給付型奨学金は、卒業後に返さなくてよい奨学金です。 国の制度である日本学生支援機構(略称JASSO)の給付奨学金では、月額は最大7万5,800円で、私立の大学・短大・専門学校に自宅外から通う住民税非課税世帯の学生が受け取れます。同じ制度で授業料と入学金の減免も付くため、学費と生活費の両方を軽くできます。
対象は大学・短期大学・高等専門学校(4年生以上)・専門学校(専門課程)に進む人と、すでに通っている人です。高校生は高校3年生のうちに高校を通じて「予約採用」を申し込みます。高校に通っている間の授業料は就学支援金、教科書代などは高校生等奨学給付金という別の制度が受け持ちます。
条件は家計と成績と資産の3つです。高校生が申し込む予約採用では、4人世帯(親の1人だけが給与収入で中学生が1人)の年収の目安が第1区分で約271万円まで、第4区分で約635万円までです。返済不要でも成績が著しく悪いと、受け取ったお金の返還を求められることがあります。この記事では金額と条件に加えて高校生と専門学校の使い方や申し込みの時期や採用後の注意までを、JASSOと文部科学省の公式ページで確かめた内容にもとづいて書きます。
給付型奨学金とは:返済が要らない奨学金の出どころは4つ
給付型奨学金は、受け取ったお金を卒業後に返さなくてよい奨学金です。借りて返す貸与型とは仕組みが違います。検索結果に返済不要の奨学金として並ぶものは、出どころで次の4つに分かれます。
| 出どころ | 実施する側 | 金額 | 条件の傾向 | 探し方 |
|---|---|---|---|---|
| 国 | JASSO(給付奨学金)と進学先の学校(授業料等減免) | 月額は家計の区分と通学形態で決まる(最大7万5,800円) | 家計・成績・資産 | JASSOと文部科学省のページ |
| 大学・短大・専門学校 | 進学先の学校 | 学校ごとに違う | 成績優秀や家計など学校が決める | 進学先の学生支援窓口、JASSOの検索ページ |
| 自治体 | 都道府県・市区町村 | 地域ごとに違う | 居住地や出身地(保護者の居住地)が絡む | JASSOの検索ページ、自治体のページ |
| 民間 | 財団・企業・新聞社など | 団体と年度で違う | 募集人数が少なく締切も団体ごと | 学校の掲示、財団のページ |
国の制度は全国共通のルールで、申し込みの窓口も学校(高校・大学など)に決まっています。大学独自・自治体・民間は、制度ごとに申し込み先も締切も別です。まず国の制度を押さえ、足りない分を学校・自治体・民間で補う順に考えるのが現実的です。国の給付奨学金は多くの人が使える一方で、家計の基準を超えると受け取れません。そのときに他の3つが候補になります。
給付型と貸与型の違い
JASSOには給付奨学金のほかに貸与奨学金(第一種は無利子、第二種は利子付き)があります。返済の有無のほかに手続きの中身も違います。
| 項目 | 給付型(JASSO給付奨学金) | 貸与型(JASSO第一種・第二種) |
|---|---|---|
| 返済 | 不要(成績不振などで返還を求められる場合あり) | 卒業後に返す |
| 利子 | なし | 第一種は無利子、第二種は利子あり |
| 審査 | 家計・成績・資産の基準を全部満たす必要 | 貸与の基準で別に審査 |
| 保証 | 申込手続きのページに保証人の記述は出てきません | 保証制度を選ぶ手続きがあります |
| 併用 | 第一種と併用すると第一種の貸与月額が調整される | 給付型と併用できる |
給付奨学金と第一種奨学金を併せて受けると、第一種の貸与月額が減額されます。0円になる場合もあります。第二種は、給付奨学金を受けても貸与月額は調整されません。どちらを選ぶかの入口は奨学金の給付とは?で整理しています。
国の給付奨学金の仕組みと、ここ数年の変更
国の給付奨学金は正式には「高等教育の修学支援新制度」の一部です。JASSOはこの制度を「返還を要しない給付型奨学金と授業料・入学金の免除または減額により、大学・短期大学、高等専門学校、専門学校を無償化する制度」と説明しています。給付型奨学金はJASSOが支給し、授業料・入学金の免除や減額は確認を受けた大学等(確認大学等)が行います。
ここで見落としやすいのが、授業料の減免だけを受けたい人も、給付奨学金への申し込みが必要なことです。JASSOの予約採用のページには「授業料等減免の申込希望者(多子世帯への授業料等減免も同様)は、給付奨学金に申込みをしてください」と書かれています。給付の振込がなくても、窓口は給付奨学金の申し込みです。
制度は2020年4月に始まり、その後に対象が広がりました。
| 時期 | 変更の中身 |
|---|---|
| 令和2年度(2020年4月) | 制度開始。住民税非課税世帯とそれに近い第1〜第3区分が対象 |
| 令和6年度 | 第4区分を新設。多子世帯か私立の理工農系の学生を中間所得層まで支援 |
| 令和7年度 | 多子世帯(子ども3人以上)は所得制限なく授業料等減免を受けられるように |
| 令和8年度の住民税を使う判定から | 年収123万円超160万円以下の学生世代のきょうだいも、申告すれば多子世帯の「子ども」に数える |
毎年のように変わるため、前の年に調べて「うちは対象外」と判断した家庭でも、翌年に対象になる場合があります。きょうだいの数え方が変わった令和8年度は特にそうです。古い情報で諦める前に、JASSOの進学資金シミュレーターで試算するのが早道です。試算は実際の審査結果と必ずしも一致しないと、JASSOも断っています。
給付型奨学金はいくらもらえる?月額の一覧と4年間の総額
支給額は家計の区分(第1〜第4区分)と学校の設置者(国公立か私立)と通学形態(自宅か自宅外)の3つで決まります。JASSOの「給付奨学金の支給額」にある大学・短期大学・専修学校(専門課程)の月額は次のとおりです。
| 区分 | 国公立・自宅 | 国公立・自宅外 | 私立・自宅 | 私立・自宅外 |
|---|---|---|---|---|
| 第1区分 | 29,200円 | 66,700円 | 38,300円 | 75,800円 |
| 第2区分 | 19,500円 | 44,500円 | 25,600円 | 50,600円 |
| 第3区分 | 9,800円 | 22,300円 | 12,800円 | 25,300円 |
| 第4区分(多子世帯に限る) | 7,300円 | 16,700円 | 9,600円 | 19,000円 |
「返済不要の奨学金は最大いくらか」という問いの答えは、この表の右下、私立・自宅外・第1区分の7万5,800円です。専門学校もこの表を使います。専門学校の月額が大学より低いわけではありません。
自宅通学の列には、カッコ内の別の金額があります。生活保護を受けている生計維持者と同居している人と、児童養護施設等から通学する社会的養護の人に適用される額です。
| 区分 | 国公立・自宅(カッコ内) | 私立・自宅(カッコ内) |
|---|---|---|
| 第1区分 | 33,300円 | 42,500円 |
| 第2区分 | 22,200円 | 28,400円 |
| 第3区分 | 11,100円 | 14,200円 |
| 第4区分 | 8,400円 | 10,700円 |
高等専門学校と通信教育課程の金額
高等専門学校は第4学年以上が対象で、金額が低く設定されています。第1〜3学年は新制度の支援対象外です。高校と同じ扱いで、授業料は就学支援金の対象になります。第1区分の月額は次のとおりです。
| 設置者 | 自宅 | 自宅外 |
|---|---|---|
| 国公立 | 17,500円(カッコ内25,800円) | 34,200円 |
