令和8年度のDMO総合支援事業は、二次公募が7月27日17時に締め切られ、受付を終えています。9月7日には二次公募の採択事業者が公表されました。
対象は、観光庁に登録された登録DMOだけです。登録前の候補DMOは申請できません。外部専門人材を1人登用する人件費には、1,500万円まで出ます。
DMO総合支援事業の要点まとめ
正式名:DMO総合支援事業(DMO体制整備・機能強化事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人)。観光庁の登録DMOに限る
- 対象業種
- 指定なし(観光地域づくりに取り組む登録DMO)
- 利用目的
- 人材の登用・育成、財源確保の計画、業務DX
- 対象地域
- 全国(実施は観光庁、窓口は事務局)
- 従業員数
- 規定なし(登録DMOであることが条件)
いくら
- 補助上限額
- 外部人材は1人1,500万円。ほかの定額枠は200万〜1,000万円
- 補助率
- 定額。業務DXのみ対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度は終了(二次は2026年7月27日17時必着)
- 事業の完了
- 2027年2月26日まで
うちは対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 登録前の候補DMOである
- ✕ 自治体が単独で申請する
登録DMOとは、観光庁に登録された観光地域づくり法人のことです。公募要領のQ&Aは、候補DMOの申請を「不可」としています。
収入の条件は、公式サイトでは「安定的かつ自立的な経営の確保」と呼ばれます。具体的には、国や自治体の補助金以外の自主財源を確保していることです。自主財源には、特定財源を原資とした自治体の資金、受益者分担金・負担金、会費、収益事業の収入が入ります。
自治体が申請できるのは、財源確保の取組をDMOと共同で行う場合だけです。
いくら出る?
補助の形は取組ごとに違います。人件費などは定額、業務DXだけは対象経費の1/2です。
| 取組の分野 | 補助額の上限 |
|---|---|
| 外部専門人材の登用 | 1人あたり1,500万円 |
| 中核人材の確保・育成 | 個別事業ごとに500万円 |
| 財源確保・人材育成の計画づくり | 1,000万円 |
| 地方税などの導入に向けた勉強会 | 200万円 |
| 業務DX | 対象経費の1/2 |
計算例は次のとおりです。
- 年間60万円の会計ソフトを9か月分使う:60万円 × 9/12 = 45万円が経費 → 45万円 × 1/2 = 22.5万円
- 既存プラン10万円に、30万円の機能を追加する:30万円 × 1/2 = 15万円(追加分だけが対象)
- 外部専門人材の人件費・通勤費・宿泊費が1,800万円:上限の1,500万円まで
同じ外部専門人材を続けて登用できるのは、通算3年度までです。最終年度の上限は1,000万円に下がります。外部専門人材は3名まで登用でき、上限は1人ごとです。旅費や宿泊費は、国家公務員の旅費の基準が上限です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 本事業の前からDMOで働いている人の人件費
- パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費
- 観光地の受入環境を整えるためのソフト
- MBA、TOEIC、パソコン講習など個人のスキルアップ研修
- サミットやシンポジウムへの出席費用
- 交付決定の日より前に生じた経費
対象になるのは、次の4分野です。
- 外部専門人材の登用:インバウンドデータの分析、国外向けの情報発信、受入環境の整備、コンテンツ開発を担う人材の人件費
- 中核人材の確保・育成:採用活動、他のDMOとの人材交流、研修の受講(1DMOにつき各最大3名)
- 財源確保の取組:財源計画や人材計画の策定、宿泊税・入湯税・入域料などの導入に向けた勉強会
- 業務DX:会計・人事・勤怠のソフト、クラウドの利用料、ダッシュボードやBIツールの構築
外部専門人材の分野では、多言語表記、二次交通、ガイドなどの受入環境整備が優先的に採択されます。受入環境の整備では、DMOのほかに地域の関係者が計画づくりや役割分担を行っていることが要件です。国外向けの情報発信・プロモーションは、広域連携DMO(登録DMOの区分の1つ)だけが申請できます。
交付決定の日より前の経費は、対象になりません。研修の申込みやソフトの契約は、交付決定のあとにします。
業務DXでは、今年度の補助で買ったソフトは、次の年度の補助の対象になりません。同じ品物は1年だけです。データを使う仕組みづくりは、通算3年度までです。財源確保の計画は、事業完了期限の2027年2月26日までに策定します。計画の骨子は、事業の途中(10月ごろ)に出す案内があります。
申請の流れ
- 応募する(DMO→事務局。調査票などをメールに添付。令和8年度の公募は2回)
- 内定を受ける(事務局→DMO)
- 交付申請書を出す(DMO→事務局)
- 交付決定を受ける(事務局→DMO。令和8年度は2026年9月の予定)
- 事業を行い、2027年2月26日までに終える(DMO)
応募と交付申請の2段階です。応募しただけでは、交付は決まりません。
令和8年度は、一次公募が4月30日から5月25日まで、二次公募が7月3日から7月27日まででした。締切後の差し替えや追加提出は、認められていません。
必要な書類
準備できた 0 / 7
分野によって使う様式が違います。外部専門人材は様式1、中核人材は様式2、財源確保は様式3、業務DXは様式4です。JNTOチェックリストは、データ分析と国外向け情報発信を申請するときだけ要ります。業者に委託する場合の見積書は、企画競争を行わない限り、2者以上が原則です。登録証は、登録DMO更新確認書でも構いません。前年度の調査票は、令和7年度に登用した外部専門人材を続けて登用するときだけ要ります。宿泊税などの導入を考える財源確保の取組では、観光事業者が入った検討会が地方公共団体の区域に置かれた資料(過去に置かれたものを含む)と、地方公共団体との役割分担や工程がわかる取組計画書も要ります。中核人材の研修では、受講者が中核的な立場にあることを示す体制図や任命書が要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に始めた:交付決定の日より前に生じた経費は、補助の対象外です。
- 国の別の補助金と重なる:同じ事業で国の補助金を受けている、または受ける見込みがあると、原則として対象外です。
- 虚偽の申請や目的外の使用:交付決定は取り消され、補助金は返還です。年10.95%の加算金が付きます。
- 関係会社から調達した:自社や関係会社の利益分を引いた額だけが、対象経費になります。
お金の扱いで気をつけること
課税事業者のDMOは、消費税と地方消費税の相当額を先に引いて申請するのが原則です。免税事業者や簡易課税事業者などは、含めた額で申請できます。該当するかどうかは、税理士などに確かめてください。
補助事業のお金は、ほかの会計と分けて経理します。帳簿と証拠書類は、事業が終わった年度の翌年度から5年間(令和14年3月31日まで)保存します。単価50万円以上の機械装置は、一定期間の処分が制限されます。
よくある質問
登録DMOでない団体は申請できますか?
