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生活福祉資金の貸付とは?4種類の資金と限度額一覧

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生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯・障害者世帯・高齢者世帯に、無利子または低利で必要な資金を貸し付ける制度です。生活保護のように返済不要の給付ではなく、借りたお金は原則として返済が必要な「貸付」である点が、生活保護等の扶助制度とのもっとも大きな違いです。

制度は総合支援資金・福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4種類に分かれ、貸付限度額は月15万円台から580万円以内まで、用途によって大きく異なります。実施主体は都道府県社会福祉協議会で、申込みの窓口はお住まいの地区の市区町村社会福祉協議会、受付は随時です。この記事では、4種類の資金それぞれの貸付限度額・対象・申込先を、一次情報(厚生労働省・全国社会福祉協議会)にもとづいて整理します。

生活保護の支給額のしくみは「生活保護 いくら」の記事で解説しています。生活保護と生活福祉資金は別の制度で、生活保護を受けていても状況によっては生活福祉資金の対象になる場合があります(詳しくは福祉事務所・社会福祉協議会へご確認ください)。

4種類の資金と貸付限度額

生活福祉資金には、次の4種類があります。

資金の種類主な用途貸付限度額の目安
総合支援資金失業等で生活に困窮している人の生活再建生活支援費:月15万〜20万円以内(原則3か月、最長12か月)
福祉資金(福祉費)生業を営む経費・療養費・住宅の増改築費等用途により上限580万円以内(目安額は費目ごとに設定)
福祉資金(緊急小口資金)緊急かつ一時的に生計維持が困難な場合の少額費用10万円以内
教育支援資金高校・大学・高等専門学校等への就学費用教育支援費:月3.5万〜6.5万円以内、就学支度費:50万円以内
不動産担保型生活資金高齢者世帯が居住用不動産を担保に生活資金を借りる月30万円以内
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以下、それぞれ詳しく見ていきます。

総合支援資金:失業等からの生活再建

総合支援資金は、失業等によって生活に困窮している人が、生活を立て直し経済的な自立を図るための貸付です。次の3種類の費目があります。

費目用途貸付限度額
生活支援費生活再建までの間に必要な生活費2人以上世帯:月20万円以内/単身世帯:月15万円以内。貸付期間は原則3か月、最長12か月以内(延長3回)
住宅入居費敷金・礼金等、住宅の賃貸契約に必要な費用40万円以内
一時生活再建費就職活動・技能習得にかかる費用、公共料金等の滞納の立替え、債務整理に必要な経費60万円以内
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貸付の利子は、連帯保証人を立てる場合は無利子、立てない場合は年1.5%です。 連帯保証人は原則必要ですが、いなくても貸付を受けられる場合があります。据置期間は最終貸付日から6か月以内、償還期限は据置期間経過後10年以内です。

総合支援資金は、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業の利用が原則要件になっています。貸付だけでなく、就労支援や家計改善支援と組み合わせて生活再建を図る制度として運用されています。

福祉資金(福祉費):生業・療養・住宅改修など幅広い用途

福祉資金の「福祉費」は、日常生活・自立生活のために一時的に必要な費用を貸し付ける資金で、次のような用途が対象です。

  • 生業を営むために必要な経費
  • 技能習得に必要な経費とその期間中の生計費
  • 住宅の増改築・補修等に必要な経費
  • 福祉用具等の購入に必要な経費
  • 障害者用自動車の購入に必要な経費
  • 負傷・疾病の療養に必要な経費とその療養期間中の生計費
  • 介護サービス・障害者サービスを受けるために必要な経費
  • 災害を受けたことによる臨時の経費
  • 冠婚葬祭に必要な経費
  • 住居の移転等、給排水設備等の設置に必要な経費
  • 就職・技能習得等の支度に必要な経費
  • その他日常生活上一時的に必要な経費

貸付限度額は用途に応じて目安額が個別に設定されており、上限は580万円以内です。 一例として、生業を営むための経費は460万円、住宅の増改築・補修は250万円、その他日常生活上一時的に必要な経費は50万円が目安額として示されています(全国社会福祉協議会資料)。

利子・保証人の条件は総合支援資金と同じ(連帯保証人あり:無利子、なし:年1.5%)ですが、償還期限は据置期間経過後20年以内と、総合支援資金より長く設定されています。福祉費の申込みには、民生委員の調査書(意見書)の提出が必須です。