| 私立 | 26,700円(カッコ内35,000円) | 43,300円 |
通信教育課程は月額ではなく年額で、年1回振り込まれます。国立・公立・私立と自宅・自宅外の区別はありません。
| 区分 | 年額 |
|---|---|
| 第1区分 | 51,000円 |
| 第2区分 | 34,000円 |
| 第3区分 | 17,000円 |
| 第4区分(多子世帯に限る) | 12,800円 |
年額と卒業までの総額
JASSOは給付を「採用されてから正規の卒業時期(修業年限の終期)まで」と書いています。第1区分で、大学4年間を12か月ずつ受け取った単純計算は次のとおりです。
| 区分と通学形態 | 月額 | 年額 | 4年間の目安 |
|---|---|---|---|
| 国公立・自宅 | 29,200円 | 350,400円 | 1,401,600円 |
| 国公立・自宅外 | 66,700円 | 800,400円 | 3,201,600円 |
| 私立・自宅 | 38,300円 | 459,600円 | 1,838,400円 |
| 私立・自宅外 | 75,800円 | 909,600円 | 3,638,400円 |
薬学部など修業年限が6年の課程は、支給も6年分になります。専門学校は修業年限が1年以上の幅広い課程があるため、2年制なら2年分です。区分が変われば金額も変わるので、この表は第1区分のまま卒業した場合の目安として読んでください。
「自宅外」の金額をもらうための条件
申し込みで自宅外通学を選んでも、最初は自宅通学の金額で採用されます。自宅外の金額に切り替えるには、「自宅外通学申請届」と賃貸借契約書などの証明書類を学校に出して審査を受けます。認められると、自宅外と認められた月までさかのぼって差額が支給されます。入居月(または採用月)から3か月以内に学校へ出せば、入居月から自宅外の額になります。3か月を過ぎると、学校に出した日の属する月からの変更になります。差額の振込は、機構に届いてから2〜3か月かかることがあります。
一人暮らしなら誰でも自宅外になるわけではありません。家賃を本人か生計維持者が払って別居しており、さらに次のいずれかに当たる必要があります。
- 実家から大学等までの通学距離が片道60キロメートル以上(目安)
- 通学時間が片道120分以上(目安)
- 通学費が月1万円以上(目安)
- 通学時間が片道90分以上で、通学時間帯の交通機関が1時間に1本以下(目安)
- その他やむを得ない特別な事情があり、実家からの通学が学業との関連で困難
大学が実家から近い人が一人暮らしを始めても、この要件を満たさなければ自宅通学の金額のままです。これは引っ越し前に知っておきたい点です。
授業料・入学金の減免はいくらまで?
給付奨学金とは別に、授業料と入学金の減免にも学校種別ごとの上限額があります。JASSOの多子世帯支援のページに載っている上限額(単位は万円、四捨五入)は次のとおりです。
| 学校種別 | 国公立の入学金 | 国公立の授業料(年額) | 私立の入学金 | 私立の授業料(年額) |
|---|---|---|---|---|
| 大学 | 28万円 | 54万円 | 26万円 | 70万円 |
| 短期大学 | 17万円 | 39万円 | 25万円 | 62万円 |
| 高等専門学校 | 8万円 | 23万円 | 13万円 | 70万円 |
| 専門学校 | 7万円 | 17万円 | 16万円 | 59万円 |
減免されるのは、実際の授業料や入学金と上限額のうち小さいほうの額です。授業料が上限より安い学校では、その安い額までです。区分が上がるにつれて、上限額に対する割合も下がります。JASSOの高校生向けリーフレットは、年収の目安ごとの支援の割合を次のように示しています。文部科学省も「第II区分〜第IV区分に該当する場合は、上限額の2/3や1/3など支援額が変わります」と書いています。
| 授業料等減免の割合 | 対応する区分 | 年収の目安(JASSOのリーフレット) |
|---|---|---|
| 満額 | 第1区分 | 約270万円まで |
| 3分の2 | 第2区分 | 約300万円まで |
| 3分の1 | 第3区分 | 約380万円まで |
| 4分の1 | 第4区分 | 約600万円まで |
| 一定額まで満額(授業料・入学金) | 多子世帯 | 収入制限なし |
給付奨学金の月額も、第2区分は第1区分の約3分の2、第3区分は約3分の1、第4区分は4分の1の水準です。世帯構成の前提はリーフレットで確かめてください。
たとえば私立大学の自宅外・第1区分なら、給付奨学金が年91万円、授業料の減免が最大70万円で、合わせて年161万円ほどが上限の目安です。入学金の26万円も初年度に加わります。この合計を大学のケースで細かく試算したものは、大学の給付型奨学金にあります。授業料の減免の手続きは、進学先の学校に確認します。
4年間では、給付奨学金が約364万円、授業料の減免が上限の70万円×4年で280万円、入学金が26万円になり、上限どうしを足すと約670万円です。実際の授業料が上限より安い学校では、減免の額はその分だけ小さくなります。
対象になる学校と人:大学・短大・専門学校・高専、浪人や社会人は?
対象の学校
給付奨学金の対象は、国や自治体の確認を受けた大学・短期大学・高等専門学校・専門学校です。どの学校でも対象になるわけではなく、確認を受けた学校(確認大学等)に限られます。専修学校は専門課程だけが対象で、高等課程(高校に当たる課程)は含みません。確認大学等の一覧は、文部科学省が公開しています。
高等専門学校は第4学年以上が対象です。大学院は新制度の対象に入っていません。大学院の話は後の章でまとめます。
高等専門学校の3年生には、第4学年へ進級する人向けの予約採用があります。JASSOの予約採用のページが、高等専門学校4学年へ進学・進級予定の3学年の人の手続きを別に案内しています。
申し込める人の資格
進学前に申し込む「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」で、入学時期の資格が少し違います。
予約採用は、次のいずれかの人が申し込めます。
- 申込年度の3月に初めて高等学校等(本科)を卒業予定の人
- 初めて高等学校等(本科)を卒業した年度の末日から申込日までが2年以内の人
在学採用は、高等学校等を初めて卒業した日の属する年度の翌年度の末日から、大学等に入学した日までの期間が2年を経過していない人です。たとえば2026年3月に高校を卒業した人なら、期間の起点は2027年3月31日です。そこから2年を経過していない2029年3月末までの入学が、資格の範囲に入ります。浪人して入学が遅れた人も、この範囲に収まれば申し込めます。
高校卒業程度認定試験の合格者や、外国の学校で12年の課程を修了した人にも、別の資格の定めがあります。災害・傷病などやむを得ない事情で2年を超えて進学した人が、対象になる場合もあります。
年齢制限はあるか
JASSOのページに年齢の上限は書かれていません。実際の線引きは、高校卒業から入学までの期間(上記の2年)です。社会人を経て進学する人は、高校卒業から2年を超えていると原則として対象外になります。一方高卒認定試験を経由した人は、受験資格を得た年度から合格までの期間などで判断されます。細かい事情は在学校の奨学金窓口で確認してください。
国籍と在留資格
外国籍の人は、在留資格が次のいずれかの場合に申し込めます。
- 法定特別永住者
- 「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」
- 将来永住する意思がある「定住者」
- 「家族滞在」(日本の学校の卒業歴など別の条件あり)
