日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、原則として毎月11日に振り込まれます。 ただし例外が2つあります。
- 4月は21日
- 5月は16日
- 振込日が金融機関の休業日(土日祝)にあたる場合は、その前営業日
たとえば11日が日曜日なら、9日の金曜日に入ります。「11日を過ぎたのに入っていない」ではなく、「11日より早く入っていた」ということもあります。まず通帳を数日さかのぼって確認してください。
初めて奨学金を受け取る方は、初回だけタイミングが違います。 予約採用なら4月から6月のいずれか、在学採用なら6月または7月です。しかも初回は複数月分がまとめて振り込まれます。
そしてもう1つ、2026年から変わった点があります。2026年1月分から、振込口座が同じ場合、給付奨学金・第一種奨学金・第二種奨学金は1つにまとめて振り込まれるようになりました。 「金額が思っていたのと違う」という相談の多くは、これが原因です。
振込日のルール
JASSOの振込日カレンダーには、次のように示されています。
原則、毎月11日(ただし、4月は21日、5月は16日)に振り込まれます。※振込日が金融機関の休業日(土日祝日)にあたる場合は、その前営業日となります。
令和8年度(2026年度)の振込予定日
| 月 | 振込日 |
|---|---|
| 4月 | 4月21日(火) |
| 5月 | 5月15日(金) |
| 6月 | 6月11日(木) |
| 7月 | 7月10日(金) |
| 8月 | 8月10日(月) |
| 9月 | 9月11日(金) |
| 10月 | 10月9日(金) |
| 11月 | 11月11日(水) |
| 12月 | 12月11日(金) |
| 1月 | 1月8日(金) |
| 2月 | 2月10日(水) |
| 3月 | 3月11日(木) |
5月が16日ではなく15日なのは、16日が土曜日だからです。10月9日、1月8日も同じ理由で前営業日に繰り上がっています。
このルールさえ覚えておけば、来年度も自分で計算できます。 11日が何曜日かをカレンダーで見て、土日祝なら前の営業日にさかのぼるだけです。
特例として、まとめて振り込まれる月
- 前年度から継続の場合、4月・5月分を合わせて5月に振り込まれることがあります
- 給付・貸与が終了する年度の3月分は、2月分と合わせて2月に振り込まれます
3月分が2月に入るのは卒業年度の話です。「3月に入っていない」と慌てる前に、2月の入金額が2か月分になっていないか確認してください。
初回はいつ振り込まれるか
初回だけは、上のルールとは別のスケジュールです。 ここが最も待たれるところなので、採用のパターンごとに分けます。
予約採用(高校在学中に申し込んだ場合)
4月から6月のいずれかの月に、本人名義の口座に初回の奨学金が振り込まれます。
どの月になるかは、進学届を提出したタイミングで変わります。 進学届は、進学先の学校に入学した後に提出するものです。提出が早ければ4月、遅れれば5月・6月になります。
進学届を出さないと、採用候補者になっていても振込は始まりません。 手続き方法は進学先の学校に確認してください。
在学採用(進学後に申し込んだ場合)
6月または7月に、本人名義の口座に初回の奨学金が振り込まれます。
春の募集で申し込んだ場合の話です。秋の募集ならそれに応じて後ろにずれます。
初回は複数月分がまとめて入る
予約採用・在学採用のいずれも、初回は「支給始期からの月額がまとめて振込み」されます。
たとえば4月分から支給が始まる方が6月に初回を受け取る場合、4月分・5月分・6月分の3か月分が一度に入ります。
ここで驚く方が多いのですが、これは前倒しではありません。 遅れていた分がまとめて入っただけで、翌月からは1か月分ずつになります。3か月分を1か月で使い切ると、次の月から足りなくなります。
自宅外通学の場合の注意
自宅外通学の金額で振り込まれるのは、証明書類の審査が終わった後です。
JASSOの説明では「自宅外通学の支給月額の振込みは、自宅外通学であることの証明書類を提出し、不備なく審査完了した後になります」とされています。
証明書類の審査が終わるまでは、自宅通学の金額で振り込まれます。 給付奨学金の場合、私立大学なら自宅38,300円に対して自宅外75,800円(第1区分)と、倍近い差があります。
アパートの契約書などの提出が遅れると、その間ずっと少ない額で振り込まれることになります。入学後すぐに手続きしてください。
2026年1月から、振込が1件にまとまった
金額の食い違いで最も多い原因がこれです。
JASSOのお知らせによると、2026年1月分の奨学金振込みから、振込口座が同一の場合、給付奨学金・第一種奨学金・第二種奨学金は1つにまとめて振り込まれます。
以前は種類ごとに別々の入金でしたが、いまは合計額が1件で入ります。
何が起きるか
- 通帳に「給付」「第一種」の2行が並んでいたのが、1行になった
- 合計額を見て「減った」「増えた」と誤解する
- 内訳が通帳では分からない
内訳の確認方法
スカラネット・パーソナルから確認できます。ログインすると、振込金額の内訳が表示されます。
まだ登録していない方は、この機会に登録しておいてください。振込の記録だけでなく、貸与総額や返還予定額もここで確認できます。
振り込まれないときの原因
予定日を過ぎても入っていない場合、JASSOが挙げている原因は次のとおりです。症状ごとに連絡先が違います。
| 症状 | 考えられる原因 | 連絡先 |
|---|---|---|
| 一度も振り込まれたことがない | 口座名義が本人でない/氏名のフリガナが口座名義と不一致/金融機関情報の登録誤り | 学校の奨学金窓口 |
| 一度も振り込まれたことがない(初回待ち) | 進学届が未提出/進学届の選択内容によるもの | 学校の奨学金窓口 |
| 今まで入っていたのに止まった | 適格認定の結果、「停止」「廃止」に該当 | 学校の奨学金窓口 |
| 金額が想定より少ない | 併給調整(第一種奨学金と給付奨学金の併給)/自宅外の証明書類が未審査 | 学校の奨学金窓口 |
| 金額が想定と違う(2026年1月以降) | 合算振込による表示の変化 | スカラネット・パーソナルで内訳を確認 |
| 口座が使えない状態 | 休眠口座になっている | 金融機関 |
口座名義の不一致
意外に多いのがこれです。
- 本人名義の口座であることが必要です。保護者名義の口座は使えません
- 氏名のフリガナの並び順が口座名義と違うと、振込が弾かれます。ミドルネームがある方、旧姓のままの口座、結婚で姓が変わった方は特に注意してください
登録内容の修正は、学校の奨学金窓口を通じて行います。JASSOに直接連絡するのではなく、まず学校です。
休眠口座
長期間使っていない口座は「休眠口座」として扱われ、入金できなくなることがあります。
高校時代に作って、ほとんど使っていない口座を登録している方は要注意です。金融機関に連絡して、口座が使える状態か確認してください。
休眠状態は、金融機関によって扱いが違います。窓口で本人確認をすれば再開できることが多いのですが、手続きに数日かかる場合があります。 通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持って早めに行ってください。再開しても、その月の振込には間に合わないことがあります。
適格認定による停止・廃止
前年度以前から採用されている方の場合、適格認定(学業)の結果によって支援が止まることがあります。
JASSOのお知らせには「適格認定の結果、『停止』『廃止』に該当する方は、2026年4月からの振込みはありません」と明記されています。
学業成績や修得単位数が基準を下回ると、警告・停止・廃止という段階を経ます。結果は学校を通じて通知されます。 通知を見落としていないか確認してください。
給付奨学金の場合、廃止となり、かつ事由によっては返還を求められることがあります。 心当たりがある方は、早めに学校の窓口に相談してください。
併給調整
給付奨学金と第一種奨学金(無利子)を両方受けている場合、第一種の貸与額が調整されます。
