この補助金は、先に給与を上げた診療所や訪問看護ステーションに、あとから賃上げ分が補助される仕組みでした。順番は「賃上げが先、補助金があと」です。
受付は2026年8月3日に終了しています。 補助額は施設ごとの定額が上限で、無床診療所・歯科診療所が15万円、訪問看護ステーションが22.8万円、3床以上の有床診療所は病床数×7.2万円でした。実際の交付額は、賃金改善に使った額と上限の少ない方です。次の募集に備えて、条件と数え方を整理します。
岡山県診療所等賃上げ対策補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度岡山県診療所等賃上げ対策補助金【診療所・訪問看護ステーション】
だれが
- 申請者
- 事業者(岡山県内の診療所・訪問看護ステーションの開設者)
- 対象業種
- 医療業(有床診療所、無床診療所、歯科診療所、訪問看護ステーション)
- 利用目的
- 職員の賃上げ(ベースアップ評価料の届出施設が対象)
- 対象地域
- 岡山県内
- 従業員数
- 規定なし(施設単位で申請)
いくら
- 補助上限額
- 無床診療所15万円、訪問看護22.8万円、3床以上の有床は病床数×7.2万円
- 補助率
- 全額支給(上限額未満に限る)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月1日〜2026年8月3日(受付終了)
- 事業の完了
- 2025年12月〜2026年5月に賃上げを実施し、6月以降も維持
自分の施設は対象だった?
次の5つに当てはまれば対象でした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
請求の実績は2025年4月1日から申請時点まで、廃院・廃止の有無は申請時点で見ます。ベースアップ評価料とは、医療従事者の賃上げを診療報酬で評価する仕組みです。届出は2026年3月1日時点で完了している必要があり、「完了」は郵送なら2026年3月1日までに中国四国厚生局へ書類が届いていることを指します。
対象外だったのは次のケースです。
- ✕ 厚生局への到着が3月2日になった
- ✕ 暴力団員等に当たる
- ✕ 診療所・訪問看護ステーション以外
到着の例は公式ページのものです。2026年2月27日(金)に郵送して3月2日(月)に届くと、受理日が3月2日なので要件を満たしません。対象の施設は有床診療所・無床診療所(医科・歯科)・訪問看護ステーションで、ほかの施設は県の案内に対象として載っていません。
いくら補助される?
上限は施設の種別で決まり、交付額は賃金改善に使った額(補助対象経費)と上限の少ない方でした。
| 施設の種別 | 補助上限額 |
|---|---|
| 無床診療所・歯科診療所、2床以下の有床診療所 | 15万円/施設 |
| 3床以上の有床診療所 | 7.2万円 × 2025年8月1日時点の許可病床数 |
| 訪問看護ステーション | 22.8万円/施設 |
計算の例です。
- 無床診療所で賃金改善額が30万円:上限の15万円
- 無床診療所で賃金改善額が9万円:上限に届かないので9万円
- 10床の有床診療所:7.2万円 × 10床 = 72万円が上限
- 訪問看護ステーションで賃金改善額が30万円:上限の22.8万円
3床以上の有床診療所の病床数からは、令和7年度の岡山県病床数適正化支援事業給付金を受けたうえで2025年8月2日以降に減らした病床が除かれます。複数の診療所を運営する法人は、診療所ごとに1枚ずつ申請書を作る決まりでした。
賃上げは何をすれば認められた?