申し込みの際は、在留資格と在留期間が分かる住民票の写しか在留カードのコピーを出します。
一度もらった人、辞めた人の制限
次の人は給付奨学金を申し込めません。
- 過去に給付奨学金(家計急変採用を含む)を受けたことがある人(新規の申し込みで2回目の支給は受けられない)
- 虚偽の申告や不正で給付を受けた人
- 適格認定の学業成績の基準で「廃止」に当たったことがある人
- 学校処分で退学・除籍・無期停学、または3か月以上の停学を受けた人
編入学や転学をした場合は、所定の手続きで修業年限の終期まで支給期間を延ばせることがあります。延長は通算で最大72か月までです。ただしこれには条件があるため、該当する人は学校に確認してください。
家計の条件:年収の目安と資産5,000万円の線
家計の基準は、収入基準と資産基準の両方を満たす必要があります。基準を見る対象は、本人と生計維持者です。
収入基準は「年収」ではなく住民税から出した額で見る
収入基準は、年収そのものではなく「支給額算定基準額」で判定します。式は「課税標準額×6%−(市町村民税調整控除額+市町村民税調整額)」で、100円未満は切り捨てます。本人と生計維持者の分を合計して、次のとおりに区分が決まります。
| 区分 | 支給額算定基準額(本人と生計維持者の合計) |
|---|---|
| 第1区分 | 100円未満(市町村民税所得割が非課税) |
| 第2区分 | 100円以上25,600円未満 |
| 第3区分 | 25,600円以上51,300円未満 |
| 第4区分 | 51,300円以上154,500円未満(多子世帯か私立の理工農系に限る) |
| 多子世帯 | 第4区分を超えても多子世帯なら授業料等減免の対象(給付奨学金は支給なし) |
課税標準額などは、課税証明書や所得証明書に必ず載っているわけではありません。マイナポータルで調べられます。政令指定都市に住民税を納めている場合は、調整控除額と調整額に4分の3をかけた額で計算します。
計算の例を一つ書きます。金額は説明用に置いた仮の数字です。生計維持者の親Aの課税標準額が120万円で、親Bと本人は0円、調整控除額と調整額の合計が親Aで2,500円だったとします。親Aの支給額算定基準額は、120万円の6%にあたる72,000円から2,500円を引いた69,500円です。親Bと本人は0円なので合計も69,500円になり、第4区分の範囲(51,300円以上154,500円未満)に入ります。この世帯が第4区分の給付を受けるには、多子世帯に当たるか私立の理工農系の学科に進む必要があります。実際の課税標準額と控除額は、マイナポータルの「わたしの情報」か課税証明書で確かめます。
ふるさと納税による寄附金控除や住宅ローン控除や定額減税などの税額控除と住民税の減免は、支給額算定基準額に影響しません。これらの適用で所得割が非課税になっていても、基準額は0円にならない場合があります。
年収の目安(予約採用)
高校生が申し込む予約採用の収入基準は、2025年(1月〜12月)の収入に基づく2026年度の住民税情報で見ます。給与所得者の世帯でJASSOが示す上限の目安は次のとおりです。単位は万円です。
| 世帯人数と構成 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分 |
|---|---|---|---|---|
| 2人(本人・親A) | 207 | 298 | 373 | 630 |
| 3人(本人・親A・中学生) | 221 | 298 | 373 | 630 |
| 4人(本人・親A・親B無収入・中学生) | 271 | 303 | 378 | 635 |
| 4人(本人・親A・親B給与所得者・中学生)の親A | 221 | 245 | 323 | 589 |
| 同じ4人世帯の親B | 127 | 165 | 165 | 165 |
| 5人(本人・親A・親Bパート・大学生・中学生)の親A | 321 | 395 | 461 | 698 |
| 同じ5人世帯の親B | 110 | 110 | 110 | 110 |
共働きの世帯では親Aと親Bの収入を別々に当てはめます。表中の数字はあくまで目安です。世帯構成と障害者の有無と各種保険料の支払い状況によって、目安を上回っても対象になったり下回っても対象にならなかったりします。
予約採用では、「2026年中に減収(失業等)があっても状況を鑑みることはできません」とJASSOが明記しています。見られるのは前年の収入に基づく住民税です。急に収入が減った場合は、後の章の家計急変採用が別の窓口になります。
予約採用の表の4人世帯(親Aだけが給与収入、親Bは無収入、中学生が1人)に、世帯の給与収入を当てはめたシミュレーションの例を並べます。目安に当てはめただけなので、実際の区分はJASSOの審査で決まります。
| 親Aの給与収入 | 目安の区分 | 受けられる支援の見通し |
|---|---|---|
| 250万円 | 第1区分(271万円まで) | 給付奨学金は満額、授業料等減免も満額 |
| 300万円 | 第2区分(303万円まで) | 給付奨学金は第2区分の額、授業料等減免は上限の3分の2 |
| 370万円 | 第3区分(378万円まで) | 給付奨学金は第3区分の額、授業料等減免は上限の3分の1 |
| 500万円 | 第4区分(635万円まで) | 多子世帯か私立の理工農系なら支援あり。どちらでもなければ対象外 |
| 700万円 | 第4区分を超える | 多子世帯なら授業料等減免のみ。多子世帯でなければ対象外 |
対象外になった場合も、貸与奨学金や大学独自の制度、自治体や民間の給付型が次の候補です。
年収の目安(在学採用)
在学採用の目安は、令和7年度の税制改正に伴い、令和8年度の二次募集から変わりました。給与所得者の世帯の目安は次のとおりです。単位は万円です。
| 世帯人数と構成 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分 |
|---|---|---|---|---|
| 2人(本人・母) | 229 | 332 | 402 | 649 |
| 3人(本人・母・高校生) | 289 | 391 | 457 | 677 |
| 4人(本人・親A・親B無収入・高校生) | 295 | 395 | 461 | 698 |
| 4人(親A・親B給与所得者・高校生)の親A | 295 | 341 | 412 | 659 |
| 同じ4人世帯の親B | 127 | 165 | 165 | 165 |
| 5人(親A・親Bパート・高校生・中学生)の親A | 321 | 395 | 461 | 698 |
| 同じ5人世帯の親B | 110 | 110 | 110 | 110 |
この在学採用の表は、本人が前年12月31日現在で19歳から22歳で本人に市町村民税が課税されていないものとした場合の目安です。アルバイトで本人にも住民税がかかる水準まで稼ぐと本人の分の支給額算定基準額が加わり、目安より早く区分が下がります。アルバイトでいくらまで稼げるかは年収の一つの数字では決まらず、本人に住民税がかかるかどうかが一つの分かれ目になります。
給与所得者以外の世帯(自営業など)は、収入ではなく所得で見る別の表があります。JASSOの家計基準のページで確認してください。
いつの年収・所得で見られるか
在学採用は、申し込む時期で見る年が変わります。JASSOの選考結果のページには、2026年春の申込みなら2024年(1月〜12月)の所得に基づく2025年度の住民税、2026年秋の申込みなら2025年の所得に基づく2026年度の住民税で審査すると書かれています。春は前々年、秋は前年の所得と考えると覚えやすいはずです。予約採用は、高校3年生の年の前年の収入から出た住民税です。
