魚介類や調味料の値上がりで、仕入れの金額が前の年より膨らんだ水産加工業者に向けた支援金です。公式の呼び名は「補助金」でなく「支援金」で、受け取ったあとの完了報告は要りません。
支援の対象になるのは、原材料費が前年度より増えた分だけです。数量を減らして仕入れ額が下がった年は、単価が上がっていても対象外になります。
水産加工業物価高騰対策緊急経営支援事業の要点まとめ
正式名:水産加工業物価高騰対策緊急経営支援事業
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 水産食料品製造業(水産加工業)
- 利用目的
- 水産加工原材料の仕入価格上昇分の補填
- 対象地域
- 宮城県内に本社がある事業者
- 従業員数
- 資本金3億円以下か常時従業員300人以下の会社
いくら
- 補助上限額
- 100万円(1事業者あたり)
- 補助率
- 1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月15日〜2027年1月29日(必着)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 本社が県外にある
- ✕ 主たる事業が漁業である
- ✕ 水産加工業協同組合や事業協同組合
- ✕ 原材料費が前年度より増えていない
資本金か従業員数は、どちらか一方を満たせば足ります。根拠は中小企業基本法で、製造業の中小企業者を指します。
水産食料品製造業とは、国の産業分類で決まった業種です。水産缶詰・瓶詰、海藻加工、水産練製品、塩干・塩蔵品、冷凍水産物、冷凍水産食品、その他の水産食料品の7つが挙がっています。
本社が県内なら、工場が県外にあっても対象です。逆に本社が県外なら、工場が県内にあっても対象になりません。
登記簿に水産加工業の記載がなければ、製造していても対象外です。記載があっても、実際に製造・出荷をしていなければ対象になりません。
個人事業主は、税務署への開業届の主な内容が水産加工業で、製品を実際に製造・出荷していれば対象です。代表者が同じでも、別法人ならそれぞれが対象になります。
このほか、理事長が適当と認めた者も対象になりうると要綱にあります。認める基準は公開資料に書かれていません。
いくら支給される?
計算式は、前年度との差額の半分です。
- 差額 = 令和7年4月1日を含む決算年度の原材料費 − 前の決算年度の原材料費
- 支給額 = 差額 × 1/2(千円未満は切り捨て、上限100万円)
上限の100万円に届くのは、原材料費が前年度より200万円以上増えたときです。
- 原材料費が120万円増えた:120万円 × 1/2 = 60万円
- 83万5,000円増えた:83万5,000円 × 1/2 = 41万7,500円 → 千円未満を切り捨てて41万7,000円
- 300万円増えた:300万円 × 1/2 = 150万円 → 上限の100万円
- 前年度より減った:支給なし
消費税は考慮しません。決算額の差額から消費税分を引く必要はありません。
比べる期間は、決算月で変わります。
| 決算月 | 比べる期間 |
|---|---|
| 12月決算 | 令和7年1〜12月 と 令和6年1〜12月 |
| 3月決算 | 令和7年4月〜令和8年3月 と 令和6年4月〜令和7年3月 |
| 9月決算 | 令和6年10月〜令和7年9月 と 令和5年10月〜令和6年9月 |
何に使える?
対象にならないもの
- 加工機械の購入費・修理費
- 賃金などの人件費
- 事務用品費
- 電気・ガスなどの光熱水費
対象になるもの
- 魚介類などの主原料の仕入れ費
- 調味料・野菜などの副原料の仕入れ費
- 製品を包装する資材の購入費
支援の対象は仕入れた金額そのものでなく、前年度からの増加分です。
申請の流れ
- 原材料費の差額を計算する(事業者。2年分の決算報告書で、製造原価報告書の「主要材料費」を見ます。申請書にもこの額を写します)
- 書類をそろえる(事業者→県税事務所・法務局など。登記の書類は発行から3か月以内のものです)
- 郵送か持参で出す(事業者→みやぎ産業振興機構。2027年1月29日の必着。オンライン受付はありません)
- 審査を受ける(機構→事業者。追加の書類を求められることがあります)
- 額の確定通知を受け、振込を待つ(機構→事業者。申請の受付から1か月ほどが目安です)
必要な書類
準備できた 0 / 10
個人事業主は、決算報告書の代わりに青色申告決算書か収支内訳書を2年分出します。定款は要らず、登記の書類は開業・廃業等届出書の写しになります。
登記の書類は発行から3か月以内のものです。納税証明書は最寄りの県税事務所で、全ての県税について取ります。取得の目的は「宮城県事業補助金申請」と伝えます。市や町の窓口では出ません。
申請書には社印を押します。個人事業主は認印で、シャチハタなどのゴム印は使えません。誓約書(様式2)も押印が要ります。口座の名義人が申請者と違うときは、委任状(様式4)も出します。
提出した書類は返却されません。控えを手元に残してください。郵送は書留など、届いたことが分かる方法にします。持参の受付は平日の8時30分から17時までです。土日祝日と12月29日〜1月3日は受け付けていません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 前年度より原材料費が増えていない:仕入れの数量を減らして、購入額が前年度より下がった場合は対象外です。
- 期限に遅れた:2027年1月29日の必着を過ぎると、どんな理由でも受け付けられません。
- 県税に未納がある、または暴力団等に当たる:どちらも申請できません。誓約書と役員等名簿で確かめられます。
- 書類に不備や不足がある:不備があると受付されません。出す前にチェックリストで確かめます。
- 求められた追加書類を出せない:状況が確認できないときは、支給されないことがあります。
- 虚偽や不正があった:交付の取消しと返還の対象です。受給後でも、立入検査を受けることがあります。
- すでに1回申請している:申請は原則として1事業者につき1回です。
併用・完了報告・税金
補助金ではなく支援金なので、ほかの補助金との併用は可能です。ただし補助金によっては、目的が違っても併用できないものがあります。使う前に、相手の制度の条件を確かめてください。
受給後の完了報告は要りません。現地確認も原則ありませんが、不正や疑いがあれば調査が入ります。
受け取った支援金に税がかかるかどうかは、公式資料に書かれていません。税理士か税務署に聞くのが確実です。
よくある質問
漁業をしながら一部を加工している場合は対象ですか?
