環境省は令和8年度、新しい補助金を1つ作りました。「山岳等受入環境改善等事業費補助金」です。財源は、出国のたびに1,000円を払う国際観光旅客税です。訪日客の増加で国立公園・国定公園の登山道が傷み始めていることが、新設の背景にあります。
対象は登山道そのものの保全と、周辺の自然環境調査に限られます。木道や橋梁のような工作物の整備は、この補助金の対象ではありません。
図: 山岳等受入環境改善等事業費補助金の全体像。詳しくは本文で解説します
山岳等受入環境改善等事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人)・地方公共団体 ※民間企業、NPO法人、一般社団・財団法人(公益法人含む)、都道府県・市町村、観光協会・広域観光推進機構、これらで構成する協議会(環境大臣の承認が必要) |
| 制度名 | 山岳等受入環境改善等事業費補助金 |
| 対象業種 | 指定なし(国立公園・国定公園の登山道保全に取り組む法人・団体) |
| 利用目的 | 登山道の近自然工法による保全対策・植生復元、登山道周辺の荒廃状況等の自然環境調査 |
| 対象地域 | 全国(国立公園・国定公園。実施:環境省自然環境局国立公園課) |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(環境省自然環境局国立公園課へお問い合わせください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(同上) |
| 申請受付 | 令和8年度公募は6月1日〜6月30日で受付終了。次年度以降の公募は環境省サイトで確認 |
| 公式サイト | https://www.env.go.jp/press/press_04941.html |
「近自然工法」とは何か
聞き慣れない言葉ですが、意味は単純です。コンクリートなどの人工資材に頼らず、その山にある石や木を使って、自然に近い形で登山道を修復する工法のことです。荒廃した区間を補修するだけでなく、周辺の植生を元に戻す作業まで含みます。
対象になる事業・ならない事業
環境省の告知では、対象事業を次の2つに整理しています。
- 登山道の保全対策:近自然工法による荒廃区間の補修、周辺植生の復元
- 自然環境調査:登山道の利用実態、荒廃状況の把握調査
一方で、木道や橋梁などの工作物整備は対象外と明記されています。「登山道を直したい」という相談でも、構造物の新設・更新が中心の計画は、この補助金では対象になりません。別の補助金(自然環境整備交付金等)を検討することになります。
よくある質問
個人の登山ガイドや小さな旅行会社でも申請できますか?
告知では民間企業・NPO法人・一般社団/財団法人などが対象に挙げられています。個人事業主が対象に含まれるかは、環境省自然環境局国立公園課へ直接ご確認ください。
木道や橋の補修工事は対象になりますか?
なりません。対象は登山道の近自然工法による保全と自然環境調査で、工作物の整備は明確に対象外とされています。
次の公募はいつですか?
令和8年度の公募は6月1日〜6月30日で終了しています。次回の実施時期は環境省の公式ページで告知されます。
