「持続化補助金 第20回」と検索したあなたが今いちばん知りたいのは、もう申請できるのか、それともまだ準備段階なのか、ではないでしょうか。
結論から言うと、2026年9月時点ではまだ申請受付は始まっていません。第20回の申請受付は2026年11月5日に始まり、締切は12月15日17:00です。公募要領はすでに公開されていますが、「募集中」ではなく「まもなく始まる・今は準備期間」というのが正確な位置づけです。
さらに、「第19回で申請したから、第20回も同じ要領で進めればいい」と考えている方は、あとで触れる変更点を先に確認しておくことをおすすめします。
対象は事業者(法人・個人事業主)で、業種は問いません。従業員数の要件は5人以下(宿泊業・娯楽業・製造業その他は20人以下)、補助上限は最大250万円(基本50万円+特例加算)、補助率は2/3(賃金引上げ特例利用の赤字事業者は3/4)です。申請受付は2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00、公募要領は2026年5月27日に公開済みです。第19回から変わった点を、まず表で押さえておきます。
第19回→第20回の変更点一覧
| 変更項目 | 第19回 | 第20回 |
|---|---|---|
| ウェブサイト関連費の上限 | 交付申請額の1/4(最大50万円)の比例ルール | 30万円(税込)の独立上限 |
| 相見積りが必要な基準額 | 機械装置等費1件あたり100万円超 | 50万円超 |
| 賃金引上げ特例の要件 | 事業場内最低賃金+50円以上 | 従業員1人あたり給与支給総額の年平均3.0%以上増加 |
| 加点項目 | (該当なし) | 健康経営優良法人の認定、地域別最低賃金の引上げへの取組を追加 |
| 申請受付 | (前回分) | 2026年11月5日〜12月15日17:00 |
「もう始まっている」と思ってしまう理由
第20回は、公募要領が2026年5月27日に公開されました。公募要領の公開=申請受付の開始ではありません。 ここを取り違えると、「もう出遅れた」と焦って準備不足のまま動いてしまったり、逆に「まだ先だから」と油断して何も準備しないまま11月を迎えてしまったりします。
正しい順番は次のとおりです。
- 公募要領の公開(2026年5月27日・済み)=制度の中身が確定する
- 申請受付の開始(2026年11月5日)=ここから電子申請ができる
- 申請締切(2026年12月15日17:00)=ここまでに提出する
いま(公募要領公開後・受付開始前)できるのは、事業計画を練ることと、商工会議所・商工会への事前相談です。申請そのものは11月5日にならないとできません。
このタイムラグを理解していないと、2つの失敗が起こりえます。1つは「もう間に合わない」と勘違いして最初から諦めてしまうこと。もう1つは、逆に「まだ先だから大丈夫」と油断し、11月5日を迎えてから慌てて準備を始めてしまうことです。どちらも、正しい日程を知っていれば避けられます。
第19回から何が変わったか。知らずに前回の情報で進めると失敗する
「前も申請したことがあるから、大体分かっている」という方ほど注意が必要です。第20回では、第19回から複数の変更が加えられています。
- ウェブサイト関連費の上限:第19回の「交付申請額の4分の1(最大50万円)」という比例ルールから、第20回は「30万円(税込)の独立上限」に変わりました。小規模な申請では、比例ルールが外れたことで、以前より使いやすくなった面があります
- 相見積りが必要になる基準額の引き下げ:機械装置等費の相見積り義務が、「1件あたり100万円超」から「50万円超」に引き下げられました。以前は相見積り不要だった50万円台の設備投資でも、第20回では2者以上の見積りが必要になります
- 賃金引上げ特例の要件変更:第19回の「事業場内最低賃金+50円以上」という基準から、第20回は「従業員1人あたり給与支給総額の年平均3.0%以上増加」という基準に変わりました
- 加点項目の追加:健康経営優良法人の認定、地域別最低賃金の引上げへの取組が、新たに加点項目として追加されました
特に相見積りの基準額引き下げは見落としやすい変更です。第19回の感覚で「50万円台なら1社の見積りでいい」と思っていると、書類不備で差し戻される可能性があります。
