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奨学金の給付とは?JASSO(日本学生支援機構)の給付奨学金と高校生向けの制度

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JASSO(日本学生支援機構)の給付奨学金は、原則として返さなくていい奨学金です。対象は大学・短大・高専(4年生以上)・専門学校の学生で、高校生は在学中の「予約採用」で申し込みます。支給が始まるのは進学後です。ただし成績が著しく悪くて「廃止」になると、受け取った分の返還を求められることがあります。

この記事では「奨学金 給付」で調べる人がつまずきやすい順に、返さなくていい理由、月額、年収の目安、高校生の申込み、もらえなくなる場合を書きます。数字はJASSOと文部科学省の公式ページで確かめたものだけを載せました。

給付奨学金は返さなくていいのか

JASSOの奨学金には、卒業後に返す「貸与型」と、返さなくていい「給付型」があります。給付型は正式には「給付奨学金」といい、JASSOの給付奨学生のしおりも、返還の必要のない奨学金として説明しています。

「原則として」とあるのは、返還を求められる場合が決まっているからです。JASSOの「給付奨学金に関する在学中の手続き」のページに、次の2つが書かれています。

  • 学業成績が著しく不良で、やむを得ない事由がないために「廃止」と認定された場合は、支給済みの給付奨学金の返還を求められます
  • 懲戒処分で退学・除籍・無期停学・3か月以上の停学になった場合は認定が取り消され、処分を受けた学年の初日にさかのぼって返還を求められます

3か月未満の停学や訓告は、処分期間が終わったあとに支給が再開されます。返還が決まった場合は、JASSOから返還の金額と方法を書いた通知と返還誓約書が直接届きます。

「給付奨学金 返還」で検索する人の多くは、この廃止の基準が知りたいはずです。基準は本記事の「もらい続けるための条件」で、一覧にして書いています。成績が悪くなっても、病気や災害などのやむを得ない事情があれば「廃止」や「警告」にならない場合があるので、学校の奨学金窓口に早めに伝えてください。

給付型と貸与型の違い、両方を申し込めるか

違いを一言でいうと、給付型は返さなくていい奨学金で、貸与型は借りて返す奨学金です。貸与型には無利子の第一種と有利子の第二種があります。

給付型は、高等教育の修学支援新制度の中でだけ使える制度です。授業料・入学金の減免とセットで運用されていて、給付奨学金だけを単独で申し込む仕組みではありません。編集部としては、先に給付型の対象になるかを調べ、足りない分を貸与型で補う順番を勧めます。

知恵袋などでは「給付と貸与の両方を申し込めるのか」という質問がよく出ます。結論は、両方に申し込めます。ただし、給付を受けると第一種(無利子)の貸与月額は調整されます。JASSOの「併給調整」のページには、多くの場合は減額になり、0円になる場合もあると書かれています。たとえば私立大学・自宅通学で、第一種の希望月額が6万4,000円の人の例は次のとおりです。

給付奨学金の区分調整後の第一種の貸与月額
第1区分・第2区分0円
第3区分2万1,700円
第4区分(理工農系)3万4,500円
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給付と貸与の両方を申し込んで「貸与が0円になった」と驚く人がいるのは、この調整が理由です。両方申し込むこと自体は可能で、申込みのスケジュールも給付と貸与で同じ窓口(予約採用なら高校、在学採用なら進学先)から始まります。給付を受けても生活費が足りない場合は、有利子の第二種を検討する流れになります。JASSOの「給付奨学金の支給額」のページには「第二種奨学金については、給付奨学金受給による貸与月額の調整はありません」と書かれています。JASSOのよくある質問も、第二種奨学金と入学時特別増額貸与奨学金の金額は自由に選べると答えています。調整されるのは第一種だけです。

給付と貸与の違いを別の面から比べたい人は、給付型奨学金の条件と親の年収にまとめています。

修学支援新制度とは(授業料減免とのセット)

給付奨学金は、2020年4月に始まった「高等教育の修学支援新制度」の一部です。文部科学省は、この制度を「世帯収入や扶養する子供の数に応じて、返還不要な給付型奨学金の支給と授業料・入学金の減額・免除が受けられる」制度と説明しています。

支援は2つに分かれていて、窓口も違います。

  • 授業料・入学金の減額・免除は、進学先の大学等が行います
  • 給付型奨学金の支給は、JASSO(日本学生支援機構)が行います

授業料の減免は学校ごとに手続きするため、JASSOに給付奨学金を申し込んだだけでは減免を受けられません。進学先の学校にも手続きを確認してください。入学金の減免は、新入生なら進学先の学校が案内します。減免の上限額は国公立か私立か、学校の種類によって変わります。上限額の表は高等教育の修学支援新制度の対象者と授業料減免で扱っています。

