先進的窓リノベ2026事業でいくら受け取れるかは、窓の性能グレード・窓の大きさ・住宅の建て方の3つで決まります。工事費の何割という補助率ではなく、1か所ごとに金額が決まっている定額制です。上限は1戸あたり100万円、下限は1回の申請あたり合計5万円。この5万円に届かない工事は申請そのものができません。
金額の幅を先に示すと、戸建住宅で内窓を1か所入れる場合は22,000円〜140,000円、外窓ごと交換(カバー工法)なら41,000円〜239,000円です。ガラス交換だけなら5,000円〜78,000円。同じ窓でも、工事の方法を変えるだけで補助額が3倍以上変わります。
スケジュールは、交付申請の受付が2026年3月31日(火)に始まり、遅くとも2026年12月31日(木)までです。予約は2026年11月16日(月)まで。ただし予算上限に達すればその時点で終了するため、この日付は「最長でここまで」という意味しかありません。2026年9月10日0時時点の予算消化率は22%で、まだ余裕はあります。
「窓リノベ」という言葉の意味や、みらいエコ住宅2026事業との選び分けは 窓リノベとは?4つの事業の違い にまとめています。この記事は数字を引くためのページです。
まず窓のサイズ区分を確認する
単価表を読む前に、自分の窓がどのサイズ区分に入るかを決める必要があります。窓とガラスで区分の境目が違うので注意してください。
| 区分 | 窓(内窓・外窓・ドア)の面積 | ガラスの面積 |
|---|---|---|
| 特大(G) | 4.0㎡以上 | 2.0㎡以上 |
| 大(L) | 2.8㎡以上 4.0㎡未満 | 1.4㎡以上 2.0㎡未満 |
| 中(M) | 1.6㎡以上 2.8㎡未満 | 0.8㎡以上 1.4㎡未満 |
| 小(S) | 0.2㎡以上 1.6㎡未満 | 0.1㎡以上 0.8㎡未満 |
「特大(G)」は2026年事業で新設された区分です。 2025年事業までは大・中・小の3区分しかなく、4.0㎡を超える掃き出し窓も「大」として扱われていました。リビングの大開口を持つ住宅では、ここだけで補助額が大きく変わります。
面積の目安として、一般的な引き違いの掃き出し窓(幅1,690mm×高さ1,830mm程度)は約3.1㎡で「大(L)」、腰高窓(幅1,690mm×高さ1,170mm程度)は約2.0㎡で「中(M)」、小窓(幅640mm×高さ970mm程度)は約0.6㎡で「小(S)」になります。正確な面積は製品の型番で決まるので、最終的には施工業者の見積もりで確定します。
内窓設置の補助額
既存の窓の内側に、もう1枚窓を入れる工事です。2026年事業からAグレードが対象外になり、Sグレード以上でないと補助が出ません。
戸建住宅・延床面積240㎡以下の非住宅建築物
| 性能区分 | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS)/熱貫流率1.1以下 | 140,000円 | 89,000円 | 58,000円 | 36,000円 |
| S/熱貫流率1.5以下 | 76,000円 | 52,000円 | 34,000円 | 22,000円 |
低層集合住宅・中高層集合住宅・240㎡超の非住宅建築物
| 性能区分 | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS)/熱貫流率1.1以下 | 152,000円 | 98,000円 | 64,000円 | 40,000円 |
| S/熱貫流率1.5以下 | 83,000円 | 57,000円 | 37,000円 | 24,000円 |
熱貫流率(Uw値)は、窓から熱がどれだけ逃げるかを表す数値で、小さいほど断熱性能が高いという意味です。単位はW/(㎡・K)で、1.1以下がP(SS)、1.5以下がSとなります。どの製品がどの区分に当たるかは事務局に登録された型番で決まっているので、施工業者に確認してください。
内窓の対象要件で見落としやすいのが設置位置の制限です。外皮部分にある既存の外窓(ドア)の開口面から、屋内側へ50cm以内に平行に設置するものに限られます。窓から離れた位置に間仕切りのような形で入れても対象になりません。