主たる事業が漁業なら、対象になりません。一部を加工して販売していても同じです。対象になるのは、国の産業分類で水産食料品製造業に当たる事業者です。判断に迷うときは、定款と登記簿に水産加工業が載っているか、実際に製造・出荷をしているかを先に確かめます。それでも分からなければ、機構の水産加工業ビジネス支援室へ電話で聞くのが早いです。
水産加工業協同組合は申請できますか?
申請できません。水産加工業協同組合も事業協同組合も、水産食料品製造業者ではないという扱いです。公式のQ&Aに、対象外と明記されています。組合に入っている個々の加工業者は、本社が県内にあり、自社で製造・出荷をしていれば、それぞれ別の事業者として対象になります。
本社は県内で工場が県外にある場合はどうなりますか?
本社が宮城県内なら、工場が県外にあっても対象です。反対に、本社が県外で工場だけが県内にある場合は対象になりません。判断の基準は工場の場所でなく本社の所在地です。登記上の本店がどこにあるかを、現在事項全部証明書で確かめておくと分かりやすいです。
魚の値段が上がったのに、購入数量を減らして仕入れ額が下がりました。対象ですか?
対象になりません。この支援金は、決算に載った原材料費の額が前年度より増えた分に出ます。単価で比べて高くなっていても、数量が減って購入額の合計が前年度を下回ったなら、差額はプラスになりません。申請の前に、製造原価報告書で2年分の原材料費を並べて確かめてください。
決算書を作っていない場合は申請できますか?
原則として決算報告書や申告書で上昇分を確かめるので、それ以外に原材料費が増えたことを客観的に説明できる資料がなければ、申請は受け付けられません。法人は2年分の決算報告書、個人事業主は青色申告書か収支内訳書を2年分出します。白色申告の人は収支内訳書で確かめます。
水産加工のほかに事業もしています。決算書はどう出せばいいですか?
水産加工業の分を分けて計上できるなら、その分の製造原価報告書を出します。他の事業と合わせて計上していて切り分けが難しいときは、分ける必要はありません。定款や登記簿に水産加工業が載っていて、実際に製造している会社であれば、水産加工が主力でなくても対象です。
包装資材や調味料も対象経費に入りますか?
入ります。対象は水産加工品をつくるための原材料で、魚介類などの主原料、調味料や野菜などの副原料、製品を包む包装資材までです。一方で、加工機械の購入費や修理費、人件費、事務用品費、電気・ガスなどの光熱水費は対象外です。決算書の費目が混ざっていないかを確かめてから、差額を計算します。
決算が3月の会社は、どの期間を比べますか?
令和7年4月1日を含む決算年度なので、3月決算なら令和7年4月から令和8年3月までの原材料費です。これを前の年度の令和6年4月から令和7年3月までと比べます。12月決算は令和7年1月から12月まで、9月決算は令和6年10月から令和7年9月までが当年度になります。
申請はオンラインでできますか?
できません。申請書類一式を、みやぎ産業振興機構へ郵送するか持参します。郵送は、届いた記録が残る書留などで出してください。期限は2027年1月29日の必着で、過ぎると受け付けられません。持参は平日の8時30分から17時までで、土日祝日と12月29日〜1月3日は受付がありません。
申請してから、いつ振り込まれますか?
申請を受け付けてから1か月ほどが目安です。審査のあとに金額の確定通知が届き、そのあと申請書に書いた口座へ振り込まれます。申請が集中したときや、内容の確認に時間がかかるときは、もっと遅れることがあります。口座の情報が間違っていると支払えないので、債権者登録票は出す前に見直してください。
他の補助金と一緒に使えますか?
使えます。この事業は補助金でなく支援金なので、同じ対象への二重補助にはならない扱いです。加工機械の整備や販路開拓、人件費への補助とも重なりません。ただ、補助金の種類によっては目的が違っても併用できないものがあります。ほかの制度の公募要領で、併用の条件を確かめてください。
受け取ったあとに報告は必要ですか?
通常の補助事業にある完了報告は、この支援金では要りません。機構による現地確認も、原則として行われません。ただし、不正な受給や申請内容への疑いがあれば、必要に応じて現地調査が入ります。虚偽があったときは、受給したあとでも返還を求められることがあります。
問い合わせ先はどこですか?
みやぎ産業振興機構 産業育成支援部 事業支援課の水産加工業ビジネス支援室です。電話は022-393-8955で、メールはsuisan@joho-miyagi.or.jpです。受付は平日の8時30分から17時までで、土日祝日と12月29日〜1月3日はお休みです。電話では「水産加工業の物価高騰対策支援事業」の件だと伝えます。
