岡山県の令和8年度介護テクノロジー定着支援事業は、2026年8月18日の提出期限で受付が終わりました。見守り機器、介護ソフト、インカムなどの導入費の4/5を、パッケージ型なら1事業所あたり最大1,000万円まで補助する制度です。介護ソフトの定着促進費用を足すと、上限は1,015万円になります。次の募集があるかどうかは、県の公式ページに記載がありません。
次回に備えるなら、交付決定の前に契約や支払いをした機器は対象外になる点を先に見ておくと損をしません。機器の区分ごとの基準額、計算例、申請の流れを順に説明します。
介護テクノロジー定着支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度岡山県介護テクノロジー定着支援事業
だれが
- 申請者
- 事業者(岡山県内の介護事業所・施設を運営する法人)
- 対象業種
- 介護・福祉業
- 利用目的
- 見守り機器・介護ソフト・インカム等の導入
- 対象地域
- 岡山県内
- 従業員数
- 規定なし(職員数で介護ソフトの基準額が変わる)
いくら
- 補助上限額
- 最大1,015万円(パッケージ型。区分ごとの基準額は本文)
- 補助率
- 4/5
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月8日〜2026年8月18日(受付終了)
- 事業の完了
- 令和8年度内に全手続を完了
うちの事業所は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象になる見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
訪問介護や居宅介護支援の事業所も対象です。養護老人ホームと軽費老人ホームも入ります。県外に本社がある法人でも、岡山県内の事業所なら申請できます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 事業所番号が未付与(開設前)の事業所
- ✕ 交付決定の前に契約・支払いをした機器
- ✕ 貸与するための福祉用具の購入
施設系のサービス(特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設、短期入所など)は、利用者の安全と職員の負担軽減を話し合う委員会を置くことも要件です。補助を受けた事業所は、職員への賃金の還元の周知と、LIFEへの協力も求められます。
研修は、県の総合相談センターが開く「生産性向上スタートアップセミナー」か、厚生労働省委託の研修で足ります。SECURITY ACTIONは、IPA(情報処理推進機構)が運営する情報セキュリティ対策の自己宣言制度です。一つ星か二つ星を宣言します。
いくら補助される?
補助額は、かかった費用に4/5を掛けた額と、区分ごとの基準額を比べて、少ないほうです。基準額の区分は次のとおりです。
| 区分 | 基準額 |
|---|---|
| 移乗支援・入浴支援・インカム | 1台あたり100万円 |
| 介護ソフト・バックオフィスソフト | 職員数で100〜250万円 |
| 上記以外のTAIS掲載機器 | 1台あたり30万円 |
| パッケージ型導入支援 | 最大1,000万円(定着促進費用を足すと1,015万円) |
| 業務改善支援 | 48万円 |
介護ソフトの基準額は、職員数が10名以下で100万円、11〜20名で150万円、21〜30名で200万円、31名以上で250万円です。職員数は常勤換算で数え、管理者や生活相談員も入れます。
- 移乗支援機器を1台入れる:150万円 × 4/5 = 120万円 → 基準額の100万円
- 見守り機器(30万円の区分)を1台入れる:25万円 × 4/5 = 20万円
- 職員15名の事業所が介護ソフトを入れる:180万円 × 4/5 = 144万円
- パッケージ型で2,000万円分を入れる:2,000万円 × 4/5 = 1,600万円 → 上限の1,000万円
- パッケージ型で600万円分を入れる:600万円 × 4/5 = 480万円
パッケージ型の基準額は、介護ソフトの定着促進費用(タブレットやWi-Fi環境の整備など)を合わせて対象にする場合に限り、15万円が上乗せされます。基準額は「400万円以上1,000万円以下」と書かれています。400万円は下限ではないので、200万円の導入でも申請でき、その場合は160万円が補助額です。
何に使える?
