豪雨の復旧では、補助金が出ても残りの1/4は自分で用意します。その分を借りれば、毎月の利子が残ります。この制度は、再建支援補助金の自己負担分を借りた利子を、熊本県が後から補います。
先に本体の補助金を終えた人が対象です。融資は県の特別資金か日本政策金融公庫の災害貸付に限られます。
熊本県被災中小企業者再建支援資金緊急利子補給補助金の要点まとめ
正式名:熊本県被災中小企業者再建支援資金緊急利子補給補助金(自己負担分の利子補給金)
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業者・小規模企業者・商工団体)
- 対象業種
- 業種の指定なし(中小企業者等であること)
- 利用目的
- 再建支援補助金の自己負担分を借りた利子の補給
- 対象地域
- 熊本県(令和7年8月豪雨で被災した事業者)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(中小企業者等の基準による)
いくら
- 補助上限額
- 公式に上限額の記載なし(自己負担分に当たる利子が上限)
- 補助率
- 支払利子 × 自己負担額 ÷ 借入額(最大3年間)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 毎年12月10日まで(令和8年は2026年12月10日・消印有効)
- 事業の完了
- 再建支援補助金の復旧工事が完了し、交付確定を受けていること
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
交付確定とは、復旧工事を終えて実績報告をしたあとに、県から届く確定の通知です。工事の途中で届く交付決定とは別のものです。
借入れは交付確定の前でも構いません。ただし申請は、確定の通知書を受け取ってからです。
中小企業者等は、要綱で次のように決まっています。
- 中小企業支援法の中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の基準があります)
- 商工会・商工会議所・中小企業団体中央会
- 小規模企業者(中小企業基本法の定義による)
業種ごとの具体的な数字は、県の要綱に書かれていません。自社が当たるかは、商工振興金融課に聞くと確かです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 資本金5億円以上の法人の100%子会社
- ✕ 課税所得の3年平均が15億円超
- ✕ 市町村の同目的の利子補給を受けた
- ✕ 対象外の融資で借りた
100%子会社は、資本金5億円以上の法人に、直接または間接に株式を100%持たれている会社のことです。課税所得は、申告が済んだ直近3年分で見ます。
いくら補給される?
補給額は、1〜12月に払った約定利子に、自己負担額の割合をかけて決まります。遅延損害金は入りません。割合の上限は10分の10です。
県が金融機関に利子額を照会するので、利子の証明書は自分で用意しません。金額も県が計算します。仮の数字で、考え方を3つ見ます。
- 自己負担250万円を全額借りる(借入額250万円):年の支払利子5万円 × 250÷250 = 5万円
- 工事費1,000万円をすべて借りる(自己負担250万円):年の支払利子20万円 × 250÷1,000 = 5万円
- 借入額が自己負担額に届かない(借入額200万円、自己負担250万円):年の支払利子4万円 × 10/10 = 4万円
借入額が自己負担額より大きいほど、利子の一部しか戻りません。 自己負担分を超えて借りた部分の利子は、補給の外です。
補給は融資実行から最大3年間です。毎年の申請で、その年の利子が支払われます。支払いは翌年3月中の予定です。
令和8年は、制度が始まった2026年4月1日以降に発生した利子が対象です。
何に使える?
対象は、利子だけです。借入元本や工事費は、この制度の対象になりません。
対象にならないもの
- 遅延損害金
- 自己負担分に当たらない部分の利子
- 対象外の融資の利子
対象になるもの
- 熊本県金融円滑化特別資金(令和7年8月大雨枠)の利子
- 日本政策金融公庫の災害貸付(国民生活事業)の利子
- 日本政策金融公庫の災害復旧貸付(中小企業事業)の利子
どれも令和7年8月豪雨に係る貸付に限ります。県の特別資金は、限度額8,000万円、期間10年以内です。上限利率は固定で年1.50〜2.20%以内(期間で異なる)、保証料率は0%と案内されています。
申請の流れ
- 再建支援補助金を申請する(事業者→熊本県。交付決定を受ける)
- 金融機関で融資を申し込み、実行を受ける(事業者→金融機関。交付確定の前でもできる)
- 復旧工事を終え、実績報告を出す(事業者→熊本県。交付確定の通知書を受け取る)
- 利子補給の申請書を郵送する(事業者→商工振興金融課 金融班。毎年12月10日まで、消印有効)
- 利子補給金を受け取る(熊本県→事業者。翌年3月中の予定)
- 2年目・3年目も毎年申請する(事業者→商工振興金融課。2号様式のみ)
3年分を全額受け取るには、毎年の申請が必要です。1年飛ばした年の分が受け取れるかは、公式ページに記載がありません。
必要な書類
初回(1年目)は次の5点です。
準備できた 0 / 5
通帳は、表面と、カタカナ口座名義が分かる1・2ページ目の写しです。電子契約は、電子署名付きのデータを出します。
2回目以降は、申請書兼請求書(2号様式)だけで足ります。県から届いた交付決定通知書に照会番号があれば、様式に書きます。1号様式では、利子補給金の振込先に、借入れの返済口座と同じ口座を書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 繰上償還や代位弁済をした:対象の貸付を繰上償還した、期限の利益を失った、または保証協会が代わりに弁済した場合は、交付されません。すでに受け取った分は、返還を命じられることがあります。
- 虚偽の申請をした:事実と違う申請や、借入れを目的以外に使った場合も、交付されないか返還を求められます。
- 12月10日を過ぎた:消印が12月10日を過ぎた年の分は、公式ページに受け取れる旨の記載がありません。毎年の期限を守ってください。
期限の利益を失うとは、返済の期限が来る前に、一括での返済を求められる状態のことです。
併用と税金
県内市町村が同じ目的で行う利子補給を受けると、この制度は対象外です。市町村の制度に申し込む前に、どちらを使うか決めてください。
利子補給金が税務上どう扱われるかは、公式ページに記載がありません。経理は税理士に確かめてください。
よくある質問
この制度だけを単独で申請できますか?