最重要:申請締切より先に来る「隠れ期限」
締切は12月15日ですが、これより先に動くべき期限があります。事業支援計画書(様式4)の発行締切は、2026年12月4日です。
様式4は商工会議所・商工会が発行する書類です。これがなければ申請できません。発行には事前の相談・手続きが必要です。相談を12月4日ぎりぎりに始めると、間に合わない可能性があります。
| タイミング | やること | 必要になるもの |
|---|---|---|
| 受付開始前(今) | 事業計画の骨子を考える。商工会議所・商工会に相談予約を入れる | 「これから何をやりたいか」の言葉化 |
| 2026年11月5日〜 | 商工会議所・商工会に事業計画を相談する | 経営計画書・補助事業計画書の下書き |
| 〜2026年12月4日 | 事業支援計画書(様式4)を発行してもらう | 相談実績、計画書の内容確認 |
| 〜2026年12月15日17:00 | 電子申請(GビズIDが必要) | 経営計画書、補助事業計画書、見積書、様式4 |
| 2027年3月頃 | 採択発表 → 交付決定 | ― |
| 交付決定日〜2028年3月31日 | 事業実施(発注・支払い) | 契約書・請求書・領収書 |
| 事業終了後 | 実績報告 → 補助金の入金 | 実績報告書、証憑書類 |
事業支援計画書(様式4)の発行締切は、申請締切より11日早い2026年12月4日です。商工会議所・商工会の相談枠は、締切が近づくほど混み合います。受付開始直後(11月上旬)に相談予約を入れておくのが安全です。
相見積りの基準が下がった。何が変わるか
機械装置等費(設備投資)を計上する場合、一定額を超えると2者以上の見積り(相見積り)が必要です。第20回では、この基準が「100万円超」から「50万円超」に引き下げられました。
これは何を意味するでしょうか。これまで相見積り不要だった50万円台〜100万円の設備投資が、第20回からは相見積り必須になる、ということです。
- 60万円の券売機を導入したい飲食店 → 第19回なら1社の見積りでよかったが、第20回は2者以上の見積りが必要
- 80万円の防犯カメラ一式を導入したい小売店 → 同様に、第20回では相見積りが必須
相見積りを取るには、複数の業者に声をかけて条件を揃えた見積書を用意する時間がかかります。設備投資を考えている場合は、早めに複数業者への見積り依頼を始めておくと、様式4の発行締切(12月4日)に間に合わせやすくなります。見積り依頼から回答が揃うまで、業者によっては1〜2週間かかることも珍しくありません。
対象になる使い道・ならない使い道
持続化補助金は業種を問わず使えますが、対象になる/ならないの線引きがあります。
対象になりやすい使い道
- 店舗・事業所の改装、老朽化した什器・備品の入れ替え
- ホームページ・ECサイトの制作、チラシ・パンフレット作成(ただしウェブサイト関連費は上限30万円、単独での申請は不可)
- 展示会・見本市への出展
- 予約管理・受発注・POSレジなどのシステム導入
- 試作品の製作、新サービスのメニュー化
対象にならないもの
- 仕入れ代・家賃・人件費などの運転資金
- パソコン・タブレットなど、業務以外にも使える汎用品の単体購入
- 交付決定より前の発注(フライング発注)。交付決定とは、採択の後に届く「補助金を出します」という正式な通知のことです。この通知より前に発注・契約した費用は対象外になります
線引きの基準は一貫しています。「事業を続けるための日常の出費」か「新しい販路を開拓するための投資」かです。前者は対象外、後者は対象になりやすい、という整理です。
同じ「レジの入れ替え」でも、老朽化した既存レジを同等品に交換するだけなら販路開拓の要素が弱く、対象と認められにくくなります。一方、新規客層の取り込み(キャッシュレス対応、モバイルオーダー連携など)を伴う入れ替えなら、事業計画で「なぜこの投資が販路開拓につながるか」を説明できれば対象になりやすくなります。同じ設備でも、事業計画での位置づけ方次第で判断が変わるというのは、この補助金全体に共通する考え方です。
ウェブサイト関連費、実際どう変わったのか
第20回の変更点の中で、いちばん実務への影響が大きいのがウェブサイト関連費です。具体的な数字で比較します。