資産基準
申込日時点で、本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円未満である必要があります。以前は「2,000万円未満」(生計維持者が1人の場合は1,250万円未満)と案内されていましたが、JASSOの現行の家計基準のページは5,000万円未満です。
資産に数える範囲は次のとおりです。
- 現金とこれに準ずるもの(退職金を含む。投資用に持つ金・銀など)
- 預貯金(普通預金・定期預金)
- 有価証券や投資信託(株式・国債・社債・地方債など。NISAによる投資額も含み、時価で換算)
- 満期や解約で現金化した保険
数えないものは土地・建物などの不動産と満期や解約前の保険の掛金と貯蓄型生命保険と学資保険です。住宅ローンなどの負債と相殺することはできません。
第4区分は「多子世帯」か「私立の理工農系」だけ
第4区分は、支給額算定基準額が51,300円以上154,500円未満のうち、次のどちらかに当たる人だけが対象です。
- 多子世帯に属している:給付奨学金と授業料等減免の両方が受けられます(第1区分の4分の1の支援)
- 多子世帯に属さず、私立の理工農系の学科に在籍している:給付奨学金は0円で、授業料の減免だけが受けられます
どちらにも当たらない場合は、第4区分相当の収入でも支援を受けられません。理工農系の対象学科は、文部科学省の対象機関リストで確認します。
多子世帯とは
多子世帯は、「あなた(申込者または奨学生本人)が生計維持者に扶養され」かつ「次の小さいほうの数が3以上」の場合です。
- 申込時に申告した生計維持者の扶養親族のうち、生計維持者の子どもに当たる人の数
- 生計維持者全員の住民税情報における扶養親族の数の合計
きょうだいの数は扶養に入っている人を数えます。令和8年度の住民税を使う判定からは、年収123万円超160万円以下の学生世代(19歳〜22歳で18歳の早生まれを含む)のきょうだいも別途申告すれば子どもに数えられます。住民税情報の確定後に生まれた子も必要書類を出せば加算できます。
多子世帯と判定されると、所得にかかわらず授業料等減免の対象です。ただし給付奨学金のほうは、収入が第4区分を超える場合と資産の合計が5,000万円以上3億円未満の場合は支給されず、採用されても振込は0円になります。授業料は無償に近くなったのに生活費の給付が出ないというズレが起きる原因はここにあります。
生計維持者はだれか
家計の基準に使う「生計維持者」は、父母がいる場合は原則として父母の2名です。同居・別居、収入の有無や多寡は問われません。単身赴任で別居していても、母が専業主婦で無収入でも、父母2名のままです。祖父母や兄姉は、父母がいる場合は含まれません。
本人がアルバイト収入で生計を立てていても、特別な事情がなければ本人を生計維持者にすること(独立生計者)は認められません。独立生計者が認められるのは、父母ともに死別・絶縁状態・行方不明の場合や、父母の暴力から避難していて学費や生活費を本人が日常的に負担している場合などです。この場合は、事実関係を確認できる書類を後日求められることがあります。
成績の条件:評定3.5に届かなくても申し込める
学力基準は、予約採用と在学採用で違います。評定平均が3.5に届かなくても、道は残っています。
予約採用(高校生)
申込時点で、次のどちらかに当たる必要があります。
- 高校の第1学年から申込時までの全履修科目の評定平均が、5段階評価で3.5以上
- 将来、社会で自立し活躍する目標を持って、入学しようとする大学等で学ぶ意欲があることが、文書や面談などで確認できる
学ぶ意欲の確認は、高校で面談やレポートの提出などによって行います。大学が合否を決める入試ではなく、高校の担当の先生が行う手続きです。評定が3.5未満の人でも、このレポートや面談で意欲が認められれば申し込めます。レポートの題材は「将来どうなりたいか」と「大学等で何を学ぶか」です。決まった字数や書き方の例文はJASSOのページにはなく、高校から渡される案内に従います。
在学採用(大学生など)
入学後1年を経過していない人は、次のいずれかを満たします。
- 高校等の評定平均が3.5以上、または入学者選抜試験の成績が入学者の上位2分の1の範囲
- 高等学校卒業程度認定試験の合格者
- 将来の目標と学ぶ意欲が、学修計画書等で確認できる
2年次以上の人は、次のどちらかです。
- GPA(平均成績)等が、在学する学部等の上位2分の1の範囲
- 修得した単位数が標準単位数以上で、かつ学修意欲が学修計画書で確認できる
GPAと修得単位数は、入学時から前年度末までの累計で判定します。標準単位数は「卒業に必要な単位数÷修業年限×在学年数」です。災害や傷病などやむを得ない事情があれば、標準単位数に満たなくても学修意欲の確認で基準を満たす扱いになります。
在学中の成績が次のいずれかに当たる人は採用されません。
- 修業年限で卒業・修了できないことが確定している
- 修得単位数の合計が標準単位数の6割以下
- 授業の出席率が6割以下など、学修意欲が著しく低いと認められる
高校生が知りたい返済不要の奨学金:高校在学中と進学後
「返済不要 奨学金 高校」と検索する人には、2種類の探し物があります。高校に通っている間のお金を探している人と、大学や専門学校に進むお金を探している人です。国の給付奨学金(JASSO)は、後者のための制度です。前者は別の制度になります。
| 使いたい場面 | 制度 | 窓口 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 高校の授業料 | 高等学校等就学支援金 | 在学する高校 | 私立の全日制は年45万7,200円が上限(詳しくは私立高校無償化) |
| 高校の授業料以外(教科書費・教材費など) | 高校生等奨学給付金 | 都道府県または学校 | 生活保護世帯と住民税所得割が非課税の世帯が対象。令和8年度から年収270万円以上490万円未満の世帯にも拡充 |
| 高校在学中の民間・自治体の給付 | 財団・自治体の制度 | 学校の掲示、財団、自治体 | 制度ごとに条件・人数・締切が違う |
| 大学・短大・専門学校の学費と生活費 | JASSOの給付奨学金(予約採用) | 在学する高校 | 高校3年生のうちに申し込む |
高校の授業料は、就学支援金が受け持ちます。所得制限の扱いは高校無償化の所得制限で整理しています。
高校生等奨学給付金は別の窓口
高校生等奨学給付金は教科書費や教材費など授業料以外の教育費を支援する返還不要の給付金です。文部科学省のリーフレットによると、授業料を支援する就学支援金とは別々に申し込みます。令和8年度の年額は、住民税非課税世帯(生活保護世帯以外)の全日制で国公立が14万3,700円、私立が15万2,000円です。年収の目安が270万円以上380万円未満の世帯と380万円以上490万円未満の世帯にも、令和8年度から対象が広がりました。都道府県によって実施状況が異なるので、お住まいの都道府県か学校に確認してください。
高校3年生の予約採用はいつ申し込むか
JASSOの予約採用は、高校3年生のうちに高校を通じて申し込みます。令和8年度のリーフレット(2027年度に進学する人向け)は、入学前の申請期間を4月下旬から7月末と案内しています。ただし学校ごとに締切日が違います。
進学後に申し込んでも4月分からの支援を受けられますが、支援が始まるのは申請から数か月後になります。予約採用なら進学後すぐに支援が始まるため、高校3年生の夏までに動けるなら予約採用が有利です。
中学生や高校1・2年生のとき