外窓交換(カバー工法)の補助額
既存のサッシ枠を残したまま、その上から新しい窓をかぶせる工法です。壁を壊さないので工期が短く、内窓より単価が高いのが特徴です。
戸建住宅・延床面積240㎡以下の非住宅建築物
| 性能区分 | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS)/1.1以下 | 239,000円 | 188,000円 | 138,000円 | 89,000円 |
| S/1.5以下 | 156,000円 | 124,000円 | 92,000円 | 60,000円 |
| A/1.9以下 | 116,000円 | 88,000円 | 66,000円 | 41,000円 |
低層集合住宅・240㎡超の非住宅建築物(3階以下)
| 性能区分 | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS)/1.1以下 | 302,000円 | 229,000円 | 156,000円 | 92,000円 |
| S/1.5以下 | 202,000円 | 153,000円 | 104,000円 | 62,000円 |
| A/1.9以下 | 174,000円 | 133,000円 | 92,000円 | 54,000円 |
外窓交換は内窓と違ってAグレードも対象です。既存のサッシが古くて内窓を付けにくい住宅や、サッシそのものが結露している住宅では、こちらのほうが効果が出ます。
なお、壁を壊してサッシごと取り替える「はつり工法」も別の単価表で対象になっています。中高層集合住宅の単価も含め、詳細は公式サイトの工事別ページで確認してください。
ガラス交換の補助額
サッシはそのままで、ガラスだけを複層ガラス等に入れ替える工事です。単価は3つの工法の中でいちばん低く、サッシ自体の断熱性能は変わらないので効果も限定的です。
戸建住宅・延床面積240㎡以下の非住宅建築物
| 性能区分 | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS)/1.1以下 | 78,000円 | 52,000円 | 32,000円 | 11,000円 |
| S/1.5以下 | 53,000円 | 35,000円 | 23,000円 | 7,000円 |
| A/1.9以下 | 41,000円 | 27,000円 | 18,000円 | 5,000円 |
低層・中高層集合住宅・240㎡超の非住宅建築物
| 性能区分 | 特大(G) | 大(L) | 中(M) | 小(S) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS)/1.1以下 | 86,000円 | 57,000円 | 35,000円 | 12,000円 |
| S/1.5以下 | 59,000円 | 39,000円 | 25,000円 | 8,000円 |
| A/1.9以下 | 45,000円 | 30,000円 | 20,000円 | 6,000円 |
小さいガラスのAグレードは1枚5,000円です。下限の5万円に届かせるには10枚必要になる計算なので、ガラス交換だけで申請するなら枚数がまとまるかを先に確認してください。
実際にいくらになるか(試算2例)
単価×箇所数の足し算です。具体的な間取りで計算してみます。
例1: 築25年の木造戸建、寒い部屋だけ内窓を入れる
冬にリビングと寝室が冷えるので、内窓(Sグレード)を主要な窓に入れるケースです。
| 場所 | 窓の種類 | サイズ区分 | 単価 |
|---|---|---|---|
| リビング | 掃き出し窓 | 大(L) | 52,000円 |
| リビング | 腰高窓 | 中(M) | 34,000円 |
| 主寝室 | 腰高窓 | 中(M) | 34,000円 |
| 子供部屋 | 腰高窓 | 中(M) | 34,000円 |
| 洗面所 | 小窓 | 小(S) | 22,000円 |
| 合計 | 5か所 | 176,000円 |
