フロントに自動チェックイン機を入れたい。Wi-Fiも整えたいし、外国語の案内表示も直したい。見積を並べると、まとまった額になります。弘前市には、この種の設備投資の9割を補助する制度があります。旅館業なら上限は客室数に応じて100万〜250万円、住宅宿泊事業(民泊)なら50万円です。
令和8年度分の申請受付は終了しています。次の募集があるかどうかは、公式ページに書かれていません。対象は、宿泊税の申告書を出している宿泊事業者だけです。
弘前市宿泊施設受入環境整備事業費補助金の要点まとめ
正式名:弘前市宿泊施設受入環境整備事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(宿泊税の申告書を出した宿泊事業者)
- 対象業種
- 宿泊業(旅館業・住宅宿泊事業)
- 利用目的
- 宿泊施設の利便性向上・業務効率化・情報発信
- 対象地域
- 青森県弘前市
- 従業員数
- 規定なし(宿泊税の申告書を出した事業者)
いくら
- 補助上限額
- 250万円(旅館業・客室数の多い区分)
- 補助率
- 対象経費の9/10
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度分は終了(期間の記載なし)
- 事業の完了
- 完了から30日後か令和9年3月19日の早い日
うちの宿は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 宿泊税の申告書を出していない
- ✕ 市税や宿泊税を滞納している
宿泊税の申告書とは、宿泊客から預かった宿泊税を市へ納める事業者(特別徴収義務者)が出す書類です。ここでいう市税は、法人なら法人市民税や固定資産税など、個人なら市県民税や国民健康保険料などを指します。宿泊税や市税の滞納が1つでもあると、対象から外れます。
いくら戻ってくる?
補助額は、実際に払った経費(消費税は除く)の9割です。ただし客室数で決まる上限を超える分は出ません。
| 施設区分 | 上限額 | 上限に届く経費の目安 |
|---|---|---|
| 旅館業(1〜49室) | 100万円 | 約112万円超 |
| 旅館業(50〜99室) | 150万円 | 約167万円超 |
| 旅館業(100〜149室) | 200万円 | 約223万円超 |
| 旅館業(150室以上) | 250万円 | 約278万円超 |
| 住宅宿泊事業 | 50万円 | 約56万円超 |
客室数は、申請日の時点で市に出している宿泊税の申告書に書いた数で決まります。旅館業と住宅宿泊事業の両方を営んでいる場合は、どちらか一方の区分を選んで申請します。
- 20室の旅館がWi-Fiと多言語の案内表示を整える:80万円 × 9/10 = 72万円
- 60室のホテルが自動チェックイン機とPMSを入れる:180万円 × 9/10 = 162万円 → 上限の150万円
- 民泊の1施設が予約ページの改修と電子決済を入れる:70万円 × 9/10 = 63万円 → 上限の50万円
1つ目は自己負担が8万円で済みます。2つ目と3つ目は、上限を超えた分が自己負担です。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定より前に契約・発注した経費
- 経常的な支出と認められる経費
- 他の補助金の対象になっている経費
- 消費税と地方消費税
対象になるもの
- 利便性や魅力の向上:客室の高付加価値化工事、スロープの設置、翻訳機、電子決済システム、Wi-Fi環境、多言語の案内表示
- 人手不足の解消と効率化:自動チェックイン機、PMS(ホテル管理システム)
- 情報発信力の向上:ホームページの改修
経費の区分は、使用料及び賃借料・手数料・筆耕翻訳料・委託料・工事請負費・備品購入費の6つです。使用料や賃借料は、令和8年度の使用期間にあたる分だけが対象で、日数で按分します。経常的な支出でも、補助事業に伴って発生する賃借料は対象になる場合があると公式ページにあります。判断が分かれる経費は、申請の前に観光課へ聞く手があります。
申請の流れ
- 見積書を取る(事業者→導入・工事業者。発注先は市内に本店・支店・営業所がある業者が原則)
- 交付申請書類を出す(事業者→弘前市観光課 観光企画係。郵送か持参。着手の前に)
- 交付決定の通知を待つ(市→事業者。申請からおおよそ2週間。通知の前に契約や着手をしない)
- 発注して整備を終える(事業者→市内業者。変更が出るときは先に市へ相談)
- 実績報告を出す(事業者→観光課。完了から30日後か令和9年3月19日の、いずれか早い日まで)
- 額の確定通知を受けて請求する(事業者→観光課。書類に不備がなければ約1〜2週間で振込)
補助金は事業が終わってからの後払いで、概算払いはありません。整備にかかる費用は、いったん自分で払う前提で資金を考える必要があります。
必要な書類
準備できた 0 / 10
上から4行が申請時、残りが完了後と請求時に出す書類です。工事引渡書の写しや写真など、実施内容が分かる資料も実績報告に付けます。市内業者に発注しない場合は理由書(様式第5号)を先に出し、振込口座を市に届けていないときは口座振替依頼書も要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:決定前に契約や発注をした経費は、補助の対象として認められません。見積までは進めても、契約は通知のあとです。
- 他の補助金と同じ経費を使った:他の補助金の対象になっている経費は、この補助金では対象外です。
- 経常的な支出だった:「経常的な支出」と認められる経費は、対象から外れます。どこからが経常的かは公式ページに例がないので、迷う経費は申請の前に観光課へ確かめます。
- 市税や宿泊税を滞納していた:申請日の時点で期限が来ている宿泊税を納めていないと、対象外です。
- 市外の業者に理由なく発注した:やむを得ない理由があるときは、あらかじめ理由書を出して市の認めを受けます。
補助を受けたあとに残ること
補助金で取得した備品や機械のうち、1件あたり30万円(税抜)以上のものは、台帳を作って耐用年数が過ぎるまで補助の目的どおりに使います。経費の収支が分かる書類や帳簿は、事業が完了した日の属する市の会計年度が終わってから5年間の保存が必要です。
次の募集があるかどうかは、公式ページに記載がありませんでした。使う予定がある事業者は、早めに観光課へ聞いておくと動きやすくなります。窓口は弘前市観光部観光課 観光企画係(電話0172-35-1128)です。
よくある質問
令和8年度の受付は終わっていますか?次の募集はありますか?