対象にならないもの
- 保険料と通信費
- 機器の修理費
- タブレットのケースなど、本体と一体でない付属品
- 福祉用具貸与事業所が貸し出すために買う用具
- 単体のWi-Fi工事、単体のPC・タブレット購入
対象になるもの
- TAIS(福祉用具情報システム)で「介護テクノロジー」に選定された機器
- 移乗支援、入浴支援、見守り、インカムなどの本体と、本体に付く工事費・機器説明の費用
- 介護ソフト、バックオフィスソフト(電子サイン、給与、勤怠管理、会計)
- 機器の導入に伴うPC・タブレットとWi-Fi環境の整備費
- 介護ソフトの導入前後のベンダーによるサポート費用
TAISはテクノエイド協会が運営する福祉用具の検索システムです。載っていない機器でも、県が同水準と認めれば対象になります。迷う機器は総合相談センターへ事前に聞く形になっています。
PC・タブレットとWi-Fi工事は、主となる機器と一緒に入れる場合に限り対象です。見積書は税込で取り、ポイントが付いたときは対象経費から差し引きます。
申請の流れ
8月18日の提出の前に、研修の受講と総合相談センターへの相談が済んでいる必要があります。締切の直前に動き始めると間に合いません。
- 研修を受ける(事業所の担当者→県の総合相談センター。導入前の今年度中)
- 総合相談センターに相談する(事業所→総合相談センター。計画書をつくる前)
- 計画書をメールで出す(事業所→総合相談センター。2026年8月18日まで)
- 採択の通知を待つ(県→事業所。9月下旬の予定)
- 交付申請をして決定を待つ(事業所→県。決定は10月下旬の予定。契約はこの後)
- 導入して実績報告を出す(事業所→県。事業完了後1か月以内。入金は3月下旬の予定)
応募で補助が確定するわけではありません。予算額(3億6百万円)を超えると、過去の補助実績や導入機器の内容を見て審査されます。
必要な書類
準備できた 0 / 10
上の3つの計画書類は応募の締切(8月18日)までに出します。ケアプランとLIFEの確認書は、介護ソフトを入れるときだけ要ります。交付申請書から完納証明書までは、採択のあとに出す書類です。完納証明書は県税の滞納がないことの証明で、手数料がかかります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定の前に契約・支払い・導入をした機器は、対象外です。
- 年度内に納品が終わらない:業者の都合で納品が遅れても、年度内に完了しなければ交付されません。
- 機器を勝手に変えた:採択後の変更は、販売中止などの特別な事情がない限り認められません。
- 他の補助と重なった:同じ種類の機器で他の補助金を受けた(予定を含む)場合は、対象外です。
今年度の変更点
令和7年度は1法人1事業所まででした。令和8年度は複数の事業所で応募できます。ケアプランデータ連携システムを使う事業所は、データ連携の実績があることが要件に加わりました。
介護ソフトの基準額には、訪問介護などの居宅サービス事業所で5事業所以上とデータ連携すると5万円が加算されます。補助を受けた翌年度から3年間は、業務改善の効果を県に報告します。
よくある質問
令和8年度の受付はまだ続いていますか?
終わっています。業務改善計画書などの提出期限は2026年8月18日(火)で、県の公式ページにも「受付は終了しました」と書かれています。次の募集の有無や時期は、公式ページに記載がありません。例年の流れが続くかは分からないため、導入を考えている事業所は、岡山県介護生産性向上総合相談センター(086-221-4565)か長寿社会課に早めに聞いておくと安心です。
訪問介護事業所や居宅介護支援事業所でも対象になりますか?
対象になります。介護保険法に基づくサービスを出している事業所はすべて入り、訪問介護や居宅介護支援も含まれます。養護老人ホームと軽費老人ホームも対象です。ただし応募の時点で介護事業所の指定を受けていない(事業所番号がない)場合は対象外になります。これから開設する事業所は、指定を受けたあとの募集で応募する形です。
県外に本社がある法人でも申請できますか?
申請できます。県が公表しているQ&Aで、県外法人でも岡山県内の事業所であれば対象になるとされています。数えるのは事業所の所在地です。複数の事業所で応募するときは、応募書類を法人でとりまとめて1通で出します。書類の作成は事業所単位で行い、サービス種別が違う併設事業所は2事業所として数えます。
1つの法人から何事業所まで応募できますか?
令和8年度は複数の事業所で応募できます。令和7年度は1法人1事業所のみでしたが、今年度から変わりました。ただし県の予算額を超える応募があった場合は、過去の補助実績や導入機器の台数の妥当性を見て審査され、採択されなかったり額が調整されたりします。応募書類は法人でまとめて出し、作成だけを事業所ごとに行います。
研修はどれを受ければ要件を満たしますか?
