子育てエコホーム支援事業は、すでに終わっています。 交付申請(予約を含む)の受付は2024年12月31日で終了しており、この事業に新しく申し込むことはできません。
それでも公式サイト(kosodate-ecohome.mlit.go.jp)は開くことができます。事業概要も補助額も対象要件も、当時のまま読めます。トップページには「2024年12月31日をもって、交付申請(予約含む)の受付を終了しました」と出ていますが、ページの大半は終了前の内容のままなので、日付を確かめずに読むと誤解します。
サイトが残っている理由は単純で、交付申請が終わった後も「完了報告」の受付が続いていたからです。新着情報を追うと、2025年8月1日に「2025年7月31日期限の完了報告の受付を終了しました」、2026年5月1日に「2026年4月30日期限の共同住宅等で階数が10以下の完了報告の受付を終了しました」と告知されています。すでに申請を通した人の事務処理を回すためにサイトが維持されているだけで、新規の申し込み窓口としては2024年末に閉じています。
とはいえ、この記事にたどり着いた方の多くは「同じような補助はもう無いのか」を知りたいはずです。後継の制度はあります。 2025年は子育てグリーン住宅支援事業、2026年はみらいエコ住宅2026事業として続いており、金額はむしろ増えている部分があります。以下、3年分の変化と、後継のみらいエコ住宅2026事業で何が使えるかを整理します。
3年でどう変わったか
同じ系譜の事業が、名前を変えながら毎年続いています。
| 子育てエコホーム支援事業 | 子育てグリーン住宅支援事業 | みらいエコ住宅2026事業 | |
|---|---|---|---|
| 対象年度 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
| 財源 | 令和5年度補正2,100億円+令和6年度当初400億円 | 新築2,100億円+リフォーム400億円 | 新築2,200億円+リフォーム300億円 |
| 新築の最高額 | 長期優良100万円/戸 | GX志向型160万円/戸 | GX志向型125万円/戸 |
| 新築の世帯要件 | 全類型で子育て世帯・若者夫婦世帯 | GX志向型は世帯要件なし | GX志向型は世帯要件なし |
| リフォームの上限 | 30万円(子育て・若者夫婦)/20万円(その他) | 60万円(Sタイプ)/40万円(Aタイプ) | 100万円/80万円/50万円/40万円 |
| 交付申請 | 2024年4月2日〜12月31日(終了) | 2025年5月14日〜12月31日(終了) | 2026年3月31日〜12月31日 |
リフォームの上限が3年で3倍以上に伸びているのが一番の変化です。子育てエコホームでは子育て世帯でも30万円が上限でしたが、みらいエコ住宅2026では条件次第で100万円まで届きます。
一方で新築のGX志向型住宅は、2025年の160万円から2026年は125万円(1〜4地域)に下がりました。
子育てエコホームの何が引き継がれ、何が変わったか
2024年の情報で覚えていた条件が、そのままでは通用しないものがあります。
引き継がれているもの
- 子育て世帯・若者夫婦世帯という考え方。定義もほぼ同じで、子育て世帯は18歳未満の子を持つ世帯、若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが39歳以下です
- 新築の床面積要件。50㎡以上240㎡以下という範囲は変わっていません
- リフォームの工事区分。開口部の断熱改修、躯体(外壁・屋根・天井・床)の断熱改修、エコ住宅設備、子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン、リフォーム瑕疵保険への加入という枠組みは共通です
- 登録事業者が申請する仕組み。施主が直接申請するのではなく、事務局に登録した住宅事業者が申請して補助金を還元します
変わったもの
- 新築の世帯要件が一部外れた。 子育てエコホームでは新築の補助はすべて子育て世帯か若者夫婦世帯限定でしたが、みらいエコ住宅2026のGX志向型住宅は世帯を問いません。子どもがいない世帯・40代以上の夫婦でも125万円(1〜4地域)または110万円(5〜8地域)が対象になります
- リフォームに「必須工事」の考え方が入った。 子育てエコホームは工事ごとの補助額を積み上げる方式でしたが、みらいエコ住宅2026は外皮に面する開口部を持つ1つの居室で、開口部の断熱改修と躯体の断熱改修(義務基準対応ならさらにエコ住宅設備)を揃えることが条件になっています。単発のバリアフリー工事だけでは補助が出ません
- リフォームの上限額が住宅の築年で決まるようになった。 平成3年以前に建てられた住宅ほど上限が大きくなります
みらいエコ住宅2026事業でいくら受け取れるか
みらいエコ住宅2026事業の金額です。
新築(注文住宅)
| 住宅の類型 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 世帯要件 | 除却の加算 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | なし(全世帯) | なし |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 20万円 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 20万円 |
