ツールを選び、販売会社と話がまとまり、契約書にハンコを押した。この順番だと、ふくいデジタル導入チャレンジ補助金は1円も出ません。契約は、県の交付決定が出たあとでなければなりません。
福井県内の従業員100人以下の中小企業が、県のデジタルツールカタログに載ったツールを入れる費用の2分の1、導入ツール1件あたり上限50万円が戻ってきます。受付は月末締切で、第7次の12月28日(月)が最後の予定です。申請状況や予算の執行状況によって、早く終わることも、追加で受付が出ることもあります。
ふくいデジタル導入チャレンジ補助金の要点まとめ
正式名:ふくいデジタル導入チャレンジ補助金
だれが
- 申請者
- 県内に本店のある中小企業者等
- 対象業種
- 業種の指定なし(情報通信業・医療法人等は除く)
- 利用目的
- カタログ掲載デジタルツールの導入
- 対象地域
- 福井県
- 従業員数
- 100人以下(みなし大企業は除く)
いくら
- 補助上限額
- 50万円(導入ツール1件あたり)
- 補助率
- 対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年12月28日(月)17時まで(第7次・月末締切)
- 事業の完了
- 交付決定日〜2027年1月31日(支払は2月28日まで)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
「中小企業者」は、中小企業基本法で業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当します。この補助金はそこに「従業員100人以下」を重ねています。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 主たる業種が情報通信業
- ✕ 医療法人・社団法人・学校法人など
- ✕ 申請時点で開業していない
- ✕ みなし大企業
みなし大企業とは、同じ大企業が株式の2分の1以上を持っている、大企業が3分の2以上を持っている、大企業の役職員が役員の2分の1以上を占めている、のどれかに当たる会社です。医療法人のほか、宗教法人、農事組合法人、社会福祉法人、任意団体も対象外の列に入っています。
個人事業主は、要領が「本店所在地の法人登記」を求めているため、対象になるかが公式ページから読み取れません。該当しそうなら、申請の前に事務局へ確かめると手戻りが防げます。
交付要領には、過去3年以内に国・県・市町のデジタルツール導入補助を受けていない者、という条件も並んでいます。募集要領には書かれていませんが、申請書(様式第1)には「申請日から過去3年以内に、国・県・市町のデジタルツール導入に係る補助金・助成金(実証に係るものを除く)を受けていない」というチェック欄があります。虚偽が分かると、交付決定の取消しと返還の対象です。過去3年以内に似た補助を受けた会社は、チェックを入れられるかを事務局に先に確かめます。
カタログの掲載企業の募集はすでに終わっています。カタログには、勤怠管理、給与計算、販売管理、kintone、生成AIなど21のツールが載っています。入れられるのは、そこに載ったツールだけです。自分で探した未登録のツールは対象になりません。
いくら戻ってくる?
かかった費用の半分です。上限は導入ツール1件あたり50万円で、対象経費が100万円になると上限に届きます。
- 業務管理のクラウドサービスの導入に30万円:30万円 × 1/2 = 15万円
- 受発注ソフトの導入と初期設定に100万円:100万円 × 1/2 = 50万円
- 経費管理のシステムに160万円:160万円 × 1/2 = 80万円 → 上限の50万円
消費税と地方消費税は対象外です。課税事業者が税込110万円のツールを入れるなら、対象経費は税抜の100万円で、補助は50万円になります。
年間契約には、もう一つ計算があります。契約額の全額ではなく、2027年1月31日までの利用期間に当たる分だけが対象です。たとえば交付決定のあと、12月1日から1年間のクラウド契約(120万円)を前払いしたとします。
- 月あたり:120万円 ÷ 12か月 = 10万円
- 12月と1月の2か月分:10万円 × 2か月 = 20万円
- 支払済みの120万円と20万円を比べて低いほうが対象経費
- 補助額:20万円 × 1/2 = 10万円
契約を始める月が遅いほど、年間契約では対象の月数が減ります。年間契約で入れるなら、契約の開始月が補助額を左右します。月額払いのサービスなら、期間内に払う月数分がそのまま対象です。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定の前に発注・契約したもの