文部科学省のリーフレットにも「返還不要の支援を受けている期間は、貸与型奨学金(無利子)の貸与額が調整(減額又は増額)されます(振込額が0円になる場合があります)」と記載されています。
第一種の振込額が0円になることがあるというのがポイントです。「第一種が振り込まれない」と思っていたら、給付奨学金との調整で0円になっていた、というケースです。
途中で振込が止まる・変わる手続き上の理由
口座やシステムの問題ではなく、手続きの結果として振込が変わることがあります。心当たりがないか確認してください。
適格認定(学業)
毎年1回、学業の状況が確認されます。 修得単位数や成績が基準を下回ると、次の段階を経て支援が変わります。
- 警告 … 支援は続きますが、次年度も基準を下回ると停止・廃止になります
- 停止 … 一定期間、振込が止まります
- 廃止 … 支援が終了します
給付奨学金の場合、廃止となった事由によっては、すでに受け取った額の返還を求められることがあります。 通知が届いたら放置せず、学校の窓口に相談してください。
適格認定(家計)
給付奨学金は、毎年10月に支援区分の見直しが行われます。前年の所得にもとづいて区分が決まるため、世帯の収入が増えれば区分が下がり、10月分から振込額が減ります。
たとえば第1区分(満額)から第2区分(3分の2)になると、私立大学・自宅外なら月75,800円が50,600円に変わります。9月までと10月以降で金額が違うのは、多くの場合これが理由です。
逆に収入が下がれば区分が上がり、振込額が増えることもあります。
休学・退学・留学
- 休学 … 休学期間中は振込が止まります。復学の手続きを取れば再開します
- 退学 … 支援は終了します
- 留学 … 種類や期間によって扱いが変わります。事前に学校へ相談が必要です
いずれも学校への届出が前提です。届出をせずに休学すると、支給された分の返還を求められることがあります。
貸与の終了
貸与奨学金には貸与期間があります。卒業予定月をもって終了するのが原則です。
留年した場合、貸与期間が延長されるとは限りません。延長には手続きと審査が必要なので、学校の窓口で確認してください。
口座を変更したとき
金融機関の統廃合や、本人の都合で口座を変えた場合、変更の手続きが振込日に間に合わないと、その月は振り込まれません。
変更の締切は月ごとに設定されています。余裕を持って学校の窓口に届け出てください。
確認の順番
振り込まれていないと気づいたら、この順番で進めてください。いきなりJASSOに電話しても、多くの場合は学校経由の手続きになります。
- 通帳・アプリで数日さかのぼって確認する … 前営業日に繰り上がっている可能性があります
- スカラネット・パーソナルにログインして内訳を確認する … 合算振込で金額が変わっただけかもしれません
- 学校から届いた通知を確認する … 適格認定の結果が届いていないか
- 学校の奨学金窓口に相談する … 口座情報、適格認定、進学届の状況はここで分かります
- 金融機関に確認する … 休眠口座の可能性がある場合
4番目が実質の窓口です。 大学・短大・専門学校には奨学金の担当部署があり、JASSOとのやり取りを仲介しています。
振込日から逆算して生活費を組む
振込日が分かったら、そこから前後の資金繰りを考えます。奨学金は月初には入りません。 ここを踏まえずに家計を組むと、毎月11日までが苦しくなります。
家賃の引き落とし日との関係
多くの賃貸物件は、家賃の引き落としが月末または月初です。奨学金の入金は11日なので、家賃を払った後に奨学金が入るという順序になります。
つまり、常に1か月分の家賃を先に用意しておく必要があります。初回にまとめて入った複数月分を使い切ってしまうと、この余裕が消えます。
4月と5月が特に厳しい
新年度の4月は21日、5月は16日です。通常の11日より10日・5日遅くなります。
一方で、4月は入学金・前期授業料・教科書代・アパートの初期費用が一気に出ていく月です。4月21日まで奨学金は入らないという前提で、3月までに資金を準備しておく必要があります。