申請できません。公募要領のQ&Aは、候補DMOの申請を「不可。登録DMOに限る」としています。まず観光庁の登録を受けてから、公募を待つことになります。地方公共団体は、財源確保の取組をDMOと共同で行う場合だけ、補助の対象になります。単独の申請はできません。令和8年度の公募はすでに終わっているため、登録の準備を進めながら次の案内を見守る形になります。
令和9年度の公募はありますか?
事務局の公式サイトには、令和9年度の公募の案内がありません。令和8年度は4月30日に一次公募、7月3日に二次公募が始まりました。令和8年度のように複数回に分けて募集されるかは、公式サイトのお知らせで確かめてください。公募要領は、受付期間や提出先を毎年更新します。前年度の要領を見て準備を進めると、様式や上限額の違いに気づけないおそれがあります。
複数の分野を同時に申請できますか?
申請できます。公募要領のQ&Aは、外部専門人材、中核人材、財源確保、業務DXのうち、複数への申請を「可能」としています。中核人材の分野でも、採用活動、人材交流、研修の受講を組み合わせられます。分野ごとに調査票の様式が違うため、分野の数だけ様式をそろえます。同じ人の従事時間が重なる経費は認められません。
外部専門人材は何人まで登用できますか?
3名までです。1人あたりの人件費、通勤費、宿泊費の上限は1,500万円です。申請するDMO自身が登用し、そのDMOの業務に従事する人に限ります。本事業の前から当該DMOで働いている人は対象外です。人材が足りないから補うだけという登用も認められません。DMOの課題を解くための専門性が、申請書で示せる人を選びます。
同じ外部専門人材を翌年も登用できますか?
登用できます。ただし通算で3年度までで、最終年度の上限は1,000万円に下がります。前年度に1日でも登用した人は、継続登用の扱いです。通年で3年以上従事した人は登用できません。毎年度、申請と審査が必要です。継続の場合、前年度に使った人件費の時間単価をそのまま使えます。
外部専門人材は、常駐でなくても対象になりますか?
対象になり得ます。公募要領のQ&Aは、出勤の頻度を月何回以上と一律には定めていません。テレワークで出勤を伴わない場合も、DMOの体制整備という目的に照らして個別に判断されます。その場合は、DMO側できちんと勤怠管理を行うことが前提です。業務委託や出向の形でも登用できますが、補助されるのはDMOが実際に支払った分だけです。
業務DXでは、どんなソフトが対象ですか?
会計・財務管理、人事、就業・勤怠管理のソフトが例に挙がっています。ほかの分野でも、DMOの業務全体の効率化に役立つソフトなら対象です。クラウドの利用料、データ共有のクラウドストレージ、ダッシュボードやBIツールの構築も入ります。パソコン、タブレット、スマートフォン、NASなどの機器は対象外です。個人の制作スキルを上げる目的のソフトも対象外になります。
年額のソフトを途中から使い始めた場合はどう計算しますか?
補助対象期間の日数分だけが経費になります。公募要領のQ&Aの例では、年間契約を9か月分使った場合、年間利用料の3/4が経費です。補助額は、その経費の1/2になります。たとえば年間60万円なら、経費は45万円、補助は22.5万円です。すでに入れているソフトに機能を追加する場合は、追加分の費用だけが対象です。
研修の受講料は補助の対象ですか?
対象です。中核人材の育成で、受講できるのは、事務局長やミドルマネージャーなど、DMOの実務を担う役職員です。オンライン研修も受講料を対象にできます。観光振興に直接関わらない自己啓発の研修は、対象になりません。MBAなどの学位取得、TOEICや英検の対策、パソコンの講習が例です。観光庁が指定する登録更新用の研修も、この事業では対象外です。
宿泊税などの導入に向けた勉強会にも使えますか?
使えます。上限は200万円です。会場費、講師の謝金や交通費、資料の印刷費、観光客の消費額や動態のデータ購入費が対象です。ただし条件があります。地域の観光事業者が入った検討会などが、過去を含めて設置されていること。自治体との役割分担や合意形成の工程が、具体的に検討されていることです。両方を示す資料が、申請に要ります。
問い合わせ先はどこですか?
令和8年度の事務局は、株式会社オリエンタルコンサルタンツです。電話は050-3145-4040で、受付は平日の10時から17時です。メールはdmoseibi-jimu@oriconsul.comです。観光庁の担当は、観光地域振興部の観光地域振興課で、電話は03-5253-8111です。外部専門人材の登用については、人材の紹介を含めて事務局が相談を受け付けています。