内窓5か所の工事費が仮に70万円前後だとすると、17.6万円が戻る計算です。ここでグレードをP(SS)に上げると、同じ5か所で89,000+58,000×3+36,000=299,000円になります。製品グレードを1段上げるだけで12万円以上増えるので、見積もり時に両方の金額を出してもらう価値があります。
例2: 築40年の戸建、リビングの大開口を外窓ごと交換
古いアルミサッシで結露がひどく、掃き出し窓を2か所まとめてカバー工法で交換するケースです。
| 場所 | 工事 | 性能 | サイズ区分 | 単価 |
|---|---|---|---|---|
| リビング南面 | 外窓交換(カバー) | S | 特大(G) | 156,000円 |
| リビング東面 | 外窓交換(カバー) | S | 大(L) | 124,000円 |
| 和室 | 内窓設置 | S | 大(L) | 52,000円 |
| 合計 | 3か所 | 332,000円 |
外窓交換は単価が高いので、2〜3か所でも30万円を超えます。 上限100万円まではまだ余裕があるので、同じ契約で他の部屋も足すと補助額が伸びます。
なお、この2例はいずれも戸建住宅の単価です。集合住宅の場合は表の下段(低層・中高層)の単価を使うので、金額はさらに上がります。
スケジュールと締切
| 手続き | 開始 | 終了 |
|---|---|---|
| 工事の着手 | 2025年11月28日(金)以降 | 予算上限に達するまで |
| 事業者登録 | 2026年3月10日(火)〜 | — |
| 交付申請の予約(リフォーム・戸別) | 2026年3月31日(火)〜 | 遅くとも2026年11月16日(月) |
| 交付申請(リフォーム・戸別) | 2026年3月31日(火)〜 | 遅くとも2026年12月31日(木) |
| 交付申請(リフォーム・非住宅) | 2026年6月30日(火)〜 | 同上 |
| リース利用(非住宅) | 2026年7月31日(金)〜 | 同上 |
添付書類の登録は2026年4月15日(水)から開始されました。工事の請負契約は、工事着手日以前に結ばれている必要があります。
交付申請は工事の完了・引渡し後に提出します。着工前に申請するタイプの自治体制度とは順序が逆なので、両方使う場合は混同しないでください。
予約を取るかどうか
交付申請の予約は任意です。予約をすると、その分の予算が確保され、有効期間は提出から3か月または2026年12月31日のいずれか早いほうまでとなります。
予約するメリットは、工事期間中に予算が尽きるリスクを避けられることです。工期が長い工事や、着工から完了まで数か月かかる場合は取っておくと安全です。ただし予約時に申告した金額がそのまま確保されるわけではなく、事務局が審査して承認した額が確保される(申告額を下回ることがある)点は理解しておいてください。
予約を取るかどうかは、予算の執行状況を踏まえて窓リノベ事業者の責任で判断する、というのが公式の説明です。施主側から「予約を取ってほしい」と伝えることはできます。
予算消化率と、締切間際の減額リスク
2026年9月10日0時時点で、予算に対する補助金申請額の割合は22%です。これは交付申請および予約が提出された総額(審査中を含み、却下・取り下げは除く)の概算値で、公式サイトで日次更新されています。予算は1,125億円なので、単純計算で約248億円分が動いた計算になります。
問題は、締切間際に申請したときの扱いです。交付申請の要件には次のように書かれています。
予算の執行状況に応じて申請を締め切る場合、交付申請日が当該締め切り日に近い交付申請について、補助額から減じて補助金を支払う場合があります。
つまり、予算が尽きかけている時期に申請すると、満額ではなく減額された補助金しか受け取れないことがある ということです。「締切に間に合ったから満額もらえる」とは限りません。
この一文は、読者の行動を最も左右する部分です。9月時点で22%という進み方なら年内に尽きる可能性は高くありませんが、工事を検討しているなら、年末近くまで引っ張らずに動くのが安全です。予算の状況は公式サイトのグラフで確認できます。
2025年事業からの変更点