福祉資金(緊急小口資金):10万円以内の少額・緊急貸付

緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に、少額の費用を貸し付ける資金です。 貸付限度額は10万円以内で、無利子・連帯保証人不要という、4種類の中で最も利用しやすい条件になっています。

主な用途としては、初回給与が支給されるまでの生活費、年金・保険・公的給付等の支給開始までの生活費、会社からの解雇・休業等による収入減に伴う生活費などが挙げられます(全国社会福祉協議会のアンケートでは、「初回給与までに必要な生活費」が申込み理由の約4割を占めています)。

据置期間は貸付けの日から2か月以内、償還期限は据置期間経過後12か月以内と、返済までの期間も総合支援資金・福祉費より短く設定されています。

教育支援資金:高校・大学等の就学費用

教育支援資金は、低所得世帯に属する方が高校・高等専門学校・大学等に就学するために必要な経費を貸し付ける資金です。2つの費目があります。

費目用途貸付限度額
教育支援費就学に必要な経費高校:月3.5万円以内/高専・短大:月6万円以内/大学:月6.5万円以内(特に必要と認める場合は1.5倍まで)
就学支度費入学に際して必要な経費50万円以内
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無利子で、連帯保証人は原則不要です(世帯内で連帯借受人が必要)。償還期限は卒業後6か月の据置期間を経て、20年以内です。

なお、大学等への進学では高等教育の無償化(授業料等の減免・給付型奨学金の拡充)、高校進学では高等学校等修学支援金の上限額引き上げが行われています。入学前に入学金や前期授業料等が必要な場合や、給付金の水準を超える私立学校への進学の場合は、教育支援資金の貸付が引き続き検討対象になります。

不動産担保型生活資金:高齢者世帯の不動産を活用

不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者世帯が、自分の居住用不動産を担保に生活資金を借りる制度です。 住み慣れた家に住み続けながら、生活資金を確保できる点が特徴です。

項目内容
対象低所得の高齢者世帯
貸付限度額土地の評価額の70%程度、月30万円以内
貸付期間借受人の死亡時まで、または貸付元利金が限度額に達するまで
貸付利子年3%、または長期プライムレートのいずれか低い利率
連帯保証人必要(推定相続人の中から選任)
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生活保護を受給している高齢者世帯向けには、「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」という別枠もあり、土地・建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)、生活扶助額の1.5倍以内まで借りられます(こちらは連帯保証人不要)。

モデルケースで見る「いつ・いくら借りられるか」

実際にどんな状況で、どの資金を使うことになるのかを、3つのモデルケースで見てみます。

ケース1: 会社の倒産で失業し、次の職が決まるまでの生活費が必要

失業により収入が途絶え、生活を立て直す必要がある場合は総合支援資金の生活支援費が対象になります。単身世帯であれば月15万円以内、原則3か月(最長12か月まで延長可)の貸付です。あわせて、転居が必要な場合は住宅入居費(40万円以内)も申し込めます。自立相談支援機関の利用が要件になるため、貸付だけでなく就労支援も同時に受けることになります。

ケース2: 給料日前に生活費が足りず、急な出費が重なった

一時的な資金不足で、すぐに少額のお金が必要な場合は緊急小口資金(10万円以内)が対象です。無利子・連帯保証人不要で、4種類の中でもっとも利用しやすい設計になっています。据置期間は貸付けの日から2か月以内と短く、比較的早い段階で返済が始まります。

ケース3: 子どもの高校進学にあたり、入学金・授業料の支払いが難しい

低所得世帯で、子どもの高校・大学等への進学にあたり資金が必要な場合は教育支援資金が対象です。入学時の支度費用(就学支度費・50万円以内)と、在学中の学費(教育支援費・高校は月3.5万円以内等)を組み合わせて借りることができます。高等学校等修学支援金や給付型奨学金等の無償化制度で不足する分を補う位置づけとして使われることが多い資金です。

誰が対象になるか(世帯の種類)

