飯田市の制度には、2つの支援が組み合わさっています。「進出そのもの」への定額支援と、「改修費」への実費補助です。この2階建ての設計には理由があります。

飯田市サテライトオフィス等開設支援補助金は、飯田下伊那地域外の企業が市内にサテライトオフィスを新規開設する際、進出支援金50万円と、改修経費の2分の1(上限150万円)を補助する制度です。加えて、いきなり本格開設が難しい企業向けに、お試し利用(上限10万円)という入り口も用意されています。

なぜ「進出支援金」と「改修費補助」が別枠なのか

進出支援金50万円は定額です。改修が伴わない企業でも受け取れます。拠点を構えるという意思決定そのものに対する支援だからです。

一方、改修費補助は実費の2分の1で上限150万円。実際に手を動かして改修した分だけ、後から補填する設計です。

2つを分けているのは、「進出の決断」と「物件の整備」という、性質の異なる負担をそれぞれ支援するためです。改修を伴わない小規模な進出でも進出支援金は受け取れる一方、改修費補助は実際の工事費に連動します。

対象になる企業

対象は、次のいずれかに該当する企業です。

  • IT関連事業者
  • クリエイティブ関連事業者
  • 製造業
  • その他、市長が認める事業者

そのうえで、飯田下伊那地域外の企業が、市内に新たにサテライトオフィス等を開設する場合が対象になります。すでに飯田下伊那地域に拠点がある企業の新規開設は、この制度の対象にはなりません。

対象になる施設は次のとおりです。

  1. エス・バード インキュベート室
  2. 飯田市環境技術開発センター
  3. 市内の空き物件(シェアオフィス等を含む)

物件は取得または長期での賃借が前提です。短期契約では、この制度の想定する使い方には合いません。

なぜ「3年以上の継続」が条件になっているのか

飯田市の制度には、3年以上継続してサテライトオフィス等を使用することを誓約するという要件があります。

この要件には理由があります。一時的な利用ではなく、地域に根付く拠点として使われることを条件にしているためです。裏を返すと、3年以内に飯田市内の事業所をすべて閉鎖した場合、補助金の返還を求められる制度になっています。

進出支援金を受け取ってすぐに撤退する、という使い方は想定されていません。3年間の事業継続を前提に、拠点開設の計画を立てる必要があります。

対象になる経費・お試し利用の中身

改修費補助の対象は、オフィスの改修工事費です。

お試し利用者向けの支援(上限10万円)は、性質が異なります。対象になるのは次のような費用です。

  • オフィス利用料
  • 交通費
  • 宿泊費
  • 観光体験
  • 飲食店利用(いずれも飯田市内での利用に限る)

お試し利用は、本格開設の前段階として、飯田市に実際に来て試すための費用を支援する枠です。改修費補助のような設備投資ではなく、「まず来てみる」ための後押しという位置づけです。

申請の順番:着手より前に事前協議書

飯田市の制度で最も見落とせないのが、着手のタイミングです。

  1. 事前協議書の提出(事業着手前)
  2. 内容審査・要件充足の通知
  3. 通知を受けてから、オフィス開設に着手
  4. 完了後30日以内に交付申請・実績報告
  5. 交付決定通知
  6. 交付請求書の提出
  7. 補助金の支払い

事前協議書を出さないまま物件を契約・改修してしまうと、対象になりません。「良い物件が見つかったから、すぐ契約したい」という場面ほど、この順番を崩しやすいポイントです。

申請受付期間は、各年度4月1日から2月28日までです。

  • 問い合わせ先:飯田市(産業経済部)0265-22-5644(月〜金 8時30分〜17時15分、祝日除く)

すでに物件を契約してしまっている場合、この補助金の対象にならない可能性があります。契約前にどこまで自治体に相談しておくべきかは、他の自治体の立地補助金にも共通する論点です。GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、実例とあわせて紹介しています。

よくある質問

飯田下伊那地域に本社がある企業も対象になりますか?

対象外です。 この制度は「飯田下伊那地域外にある企業」が新たにサテライトオフィス等を開設する場合が対象です。地域内にすでに拠点がある企業には適用されません。

進出支援金と改修費補助は両方もらえますか?

両方受け取れます。 進出支援金50万円は定額、改修費補助は改修経費の2分の1(上限150万円)で、性質の異なる2つの支援を組み合わせて受け取れる設計です。

3年未満で撤退したらどうなりますか?

補助金の返還を求められる可能性があります。 この制度は3年以上の事業継続を前提としており、期間内に飯田市内の事業所をすべて閉鎖すると、返還制度が適用されます。


この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
制度名飯田市サテライトオフィス等開設支援補助金
対象業種IT関連、クリエイティブ関連、製造業、その他市長が認める事業者
利用目的サテライトオフィス等の新規開設・地方拠点整備
対象地域長野県飯田市(飯田下伊那地域外の企業が対象)
従業員数飯田下伊那地域外の企業(3年以上の事業継続を誓約できること)
補助上限額進出支援金50万円+改修費上限150万円(お試し利用は上限10万円)
補助率改修費は対象経費の2分の1、進出支援金は定額
申請受付各年度4月1日〜2月28日(着手前に事前協議書の提出が必要)
公式サイトhttps://www.city.iida.lg.jp/site/kougyou/satellite.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

地方拠点の開設で使える補助金は、他の自治体にもあります。3分でできる補助金診断で、他に使える制度がないか確認できます。

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事前協議のタイミングや3年継続要件の考え方など、進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。

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免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず飯田市の公式ページで最新情報をご確認ください。

出典: