夜の小倉に若い人や観光客を呼ぶイベントを考えはじめると、最初に重くなるのは会場の設営費とポスター代です。1年目は4/5を市が持ち、上限は100万円。北九州市が、そのための補助金を出しています。令和8年度の募集は、第2期も9月30日で終わりました。次の募集に向けた準備として、仕組みを整理します。
対象は、繁華街エリア内に活動の拠点を置く法人や団体です。夜間のイベントや情報発信の経費が対象で、イベントは3年以上続ける計画が条件になっています。1年きりの打ち上げ花火は想定されていません。
繁華街エリア魅力向上・魅力発信支援補助金の要点まとめ
正式名:繁華街エリア魅力向上・魅力発信支援補助金
だれが
- 申請者
- 法人・団体(繁華街エリア内に活動の拠点があること)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 夜間イベント・情報発信でナイトタイムエコノミーを促進
- 対象地域
- 北九州市小倉北区の繁華街エリア(町名は本文に記載)
- 従業員数
- 規定なし(法人・団体であれば人数は問わない)
いくら
- 補助上限額
- 1団体・1年度あたり100万円(3年度目まで同額)
- 補助率
- 対象経費の4/5以内(2年目は2/3、3年目は1/2)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 第1期 4月10日〜5月1日、第2期 9月1日〜30日(令和8年度は終了)
- 事業の完了
- 第2期は2027年2月14日まで(実績報告は終了後20日以内)
自分の団体は対象になる?
次の項目に当てはまるかを見ていきます。イベントを開く場合の条件が中心です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人として申請する
- ✕ 1年で終わるイベント
- ✕ 特定の店の集客が目的
- ✕ 昼間だけのイベント
- ✕ 国・県・市の他の補助金を使う事業
- ✕ 政治・宗教に関わる団体
補足をいくつか。
同じ年度に出せる申請は、1団体につき1件です。
繁華街エリアは、小倉北区の鍛冶町、堺町、紺屋町、古船場町、米町と、京町3丁目・4丁目の一部です。事務所の住所がエリア内にあるか、団体の構成員がエリア内の店舗であるなど、活動の中心がエリアにあることが拠点の目安とされています。
夜間の条件は、時間を設けて開催する場合の話です。18時から22時のどこかを含めば足ります。
発注先は原則として市内の業者です。市内で取り扱いがないなどの理由があるときは、交付申請の際に理由書を出します。
補助額はいくら戻る?
補助額は、対象経費(消費税は除く)に補助率をかけた額です。補助率は「何回目の採択か」で変わり、上限は毎年100万円です。計算の端数は1,000円未満が切り捨てになります。
- 1年目、経費60万円:60万円 × 4/5 = 48万円
- 1年目、上限に届く例:125万円 × 4/5 = 100万円
- 2年目、経費90万円:90万円 × 2/3 = 60万円
- 3年目、経費60万円:60万円 × 1/2 = 30万円
- 3年目、上限に届く例:200万円 × 1/2 = 100万円
同じ規模のイベントを続けると、2年目、3年目と自己負担が増えていきます。経費60万円のイベントなら、1年目の自己負担は12万円、3年目は30万円です。3年目の資金計画を、初年度の事業継続計画書にも書くことになります。
協賛金や参加費などの収入があり、補助金を受けて利益が出る場合は、その利益相当額が補助金から差し引かれます。民間の協賛金との併用はできますが、その収入は収支予算に入れます。
何に使える?
対象にならないものから先に確認します。
- 消費税・地方消費税
- 金券、クーポン、来場者への景品やノベルティ
- 参加者の旅費、宿泊費、体験費、飲食費
- 販売するための物品の仕入れやグッズ制作
- 団体の構成員への人件費
- 団体の日常的な活動の経費
対象になる費目は次のとおりです。
- 会場関係費(会場の設営・運営)
- 広告宣伝費(ポスター、チラシの作成など)
- 機材等の製作・購入費
- 保険料(行事保険、スタッフの損害賠償保険など)
- 報償費(アルバイト人件費、出演者への謝金)
- 事務費(文具、写真代など)
見積書は業務ごとに専門業者から取ります。1件の見積額が20万円以上なら3社以上から取り、いちばん安い額で予算を組みます。「一式」だけの見積は認められず、内訳が必要です。
申請から入金までの順番
令和8年度の第2期の例で並べます。事業の実施期間は第1期が6月の交付決定から11月1日まで、第2期が11月上旬の交付決定から令和9年2月14日までです。12月のイベントは、第1期ではなく第2期での申請になります。
- 事前協議(団体→市のサービス産業政策課。事業内容と応募時期を相談する。書類づくりの前)
- 申請書類を出す(団体→サービス産業政策課。持参、郵送、データ送付のいずれか。平日のみ)
- 審査会でプレゼン20分と質疑10分を受ける(団体。第2期は10月中旬頃。結果は下旬頃に通知)
- 交付申請書を出し、交付決定の通知を受ける(団体⇔市。第2期は10月下旬から11月上旬頃。契約はこの後)
- イベントを実施する
- 実績報告書を出す(団体→市。事業終了後20日以内か3月10日のどちらか早い日まで)
- 補助額の確定、請求、支払いと進む(原則は事業が終わってからの精算払)
事前協議が済んでいない書類は、提出しても受け付けられません。窓口は北九州市産業経済局サービス産業政策課(電話093-582-2050)です。
審査は、書面で要件を確認したうえで、プレゼンで評価します。見られるのは、企画の新規性、エリア外からの集客の見込み、広報、運営体制、そして次年度以降に補助金なしで続けられるかという自走の計画です。補助予定は3件程度の見込みで、申請額によって採択件数は変わります。
必要な書類
準備できた 0 / 13
事業継続に向けた計画書は、イベント等の場合に出します。直近3回の来場者数と収支、これからの収支計画と来場者の見込み(当該年度を含め3か年以上)、事業を続けるための工程表を書く様式です。初実施で次年度以降が固まっていなくても、現時点の計画として書きます。
理由書は、市内の事業者に発注しない場合だけ出します。法人は履歴事項全部証明書と役員等名簿が要ります。前年度の決算書は、前年度に活動実績がある場合です。市税の納税証明書の発行窓口は、市の公式ページか担当課に聞いてください。
提出部数は15部またはデータ一式で、書類は上の順に並べます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:決定通知より前に契約や支払いをした経費は対象外です。補助金を使った事業と見なされなくなります。
- 支払いの証拠がない:領収書がない経費は対象外です。領収書があっても、通帳などで実際の支払いが確認できなければ外れます。
- 見積が「一式」のまま:内訳がないと対象経費の妥当性が判断できず、認められません。
- 変更を黙って進めた:計画を大きく変えるときは変更申請が要ります。事業を実施したあとの変更申請は認められません。
- 利益が出た:補助金を受けて利益が出ると、その分が補助金から差し引かれます。
- 実績報告が遅れた:提出期限は厳守です。
次の募集に向けて
令和9年度の募集日程は、公式ページには載っていませんでした。補助金は年度ごとに予算が議決され、2年目以降の交付も約束されていません。ただし要綱の施行期間は令和11年3月31日までと定められています。
今回の仕組みでは、事前協議と審査会があるぶん、準備の期間が長くなります。第2期の例では、9月の締切に対して審査会が10月中旬でした。企画の骨子と3年分の収支計画は、募集の前に作っておくという手があります。
よくある質問
個人事業主として申請できますか?
個人としては申請できません。対象は繁華街エリア内に活動の拠点を置く法人または団体です。団体の構成員がエリア内の店舗であることは、拠点の目安のひとつとされています。業種の指定はなく、拠点の条件を満たす法人や団体なら飲食店の集まりでも商店会でも申請できます。迷うときは、書類づくりの前の事前協議で拠点の考え方を確認します。
昼間のイベントでも対象になりますか?