第19回のルール(比例制) 交付申請額(補助対象経費全体の2/3相当)の1/4が上限、かつ最大50万円。たとえば補助対象経費が90万円(補助金60万円)の計画なら、ウェブサイト関連費の上限は60万円×1/4=15万円でした。申請全体の規模が小さいと、ウェブサイト関連費に使える枠も小さくなる仕組みです。
第20回のルール(独立上限) 交付申請額の規模に関わらず、ウェブサイト関連費は一律30万円(税込)が上限です。申請全体が小規模でも、ウェブサイト関連費として30万円まで計上できます。
ただし注意点があります。ウェブサイト関連費「だけ」の計画は申請できません。 チラシ作成や展示会出展など、他の経費と組み合わせた販路開拓計画にする必要があります。ホームページを作りたいだけの事業者が、それだけを理由に申請することはできない仕組みです。
いくらもらえる?上限250万円の中身
上限250万円は無条件ではありません。基本額に特例を組み合わせて上限が上がる仕組みです。
| 区分 | 補助上限額 |
|---|---|
| 基本 | 50万円 |
| +インボイス特例 | 100万円 |
| +賃金引上げ特例 | 200万円 |
| +両特例併用 | 250万円(最大) |
補助率は2/3です。賃金引上げ特例利用者のうち赤字事業者は3/4に上がります。
賃金引上げ特例の要件が変わった点も見落とせません。 第19回は「事業場内最低賃金を+50円以上にする」という分かりやすい基準でしたが、第20回は「従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増やす」という基準に変わりました。月給25万円の従業員なら、年平均で月7,500円程度の増加ペースが目安になります。加えて、採択時だけでなく実績報告時にも12か月分の賃金台帳の提出が必要になり、事務負担は増えています。
対象経費・上限額・業種別シミュレーションのより詳しい解説は、小規模事業者持続化補助金とは?何に使える・いくらもらえる・対象はで確認できます。業種別の使い道(美容室・建設業など)を知りたい場合は、それぞれの業種特化記事も参考にしてください。
対象になる従業員数の要件
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は従業員5人以下、それ以外の業種は20人以下が対象です。パートやアルバイトの全員を数えるわけではありません。事業主本人・役員・短時間パートは人数に含みません。
詳しい数え方や具体例は、持続化補助金とはの該当セクションで確認できます。
新設された加点項目、実際に自社は取れるか
第20回で新たに加わった加点項目は、審査で有利になる要素ですが、誰でも取れるわけではありません。自社が該当するかを確認しておきます。
- 健康経営優良法人加点:経済産業省と日本健康会議が認定する「健康経営優良法人」の認定を受けている事業者向けの加点です。認定を受けていない場合、この加点は対象外になります。認定には従業員の健康診断受診率向上などの取組実績が必要で、公募締切までに新たに取得するのは現実的ではありません。既に認定を受けている事業者だけが対象になる加点と考えてください
- 地域別最低賃金引上げ加点:都道府県が定める地域別最低賃金の引上げ額を上回る形で、自社の賃金を引き上げている事業者向けの加点です。賃金引上げ特例(補助上限+150万円)とは別の、加点のための仕組みです
該当しない場合でも不利になるわけではありません。加点はあくまで加点であり、無いと不採択になるものではない点は誤解しないようにしてください。
商工会議所地区と商工会地区、どちらに相談するか
持続化補助金は、事業所の所在地によって窓口が「商工会議所地区」と「商工会地区」に分かれます。両方に申請することはできません。
- 都市部の多くは商工会議所地区(各地の商工会議所が窓口)
- 郡部・町村部の多くは商工会地区(各地の商工会が窓口)
自分の事業所がどちらに属するかは、公式サイトの地区検索、または最寄りの商工会議所・商工会に確認すれば分かります。窓口を間違えたまま相談を進めてしまうと、様式4の発行元が変わり、手続きをやり直すことになります。最初の一歩として、まず自分の地区を確認することをおすすめします。同じ市内でも、通りを1本挟んで地区が分かれているケースもあるため、「隣の店と同じ窓口だろう」と思い込まず、必ず自分の事業所の住所で確認してください。
