弘前市に拠点を移した直後から、家賃の補助は受けられるのか——結論は「いいえ」です。企業立地促進費補助金の貸しオフィス等借上げ事業は、操業開始から6か月間は補助の対象外で、7か月目以降の賃料からしか申請できません。移転直後の空白期間があることは、資金計画に織り込んでおく必要があります。
この補助金は、弘前市の誘致認定を受けた企業向けに「オフィス賃料」と「新規雇用」という2つのメニューを持っています。どちらも使えますが、対象になるタイミングが違います。
企業立地促進費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人) |
| 制度名 | 弘前市企業立地促進費補助金 |
| 対象業種 | 健康医療関連産業、情報通信業、コールセンター業(弘前市から誘致認定を受けた企業) |
| 利用目的 | オフィス等の賃借料補助、新規雇用にともなう人材確保費用の補助 |
| 対象地域 | 青森県弘前市(オフィス等の設置場所が市内であること) |
| 従業員数 | 誘致認定の要件として、地元従業員(市内に住所がある雇用保険被保険者または派遣労働者)が健康医療関連産業・情報通信業は3人以上、コールセンター業は5人以上必要。操業開始から1年以内に達成すること |
| 補助上限額 | 貸しオフィス等借上げ事業は賃借料等の4分の1以内(中心市街地は3分の1以内、上限額の明記なし)。人材確保事業は新規雇用1人につき30万円 |
| 補助率 | 貸しオフィス等借上げ事業は4分の1以内(中心市街地は3分の1以内)。人材確保事業は定額(1人30万円) |
| 申請受付 | 公式ページに記載なし(産業育成課産業振興係へお問い合わせください) |
| 公式サイト | 弘前市「補助金制度」 |

2つのメニューの違い
同じ補助金の中に、性質が違う2つのメニューが入っています。
| メニュー | 対象経費 | 補助率・金額 | 補助対象期間 |
|---|---|---|---|
| 貸しオフィス等借上げ事業 | オフィス・駐車場の賃借料及び共益費 | 4分の1以内(中心市街地は3分の1以内) | 操業開始7か月目から36か月間 |
| 人材確保事業 | 新規雇用にともなう地元従業員の雇用 | 1人につき30万円(定額) | 最初の申請から3年度間 |
賃料補助が「4分の1」という割合なのに対し、人材確保事業は「1人30万円」という定額です。賃料補助は毎月の負担を軽くする仕組み、人材確保事業は採用のタイミングごとに一時金を受け取る仕組みという、性格の違う2つの補助が1つの制度名にまとまっています。
対象になる企業・ならない企業
| 区分 | 対象になる | 対象にならない |
|---|---|---|
| 業種 | 健康医療関連産業、情報通信業、コールセンター業 | 上記以外の業種で市内に進出する企業 |
| 認定 | 弘前市から誘致認定を受けた法人、または申請と同年度内に認定を受ける予定の法人 | 誘致認定を受けていない、または受ける予定がない法人 |
| 従業員 | 地元従業員(市内住所の雇用保険被保険者・派遣労働者) | 市外から通勤する従業員のみで構成される場合(要件人数を満たせない) |
よくある誤解されるポイント
「誘致認定を受けていないと、この補助金の相談すらできない」と思われがちですが、そうではありません。申請と同じ年度内に誘致認定を受ける予定の企業も対象に含まれるため、認定前の段階から産業育成課へ相談することができます。
もう1つ、貸しオフィス等借上げ事業の「4分の1以内」という補助率は、上限額が明記されていません。賃料が高いオフィスほど補助額も比例して大きくなる設計ですが、実際の上限運用は予算の状況によって変わる可能性があるため、契約前に必ず産業育成課産業振興係へ確認してください。
よくある質問
2つのメニューは同時に申請できますか?
できます。オフィス賃料と新規雇用は対象になる経費が別なので、それぞれ該当すれば同時に申請できます。
操業開始から6か月間の賃料は、あとから遡って補助されますか?
公式ページの記載からは遡及の規定は確認できません。7か月目以降の賃料が対象という前提で資金計画を立てることをおすすめします。
人材確保事業は何人まで対象になりますか?
公式ページには人数の上限が明記されていません。1人あたり30万円という単価で計算される仕組みのため、詳しい運用は産業育成課産業振興係へお問い合わせください。
オフィス環境整備促進費補助金とは何が違いますか?
この補助金が賃料・雇用を対象にするのに対し、オフィス環境整備促進費補助金は内装工事や設備工事の費用を対象にしています。使う段階が異なるため、オフィス環境整備促進費補助金の記事もあわせてご確認ください。