生活福祉資金は、次のいずれかの世帯が対象です。

世帯内容
低所得世帯おおむね市町村民税非課税程度の低所得世帯(自治体ごとに弾力的な運用あり)
障害者世帯身体障害者・知的障害者・精神障害者の手帳の交付を受けている者等が属する世帯(低所得であることは要件ではない)
高齢者世帯65歳以上の高齢者が属する世帯(福祉資金は、療養または介護を要する高齢者が属する世帯に限定)
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障害者世帯・高齢者世帯は、低所得であることが必須要件ではありません。 ただし資金の種類によって対象世帯が異なるため、申込み前に社会福祉協議会へ確認することをおすすめします。

返済(償還)のしくみ

生活福祉資金は「貸付」であるため、原則としてすべて返済する必要があります。返済のしくみは、次の3つの要素で決まります。

  1. 据置期間:貸付けを受けてから、返済が始まるまでの期間(資金の種類によって2か月〜卒業後6か月など異なる)
  2. 償還期間:据置期間が終わったあと、実際に返済していく期間(12か月〜20年以内など、資金によって大きく異なる)
  3. 貸付利子:連帯保証人を立てる場合は無利子、立てない場合は年1.5%(緊急小口資金・教育支援資金は連帯保証人の有無を問わず無利子)

返済が難しくなった場合、すぐに滞納となるわけではなく、家計改善支援機関(社会福祉協議会等)と連携しながら、償還計画を見直せる場合があります。 実際に、収支の聞き取りや家計表の作成支援を受けながら、口座振替への切り替え等で無理のない返済を続けているケースもあります(全国社会福祉協議会の事例紹介による)。「借りたら一括で返さなければならない」という制度ではなく、継続的な相談支援とセットになっている点が、民間の貸付とは異なる特徴です。返済に不安がある場合は、滞納してしまう前に、できるだけ早い段階で社会福祉協議会へ相談することが、その後の生活を安定させるうえで重要になります。

他の支援制度との違い

生活福祉資金は、似たような場面で使われることのある他の制度と混同されやすいため、違いを整理しておきます。

制度位置づけ返済の有無
生活福祉資金貸付制度低所得世帯等への貸付返済が必要(無利子または低利)
生活保護(生活扶助等)最低生活費と収入の差額を支給返済不要(扶助)
住居確保給付金離職等で住居を失うおそれのある方への家賃相当額の支給返済不要(給付)
生活困窮者自立支援制度(自立相談支援事業)相談支援・就労支援の提供支援そのものは無償(給付・貸付ではない)
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生活福祉資金は「返済を前提に、まとまった額を借りられる」制度で、生活保護や住居確保給付金のような「返済不要の給付」とは性質が異なります。 どちらが適切かは世帯の状況によって異なるため、社会福祉協議会や自立相談支援機関の窓口で、他制度との組み合わせも含めて相談することが推奨されています(他制度利用優先の原則)。

福祉費の貸付限度額の目安(用途別)

福祉資金(福祉費)は、580万円以内という上限の中で、用途ごとに貸付限度額の目安が個別に設定されています。全国社会福祉協議会の資料にもとづく主な目安額は次のとおりです。

用途貸付限度額の目安償還期間
生業を営むために必要な経費460万円20年
技能習得に必要な経費(技能習得期間3年以内)最大580万円8年
住宅の増改築・補修等250万円7年
福祉用具等の購入170万円8年
障害者用自動車の購入250万円8年
負傷・疾病の療養費(療養期間1年6か月以内)170万円〜230万円5年
災害を受けたことによる臨時の経費150万円7年
冠婚葬祭に必要な経費50万円3年
住居の移転等・給排水設備等の設置50万円3年
就職・技能習得等の支度に必要な経費50万円3年
その他日常生活上一時的に必要な経費50万円3年
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もっとも申込みが多いのは「その他日常生活上一時的に必要な経費」で、その多くが生活保護受給世帯の生活必需品(冷蔵庫・エアコン等の健康に関わる家電製品)購入にあてられています(全国社会福祉協議会資料)。用途によって上限額・償還期間が大きく異なるため、何のために借りたいかを明確にして相談することが重要です。福祉費の申込みには民生委員の調査書(意見書)が必須となるため、地域の民生委員との相談も早めに行っておくとよいでしょう。

申込みの流れとタイミング

生活福祉資金の相談・申込みは、お住まいの地区の市区町村社会福祉協議会で行います。

  1. 市区町村社会福祉協議会(または委託を受けた窓口)に相談
  2. 必要な資金の種類・使途・金額を伝え、必要書類(民生委員の調査書等、資金によって異なる)を準備
  3. 都道府県社会福祉協議会が審査(償還の見込みが立つかどうかを含めて審査するため、一定の時間がかかる)
  4. 貸付決定後、資金が交付される