中学生や高校1・2年生が申し込めるJASSOの給付奨学金はありません。制度を知っておくための資料として、文部科学省が中学生向けのリーフレットを出しています。家計の基準は申し込む年の住民税で決まるため、早く動いても有利にはならず、情報を集めておく段階と考えるのが現実的です。
JASSOの「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」の検索ページには高校生等への奨学金制度も含まれています。ただし民間・自治体の制度は募集人数が少なく締切も団体ごとです。この記事では民間の月額や人数を書きません。上位の記事の間でも同じ財団の月額が8万円・10万円・12万円と食い違っていました。財団の募集要項を確認できていないので、金額は財団の公式ページで確かめてください。
専門学校で給付型奨学金を使うときの注意
専門学校でも、JASSOの給付奨学金は使えます。条件が二つあります。専修学校の専門課程であることと、その学校が確認大学等として確認を受けていることです。
専門学校の金額
専門学校(専修学校の専門課程)の月額は、大学・短大と同じ表を使います。
| 区分 | 国公立・自宅 | 国公立・自宅外 | 私立・自宅 | 私立・自宅外 |
|---|---|---|---|---|
| 第1区分 | 29,200円 | 66,700円 | 38,300円 | 75,800円 |
| 第2区分 | 19,500円 | 44,500円 | 25,600円 | 50,600円 |
| 第3区分 | 9,800円 | 22,300円 | 12,800円 | 25,300円 |
授業料等減免の上限額は、専門学校で国公立が入学金7万円・授業料17万円、私立が入学金16万円・授業料59万円です。
私立の2年制専門学校に自宅外から通い、第1区分で2年間受けた場合の上限どうしの合計を計算します。給付奨学金は月75,800円の24か月で1,819,200円、授業料の減免は59万円の2年分で118万円、入学金は16万円で、合わせて約316万円です。実際の授業料が上限より安い学校ではその分だけ小さくなり、区分が下がれば給付も減免も小さくなります。
対象校の見分け方
専門学校はすべてが対象ではありません。文部科学省の機関要件(令和8年度以降)では、確認を受ける学校が次の要件を満たす必要があります。まず私立学校だけに課される経営要件が2つあります。
- 直近3年度のいずれかで、在籍学生数が収容定員の5割以上(専門学校の場合)
- 法人の決算の経常収支差額か、運用資産から外部負債を引いた額の、少なくとも一方がプラス
次に設置者を問わず共通の教育要件が4つあります。
- 実務経験のある教員等による授業科目が、標準単位数の1割相当以上配置されている
- 法人の役員に外部人材が2人以上含まれる
- シラバスの作成やGPAなどの成績評価の客観的指標で、成績管理を厳格に実施し公表している
- 財務諸表や定員充足状況、進学・就職の状況などの教育活動に係る情報を公表している
これらは毎年度確認され、満たさなくなると対象校としての確認が取り消されます。重要な専門人材の育成に貢献していると都道府県知事が認める専門学校には例外もあります。受験を考える専門学校が対象かどうかは募集要項に書かれていることもありますが、確実なのは文部科学省の「確認大学等の一覧(対象機関リスト)」と学校の入学相談窓口への確認です。リストには更新があるため、出願前に更新日を見てから確かめてください。
看護・介護・調理などの専門学校で気をつける点
専門課程の1年制の学校でも対象になりえますが、修業年限が短いと給付の期間も短くなります。2年制なら支給は2年分です。また適格認定(学業)の時期は、2年制以下の専修学校だと学年末ではなく学年の半期ごとと、JASSOは書いています。成績の確認が大学より頻繁になる点は、入学前に覚えておいてください。
申し込みのスケジュールと手順:予約採用と在学採用
国の給付奨学金の申し込みは、2つの窓口があります。
| 予約採用 | 在学採用 | |
|---|---|---|
| 申し込む時期 | 高校3年生の年。令和8年度のリーフレットは4月下旬〜7月末と案内(締切は学校ごと) | 進学後、年2回(春と秋) |
| 申し込み先 | 在学する高校(卒業生は卒業した高校) | 進学先の大学等 |
| 支援の始まり | 進学後すぐ(初回は4〜6月のいずれか) | 申請から数か月後(初回は6月または7月) |
| 向く人 | 高校3年生のうちに動ける人 | 予約採用を使わなかった人、予約採用で不採用だった人 |
高校卒業程度認定試験の合格者など高校を経由しない人は、予約採用でもJASSOに直接申し込みます。
予約採用の手順
- 高校で申込関係書類を受け取る
- 高校から受け取った「ユーザID」と「パスワード」で、スカラネットに申込情報を入力し、マイナンバー(本人と生計維持者分)を提出する
- 「奨学金確認書兼地方税同意書」と身元確認書類を、青色の専用封筒でJASSOに簡易書留で郵送する(高校には出さない)
- 該当する人は、JASSOから案内があったら追加書類(在留資格の証明書類、施設等の在籍証明書など)を出す
- 選考結果を受け取る(採用候補者になった場合)
- 進学後、進学先に採用候補者決定通知を出し、スカラネットで進学届を提出する
進学届の提出には、採用候補者決定通知に書かれた「進学届提出用パスワード」が必要です。失くすと奨学金の振込開始が大幅に遅れるので、保管に気をつけてください。
スカラネットは、申込情報の入力と進学届の提出に使うJASSOのシステムです。JASSOは、内容を確認してから入力を開始するよう案内しています。結果の確認にログインするときの申込IDと変更後のパスワードは、申込みのてびきの4ページにメモしておく決まりです。受付番号が発行されたあとは、訂正できる項目が経過期間によって限られ、機構の審査で訂正が認められない場合もあります。
予約採用の前に家庭で確かめておくこと
高校の案内が出る前でも、次の点は家庭で確認できます。
- 生計維持者が誰になるか(父母がいれば原則として父母の2名)
- 生計維持者のマイナンバーを使える状態にしておくこと
- 本人名義の口座があること(振込先は本人名義です)
- 預貯金や有価証券などの残高をまとめて、資産が5,000万円未満かを確かめること
- 志望校が確認大学等かどうか
- 申込関係書類に入っている申込ID(10桁)と初期パスワード(6桁)、学校から受け取るユーザID(8桁)とパスワード(8桁)を失くさないこと
在学採用の手順
在学採用は、進学先の大学等が案内する期間にスカラネットで申し込みます。学校ごとに案内の方法も締切も違うので、入学直後の説明会で配られる資料を必ず確認してください。予約採用で不採用だった人も進学後に再度申し込めます。JASSOのリーフレットも、高校生の時に申し込んで対象外だった場合は進学後(秋以降)に再度申し込むと対象になる可能性があると書いています。
申込書類と作文について
給付奨学金の申込みの流れに出てくるのは、スカラネットの入力とマイナンバーの提出と確認書の郵送と身元確認書類です。論文や志望動機の作文を課す手続きではありません。学力基準を評定平均で満たさない人は、高校の面談やレポート(予約採用)か学修計画書(在学採用)を出します。学修計画書の書式は学校の案内で確認します。
保証人は必要か
申込手続きのページには、保証人や連帯保証人の書類が出てきません。保証制度は、貸与奨学金の手続きの項目として書かれています。給付奨学金に保証人が要るかどうかを明記したページは、今回確認できませんでした。申込みのてびきと学校の窓口で確認してください。
結果はいつわかる?いつ振り込まれる?