岡山県介護生産性向上総合相談センターが開く「生産性向上スタートアップセミナー」か、厚生労働省委託の「生産性向上ビギナーセミナー」「フォローアップセミナー」「デジタル中核人材養成研修」のいずれかです。研修と相談は今年度に受け、原則として機器を導入する前に済ませます。未受講の場合は、総合相談センターの案内に従って受講します。
400万円未満のパッケージ型でも申請できますか?
申請できます。実施要綱に「400万円以上、1000万円以下」と書かれていますが、県は400万円を申請額の下限ではないと説明しています。基準額の上限が1,000万円という意味です。たとえば対象経費が600万円なら補助額は480万円、200万円なら160万円になります。対象経費が1,250万円を超えると、4/5を掛けた額が上限の1,000万円に届きます。
補助の採択は先着順ですか?
先着順ではありません。応募期限内に出された申請を受け付けて審査します。県の予算額(3億6百万円)を超えた場合は、岡山県が過去に実施した介護ロボットやICTの導入支援の採択の有無、見守り機器・介護記録ソフト・インカムを含む計画かどうか、入所定員に照らした台数の妥当性を見て決めます。要件を満たしていても、減額や不採択になることがあります。
ケアプランデータ連携システムは必ず使う必要がありますか?
訪問介護、通所介護、居宅介護支援など、実施要綱に挙がっているサービス種別の事業所は、令和8年度内に利用を開始することが要件です。令和8年度からは、データ連携の実績があることが求められます。交付決定のあとに介護ソフトを入れる場合は、導入後に利用を始めれば足り、実績報告のときに利用状況を確認されます。
Wi-Fi工事やタブレットだけの購入は対象になりますか?
単体では対象になりません。Wi-Fi環境の整備費やPC・タブレットの購入費は、主となる機器や介護ソフトと一緒に導入する場合に限って対象です。移乗支援機器のようにWi-Fiを必要としない機器を入れるときは、Wi-Fi工事は対象外になります。通信費は、どの場合も補助の対象にはなりません。
保険料や機器の保守費は補助されますか?
保険料は補助されません。本体価格とアプリの利用料が3年分まとめて一括払いされたパック商品では、本体とアプリの利用料は全額が対象ですが、保険料は対象外なので見積書から除いてもらうよう県が案内しています。保守やサポートの費用は、主となる機器と併せて入れる場合に限り、付帯して必要な経費として対象になります。
交付決定の前に機器を買ってしまった場合はどうなりますか?
補助の対象外です。県は交付決定の前の事前着手を一切認めておらず、交付決定の前に契約、支払い、導入をした分は対象になりません。見積書を取ること自体は問題ありませんが、発注や契約は交付決定の通知を受けてから行います。業者の納期が長い機器は、年度内に納品と実績報告まで終えられるかを事前に確かめておく必要があります。
採択された後で導入する機器を変えられますか?
販売中止になったなどの特別な事情がない限り、認められません。事業計画の内容を変えて機器の台数が増えたり、別の機器を買ったりする場合は、変更交付申請が必要です。事前に県の長寿社会課か総合相談センターに相談します。応募後に見積価格が変わっても、申請額は変更できません。見積書はなるべく直近のものを出します。
補助金はいつ入金されますか?
県が示している予定では、採択結果の通知が9月下旬、交付決定の通知が10月下旬です。事業が完了したら1か月以内に実績報告書を出し、確認が済んだあと3月下旬に指定した口座へ入金されます。つまり導入費用はいったん事業所が立て替える形です。スケジュールは変わる場合があるとされているため、資金繰りには余裕を持たせます。
他の補助金と一緒に使えますか?
同じ種類の機器については使えません。同一の機器種別で他の補助金の交付を受けた場合(予定を含む)は、この事業の対象外です。実施要綱は、地域医療介護総合確保基金の介護テクノロジー導入支援事業や、経済産業省のIT導入補助金などを例に挙げています。別の種類の機器であれば、それぞれの補助金で申請できる余地があります。