よく誤解されるポイント:第20回と第19回は「同じ制度の続き」ではない
多くの人が「第◯回」という表記を、単なる回数の通し番号だと思っています。しかし実際には、回ごとに要件・上限額・加点項目が見直される別物に近い制度です。
- 第19回で不採択だった事業計画が、第20回でも同じ理由で不採択になるとは限りません(加点項目が変わったため)
- 第19回で対象だった経費が、第20回では要件が厳しくなっている場合があります(相見積り基準の引き下げなど)
- 逆に、第19回では使いにくかったウェブサイト関連費が、第20回では独立上限になり使いやすくなっています
「前回申請した経験があるから大丈夫」という思い込みが、いちばん危険です。毎回、その回の公募要領を最初から確認する姿勢が必要です。
今から何をすべきか。受付開始前にできる4つのこと
締切まで時間はありますが、事業計画書の作成や相見積りの取得には想像以上に日数がかかります。次の順で進めます。
- お店・事業として「これから何をやりたいか」を言葉にする
- その取り組みが販路開拓にどうつながるかを整理する
- 商工会・商工会議所に相談予約を入れる(受付開始後、様式4の発行は12月4日締切)
- 必要書類(事業計画書・見積書など)を早めにリストアップする
第20回に間に合わなくても選択肢はある
持続化補助金は公募が繰り返し実施されている制度です。第20回に間に合わなくても、次回の公募で改めて検討できます。無理に今回の締切に合わせるより、事業計画の中身を優先して判断することをおすすめします。
これまでの実績を見ても、持続化補助金は年に複数回のペースで公募が続いてきた制度です。「今回を逃したら終わり」ではなく「次回に向けて準備を整える」という考え方のほうが、結果的に採択されやすい計画書につながります。焦って様式4の相談を先延ばしにするより、事業計画の中身をじっくり固めることを優先してください。
よくある質問
第20回はもう申請できますか?
いいえ。2026年9月時点では申請受付前です。公募要領は2026年5月27日に公開されていますが、申請受付の開始は2026年11月5日、締切は12月15日17:00です。受付開始前の今は、事業計画づくりと商工会議所・商工会への相談準備にあてる期間と考えてください。
締切は2026年11月5日ですか?
いいえ。11月5日は申請受付の開始日です。第20回の申請締切は2026年12月15日17:00です。これより先に、事業支援計画書(様式4)の発行締切(12月4日)があるため、商工会議所・商工会への相談は早めに行ってください。
第19回に申請したことがあれば、第20回も同じ感覚で申請できますか?
同じ感覚で進めるのはおすすめしません。第20回はウェブサイト関連費の上限変更、相見積りが必要になる基準額の引き下げ、賃金引上げ特例の要件変更など、第19回から複数の変更があります。前回の情報のまま準備を進めると、書類不備につながる可能性があります。
様式4とは何ですか。なぜ12月4日が重要ですか?
商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書です。申請には様式4が必須です。発行締切は申請締切より11日早い12月4日のため、相談を先延ばしにすると申請自体ができなくなります。
相見積りが必要になる金額の基準は変わりましたか?
はい。機械装置等費の相見積り義務が、第19回の「100万円超」から第20回は「50万円超」に引き下げられました。50万円台の設備投資でも第20回では2者以上の見積りが必要です。設備投資を予定している場合は、早めに複数業者へ見積りを依頼してください。回答までに1〜2週間かかることもあります。
健康経営優良法人加点や地域別最低賃金引上げ加点は、誰でも取れますか?
いいえ。健康経営優良法人加点は、既に認定を受けている事業者のみが対象です。地域別最低賃金引上げ加点も、自社の賃金引上げの実績が要件になります。どちらも該当しない場合は無理に取りにいく必要はなく、加点が無くても不採択になるわけではありません。加点にこだわりすぎず、事業計画そのものの質を優先して整えることをおすすめします。