さらに、前年度から継続の方は4月分と5月分を合わせて5月に振り込まれることがあります。この場合、4月は1円も入りません。
卒業年度の3月に注意
給付・貸与が終了する年度は、3月分が2月分と合わせて2月に振り込まれます。
つまり、3月は振込がありません。 卒業旅行や引越し、就職準備で出費が重なる時期に入金が止まるので、2月の入金を使い切らないようにしてください。
口座を分けるという手
奨学金の振込口座と、日常の支払い口座を分けておくと管理しやすくなります。
- 振込口座に入ったら、その月に使う分だけを生活用口座に移す
- 残りは振込口座に置いておく
貸与奨学金は借金です。使わなかった分が残っていれば、卒業後の返還が楽になります。 「入ったから使う」ではなく、必要な分だけ動かす習慣にしておくと差が出ます。
授業料減免は口座に入りません
最後に、混同しやすい点を整理します。
高等教育の修学支援新制度は、授業料等減免と給付奨学金の2本立てです。この2つは、お金の流れがまったく違います。
| 授業料等減免 | 給付奨学金 | |
|---|---|---|
| どう受け取るか | 学校が授業料を減額・免除する | 本人の口座に振り込まれる |
| 通帳に記録が残るか | 残らない | 残る |
| 手続きの窓口 | 学校 | 学校経由でJASSO |
授業料等減免は、口座には1円も入りません。 学校に払う授業料が減るだけです。
「大学無償化に採用されたのに、振り込まれない」という相談の一部は、これが原因です。減免の分は、学校から届く授業料の請求書で確認してください。
給付奨学金の金額や区分については給付型奨学金とはで扱っています。
なお、入学金の減免は、入学時に1回だけです。毎月の授業料減免とは別に処理されるため、入学手続きの段階で学校に確認してください。入学金を先に全額払ってしまうと、後から還付されるまで時間がかかることがあります。
また、授業料等減免と給付奨学金は、採用の判定が同じでも手続きが別です。給付奨学金はJASSO、授業料等減免は学校が処理します。「片方だけ手続きが進んでいる」という状態があり得るので、両方の状況を学校の窓口で確認してください。
よくある質問
奨学金は毎月何日に振り込まれますか?
原則として毎月11日です。ただし4月は21日、5月は16日です。振込日が金融機関の休業日(土日祝日)にあたる場合は、その前営業日に繰り上がります。令和8年度は、5月が15日(金)、10月が9日(金)、1月が8日(金)と、休業日の関係で繰り上がっています。
初回はいつ振り込まれますか?
予約採用(高校在学中に申し込んだ場合)は4月から6月のいずれか、在学採用(進学後に申し込んだ場合)は6月または7月です。予約採用の場合、どの月になるかは進学届を提出したタイミングで変わります。いずれも初回は支給始期からの月額がまとめて振り込まれるため、複数月分が一度に入ります。
振込金額が思っていたのと違います。なぜですか?
2026年1月分から、振込口座が同一の場合、給付奨学金・第一種奨学金・第二種奨学金が1つにまとめて振り込まれるようになりました。合計額で表示されるため、内訳が通帳では分かりません。スカラネット・パーソナルにログインすると内訳を確認できます。また、給付奨学金と第一種奨学金を併給している場合は貸与額が調整され、第一種の振込額が0円になることもあります。
振り込まれていません。どこに連絡すればいいですか?
まず通帳を数日さかのぼって確認し、次にスカラネット・パーソナルで内訳を見てください。それでも入っていなければ、学校の奨学金窓口に相談します。口座名義の不一致、金融機関情報の登録誤り、適格認定による停止・廃止、進学届の未提出は、いずれも学校経由で確認・修正します。口座が休眠状態になっている可能性がある場合は、金融機関に直接お問い合わせください。
授業料の免除分はいつ振り込まれますか?
授業料等減免は口座に振り込まれません。学校が授業料そのものを減額・免除する仕組みなので、通帳には記録が残りません。減免された後の金額は、学校から届く授業料の請求書で確認してください。口座に振り込まれるのは給付奨学金と貸与奨学金だけです。