高校の「就学支援金」や「奨学給付金」と混同する人が多いので、違いは「高校生の制度との違い」で書きます。

対象の学校は、国などが要件を満たすと確認した大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校です。確認を受けていない学校では、給付奨学金も授業料の減免も受けられません。志望校が対象かどうかは、文部科学省の「支援対象校一覧」で調べられます。大学院は、この制度の対象校の種類に挙がっていません。

給付奨学金はいくらもらえるか

月額は、学校が国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学か、世帯の区分(第1区分から第4区分)で決まります。JASSOの「給付奨学金の支給額」のページにある、大学・短期大学・専修学校(専門課程)の月額は次のとおりです。

区分国公立・自宅国公立・自宅外私立・自宅私立・自宅外
第1区分2万9,200円6万6,700円3万8,300円7万5,800円
第2区分1万9,500円4万4,500円2万5,600円5万600円
第3区分9,800円2万2,300円1万2,800円2万5,300円
第4区分(多子世帯に限る)7,300円1万6,700円9,600円1万9,000円
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もっとも高いのは、私立・自宅外通学・第1区分の月7万5,800円です。年額にすると90万9,600円になります。第2区分は第1区分の3分の2、第3区分は3分の1です。第4区分の多子世帯は、第1区分の4分の1です。

生活保護を受けている生計維持者と同居している人と、児童養護施設等から通学する人は、自宅通学の月額が上の表より高くなります(国公立の第1区分で3万3,300円、私立の第1区分で4万2,500円)。

高等専門学校は第4学年以上が対象で、第1学年から第3学年は新制度の支援から除かれています。第1区分の月額は、国公立が自宅通学1万7,500円・自宅外通学3万4,200円、私立が自宅通学2万6,700円・自宅外通学4万3,300円です。

この月額とは別に、授業料・入学金の減免があります。給付の月額だけを見て「足りない」と判断せず、減免を合わせた金額で進学費用を考えてください。大学の学費と合わせた総額は、大学の給付型奨学金の試算で扱っています。

自宅通学と自宅外通学で金額が違う理由

給付奨学金は、申込み時にどちらを選んでも、いったん「自宅通学」の月額で採用されます。自宅外月額に変えるには、採用後に別の手続きが要ります。要件は「生計維持者と別居していて、本人か生計維持者が家賃を払っている」ことに加えて、次のいずれかです(JASSOの目安)。

  • 実家から学校までの通学距離が片道60km以上
  • 実家から学校までの通学時間が片道120分以上
  • 実家から学校までの通学費が月1万円以上
  • 通学時間が片道90分以上で、通学時間帯の交通機関が1時間に1本以下
  • そのほか、学業との関連で実家からの通学が困難な特別な事情がある

一人暮らしであれば自宅外になるわけではありません。実家が学校に近ければ、家賃を払っていても自宅通学のままです。

手続きは、学校の奨学金窓口で「自宅外通学申請届」を受け取り、賃貸借契約書の写しなどを付けて学校に出します。入居月(採用月)から学校への提出日までが3か月以内なら、入居月にさかのぼって自宅外月額になります。3か月を過ぎると、提出日の属する月からの変更です。承認までにはJASSOに出してから2〜3か月かかることがあり、差額は承認された月にさかのぼって振り込まれます。

賃貸借契約書ではなく「重要事項説明書」だけを出して書類が返送される例が、JASSOのよくある不備として挙げられています。入居日や家賃の発生日が書類ごとにずれている場合も返送されます。編集部の判断としては、引っ越しが決まった時点で契約書の写しを取っておくことを勧めます。

年収はいくらまでか(家計基準と区分)

給付奨学金の家計基準は、収入基準と資産基準の両方を満たす必要があります。「年収制限は何万円」と一つの数字では答えられません。基準になるのは年収そのものではなく、住民税の情報から計算した「支給額算定基準額」で、本人と生計維持者(原則として父母2名)の合計で判定されるからです。区分の線引きは次のとおりです。