- 事務用パソコン、プリンタ、タブレット、スマートフォン、複合機
- 文書作成ソフト
- 電話代・インターネット利用料などの通信費
- すでに入れているシステムの保守管理の更新
- 事業計画書の作成や送付の費用
- 消費税、振込手数料、収入印紙
対象になるもの
- システム費(専ら補助事業のために使うツール本体の購入)
- クラウド使用料(専ら補助事業のために使うクラウドの使用料と通信料)
- 導入関連費(役務・オプション)
汎用性があって別の目的にも使えるものは対象外です。ツールを動かすために新しいパソコンが要る場合でも、そのパソコン代は自社負担になります。
申請の流れ
契約は交付決定のあとです。先に動くのは、ツール選びと販売会社との話です。
- ツールの問い合わせ先に連絡する(事業者→カタログ記載の販売事業者。導入の調整や無償トライアルの相談)
- 申請書類を出す(事業者→事務局。月末の17時まで。郵送は必着)
- 交付決定を待つ(県→事業者。募集期間の翌月に決定が出る)
- 契約して導入する(事業者→販売事業者。交付決定のあと、2027年1月31日まで)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。事業が終わってから10日以内)
- 検査と額の確定を受け、精算払請求書を出して入金を待つ(県→事業者)
第5次の10月末に出すなら、交付決定は11月です。契約から導入までに使える期間は、2027年1月31日までの約2か月半になります。導入の工事や設定に時間がかかるツールは、販売会社に納期を先に確かめておくと安心です。
公式の表記は「◯月末締切」で、提出期限は締切日の17時(郵送は必着)です。月末が土日にあたる月は、締切日が何日になるかを事務局に確かめ、余裕を見て早めに発送します。第7次だけは12月28日(月)17時と日付で示されています。
必要な書類
準備できた 0 / 7
税務署の証明書は、法人税、消費税、地方消費税に滞納がないことを示すもので、申請日の前1か月以内に発行されたものに限ります。対象確認書は、申請の過程で販売事業者から受け取ります。
事業実施計画書(別紙1)には、自社の現状と課題、導入するツールと使い方、見込まれる効果を書きます。経費明細表(別紙2)では、システム費を税抜1件50万円以上と50万円未満に分けて書きます。50万円以上は、事業が終わってから5年間、財産として管理する対象になるためです。
申請書(様式第1)には、4つの確認欄にチェックを入れます。過去3年以内に似た補助を受けていないこと、募集要領の留意事項を理解していること、暴力団と関係がないこと、販売事業者から対象確認書を受け取っていることです。
提出先は事務局で、メールか、書留・簡易書留の郵送です。郵送の場合は書類をすべてA4の片面印刷にし、ホッチキスで留めずクリップで束ねます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:発注、購入、契約のいずれも、交付決定より前だと対象外です。見積を取るだけなら問題ありません。
- 導入したツールを使わなかった:導入日から12か月以上使わないと、交付決定が取り消されることがあります。取り消されると返還を求められ、年10.95%の加算金がかかります。
- 期間内に終わらなかった:契約・発注・納入・検収は2027年1月31日までに済ませます。支払は2月28日までです。
- 支払い方法が認められない:手形、小切手、ファクタリング、相殺払い、事業期間内に契約が終わらない割賦払いは使えません。
導入したツールは、取得価格が50万円(税抜)以上の場合、目的外の使用や譲渡に県の承認が要ります。管理する期間は、事業が終わった日の属する会計年度の終了後5年間です。
他の補助金と重ねられる?
この補助金で申請した事業の自己負担分について、別の補助事業から補助を受けることはできません。同じ費用を二つの補助金に出すことは認められていません。
県と福井県産業支援センターが行うDX推進事業への協力も求められます。3月頃に開催予定の「ふくいDXチャレンジアワード(仮称)」への出席・応募、取材や調査への対応、成果の公表などです。
よくある質問
最後の締切を過ぎたら、もう申請できませんか?
予定では第7次の12月28日が最後です。ただし公式ページと募集要領には、予定している受付を超えて追加の受付を行う場合がある、と書かれています。追加があるかどうかは公表されていないので、間に合わなかったときは事務局(0776-36-4060)に確かめます。逆に、予算の執行状況によっては予定より早く終わることもあります。
契約を先にしてしまいました。対象になりますか?
