を受けられません。
店舗や会社の窓を二重窓にする場合も対象ですか?
店舗として使っている居室の窓は、住宅の補助では原則対象外です。法人が所有して賃貸に出す住宅は対象に入ります。非住宅建築物は、用途と用途地域で可否が決まり、低層住居専用地域以外では店舗と兼用住宅が除かれます。公式の対象要件(非住宅)の用途一覧で確かめてください。