区分支給額算定基準額の合計
第1区分100円未満(市町村民税所得割が非課税)
第2区分100円以上25,600円未満
第3区分25,600円以上51,300円未満
第4区分51,300円以上154,500円未満
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資産基準は、申込日時点で本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円未満であることです。預貯金、有価証券、投資信託、現金に準ずるものが対象で、NISAの投資額も含まれます。住宅ローンなどの負債と相殺はできません。土地・建物などの不動産は、在学採用のページに対象にならないと書かれています。

なお、ふるさと納税や住宅ローン控除による税額控除で所得割が非課税になっていても、その分は区分の判定に影響しません。「非課税のはずなのに第1区分にならなかった」という場合は、これが原因のことがあります。

年収の目安

JASSOは、給与所得者の世帯の年間の総収入の目安を、世帯構成ごとに公表しています。単位は万円で、予約採用(進学前に申し込む人)と在学採用(進学後に申し込む人)で表が別になっています。

予約採用(2027年度進学予定の人向け)の目安は次のとおりです。

世帯第1区分第2区分第3区分第4区分
2人世帯207298373630
3人世帯221298373630
4人世帯(本人、給与の親、無収入の親、中学生)271303378635
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在学採用の目安は、JASSOのページで「令和8年度在学採用(二次)より」の数字として載っています。令和7年度の税制改正を受けて上がりました。それより前の募集(令和8年度在学採用(一次))の目安は、JASSOの給付奨学金案内(9ページ)に別の数字があります。

世帯第1区分第2区分第3区分第4区分
2人世帯229332402649
3人世帯289391457677
4人世帯(本人、給与の親、無収入の親、高校生)295395461698
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JASSO自身が「表中の数字はあくまで目安」と書いています。世帯構成、障がい者の有無、各種保険料の支払い状況によって、目安を上回っていても対象になる人や、下回っていても対象にならない人がいます。共働きの場合は、親A・親Bそれぞれの収入を別の列で見る表も公表されています。

「もらえない年収」を一つの数字で言い切っているページは、世帯構成を省いています。編集部としては、最初にJASSOの進学資金シミュレーターに、世帯の人数と収入を入れて区分を見ることを勧めます。シミュレーターの結果は試算で、実際に申し込んだ結果と一致しないことがあるとJASSOは断っています。

文部科学省の高校生向けページは、家計基準を「生計維持者・本人の収入が約600万円未満」と書いています。これは第4区分まで含めた上限の目安で、第1区分の目安とは別の数字です。ここだけ見て「年収600万円までならもらえる」と読むのは誤りです。第4区分の人が支援を受けられるのは、多子世帯か私立の理工農系に進学する場合に限られるからです。

多子世帯と理系(理工農系)の扱い

令和6年度に第4区分ができ、令和7年度に多子世帯への支援が広がりました。内容は次のとおりです。

多子世帯は、扶養する子どもが本人を含めて3人以上の世帯です。収入が第4区分の基準を超えていても、多子世帯であれば区分に入れます。文部科学省は、令和7年4月から、多子世帯の学生について所得制限なく授業料・入学金が一定額まで減免の対象になったと説明しています。多子世帯の場合の資産基準は3億円未満です。給付奨学金の月額は、第1区分の4分の1になります。

私立の理工農系の学部・学科に通う学生は、世帯が第4区分に当たり多子世帯でなければ、給付奨学生として採用されます。ただし給付奨学金の支給額は0円で、振り込まれません。そのかわり、在籍校で授業料等減免を申請すれば、文系との授業料の差額に着目した額の授業料と入学金の減免を受けられます。

つまり「理系なら給付がもらえる」という話ではなく、第4区分の理系は給付が0円で、授業料の減免だけという制度です。理工農系にあたる学部学科は、文部科学省が「理工農系学部学科の対象機関リスト」で公表しています。対象になるのは私立の学校だけです。

第4区分のとき、第一種奨学金の貸与月額も調整されます。多子世帯の場合も、給付を受けていれば貸与月額の調整がかかります。

成績の基準(学力基準)

給付奨学金は、家計だけでなく学力の基準も満たす必要があります。ただし、成績が良いことだけが条件ではありません。

高校生が進学前に申し込む予約採用の学力基準は、次のどちらかです。

  • 高校の第1学年から申込み時までの全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上
  • 将来、社会で自立して活躍する目標を持ち、大学等で学ぶ意欲があることが、文書や面談などで確認できる

2つ目は、高校で面談を受けたりレポートを提出したりして確かめます。文部科学省も、評定平均が3.5に満たなくても、レポートや面談で学習意欲が確認できればよいと書いています。評定が足りないからと、申込みの前にあきらめる必要はありません。

