子育てエコホーム支援事業は、すでに終わっています。 交付申請(予約を含む)の受付は2024年12月31日で終了しており、2026年9月現在、この事業に新しく申し込むことはできません。
にもかかわらず、いま検索すると公式サイト(kosodate-ecohome.mlit.go.jp)が普通に開きます。事業概要も補助額も対象要件も、当時のまま読めてしまいます。終了したことは新着情報を開かないと分からない構造で、ここで誤解する人が後を絶ちません。
サイトが残っている理由は単純で、交付申請が終わった後も「完了報告」の受付が続いていたからです。新着情報を追うと、2025年8月1日に「2025年7月31日期限の完了報告の受付を終了しました」、2026年5月1日に「2026年4月30日期限の共同住宅等で階数が10以下の完了報告の受付を終了しました」と告知されています。すでに申請を通した人の事務処理を回すためにサイトが維持されているだけで、新規の申し込み窓口としては2024年末に閉じています。
とはいえ、この記事にたどり着いた方の多くは「同じような補助はもう無いのか」を知りたいはずです。後継の制度はあります。 2025年は子育てグリーン住宅支援事業、2026年はみらいエコ住宅2026事業として続いており、金額はむしろ増えている部分があります。以下、3年分の変化と、いま何が使えるかを整理します。
3年でどう変わったか
同じ系譜の事業が、名前を変えながら毎年続いています。
| 子育てエコホーム支援事業 | 子育てグリーン住宅支援事業 | みらいエコ住宅2026事業 | |
|---|---|---|---|
| 対象年度 | 2024年 | 2025年 | 2026年(受付中) |
| 財源 | 令和5年度補正2,100億円+令和6年度当初400億円 | 新築2,100億円+リフォーム400億円 | 新築2,200億円+リフォーム300億円 |
| 新築の最高額 | 長期優良100万円/戸 | GX志向型160万円/戸 | GX志向型125万円/戸 |
| 新築の世帯要件 | 全類型で子育て世帯・若者夫婦世帯 | GX志向型は世帯要件なし | GX志向型は世帯要件なし |
| リフォームの上限 | 30万円(子育て・若者夫婦)/20万円(その他) | 60万円(Sタイプ)/40万円(Aタイプ) | 100万円/80万円/50万円/40万円 |
| 交付申請 | 2024年4月2日〜12月31日(終了) | 2025年5月14日〜12月31日(終了) | 2026年3月31日〜12月31日 |
リフォームの上限が3年で3倍以上に伸びているのが一番の変化です。子育てエコホームでは子育て世帯でも30万円が上限でしたが、みらいエコ住宅2026では条件次第で100万円まで届きます。
一方で新築は、2025年のGX志向型160万円が2026年は125万円に下がりました。全体としては「新築は少し絞り、リフォームを厚くする」方向に動いています。
子育てエコホームの何が引き継がれ、何が変わったか
2024年の情報で覚えていた条件が、そのままでは通用しないものがあります。
引き継がれているもの
- 子育て世帯・若者夫婦世帯という考え方。定義もほぼ同じで、子育て世帯は18歳未満の子を持つ世帯、若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが39歳以下です
- 新築の床面積要件。50㎡以上240㎡以下という範囲は変わっていません
- リフォームの工事区分。開口部の断熱改修、躯体(外壁・屋根・天井・床)の断熱改修、エコ住宅設備、子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン、リフォーム瑕疵保険への加入という枠組みは共通です
- 登録事業者が申請する仕組み。施主が直接申請するのではなく、事務局に登録した住宅事業者が申請して補助金を還元します
変わったもの
- 新築の世帯要件が一部外れた。 子育てエコホームでは新築の補助はすべて子育て世帯か若者夫婦世帯限定でしたが、みらいエコ住宅2026のGX志向型住宅は世帯を問いません。子どもがいない世帯・40代以上の夫婦でも125万円(1〜4地域)または110万円(5〜8地域)が対象になります
- リフォームに「必須工事」の考え方が入った。 子育てエコホームは工事ごとの補助額を積み上げる方式でしたが、みらいエコ住宅2026は外皮に面する開口部を持つ1つの居室で、開口部の断熱改修と躯体の断熱改修(義務基準対応ならさらにエコ住宅設備)を揃えることが条件になっています。単発のバリアフリー工事だけでは補助が出ません
- リフォームの上限額が住宅の築年で決まるようになった。 平成3年以前に建てられた住宅ほど上限が大きくなります
みらいエコ住宅2026事業でいくら受け取れるか
いま実際に使える金額です。
新築(注文住宅)
| 住宅の類型 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 世帯要件 | 除却の加算 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | なし(全世帯) | なし |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 20万円 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 20万円 |
地域区分は省エネ基準で決まっている区分で、1〜4地域は北海道・東北・長野など寒冷地、5〜8地域はそれ以外の温暖な地域という分け方です。同じ性能の家でも寒い地域のほうが補助が厚くなっています。