貸付の財源は全額公費です。 償還(返済)によって原資を循環させ、限られた財源を有効に活用するしくみのため、適切な審査に一定の時間がかかることを踏まえて、早めに相談することが大切です。また、他の制度で対応できる場合はその制度の利用が優先される原則(他制度利用優先の原則)があるため、まずは生活困窮者自立支援制度の窓口(自立相談支援機関)等と合わせて相談するとよいでしょう。相談から貸付決定までの間も、家計改善支援機関等のサポートを受けられる場合があるため、一人で抱え込まずに窓口へ相談することをおすすめします。

よくある質問

生活福祉資金は誰でも借りられますか?

いいえ、誰でも借りられるわけではありません。低所得世帯・障害者世帯・高齢者世帯のいずれかに該当し、償還の見込みがあると認められることが必要です。世帯の状況によって対象になる資金の種類も異なります。

新型コロナウイルスの特例貸付は今も申し込めますか?

新型コロナウイルス感染症を理由とした緊急小口資金・総合支援資金の特例貸付は、既に新規の申込受付を終了しています。現在申込みができるのは、通常の生活福祉資金貸付制度のみです。なお、過去に特例貸付を利用していて償還(返済)が難しい場合は、住民税非課税世帯であれば償還が免除される制度が設けられていました。すでに借入がある方は、償還の状況について社会福祉協議会に確認することをおすすめします。

生活保護を受けていても生活福祉資金を借りられますか?

原則として、生活保護受給世帯は生活福祉資金の対象外となる資金が多いですが、不動産担保型生活資金には「要保護世帯向け」の枠があります。個別の状況によって扱いが異なるため、福祉事務所または社会福祉協議会へご相談ください。

審査にはどのくらいの時間がかかりますか?

貸付の財源は全額公費のため、償還の見込みが立つかどうかを含めた審査に一定の時間がかかります。 明確な標準期間は公表されていませんが、「たらい回し」を避けるため、社会福祉協議会の相談段階から自立相談支援機関等と連携して進められることが一般的です。緊急性が高い場合(緊急小口資金など)は、比較的短期間で貸付が決定されるケースもありますが、いずれにせよ申込みから貸付までにはある程度の期間がかかることを前提に、早めに相談することが重要です。

連帯保証人がいない場合は借りられませんか?

連帯保証人がいなくても貸付を受けられる場合があります。 その場合、貸付利子が無利子ではなく年1.5%になります(緊急小口資金・教育支援資金は連帯保証人の有無を問わず無利子)。連帯保証人を用意できるかどうかは、貸付の可否そのものを左右するわけではなく、主に利子の有無に影響する点として理解しておくとよいでしょう。用意できる場合は無利子になるため、可能であれば連帯保証人を立てることも合わせて検討するとよいでしょう。

審査に通らない・貸付が受けられないのはどんな場合ですか?

償還(返済)の見込みが立たないと判断された場合は、貸付を受けられないことがあります。 生活福祉資金は貸付なので、収入の見通しがまったく立たない状態では、審査を通じて「返済が難しい」と判断されることがあります。また、他の公的な貸付・給付制度(生活保護、住居確保給付金など)で対応できると判断された場合は、そちらの利用が優先され、生活福祉資金の貸付が見送られることもあります(他制度利用優先の原則)。福祉費の申込みで民生委員の調査書が提出できない場合や、教育支援資金で世帯内に連帯借受人を立てられない場合も、審査が進まない要因になります。「借りられるはず」と思い込まず、早い段階で社会福祉協議会に収支の状況を伝え、他制度との組み合わせも含めて相談することが、結果的にスムーズな貸付につながります。

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対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

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免責事項: 本記事の内容は2026年9月時点で確認できた情報にもとづきます。貸付限度額・利子・対象要件は変更される場合があるため、申込み前に必ずお住まいの地区の社会福祉協議会の窓口で最新の内容をご確認ください。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
GRANTOS編集部
補助金メディア編集部

中小企業・個人事業主の「次の一手」を後押しするため、国・自治体の補助金情報をわかりやすく整理してお届けします。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに編集しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。