条件は2つの期間にまたがっていました。
- 2025年12月から2026年5月までの6か月間、職員の賃上げを実施する。一部の期間だけ(たとえば3〜5月だけ)の賃上げは対象外
- 2026年6月以降も、その賃上げを維持または拡大する
賃上げの方法は、県の説明会資料で3つ示されていました。職種や職員ごとに別の方法を選んでも構いません。
- 2025年12月から2026年5月まで、基本給か毎月決まって払う手当を引き上げる
- 2025年12月から2026年3月までの4か月分を、2026年3月末までに一時金か特別手当で払い、4月と5月は引き上げる(4月分と5月分の一括払いは不可)
- 2025年4月から11月のどこかで、2025年3月31日時点の賃金水準より2%を超えて引き上げていた場合、2025年12月から2026年5月までの2%を超えた部分が対象
賃金改善額に入れられるのは、自己財源などで職員に行った賃上げと、それに連動して増えた賞与・時間外手当・法定福利費の事業主負担分です。通勤手当、扶養手当、定期昇給のように、労働との結びつきが薄い手当や個人の事情で払う手当は入りません。
対象の職員は、正規でもパートなどの非正規でも構いません。常勤・非常勤を問わず、対象職種で交付要件を満たしていれば含まれます。一方、施設の管理者と法人の理事長、個人事業主である院長は、賃上げの対象者に入りません。ベースアップ評価料の診療報酬を賃金に入れた施設は、その分を報告書の「他の補助金等を受けた場合の額」の欄に書きます。
申請の流れはどうなっていた?
- 案内を受け取る(岡山県→施設。2026年5月27日付で、有床・無床・訪問看護の3種類の申請要領が送られました)
- 賃金改善報告書を作る(施設。職種が同じ職員は、人数を書いてまとめて記入できます)
- 電子申請か郵送で出す(施設→県の事務局。どちらも2026年8月3日まで。電子は23時59分、郵送は当日消印有効)
- 確定通知と入金を待つ(県の事務局→施設。申請要領では、支払いは8月中に行う予定とされていました)
必要な書類
準備できた 0 / 3
交付申請書兼請求書は、無床は様式第1-2号、訪問看護は様式第1-3号です。送付された申請要領にも様式が付いています。ネット銀行は、口座情報の画面を打ち出したものを出します。
電子申請で出したあとは、システム上の修正ができません。直す場合は、事務局へ郵送かメールで修正した様式を送ります。
受け取れなくなるのはどんなとき?
- 賃上げが要件に合わない:実施した内容が補助要件を満たさないと、補助の対象外になります。
- 届出日が3月1日に間に合わない:郵送の届出が3月2日に届いた例は対象外とされています。
- 6月以降に維持しない:6月分の賃金改善は報告書で必ず記入する欄です。6月給与の算定ができ次第の記入でよく、振込まで終える必要はありません。
- 不正が分かった:申請内容に虚偽があり、あとで不正受給が分かった場合は返還に応じる決まりです。
受付が終わったあと、どう備える?
岡山県のページは、2026年8月5日更新で「本補助金の受付は終了いたしました」と案内しています。追加募集や次回の予定は、確認できませんでした。事務局の対応は2026年8月31日までとされており、いまは岡山県医療政策課のページが窓口になります。
交付を受けた施設は、消費税の仕入控除税額の報告が要ります。対象経費は人件費などの非課税仕入なので返還額は0円ですが、0円でも県への報告が必要とされています。報告の時期と様式は、県の「補助金に係る消費税及び地方消費税の仕入控除税額について」のページにあります。
よくある質問
8月3日を過ぎても申請できますか?
できません。受付は2026年8月3日で終了しました。電子申請は23時59分まで、郵送は当日消印有効でした。県のページには「本補助金の受付は終了いたしました」とあり、追加募集の案内は確認できません。次の機会に備えて、ベースアップ評価料の届出状況を厚生局の受理名簿で確かめておくと動きやすくなります。
ベースアップ評価料の届出がまだの場合は対象ですか?
対象外です。2026年3月1日時点で届出が完了していることが要件でした。郵送で届け出る場合は、3月1日までに中国四国厚生局に書類が着いている必要があります。2月27日に発送しても3月2日に着けば要件を満たしません。届出の受理状況は、中国四国厚生局の届出受理医療機関名簿で確かめられます。
診療所と訪問看護ステーション以外の施設は対象ですか?