世帯の定義は次のとおりです。
- 子育て世帯: 申請時点で18歳未満の子を有する世帯(2007年4月2日以降に生まれた子。令和7年4月1日時点で18歳未満)
- 若者夫婦世帯: 申請時点で夫婦であり、いずれかが39歳以下の世帯(1985年4月2日以降生まれ。令和7年4月1日時点で39歳以下)
床面積は50㎡以上240㎡以下であることが必要です。
リフォーム
上限額は、住宅がいつ建てられたかとどこまで断熱するかの2軸で決まります。
| 住宅の新築時期 | 義務基準相当まで断熱 | 次世代省エネ基準相当まで断熱 |
|---|---|---|
| 平成3年以前 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
古い住宅ほど上限が大きい設計です。築35年を超える住宅で断熱を本格的にやるなら、子育てエコホーム時代の30万円に対して3倍以上の枠があることになります。
なお、他の事業(先進的窓リノベ2026事業など)で交付決定を受けている場合、みらいエコ住宅2026事業の1つの交付申請で申請する補助額の合計は2万円以上であることが必要です。
「宅配ボックスだけ」「食洗機だけ」は今も対象外です
子育てエコホーム支援事業のときによくあった誤解が、そのまま2026年にも当てはまります。
子育て対応改修は、みらいエコ住宅2026事業でも1戸あたりの定額で補助が出ます。
| 工事 | 1戸あたりの補助額 |
|---|---|
| ビルトイン食器洗機 | 30,000円 |
| 掃除しやすいレンジフード | 15,600円 |
| ビルトイン自動調理対応コンロ | 18,000円 |
| 浴室乾燥機 | 27,600円 |
| 宅配ボックス(住戸専用) | 13,200円 |
| キッチンセットの対面化改修 | 106,800円 |
しかし、これらは単独では申請できません。 必須工事である「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」を1つの居室で実施したうえで、任意工事として上乗せする位置づけだからです。「宅配ボックスを付けたいから補助金を使いたい」という入り方をすると、断熱工事まで含めないと1円も出ない、という結論になります。
宅配ボックス単体で使える制度を探している方は 宅配ボックスの補助金|国と自治体の使い分け を参照してください。自治体の制度なら単体設置でも対象になるものがあります。
窓の断熱は、別の制度のほうが金額が大きいことがあります
もう一つ、子育てエコホームの感覚のままだと損をする点があります。
2026年は国が4つの住宅省エネ補助を同時に走らせており、窓の断熱改修に限れば「先進的窓リノベ2026事業」のほうが単価が高い設計になっています。窓に特化した専用の事業で、上限は1戸あたり100万円、内窓1か所で22,000円〜152,000円です。
ただし同じ窓に対して、みらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業の両方を使うことはできません。 重複して申請していた場合、窓リノベ側の交付申請が無効になり、返金等の措置が取られる場合があると公式に明記されています。
実務的な使い分けはこうなります。
- 窓だけを替える → 先進的窓リノベ2026事業
- 壁・床・天井の断熱もやる → 躯体はみらいエコ住宅2026事業、窓は窓リノベ(箇所が重ならないので併用可)
- 給湯器も同時に替える → 給湯省エネ2026事業を追加(対象が重ならないので併用可)
窓の単価と選び方は 窓リノベ2026の補助額はいくら?単価表と締切 にまとめています。
リフォームの「必須工事」がいちばんのハードルです
子育てエコホーム支援事業から最も大きく変わったのが、リフォームの入り口です。ここを誤解したまま見積もりを取ると、話が振り出しに戻ります。
子育てエコホーム支援事業のリフォームは、対象工事を1つでもやれば補助が出る積み上げ方式でした。窓を1か所替える、手すりを付ける、といった単発の工事でも申請できたわけです。
みらいエコ住宅2026事業は違います。「外皮に面する開口部を持つ1つの居室」を選び、その居室で決められた組み合わせの断熱工事を行うことが条件になりました。この居室のことを、事業では「トリガールーム」と呼んでいます。
必須の組み合わせは2通りです。
- 義務基準相当まで断熱する場合: 開口部の断熱改修+躯体(外壁・屋根・天井・床)の断熱改修+特定のエコ住宅設備
- 次世代省エネ基準相当まで断熱する場合: 開口部の断熱改修+躯体の断熱改修
どちらの場合も、窓だけ、あるいは壁だけでは要件を満たしません。 1つの部屋について、窓と躯体をセットで断熱する必要があります。
そのうえで、子育て対応改修・防災性向上改修・バリアフリー改修・空気清浄機能付きエアコン・リフォーム瑕疵保険への加入といった任意工事を上乗せしていく、という構造です。
読者にとっての実務的な意味は次の2点です。
- 「1か所だけ直したい」には向かない制度になった。 部屋単位で断熱を仕上げる工事が前提です
- 窓だけを替えたいなら、先進的窓リノベ2026事業のほうが素直です。あちらは開口部だけの工事で完結し、単価も高く設定されています
一方で、リフォーム全体をやるつもりなら上限は大きいので、工事範囲が広い人ほど得をする設計になっています。築40年の家をまるごと断熱改修するようなケースでは、上限100万円まで届きます。
補助金を受け取ったとき、税金はどうなるか
子育てエコホーム支援事業のときにも質問が多かった論点です。考え方は後継制度でも同じです。