できません。再建支援補助金の交付確定を受けた人が対象です。順番は、補助金の交付決定、融資、復旧工事、実績報告、交付確定、そして利子補給の申請です。交付決定の段階では補給額が決まらないので、申請は確定の通知書を受け取ってからになります。まず本体の補助金の手続きを進めてください。
融資は交付確定の前に受けてもいいですか?
構いません。公式ページにも、融資の申込みは交付確定の前でもできると書かれています。利子はいったん自分で金融機関に払い、あとから県が補います。資金が先に要る工事なら、先に借りて着手できます。ただし対象は県の特別資金と公庫の災害貸付だけなので、借りる融資の種類は申込み前に確かめてください。
対象になる融資は何ですか?
2種類だけです。1つは熊本県金融円滑化特別資金(令和7年8月大雨枠)、もう1つは日本政策金融公庫の災害貸付(国民生活事業)と災害復旧貸付(中小企業事業)です。どちらも令和7年8月豪雨に係るものに限ります。それ以外の融資は、利率が低くても補助対象外です。民間の通常の事業融資を使った場合も対象になりません。
借入額が自己負担額より大きいとき、利子はどうなりますか?
自己負担分の割合で按分されます。計算式は、支払利子額に、自己負担額を借入額で割った数をかけたものです。たとえば借入額が自己負担額の4倍なら、支払利子の4分の1が補給の対象です。残りの利子は自分で負担します。借入額が自己負担額より少ないときは、割合の上限が10分の10なので、支払利子の全額が対象です。
申請は毎年必要ですか?
必要です。補給は融資実行から最大3年間で、毎年12月10日までに申請します。初回は5種類の書類、2年目と3年目は2号様式の申請書だけです。3年分を全額受け取るには、毎年の申請が要ると公式ページに明記されています。支払いは翌年3月中の予定です。申請の時期を、カレンダーに入れておくと忘れません。
12月10日はいつの消印までですか?
令和8年は、2026年12月10日(木)の消印まで有効です。申請書は郵送で、提出先は熊本県商工振興金融課 金融班です。メールやFAXで出せるかは、公式ページに記載がありません。郵便局の窓口で出すと、消印の日付が確かです。締切の直前は避けて、数日前に出すと安心です。
利子の証明書は自分で取りますか?
取りません。支払利子額は、県が一括して金融機関に照会します。申請者が利子額の証明書を出す必要はないと、公式ページに書かれています。申請金額も、県が金融機関の回答をもとに計算します。自分で用意する書類は、申請書、交付確定通知書の写し、契約書の写し、通帳の写し、誓約書です。
繰上償還するとどうなりますか?
交付されないか、返還を求められます。要綱では、対象の貸付について繰上償還、期限の利益の喪失、保証協会による代位弁済があったとき、利子補給金の全部または一部を交付しない、と決められています。すでに交付済みなら、返還を命じられることがあります。手元の資金が増えても、早く返す前に県の金融班へ相談してください。
資本金や所得で対象外になることはありますか?
あります。資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を持たれている場合は対象外です。申告が済んだ直近3年分の課税所得の年平均が15億円を超える場合も対象外になります。中小企業者でも、大企業の完全子会社なら使えません。該当するか迷うときは、金融班に聞いてください。
申請先と問い合わせ先はどこですか?
熊本県商工振興金融課 金融班(電話 096-333-2314)です。申請書の郵送先は、〒862-8570 熊本市中央区水前寺6丁目18番1号です。再建支援補助金そのものの窓口とは別なので、間違えないでください。融資の相談は、各金融機関、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会が受け付けています。
12月末までの利子は、その年の申請に入りますか?
公式ページに記載がありません。補給の対象は、1月から12月に払った利子とされています。一方で申請の締切は12月10日です。締切のあとに払う利子の扱いは、書かれていません。申請の前に、金融班へ確かめておくと確実です。