この記事の区分【診療所・訪問看護ステーション】の対象は、3床以上の有床診療所、2床以下の有床診療所と無床診療所(医科・歯科)、訪問看護ステーションです。県の案内に、それ以外の施設は対象として載っていません。薬局や病院が別の区分で支援を受けられるかは、県のページには書かれていませんでした。岡山県医療政策課に確かめてください。
賃上げの対象になる職員は正規職員だけですか?
正規職員だけではありません。雇用形態は問われず、常勤・非常勤(パートなど)でも、対象職種に該当し、交付要件を満たしていれば対象になります。ただし管理者と理事長、個人事業主である院長は含まれません。報告書には、同じ職種の職員が複数いる場合、人数を書いてまとめて記入できます。職種の欄が足りなければ、行を足して対応します。
賃金改善額に入れられる費用は何ですか?
自己財源などで職員に行った賃上げが基本です。連動して引き上げられた賞与、時間外手当、法定福利費の事業主負担分も含められます。通勤手当、扶養手当、定期昇給のように、労働との結びつきが薄い手当や個人の事情で払う手当は含められません。ベースアップ評価料の診療報酬を給与に入れた場合は、別の欄に記入します。
6月以降の賃金も報告が必要ですか?
必要です。賃上げは2025年12月から2026年5月まで実施し、かつ6月以降も維持または拡大することが交付の条件で、報告書の6月分の欄は記入が必須でした。6月分の給与の算定ができ次第の記入で構いません。6月の給与を振り込むところまで終える必要はないとされています。修正が必要な場合の様式も、県のページにあります。
電子申請のあとで内容を直したいときは?
システム上の修正はできません。電子申請システムで提出したあとは、事務局に郵送かメールで、修正した様式を送ります。また一部の施設では、システムが表示する交付申請書の控えに入力内容が正しく反映されないことがあり、2026年7月31日付の通知と正しい控えが郵送されました。控えは施設で保管します。
有床診療所の上限額はどう決まりますか?
3床以上の有床診療所は、2025年8月1日時点の許可病床数に7.2万円をかけた額が上限です。たとえば10床なら72万円になります。令和7年度の岡山県病床数適正化支援事業給付金を受けて、2025年8月2日以降に減らした病床は数えません。2床以下の有床診療所は、無床診療所と同じく15万円です。
申請書は診療所ごとに出しますか?
診療所ごとに1枚ずつ作ります。申請要領には、複数の診療所を運営する法人は診療所ごとに1枚ずつ作成すること、と書かれています。申請者欄は、郵便番号、所在地、診療所名、法人名、代表職氏名を省略せずに書きます。担当者名と連絡先も必要で、連絡がつかないと補助金が支給できないことがあります。
消費税の報告は必要ですか?
必要です。補助金の対象経費は人件費などの非課税仕入なので、消費税・地方消費税の仕入控除税額の返還額は0円になります。ただし返還額が0円でも、県への報告は必要とされています。報告の時期と様式は、岡山県のホームページ「補助金に係る消費税及び地方消費税の仕入控除税額について」に載っています。
交付額はいつ入金されますか?
申請要領には、支払いは8月中に行う予定と書かれています。ただしこれは申請の受付中の案内で、個別の入金日は公式ページに載っていません。入金の状況を知りたいときは、県の事務局か医療政策課に問い合わせます。申請書には、口座名義人を申請者欄の代表者と同じにして、通帳の写しを添える決まりがありました。
問い合わせ先はどこですか?
岡山県から委託された株式会社キャリアプランニング内の診療所等賃上げ対策補助金事務局(電話 086-899-0990、土日祝を除く9時〜17時)が対応していました。ただし事務局の対応は2026年8月31日までです。それ以降の連絡先は、岡山県医療政策課のページで確かめてください。申請の受付は終了しているため、問い合わせの内容は交付後の手続きが中心になります。