予約採用の結果
予約採用の選考結果は、スカラネットで公開されるほか、紙で高校を通じて通知されます。JASSOは令和8年度から、結果を早く知らせるためにスカラネットの通知時期を早めました。紙の通知は、令和8年度の予約採用では11月中旬以降に順次、申し込んだ高校を通じて届きます。先にスカラネットで確かめられます。進学先に提出する書類として紙が早く必要なときは、簡易版を印刷して出せます。
予約採用で通知されるのは「採用候補者」で、正式な採用ではありません。進学後に進学先を通じて進学届を出して初めて採用が確定します。進学届を出し忘れると、候補者のままでは振込が始まりません。
在学採用の結果
在学採用の給付奨学金は、不採用になると不採用の事由が通知されます。事由は家計基準と学力基準とその他の基準や要件のいずれかを満たさないことの3つに分かれます。
初回の振込
採用された月から卒業までの間、原則として毎月1回、本人名義の口座に振り込まれます。日付は、JASSOの振込日カレンダーで確かめられます。初回は次のとおりです。
| 申込みの種類 | 初回の振込 |
|---|---|
| 予約採用で採用候補者になり進学届を出した人 | 4月から6月のいずれか(進学届の手続き時期で変わる) |
| 在学採用(春の申込み) | 6月または7月。支給始期からの月額がまとめて振り込まれる |
振込口座の情報など、スカラネットの送信内容に誤りがあると、初回の振込が大幅に遅れることがあります。自宅外通学を選んでも、証明書類の審査が終わるまでは自宅通学の金額で振り込まれます。
「給付型奨学金はいつから始まるのか」と聞かれることがありますが、制度そのものは2020年4月、支給は採用の月からです。
採用されたあとの条件:毎年10月の見直しと成績のチェック
採用されたら卒業まで安泰、というわけではありません。家計と学業の2つが毎年確認されます。
家計は毎年見直される(適格認定・家計)
JASSOは、在籍報告で報告された生計維持者と本人の経済状況(マイナンバーで取得する住民税等の情報と申告された資産額)をもとに、毎年10月以降の支援区分を見直します。決まった区分は、その年の10月分から翌年9月分までの支給月額に適用されます。
区分が下がって支給額が減ることもあれば、家計が基準を満たさなくなると給付は止まります。家計基準に当てはまらなくなった場合は、翌年の9月までの1年間、給付奨学金が振り込まれません。支援区分が「第4区分(理工農)」や「多子世帯」に変わった場合も、資産基準を満たしていても給付は1年間振り込まれません。
見直し結果が想定と違った場合の確認先は、JASSOの「支援区分の見直し」のページです。住民税の情報が誤っていたときは役場で税の更正の手続きをしたうえで、JASSOに税の更正に関する申告をすると再判定を受けられる場合があります。
学業は毎年「適格認定(学業)」で見られる
学校は学業成績や学修状況を確認し、結果を定期的にJASSOに報告します。時期は学年末です。2年制以下の短大と専修学校と高専は学年の半期ごとです。認定の区分は、継続・警告・停止・廃止の4つです。
| 区分 | 当てはまる場合 | 結果 |
|---|---|---|
| 警告 | 修得単位数の合計が標準単位数の7割以下/GPA等が下位4分の1/出席率8割以下など、学修意欲が低いと学校が判断 | 給付は続く。次回も警告なら廃止 |
| 停止 | 2回連続の警告で、2回目の理由がGPA等の下位4分の1のみ(3回連続の警告になる場合を除く) | 給付が中断。次の判定で警告・廃止に当たらなければ次の学年から再開 |
| 廃止 | 修業年限で卒業できないことが確定/修得単位数が標準単位数の6割以下/出席率6割以下など学習意欲が著しく低い/警告が連続 | 給付奨学生の認定が取り消される |
警告は一度では打ち切りになりません。連続して警告に当たると廃止になるため、警告の通知が来たら、次の1年が分かれ目です。GPAの下位4分の1は相対評価なので、自分の成績が前年と同じでも、周りが伸びれば下位に入る可能性があります。
警告・停止・廃止の認定を受けると「処置通知」が交付されます。通知が届いたら、理由が単位数・GPA・出席率のどれなのかを、まず学校の奨学金窓口で確認してください。
やむを得ない事情があるとき
災害や傷病などやむを得ない事情があると、基準に当てはまっても「廃止」「警告」にならない場合があります。JASSOが例に挙げるのは本人や家族の病気の療養や介護、災害や事故や事件の被害、災害や感染症の拡大による授業や試験への出席困難などです。
そのような事情があるときは早めに在学校の奨学金窓口に相談し、罹災証明や診断書などの第三者の証明書類を用意します。やむを得ない事情が学業不振の原因になっていることが条件で、該当するかどうかは在学校が証明書類とヒアリングで確認します。事情があっても特例措置の対象にならない場合があるので自己判断で諦めず申し出るのが先です。
留年・休学・退学の扱い
修業年限で卒業できないこと(卒業延期)が確定すると、適格認定で廃止の対象になります。留年が決まった時点で打ち切りに近づくということです。休学中の扱いは、JASSOの在学中の手続き「奨学金の休止・復活(休学・復学)」のページで定められていますが、今回の確認では細部を取れませんでした。休学や退学を考えるときは、手続きの前に必ず在学校の窓口で扱いを確認してください。
返済不要でも返還になるケース
給付型奨学金でも、受け取ったお金の返還を求められることがあります。 JASSOが示す場合は2つです。
- 適格認定で「廃止」になり、その理由が「学業成績が著しく不良で、やむを得ない事由がない」場合は、支給済みの給付奨学金の返還を求められます
- 学校の懲戒処分で、退学・除籍・無期停学、または3か月以上の停学を受けた場合は、認定が取り消され、処分を受けた学年の初日にさかのぼって返還を求められます
3か月未満の停学や訓告の場合は、処分期間中の支給が止まるだけで、期間が終われば再開します。
返還が決まるとJASSOから直接、返還すべき金額や方法を書いた「返還開始の通知」と返還誓約書が届きます。返還方法の詳細はJASSOの「返還のてびき(給付奨学金)」に載っています。返還額に利子や延滞金がかかるかどうかは、確認した公式ページに記載がなく確認できませんでした。
編集部の判断を書くと、「返さなくてよい」というのは、制度の条件を守っている間の話です。申込時の入力は、世帯の状況をそのまま正確に書いてください。
他の奨学金や税金との関係:併用・扶養・確定申告
第一種奨学金との併用
給付奨学金と第一種奨学金を併せて受けると、第一種の貸与月額が給付の区分に応じて調整されます。多くは減額で、0円になる場合もあります。第4区分の支援を受けている期間も同じです。第二種奨学金は、給付奨学金の受給による調整がありません。
自宅外通学の金額で給付を受けると、併給調整後の第一種奨学金の貸与月額も自宅外の表で計算されます。
民間や自治体の給付型との併用
国の給付奨学金と、民間財団や自治体の給付型奨学金を併用できるかどうかは、そちらの募集要項の定めで決まります。民間の財団の中には、他の給付型との併用を認めない団体もあります。JASSOのページに併用の可否は書かれていないため、団体ごとの募集要項で確かめてください。
税金と扶養
学資に充てるために給付される金品は、給与その他対価の性質を持つ一定のものを除いて、所得税がかからない非課税所得とされています。根拠は所得税法第9条第1項第15号で、国税庁の質疑応答事例にも同じ説明があります。この事例は、学資金を「学術又は技芸を習得するための資金として父兄その他の者から受けるもので、かつ、その目的に使用されるもの」と説明しています。同じ事例では、研究者向けの奨学金が学資金と認められず雑所得とされました。
JASSOの給付奨学金そのものについて、課税されるかどうかを名指しで説明した国税庁のページは、今回確認できませんでした。そのため、この記事では「非課税です」とも「課税されます」とも断定しません。個別の課税関係は、受け取る人の事情で決まります。確定申告や年末調整で扱いに迷うときは、税務署か税理士に確認してください。この記事は税務の個別判断をするものではありません。
扶養については、JASSOの多子世帯の資料が、給与収入だけの場合の年収123万円以下の学生世代を扶養親族として表に示しています。給付奨学金の受給が収入に数えられるかどうかは、JASSOの資料に記載がなく確認できませんでした。アルバイトの収入が増えて住民税がかかる水準になると、前の章のとおり給付の区分に影響します。
給付型奨学金のデメリット
デメリットは主に4つです。
- 毎年の家計と学業の確認があり、基準を外れると給付が止まる
- 成績不振や処分で返還になることがある
- 過去に給付を受けた人や廃止された人は再び申し込めない
- 一人暮らしでも要件を満たさないと、自宅通学の金額のままになる
それでも返済がない点は他の奨学金にない強みです。第一種との併用で貸与額が調整される点も含め、使う前に全体を見ておけば、思わぬ誤算は避けられます。
ひとり親・離婚・家計急変のとき
ひとり親や母子家庭の場合
給付奨学金に、ひとり親だけが対象の枠はありません。収入基準は本人と生計維持者の合計で見るため、ひとり親では生計維持者が1人になり、世帯の収入も1人分です。
父母が離婚している場合の生計維持者は、親権の有無に関わらず原則として父母の2名です。ただし離婚に伴って父と本人が別居し父から一切の支援を得られず同一生計と認められない場合は、母1名が生計維持者になります。この場合は戸籍謄本などの証明書類を後日求められることがあります。