地域区分は省エネ基準で決まっている区分で、1〜4地域は北海道・東北・長野など寒冷地、5〜8地域はそれ以外の温暖な地域という分け方です。同じ性能の家でも寒い地域のほうが補助が厚くなっています。
世帯の定義は次のとおりです。
- 子育て世帯: 申請時点で18歳未満の子を有する世帯(2007年4月2日以降に生まれた子。令和7年4月1日時点で18歳未満)
- 若者夫婦世帯: 申請時点で夫婦であり、いずれかが39歳以下の世帯(1985年4月2日以降生まれ。令和7年4月1日時点で39歳以下)
床面積は50㎡以上240㎡以下であることが必要です。
リフォーム
上限額は、住宅がいつ建てられたかとどこまで断熱するかの2軸で決まります。
| 住宅の新築時期 | 義務基準相当まで断熱 | 次世代省エネ基準相当まで断熱 |
|---|---|---|
| 平成3年以前 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
古い住宅ほど上限が大きい設計です。平成3年以前に建てた住宅で断熱を本格的にやるなら、子育てエコホーム時代の30万円に対して3倍以上の枠があることになります。
なお、みらいエコ住宅2026事業の1つの交付申請で申請する補助額の合計は5万円以上であることが必要です。先進的窓リノベ2026事業や給湯省エネ2026事業などで交付決定を受けている場合は、2万円以上になります(他事業の補助額は含められません)。
「宅配ボックスだけ」「食洗機だけ」は対象外です
宅配ボックスや食洗機だけで補助を受けられると考えるのは、みらいエコ住宅2026事業では誤りです。
子育て対応改修は、みらいエコ住宅2026事業でも1戸あたりの定額で補助が出ます。
| 工事 | 1戸あたりの補助額 |
|---|---|
| ビルトイン食器洗機 | 30,000円 |
| 掃除しやすいレンジフード | 15,600円 |
| ビルトイン自動調理対応コンロ | 18,000円 |
| 浴室乾燥機 | 27,600円 |
| 宅配ボックス(住戸専用) | 13,200円 |
| キッチンセットの対面化改修 | 106,800円 |
しかし、これらは単独では申請できません。 必須工事である「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」を1つの居室で実施したうえで、任意工事として上乗せする位置づけだからです。「宅配ボックスを付けたいから補助金を使いたい」という入り方をすると、断熱工事まで含めないと1円も出ない、という結論になります。
宅配ボックス単体で使える制度を探している方は 宅配ボックスの補助金|国と自治体の使い分け を参照してください。自治体の制度なら単体設置でも対象になるものがあります。
窓の断熱は、別の制度のほうが金額が大きいことがあります
もう一つ、子育てエコホームの感覚のままだと損をする点があります。
2026年は国が住宅省エネの補助を複数の事業で同時に進めており、窓の断熱改修には「先進的窓リノベ2026事業」という専用の事業があります。上限は1戸あたり100万円です。窓の単価は両事業の公式ページで見比べてください。
ただし同じ窓に対して、みらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業の両方を使うことはできません。 重複して申請していた場合、窓リノベ側の交付申請が無効になり、交付決定の取り消しや返金等の措置が取られる場合があると、窓リノベの公式ページに書かれています。複数の窓を分けて、一部をみらいエコ住宅2026事業、一部を窓リノベで申請することは可能とされていますが、補助額は合算できません。
実務的な使い分けはこうなります。
- 窓だけを替える → 先進的窓リノベ2026事業
- 壁・床・天井の断熱もやる → みらいエコ住宅2026事業(同じ居室で窓と躯体の両方を断熱します)
- 給湯器も同時に替える → 給湯省エネ2026事業の交付決定を受けていれば、みらいエコ住宅2026事業の要件では高効率給湯器の工事を行ったものとして扱われます
窓の単価と選び方は 窓リノベ2026の補助額はいくら?単価表と締切 にまとめています。
リフォームの「必須工事」がいちばんのハードルです
子育てエコホーム支援事業から最も大きく変わったのが、リフォームの入り口です。ここを誤解したまま見積もりを取ると、話が振り出しに戻ります。
子育てエコホーム支援事業のリフォームは、対象工事を1つでもやれば補助が出る積み上げ方式でした。窓を1か所替える、手すりを付ける、といった単発の工事でも申請できたわけです。
みらいエコ住宅2026事業は違います。「外皮に面する開口部を持つ1つの居室」を選び、その居室で決められた組み合わせの断熱工事を行うことが条件になりました。この居室のことを、事業では「トリガールーム」と呼んでいます。
必須の組み合わせは2通りです。
- 義務基準相当まで断熱する場合: 開口部の断熱改修+躯体(外壁・屋根・天井・床)の断熱改修+特定のエコ住宅設備
- 次世代省エネ基準相当まで断熱する場合: 開口部の断熱改修+躯体の断熱改修
どちらの場合も、窓だけ、あるいは壁だけでは要件を満たしません。 1つの部屋について、窓と躯体をセットで断熱する必要があります。
そのうえで、子育て対応改修・防災性向上改修・バリアフリー改修・空気清浄機能付きエアコン・リフォーム瑕疵保険への加入といった任意工事を上乗せしていく、という構造です。
読者にとっての実務的な意味は次の2点です。
- 「1か所だけ直したい」には向かない制度になった。 部屋単位で断熱を仕上げる工事が前提です
- 窓だけを替えたいなら、先進的窓リノベ2026事業のほうが素直です。あちらは開口部の工事だけで申請できます