前身の2025事業を調べていた方は、次の3点が変わっていることに注意してください。
- 特大(G)サイズが新設された。 窓は4.0㎡以上、ガラスは2.0㎡以上に新しい区分ができ、大開口の窓の補助額が上がりました
- 内窓のAグレードが対象外になった。 2026年事業の内窓はSグレード(Uw1.5以下)以上が必須です。2025年事業の情報で「Aグレードでも出る」と読んでいた方は要注意です
- 一部の非住宅建築物が対象に加わった。 店舗・教育施設・医療福祉施設の一部が入り、延床面積240㎡超の非住宅は1棟あたり1,000万円まで申請できます
なお、先進的窓リノベ2025事業で補助金の交付を受けた窓(ガラス)・ドアは、2026事業の対象になりません。 初代(令和4年度補正予算第2号)と2024事業も同様です。
落ちる要因(相談段階でしか直せないもの)
事務局が2026年2月26日付で出した注意喚起から、交付に至らなかった実例を挙げます。
- 増築部に設置する外窓・ドア。建築確認申請が必要な10㎡超の増築が対象です。増築に伴って外壁を撤去し、同規模・同数の開口部を新しい外壁に設けた場合も対象外になります
- 開口部の位置を変更して設置する外窓・ドア
- 交換前のサッシの数を上回る数のサッシ。既存サッシと同数までが対象です。ただし製品の強度の制約で同じ大きさのものを設置できず、やむを得ず最低限に分割した場合は、設置分が対象になります
- ドア交換のみの申請。同じ住戸の窓の工事と同一契約で、同時に申請する場合に限られます
- 過去事業で交付を受けた窓・ドア
上の1〜3については例外があります。BELS評価書または既存住宅の建設住宅性能評価書を提出し、リフォーム後に断熱等性能等級5を満たすことが確認できる住宅は、該当しても補助対象になります。
また、1つの開口部について、複数の新しいサッシの一部を窓リノベ、一部をみらいエコ住宅2026事業へ申請することはできません。 両事業を通じて、既存サッシと同数までが補助対象です。
よくある質問
窓リノベ2026はいくらもらえますか?
1戸あたり上限100万円です。実際の額は、内窓なら1か所22,000円〜152,000円、外窓交換(カバー工法)なら41,000円〜302,000円の単価を、施工した箇所ぶん足した金額になります。1回の申請で合計5万円以上にならないと申請できません。
申請はいつまでですか?
交付申請は遅くとも2026年12月31日(木)まで、予約は2026年11月16日(月)までです。ただし予算上限に達すればその時点で終了します。2026年9月10日0時時点の予算消化率は22%です。
内窓と外窓交換、どちらが補助額は大きいですか?
外窓交換のほうが大きく、同じ性能・同じサイズでおおむね2倍前後になります。戸建でSグレードの大(L)サイズなら、内窓52,000円に対して外窓交換(カバー工法)は124,000円です。ただし工事費も外窓交換のほうが高いので、自己負担額で比べてください。 詳しくは 二重窓の補助金2026|内窓と外窓交換どちらが得か で比較しています。
マンションでも使えますか?
使えます。集合住宅は戸建より単価が高く設定されており、内窓Sグレードの大(L)サイズで57,000円(戸建は52,000円)です。ただし窓は管理規約上の共用部分にあたることが多く、管理組合の承認が必要になります。工事の相談と並行して手続きを始めてください。
予約は必ず取るべきですか?
任意です。工期が長い場合や予算の消化が進んでいる時期は取っておくと安全で、有効期間は提出から3か月または2026年12月31日の早いほうまで予算が確保されます。判断は窓リノベ事業者が行いますが、施主から依頼することはできます。
補助金はいつ、どうやって受け取れますか?
施主が直接受け取るのではなく、事務局から窓リノベ事業者に交付され、そこから還元されます。方法は契約時に「工事代金に充当する」か「現金で受け取る」かのどちらかを選び、共同事業実施規約という書面で合意します。現金の場合、事業者は補助金の交付から遅くとも2か月以内に還元を完了させる義務があります。事務手数料の有無もこの規約に書かれるので、署名する前に必ず読んでください。