養育費をもらっている場合の扱いは、JASSOの生計維持者に係るQ&A(令和8年6月25日版)に例があります。父が養育費を支払っていても、父が本人と別居し同一生計と認められない場合は、父は生計維持者に含まれず、母1名が生計維持者になります。養育費の金額が家計基準にどう反映されるかは、このQ&Aに書かれておらず確認できませんでした。
再婚した場合は、申込者本人と同一生計である父や母の配偶者(内縁を含む)も含めた2名が生計維持者になるのが原則です。ひとり親向けの民間の給付型奨学金は別にあり、上位の記事にも例があります。ただし募集条件が団体ごとに違うため、団体の募集要項で確認してください。
家計急変採用
突然の事情で家計が変わった場合は、通常の春・秋の募集を待たずに、年間を通じて随時申し込めます。対象になる事由は次のA〜Eです。
- 事由A:生計維持者の死亡
- 事由B:生計維持者が事故または病気により、3か月以上就労が困難
- 事由C:生計維持者の失職(非自発的失業の場合に限る)
- 事由D:生計維持者が震災、火災、風水害等に被災し、A〜Cのいずれかに当たる、または被災により世帯収入を大きく減らす事由が生じた
- 事由E:学生本人が父母等による暴力等から避難している
選考は通常の給付奨学金と同じで、家計基準と学力基準と入学時期等の基準をすべて見ます。収入基準は、家計急変に当たる生計維持者の分を急変後の見込み年間所得で推算し、ほかの人の分は通常どおりの住民税情報で算出して合計します。採用後は3か月ごとに収入状況を確認して区分を見直すので、支給が止まったり金額が変わったりします。住民税非課税世帯には、定期の募集(春・秋)への申し込みを検討するようJASSOが案内しています。
大学独自・自治体・民間の給付型奨学金を探す
国の制度で基準を超えた人や、国の給付に上乗せしたい人は、それ以外の給付型を探します。
探すための入口
JASSOの「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」のページが最初の入口です。国内の大学・短期大学が行う学内奨学金や授業料の減免と、都道府県・市区町村などの地方公共団体等が行う国内向け奨学金の情報を、条件や団体名から検索できます。令和8年10月2日更新分で、大学364校、短期大学112校、地方公共団体・奨学金事業実施団体等462団体が載っています。地方公共団体等の制度は、居住地と学校の所在地のほか、出身地(保護者の居住地)から支援を受けられるものもあります。異なる場合はそれぞれの都道府県にチェックを入れて検索してください。
制度は都道府県ごとに違います。北海道・東京都・愛知県・兵庫県・千葉県のどこに住んでいても、まずJASSOの検索ページの地域欄で絞ると自治体の公式ページへつながります。
大学・短大・専門学校独自の制度
大学独自の給付型奨学金や特待生制度は、対象者も金額も学校が決めます。上位の記事は、入試の成績優秀者向けや家計困難者向けなど学校ごとに別々の制度があると書いています。進学先の学生支援窓口の案内や大学の募集要項で確かめてください。
民間財団・企業・新聞奨学生
民間の財団や企業の給付型は採用人数が少なく締切が団体ごとです。年度で金額も人数も変わるので、財団の公式の募集要項で確かめるのが確実です。キーエンス財団のように、月額が記事によって8万円・10万円・12万円と食い違う例もあります。
新聞社の奨学金(新聞奨学生)は、配達などの仕事をしながら奨学金を受ける形が一般的で、働くことが条件に入ります。給付型と呼ばれていても、仕事の義務があることは申し込む前に確認してください。企業が従業員の奨学金返還を代わりに払う「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」は、就職後の返還を支援する別の制度です。給付型とは異なります。
応募するときの注意
- 募集人数が少ないため、複数の団体に出しておく人が多い
- 併用の可否は団体ごとに違う
- 募集要項の書式(作文や推薦書)が団体ごとに違う
- 年度ごとに条件が変わる
もらえない・不採用になったとき
もらえる確率はどれくらいか
給付奨学金に採用される確率を示した公式の数字は、今回確認した公式ページに見つかりませんでした。上位の記事には利用割合の数字を載せたものがありますが、採用率とは別の数字です。採否は家計・学力・その他の基準を満たすかどうかで決まる、条件を満たせば採用される仕組みで、競争で上位から選ぶ形ではないとJASSOの説明からは読めます。
不採用の事由は3つ
在学採用の不採用通知には、不採用の事由が書かれます。
- 家計基準を満たしていない:第1〜第4区分に当たらず、多子世帯とも判定されなかった場合を含みます
- 学力基準を満たしていない:前の章の成績の条件のどれにも当たらない場合です
- その他の基準や要件を満たしていない:成績の不振、入学時期の資格を超えている、在留資格の要件など
多子世帯と判定されなかったとき
多子世帯と判定されない理由は、次の3つです。
- 住民税情報で、生計維持者の扶養親族の合計が3人以上と確認できなかった
- 住民税情報で、本人が生計維持者に扶養されていなかった
- 申込時にスカラネットで子どもの数を2人以下で申告した、または扶養親族の欄から本人を削除してしまった
最初の2つで住民税情報が間違っているときは、役場で税の更正の手続きをしたうえで、JASSOに税の更正の申告をすると再判定が受けられます。3つ目は、スカラネットで申込内容を確認し、学校を通じてJASSOに相談します。原則として申込内容の修正はできません。
税の更正をしたとき
申し込みのあとに税の更正請求などで収入や扶養人数を訂正し、住民税に変更が生じた場合は、不採用だった人は進学後に在学採用へ申し込みます。採用候補者になっていた人は進学届を出す際に進学先の窓口へ相談します。
もう一度申し込めるか
予約採用で不採用でも、進学後の在学採用で再び申し込めます。家計基準は毎年の住民税情報で判定されるので、状況が変われば翌年度以降に対象になる可能性があります。ただし一度給付奨学金を受けた人が、改めて新規に申し込むことはできません。
大学院・留学・社会人の場合
大学院は高等教育の修学支援新制度の対象に入っていません。文部科学省は対象を大学と短期大学と高等専門学校と専門学校だと説明しています。JASSOの予約採用のページで大学院に進学する人に案内されているのは貸与奨学金の申し込みです。大学院生向けの返済不要の支援は、進学先の大学の授業料免除や奨学金と民間財団が中心になります。
海外留学のための給付奨学金(返済不要)は、JASSOに別のページがあります。国内の給付奨学金とは条件も金額も別です。留学のための返済不要の奨学金は、この記事では扱いません。
社会人から進学する人は、高校卒業から入学までの期間が2年以内という資格がまず壁になります。2年を超える人は、国の給付奨学金の対象外になるのが原則です。この場合は、大学独自の制度や民間財団、自治体の制度を探します。
返済不要の奨学金・給付金の一覧
「返済不要」と呼ばれる制度は、奨学金と給付金が混ざっています。この記事で扱った範囲を一覧にします。
| 制度 | 対象 | 金額の目安 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| JASSOの給付奨学金 | 大学・短大・高専4年以上・専門学校(専門課程) | 月額7,300円〜7万5,800円(大学・短大・専門学校) | 高校(予約採用)、進学先(在学採用) |
| 授業料等減免 | 同上 | 学校種別の上限まで(私立大学は授業料70万円・入学金26万円) | 進学先(申し込みは給付奨学金と同時) |
| 高等学校等就学支援金 | 高等学校等の授業料 | 私立全日制は年45万7,200円が上限 | 在学する高校 |
| 高校生等奨学給付金 | 低所得世帯の高校生等 | 非課税世帯の全日制は年14万3,700円〜15万2,000円 | 都道府県または学校 |
| 家計急変採用 | 大学等で家計が急変した人 | 家計急変後の収入にもとづく区分の額 | 進学先 |
| 大学独自・自治体・民間の給付型 | 制度ごとに違う | 制度ごとに違う | 各学校・自治体・団体 |
海外留学のための給付奨学金(返済不要)は、JASSOに別のページがあります。上の表には入れていません。
状況別に最初に見る制度
読む順番に迷う人のために、状況ごとに最初に開くページを並べます。
| 状況 | 最初に見る制度 |
|---|---|
| 高校に通っていて授業料が心配 | 高等学校等就学支援金(私立高校無償化、所得制限) |
| 高校の教科書代や教材費が心配 | 高校生等奨学給付金(都道府県または学校) |
| 高校3年生で大学・専門学校に進む | JASSOの給付奨学金(予約採用) |
| 大学・専門学校に在学中で奨学金がまだない | JASSOの給付奨学金(在学採用。春と秋) |
| きょうだいが3人以上 | 授業料等減免(所得制限なし)。給付は区分で決まる |
| 収入が基準を超えた | 貸与奨学金、大学独自、自治体、民間 |
| 失職・死亡・病気などで急に収入が減った | 家計急変採用(随時) |
| 大学院に進む | 進学先の大学の制度、貸与奨学金、民間財団 |
編集部の判断を書くと、迷ったときは時期で決めるのが確実です。高校3年生ならまず予約採用、在学中なら次の春か秋の在学採用です。大学の合計を計算したい人は大学の給付型奨学金、大学無償化の条件を順に確かめたい人は大学無償化の条件に進んでください。
よくある質問
給付型奨学金は本当に返さなくていいのですか?