公式ページには「申請受付は終了しました」と書かれています。受付期間そのものは載っておらず、補助金の交付決定額が予算額に達した時点で受付を締め切る、という定めがあります。次の募集の予定も記載がありません。整備を計画している場合は、観光課観光企画係(電話0172-35-1128)に、次の募集の見込みを聞いておくのが確実です。
民泊でも申請できますか?
住宅宿泊事業を営む宿泊施設も対象です。ただし宿泊税の申告書を市に出していることが前提で、上限額は客室数にかかわらず一律50万円です。補助率は旅館業と同じ9割なので、経費が約56万円を超えると上限に届きます。旅館業と住宅宿泊事業の両方を営んでいる場合は、どちらか一方の区分を選んで申請します。
客室数はいつの時点の数で決まりますか?
申請日の時点で、市に提出されている宿泊税の申告書に書かれた客室数で決まります。客室を増やす改装を考えているときは、申告書の客室数がいつ変わるかで上限の区分が変わります。たとえば49室から50室になれば、上限は100万円から150万円の区分です。どの時点の数が使われるか迷うときは、申請前に観光課へ確認してください。
Wi-Fiの整備や翻訳機の購入は対象ですか?
どちらも公式ページの例に載っています。利便性や魅力の向上の例として、翻訳機の導入、電子決済システムの導入、無料公衆無線LAN(Wi-Fi)の環境整備、多言語の案内表示が挙げられています。自動チェックイン機やPMSは人手不足の解消と効率化、ホームページの改修は情報発信力の向上の例です。いずれも経費の区分に当てはまることが条件です。
毎月かかる費用は対象になりますか?
経常的な支出と認められる経費は、対象外です。ただし、補助事業を行うことで発生する賃借料などは、対象になる場合があると公式ページに書かれています。線引きが難しい経費は、申請の前に観光課観光企画係へ内容を伝えて、対象になるかを聞いておくと安心です。
市外の業者に発注してもいいですか?
工事や物品の購入は、市内に本店・支店・営業所などがある業者に発注するのが原則です。市長がやむを得ない理由があると認めたときは、市内業者に発注しなくても構いません。その場合は、あらかじめ理由書(様式第5号)を出しておく必要があります。発注先を決める前に、市内で対応できる業者がいるかを確かめておくと手戻りを防げます。
交付決定まではどのくらいかかりますか?
申請書類を出してから、おおよそ2週間程度で交付決定の通知が届きます。通知が届くまでは契約も発注もできません。交付決定の前に着手した事業の経費は、補助の対象として認められないためです。工事や導入の日程が決まっているときは、申請から2週間ほどの待ち時間を引いて、いつ契約できるかを逆算しておく必要があります。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業が終わってからの後払いです。実績報告を出して額が確定したあと、請求書を出します。書類に不備がなければ、約1〜2週間で指定の口座へ振り込まれます(交付要綱では、請求書の提出から30日以内)。事業の途中で受け取れる概算払いはできません。整備にかかる費用はいったん全額を自分で払うことになるので、資金繰りを先に組んでおくと安心です。
補助金で買った機器は自由に売れますか?
取得価格が1件あたり30万円(税抜)以上の備品や機械は、台帳を作って保管の状況を明らかにし、耐用年数が過ぎるまで補助の目的に沿って使う必要があります。売却や転用を考えている場合は、先に市へ相談してください。あわせて、経費の収支が分かる書類や帳簿は5年間保存します。
消費税は補助の対象ですか?
補助対象経費は消費税と地方消費税を除いた額です。さらに、交付申請と実績報告のときは、消費税の仕入控除税額(仕入れにかかった消費税のうち、納める消費税から差し引ける部分)を減らして出す決まりがあります。ただし、申請時にその額が分からない場合は、減らさずに申請できます。税の扱いが気になるときは、顧問の税理士にも確認してください。
計画を変えたくなったらどうすればいいですか?
交付決定のあとに事業内容や経費の配分を変えるときは、事業変更承認申請書(様式第4号)と変更内容が分かる書類を出して、市の承認を受けます。軽微な変更なら提出が要らないこともありますが、必ず先に市へ相談する決まりです。変更の承認は、事前に受けておく必要があります。