進学後に申し込む在学採用は、1年次と2年次以上で基準が変わります。1年次は、評定平均値3.5以上、入学者選抜試験の成績が上位2分の1、高卒認定試験の合格、学修計画書で学ぶ意欲を確認できる、のいずれかです。2年次以上は、GPAなどが学部等の上位2分の1に入るか、修得単位数が標準単位数以上で、学修計画書で学ぶ意欲を確認できることが条件です。

「奨学金 給付 申請理由」で調べる人に向けて書くと、給付奨学金の申込みで問われるのは、家計の状況と学ぶ意欲です。志望動機を作文で競う選考ではありません。学ぶ意欲は、高校ではレポートか面談、在学採用では学修計画書で示します。JASSOの給付奨学金のページに、書き方の例文は載っていません。

高校生が申し込む予約採用

「奨学金 返済不要 高校生」で調べる人が最初に知りたいのは、高校生のうちに申し込めるかどうかです。申し込めます。進学前の申込みを「予約採用」といいます。

文部科学省の高校生向けページによると、予約採用は高校3年の4月頃から行われます。2027年度進学予定の人向けのJASSOのリーフレットは、申込みの期間を4月下旬から7月末と案内しています。締切日は学校ごとに違い、高校3年生のほか、卒業後2年以内の既卒生も対象です。JASSOの申込資格では、初めて高校等を卒業した年度の末日から申込日までが2年以内であることが条件とされています。浪人生も、この範囲なら申し込めます。ただし、過去に大学等へ進学して給付奨学金の支給を受けたことがある人は、再び申し込めません。

流れは次のとおりです。

  1. 在籍している高校で申込書類を受け取ります
  2. JASSOの申込サイト(スカラネット)から、パソコンかスマホで申込情報を入力します
  3. 奨学金確認書兼地方税同意書をJASSOに郵送します
  4. 高校を通じて、採用候補者決定通知(不採用なら選考結果通知)が届きます
  5. 進学したら、採用候補者決定通知を進学先の学校に出し、インターネットで「進学届」をJASSOに出します

採用候補者決定通知は、進学先に入学するまで大切に保管します。授業料等の減免は学校ごとの手続きなので、学校にも確認が要ります。

予約採用は、申し込んだだけで進学前にお金が入る仕組みではありません。文部科学省は「奨学金の支給は進学後に始まります」と書いています。高校在学中に「もらえた」と書かれる体験談は、採用候補者になったことを指している場合が多いはずです。

書類は、本人と生計維持者(原則として父母)のマイナンバーを使います。マイナンバーカードや住民票の写しなど、マイナンバーが確認できるものを用意してください。予約採用の家計は、申込みの前年分の収入に基づく住民税情報で判定されます。申込みの年に失業などで収入が減っても、その状況は反映されないとJASSOは書いています。

予約採用で支援を受けられなかった人も、進学後に要件を満たしていれば再度申し込めます。予約採用に間に合わなかった場合も、進学後に在学採用で申し込めます。支援の内容は予約採用と同じです。進学後の申込みでも支援は4月分からさかのぼって受けられますが、実際に支援が始まるのは申請から数か月後になるとJASSOのリーフレットに書かれています。

高校生の制度との違い

高校生のうちにもらえるお金は、給付奨学金ではありません。高校の授業料を支える就学支援金と、教材費などを支える「高校生等奨学給付金」が別にあります。この2つは高校の制度で、JASSOの給付奨学金とは別のものです。「奨学金」と「給付金」は名前が似ていますが、給付奨学金は大学等に進学した人、奨学給付金は高校に通っている人が受けます。

進学後に申し込む在学採用と、いつまでか

予約採用に間に合わなかった人や、進学後に家計の状況がわかった人は、在学採用で申し込みます。申込資格は、高校等を初めて卒業した日の属する年度の翌年度の末日から、大学等へ入学した日までが2年を経過していないこと、などです。高卒認定試験の合格者や、外国の学校を修了した人などには別の条件があります。

在学採用の募集は、春と秋の年2回あります。JASSOの在学生向けリーフレット(2026年度版)は、申込みの時期を、春は4月から6月、秋は9月から11月と案内しています。春に申し込んで対象外だった人も、秋に再度申し込めます。「期限を過ぎたらもうだめか」と考える人は多いのですが、締切日は学校ごとに違い、公式ページに全国共通の締切日は載っていません。進学先の奨学金窓口に、募集の日程を聞くのが確実です。