時間を設けて開催する場合は、夜間(おおむね18時から22時)の一部か全部を含む必要があります。昼間だけの開催は対象外です。夕方から始めて18時以降に重なる企画のように、夜の時間帯をまたぐ構成なら条件を満たす可能性があります。判断が分かれるときは、事前協議で確認します。
1回だけのイベントでも申請できますか?
イベントの場合は、初年度以降3年間以上続けられる計画が必要です。年度をまたいで続ける予定がないイベントは申請できません。隔年開催も認められておらず、連続する3年度以上の実施を計画します。4年目以降は補助金なしで続けられること(自走)が求められます。
3年続ければ、2年目、3年目も必ず補助が出ますか?
出る保証はありません。補助金の申請は年度ごとに行い、毎年度審査を経て交付が決まります。市の補助金予算がその年度に議決されていることも前提です。補助が出ても同じ団体が受けられるのは3年度までで、4年目以降は申請できません。初年度に採択されたからといって、2年目以降の事業費を補助金で見込む資金計画は組めないことになります。
補助率が年々下がるのはなぜ、どう備えますか?
1年目は4/5、2年目は2/3、3年目は1/2と下がります。自走に向けて、市の負担を減らしていく設計です。備え方としては、協賛金や参加費などの収入を初年度から収支計画に入れておく方法があります。審査でも、補助金以外の資金源を確保しているかが見られます。
協賛金が集まっていても申請できますか?
公的な補助金や助成金が原資でない民間の協賛金なら、併用できます。ただし協賛金は事業の収入として収支予算に入れます。事前協議の段階で、ほかの資金源があることを伝えてください。補助金の額の確定では、協賛金や売上を含む収入を差し引いて利益が出る場合、その利益相当額が補助金から引かれます。
すでに開いているイベントでも対象になりますか?
過去に実施した既存のイベントでも、拡充するなど内容に新しさが認められれば申請できます。その内容は改めて審査されます。同じ内容のまま続けるだけでは、新規性の評価が低くなる可能性があります。何を足すのかを事前協議で説明できるようにしておくと整理しやすくなります。
外部の業者に企画を任せてもいいですか?
企画そのものを委託することは認められません。申請者の団体が企画、運営、全体の管理を自分で行う必要があります。設営や音響のように、自分では実施できない業務や、委託したほうが早く安くできる業務は、一部を専門業者に委託できます。補助の決定後に事業主体を変えることもできません。
見積書はどう集めればいいですか?
業務ごとに専門業者から見積書を取り、1件20万円以上なら3社以上から取ります。予算にはいちばん安い額を使います。見積業者は原則として北九州市内の業者です。市内に取り扱いがない場合は、事前協議のときに相談します。補助対象経費と対象外経費が見積の中で区別できるようにしておきます。
補助金はいつ支払われますか?
原則は、事業が終わって実績報告を済ませ、補助額が確定してからの精算払です。報告が早ければ支払いも早くなります。事業の円滑な実施に特に必要と認められれば、事業期間中に全部または一部を受け取る概算払も使えます。希望するときは事前に相談します。確定額が概算払の額を下回ったときは、差額を返します。
補助金を受けたあとにやることはありますか?
事業の前後に、市のホームページなどで紹介するための原稿作成や写真の提供に協力します。来場者数など実績の数値を測る必要があるため、実績報告の書類は事業の前に確認しておきます。会計の書類は、補助を受けた年度の終了後10年間保存します。市が実地検査を行う場合は応じます。
申請の相談先はどこですか?
北九州市産業経済局サービス産業政策課です。電話は093-582-2050で、住所は小倉北区城内1番1号の市役所本庁舎7階です。メールの宛先は募集要項に載っています。提出前の事前協議が必須なので、書類づくりの前に事業内容と応募時期を相談します。