国の給付奨学金は条件を守っている間は返す必要がありません。ただし適格認定で廃止になり、その理由が学業成績が著しく不良でやむを得ない事由がない場合は、支給済みの給付奨学金の返還を求められます。退学や除籍や無期停学、3か月以上の停学の処分を受けたときも、処分を受けた学年の初日にさかのぼって返還の対象です。
給付型奨学金はいくらもらえますか?
JASSOの給付奨学金は大学・短大・専門学校で月額7,300円から7万5,800円です。金額は家計の区分と国公立か私立かと自宅か自宅外かで決まります。最大は私立・自宅外・第1区分の7万5,800円で、国公立・自宅の第1区分なら2万9,200円です。生活保護世帯の自宅通学などには別のカッコ内の金額が適用されます。
年収はいくらまで対象になりますか?
年収の一つの線はありません。住民税の額から出す支給額算定基準額で見て、第1区分は100円未満、第4区分は154,500円未満が上限です。目安は、予約採用の4人世帯(親の1人だけが給与収入で中学生が1人)で第1区分が約271万円、第4区分が約635万円です。世帯の構成で変わるので進学資金シミュレーターで試算してください。
評定平均が3.5に届かなくても申し込めますか?
申し込めます。高校生の予約採用は、評定平均3.5以上か、将来の目標と学ぶ意欲が文書や面談で確認できることのどちらかを満たせば足ります。学ぶ意欲の確認は、高校が面談やレポートの提出で行います。在学採用の1年次も、学修計画書で意欲が確認できれば基準を満たします。
専門学校でも給付型奨学金は使えますか?
使えます。専修学校の専門課程で、確認大学等として確認を受けた学校が対象です。月額は大学と同じ表を使い、私立・自宅外・第1区分なら7万5,800円です。授業料等減免の上限は、私立の専門学校で入学金16万円・授業料59万円です。対象かどうかは、文部科学省の対象機関リストか学校の窓口で確かめます。
高校生が申し込める返済不要の奨学金はありますか?
高校に通っている間は、授業料を支援する就学支援金と、教科書費などを支援する高校生等奨学給付金があります。大学・専門学校の学費は、高校3年生のうちに高校を通じて申し込むJASSOの予約採用が窓口です。民間財団や自治体の給付型も、高校生向けのものがあります。募集人数が少なく、締切が制度ごとに違います。
大学院生も対象ですか?
対象ではありません。高等教育の修学支援新制度は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校が対象で、大学院は含まれません。JASSOの大学院向けの予約採用は貸与奨学金の案内です。返済不要の支援は、進学先の大学院の制度や民間財団で探します。
貸与型と併用できますか?
併用できます。ただし給付奨学金と第一種奨学金を併せて受けると、第一種の貸与月額が調整され、減額や0円になる場合があります。第二種奨学金は、給付奨学金の受給による調整がありません。民間や自治体の制度との併用は、その制度の募集要項で決まります。
振込はいつからですか?
採用されると原則として毎月1回、本人名義の口座に振り込まれます。予約採用で進学届を出した人の初回は4月から6月のいずれかです。在学採用(春の申込み)の初回は6月または7月で、支給始期からの分がまとめて振り込まれます。口座情報の入力ミスがあると初回が大幅に遅れます。
結果はいつわかりますか?
予約採用の結果は、スカラネットで先に公開され、紙の通知は高校を通じて後から届きます。令和8年度から、スカラネットの通知時期が早められました。在学採用の結果は、進学先の学校を通じて通知されます。不採用の場合は、不採用の事由が通知書に書かれています。
不採用になったら、もう申し込めませんか?
申し込めます。予約採用で不採用でも、進学後に在学採用へ申し込めます。家計基準は毎年の住民税情報で判定されるため、状況が変われば翌年度以降に採用される可能性があります。住民税の情報に誤りがあったときは、税の更正の手続きのうえ、JASSOに申告すると再判定を受けられる場合があります。
親の年収が上がったらどうなりますか?
毎年10月に支援区分が見直され、見直し後の区分が翌年9月分まで適用されます。年収が上がって基準を超えると、給付奨学金は1年間振り込まれません。見直しは、4月の在籍報告で報告された生計維持者と本人の状況をもとにします。年の途中の収入の変化は、その都度の見直しにはなりません。
アルバイトはいくらまで稼げますか?
アルバイト収入に上限額を定めた記述は、確認した公式ページにありませんでした。ただし本人にも住民税がかかる水準まで稼ぐと、本人の分の支給額算定基準額が加わって区分が下がる可能性があります。年収の目安の表も、本人に住民税が課税されていない前提です。親の扶養の判定は別で、JASSOの資料では年収123万円以下が扶養親族の範囲です。
給付型奨学金は確定申告や年末調整が必要ですか?
学資に充てるための給付金は、給与その他対価の性質を持つ一定のものを除いて、所得税がかからない非課税とされています。根拠は所得税法第9条第1項第15号です。ただし、JASSOの給付奨学金そのものを名指しで説明した国税庁のページは確認できなかったため、この記事では課税の有無を断定しません。個別の事情で扱いが変わることがあるので、迷うときは税務署か税理士に確認してください。
中学生や高校1・2年生でも申し込めますか?
申し込めません。予約採用の申込資格は、申込年度の3月に初めて高等学校等を卒業予定の人か、卒業から2年以内の人です。高校3年生になってから高校を通じて申し込みます。中学生向けには文部科学省がリーフレットを出していて、制度の概要を前もって知っておけます。家計の判定は申し込む年の住民税で行うので、早く動いても有利にはなりません。