住宅の新築・リフォームで受け取った国の補助金は、原則として一時所得にあたります。一時所得には年間50万円の特別控除があるため、他に一時所得がなければ50万円までは課税されず、超えた部分の2分の1が課税対象になります。
ただし、これらの補助金は所得税法第42条第1項の「国庫補助金等」(国や地方公共団体から交付される補助金のうち、固定資産の取得に充てるためのもの)に該当します。確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば、一時所得の総収入金額に含めないことができます。 みらいエコ住宅2026事業のリフォームは上限100万円なので50万円を超えることがありますが、この手続きを取れば一時所得としての課税は避けられます。
もう一つ、住宅ローン控除との関係は必ず押さえてください。住宅の取得等に関して補助金の交付を受けた場合、住宅ローン控除の計算のもとになる「住宅の取得等の対価の額(費用の額)」は、その補助金の額を差し引いた金額になります。補助金を受け取ると、住宅ローン控除の対象額はそのぶん減ります。 補助金と住宅ローン控除は二重取りできない、という考え方です。
金額が大きい方や、他に一時所得がある方は、税務署か税理士にご確認ください。
申請できるのはいつまでか
みらいエコ住宅2026事業の受付期間です。
| 区分 | 交付申請の開始 | 終了(予定) |
|---|---|---|
| 注文住宅の新築 | 2026年3月31日(火) | 2026年12月31日(木) |
| 新築分譲住宅・賃貸住宅 | 2026年5月13日(水) | 2026年12月31日(木) |
| リフォーム | 2026年6月30日(火) | 2026年12月31日(木) |
| ZEH水準住宅(注文住宅) | 2026年3月31日(火) | 2026年9月30日(水) |
ZEH水準住宅だけ締切が早い点に注意してください。本申請は9月30日、予約は8月17日までとされています。
工事の着手は2025年11月28日以降であることが条件です。また、いずれの区分も予算上限に達した時点で受付が終了します。子育てエコホーム支援事業も、名目上の締切は2024年12月31日でしたが、実際には予算の消化状況次第で早期に締め切られる設計でした。
過去に子育てエコホームで申請した人がやるべきこと
すでに交付を受けた方には、まだ手続きが残っている可能性があります。
完了報告の期限は住宅の種類で違いました。 戸建住宅は2025年7月31日、共同住宅等で階数が10以下は2026年4月30日が期限で、いずれもすでに受付が終了しています。期限を過ぎた場合の扱いは事務局への確認が必要です。
事業者向けの書類は各自で保管が必要です。 事務局は2026年7月10日付で「子育てエコホーム支援事業者は本事業の必要書類をダウンロードして必ず保管してください」という重要なお知らせを出しています。サイトはいずれ閉鎖されるため、ポータルから取得できる書類は早めに手元へ落としておいてください。
なお、子育てエコホーム支援事業で補助を受けた工事箇所は、みらいエコ住宅2026事業の対象にはなりません。 同じ窓・同じ設備に二重で補助は出ません。まだ工事していない箇所であれば、通常どおり申請できます。
よくある質問
子育てエコホーム支援事業は今も申し込めますか?
申し込めません。交付申請(予約を含む)の受付は2024年12月31日で終了しています。公式サイトが残っているのは完了報告の事務処理のためで、新規の申し込み窓口ではありません。
公式サイトが開けるのに、なぜ終了なのですか?
すでに交付決定を受けた人の完了報告を処理する必要があったためです。新着情報を見ると、2025年8月1日に戸建住宅の完了報告、2026年5月1日に共同住宅等(階数10以下)の完了報告の受付終了が告知されています。事業概要や補助額のページは当時のまま残っているので、日付を確認せずに読むと誤解します。
後継の制度で、同じことができますか?
できます。2026年はみらいエコ住宅2026事業が該当します。新築はGX志向型125万円(1〜4地域)から、リフォームは住宅の築年に応じて最大100万円までで、リフォームの上限は子育てエコホーム時代より大きくなっています。ただしリフォームは「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」という必須工事の要件が加わりました。
子どもがいなくても対象になりますか?
新築のGX志向型住宅であれば世帯要件がありません。子育てエコホーム支援事業では新築の補助はすべて子育て世帯・若者夫婦世帯限定でしたが、ここは変わりました。長期優良住宅とZEH水準住宅は、いまも子育て世帯または若者夫婦世帯が条件です。リフォームには世帯要件がありません。
補助金を受け取ったら確定申告は必要ですか?
補助金は原則として一時所得ですが、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば、一時所得の総収入金額に含めないことができます。ただし住宅ローン控除を使う場合は別の影響があり、控除のもとになる住宅の取得等の対価の額から補助金の額を差し引いて計算します。 判断に迷う場合は税務署にご確認ください。
2024年に子育てエコホームを使いました。2026年も使えますか?
同じ工事箇所には使えません。 すでに補助を受けた窓や設備に、みらいエコ住宅2026事業で重ねて申請することはできません。ただし、前回の申請に含まれていない箇所であれば通常どおり対象になります。前回どの箇所で申請したかは、施工した住宅事業者が控えを持っているはずなので確認してください。