対象になりません。交付決定の日より前に発注・購入・契約したものは、補助対象外と定められています。契約書を交わしていなくても、発注書を出した時点で発注にあたるおそれがあります。迷う場面では、見積書の取得までにとどめて、販売会社には交付決定の通知が来てから契約すると伝えておくのが安全です。
年間契約のクラウドは、契約額の全額が対象ですか?
全額ではありません。2027年1月31日までの利用期間に当たる分を月割りで出し、支払った額と比べて低いほうが対象経費になります。120万円の年間契約を12月から始めると、対象は2か月分の20万円で、補助は10万円です。契約の開始月が早いほど対象の月数が増えるため、導入のスケジュールが補助額に響きます。
個人事業主でも申請できますか?
公式ページと要領からは判断できません。要領は「福井県内に本店所在地の法人登記が行われている」ことを求めていて、個人事業主が含まれるとは書かれていません。一方で、対象外の一覧には、開業していない創業予定者や任意団体などが挙がっています。個人事業主の方は、申請の準備に入る前に事務局へ確認してください。
自分で探したツールを入れても補助されますか?
補助されません。対象は、県のデジタルツールカタログに登録されたツールの導入です。カタログへの掲載企業の募集は終わっているので、いまから対象の一覧が増えることは見込めません。入れたいツールがあるなら、先にカタログ(PDF)を開いて、載っているかを調べます。載っていなければ、この補助金は使えません。
消費税は補助の対象になりますか?
ならないと決められています。消費税と地方消費税は公租公課として対象外で、課税事業者で仕入控除税額がある場合は、対象経費に係る消費税相当額がすべて対象外です。見積書が税込の場合は、税抜の金額で補助を計算します。税込110万円のツールなら、対象経費は100万円で、1/2の50万円が上限に届く計算になります。
パソコンやタブレットも一緒に買えますか?
買えますが、その分は補助の対象外です。事務用のパソコン、プリンタ、タブレット端末、スマートフォン、デジタル複合機は、ほかの目的にも使えるため補助されません。文書作成ソフトも同じ扱いです。ツールの導入に機器が要る場合は、補助の対象になる費用と自社負担の費用を、見積書の段階で分けて書いてもらっておくと、経費明細表が書きやすくなります。
複数のツールを入れたら、それぞれ補助されますか?
上限は「導入ツール1件あたり」50万円と定められています。複数のツールを入れる場合に、何件まで申請できるのかは公式ページに書かれていませんでした。同時に複数を考えているなら、申請書類を作る前に、事務局へ件数の扱いを確かめておきます。件数ごとに別の経費明細が要るのかも、あわせて聞いておくと安心です。
補助金はいつ振り込まれますか?
入金の時期は書かれていません。流れは、実績報告を出し、県の検査を受けて補助額が確定し、精算払請求書を出して交付される順です。補助金は後払いなので、ツールの代金はいったん自社で払います。支払は2027年2月28日までに済ませる必要があります。資金繰りは、全額を立て替える前提で組みます。
導入したあとに守ることはありますか?
あります。導入したツールを12か月以上使わないと交付決定が取り消されます。書類は事業が終わった年度の翌年度から5年間保存します。導入から1年後には県の状況調査があり、ふくいDXチャレンジアワード(仮称)への出席・応募、事業成果の公表、取材への対応といった協力も求められます。
実績報告はいつまでに出せばいいですか?
事業が完了した日から10日以内に、実績報告書を出します。事業の期限は2027年1月31日、支払の期限は2月28日です。報告が遅れると、検査と額の確定に進めません。ツールの導入が終わったら、すぐ報告書の準備に入れるように、契約書や請求書、支払の証拠をあらかじめ手元にまとめておきます。
申請前に相談できる窓口はありますか?
あります。補助金の対象になるか、書類をどう書くかは、事務局(0776-36-4060)に聞けます。自社に合うツールやDXの進め方は、ふくいDXオープンラボ(0776-67-7404)で、ITの専門家に無料で相談できます。総合相談窓口では中小企業診断士にも相談できます。どちらも原則予約制で、締切前は混みます。