一方で、リフォーム全体をやるつもりなら上限は大きいので、工事範囲が広い人ほど得をする設計になっています。平成3年以前に建てた家で、義務基準に相当する工事まで行うケースでは、上限は100万円です。
補助金を受け取ったとき、税金はどうなるか
みらいエコ住宅2026事業の補助金の課税関係は、国税庁の資料で確認できませんでした。同じ住宅関連の給付である「すまい給付金等」について、国税庁のQ&Aは次のように説明しています。
- 受け取った年の一時所得として課税の対象になる(一時所得には年50万円の特別控除がある)
- 所得税法第42条第1項の「国庫補助金等」(国や地方公共団体から固定資産の取得のために交付される補助金)に当たるため、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば、一時所得の総収入金額に含めない特例を使える
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)では、補助金の額を差し引いた金額が「住宅の取得等の対価の額」になる
この補助金に同じ扱いが当てはまるかは、税務署か税理士にご確認ください。
申請できるのはいつまでか
みらいエコ住宅2026事業の受付期間です。
| 区分 | 交付申請の開始 | 終了(予定) |
|---|---|---|
| 注文住宅の新築 | 2026年3月31日(火) | 2026年12月31日(木) |
| 新築分譲住宅・賃貸住宅 | 2026年5月13日(水) | 2026年12月31日(木) |
| リフォーム | 2026年6月30日(火) | 2026年12月31日(木) |
| ZEH水準住宅(注文住宅) | 2026年3月31日(火) | 2026年9月30日(水) |
ZEH水準住宅(注文住宅)だけ締切が早い点に注意してください。交付申請は2026年9月30日まで、予約は2026年8月17日までと公式ページに書かれています。
工事の着手は2025年11月28日以降であることが条件です。また、いずれの区分も予算上限に達した時点で受付が終了します。子育てエコホーム支援事業も、「予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)」という書き方でした。
過去に子育てエコホームで申請した人がやるべきこと
すでに交付を受けた方には、まだ手続きが残っている可能性があります。
完了報告の期限は住宅の種類で違いました。 戸建住宅は2025年7月31日、共同住宅等で階数が10以下は2026年4月30日が期限で、いずれもすでに受付が終了しています。期限を過ぎた場合の扱いは事務局への確認が必要です。
事業者向けの書類は各自で保管が必要です。 事務局は2026年7月10日付で「子育てエコホーム支援事業者は本事業の必要書類をダウンロードして必ず保管してください」という重要なお知らせを出しています。ポータルから取得できる書類は、手元に保存しておいてください。
なお、子育てエコホーム支援事業で補助を受けた工事箇所が、みらいエコ住宅2026事業の対象になるかどうかは、みらいエコ住宅2026事業の公式ページで確認できませんでした。申請前に、施工する事業者を通じて事務局に確認してください。
よくある質問
子育てエコホーム支援事業は申し込めますか?
申し込めません。交付申請(予約を含む)の受付は2024年12月31日で終了しています。公式サイトが残っているのは完了報告の事務処理のためで、新規の申し込み窓口ではありません。
公式サイトが開けるのに、なぜ終了なのですか?
すでに交付決定を受けた人の完了報告を処理する必要があったためです。新着情報を見ると、2025年8月1日に戸建住宅の完了報告、2026年5月1日に共同住宅等(階数10以下)の完了報告の受付終了が告知されています。事業概要や補助額のページは当時のまま残っているので、日付を確認せずに読むと誤解します。
後継の制度で、同じことができますか?
できます。2026年はみらいエコ住宅2026事業が該当します。新築はGX志向型125万円(1〜4地域)から、リフォームは住宅の築年に応じて最大100万円までで、リフォームの上限は子育てエコホーム時代より大きくなっています。ただしリフォームは「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」という必須工事の要件が加わりました。
子どもがいなくても対象になりますか?
新築のGX志向型住宅であれば世帯要件がありません。子育てエコホーム支援事業では新築の補助はすべて子育て世帯・若者夫婦世帯限定でしたが、ここは変わりました。長期優良住宅とZEH水準住宅は、いまも子育て世帯または若者夫婦世帯が条件です。リフォームには世帯要件がありません。
補助金を受け取ったら確定申告は必要ですか?
みらいエコ住宅2026事業の補助金の課税関係は、国税庁の資料で確認できませんでした。同じ住宅関連の給付である「すまい給付金等」では、一時所得として扱われ、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば一時所得に含めない特例を使えます。住宅ローン控除を使う場合は、補助金の額を差し引いた金額が控除のもとになります。 判断に迷う場合は税務署か税理士にご確認ください。
2024年に子育てエコホームを使いました。2026年も使えますか?
すでに補助を受けた箇所の扱いは、みらいエコ住宅2026事業の公式ページで確認できませんでした。前回の申請に含まれていない箇所は、通常の要件で申請できます。前回どの箇所で申請したかは、施工した住宅事業者に確認し、申請前に事務局にも問い合わせてください。