外国籍の人には、在留資格の条件があります(法定特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者で将来永住する意思がある人など)。申込みの際は、住民票の写しか在留カードのコピーが要ります。

家計が急に変わったとき(家計急変採用)

在学中に保護者の事情で家計が大きく変わった場合は、年度の途中でも「家計急変採用」で申し込めます。対象になる事由はJASSOのページで次のように定められています。

  • 生計維持者の死亡
  • 生計維持者が事故や病気で3か月以上就労困難
  • 生計維持者の失職(非自発的な失業に限る)
  • 生計維持者が震災、火災、風水害などで被災し、世帯収入が大きく減る事由が発生
  • 学生本人が父母などの暴力から避難

申込みは通年で受け付けられ、事由が発生した日から原則3か月以内に申請します。定期採用と家計急変採用を並行して申し込むことはできません。事由に当てはまっても、家計基準(収入と資産)や学業の基準を満たさなければ支援は受けられません。定年退職や離婚などは対象外です。

給付はいつ振り込まれるか

給付奨学金は、採用されてから正規の卒業時期(修業年限の終期)まで、毎月支給されます。進学前の予約採用で採用候補者になっても、支給の開始は進学後です。

「給付日」は、月の何日に口座へ入るのかを知りたい人の検索語です。JASSOは「振込日カレンダー」を出しているので、日付はそちらで確かめてください。振込の日付や、何時に入るかは、奨学金はいつ振り込まれるかにまとめています。

10月の振込が止まったように見えるときは、JASSOのよくある質問に原因が載っています。給付奨学金は毎年10月に支援区分の見直しがあり、10月から1年間の区分が決まります。見直しの結果、区分が変わると、10月以降に振り込まれる額が変わります。支援対象外になった人には、振込がありません。2年制以下の短大・専門学校と高専の学生は、9月の適格認定(学業)で「停止」や「廃止」になった場合も、10月以降の振込がありません。結果は、スカラネット・パーソナルで確認できます。

もらい続けるための条件(適格認定・警告・停止・廃止)

給付奨学金は、採用されたら卒業まで自動で続くわけではありません。学校が学業と家計を定期的に確認し、その結果にもとづいて継続・警告・停止・廃止が決まります。

「奨学金 給付 停止」「警告」「出席率」で調べる人が多いので、JASSOの基準を一覧にします。学業の適格認定は学年末に行います。2年制以下の短大・専門学校と高専は、半期ごとです。

認定当てはまる場合支給
警告修得単位数が標準の7割以下、GPAなどが下位4分の1、出席率8割以下など学修意欲が低いと学校が判断継続。次回も警告だと廃止
停止2回連続の警告で、2回目の理由がGPAが下位4分の1のみ(3回連続の警告を除く)中断。次の判定で警告・廃止に当たらなければ再開
廃止卒業延期の確定、修得単位数が標準の6割以下、出席率6割以下など学修意欲が著しく低い、連続した警告打ち切り。成績が著しく不良でやむを得ない事由がなければ返還を求められる
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「停止」になった後の判定で、また「警告」に当てはまると、給付奨学生の認定が取り消されます。「停止」からの復活は、支援対象外などの事由で止まっている場合は、復活しても振込が再開しません。

家計も毎年見直されます。10月に支援区分が変わるため、区分が変わると月額が変わり、支援の対象外になる人もいます。

そのほかの注意点は次のとおりです。

  • 毎年の「奨学金継続願」を学校が決めた期限までに出さないと、振込が止まります
  • 虚偽の申告や不正で支援を受けた人は、給付奨学金を受けられなくなります
  • 一度でも給付奨学金の支給を受けたことがあると、新規に申し込んで二度目の支給を受けることはできません
  • 退学などで支給が打ち切られたあと、別の大学に再入学しても、新しく給付奨学金に申し込めません

休学・留学・退学したとき

休学したら、すぐに学校の奨学金窓口へ申し出て「休止」の手続きをします。休止中は給付奨学金の支給が止まります。手続きをせずに振り込まれた分は、学校の指示に従って、金融機関を通じてJASSOに返金します。貸与型と違い、給付奨学金の休止期間には年数の制限がありません。復学したら「復活」の手続きで再開できます。在籍報告は休学中も必要です。

留学については、JASSOの海外留学支援制度(協定派遣)を受ける場合に、給付奨学金が「本人都合による停止」になる例が併給調整のページに挙がっています。留学中の給付奨学金の扱いは、留学の時期や形態によって手続きが変わります。出発の前に学校の奨学金窓口へ相談してください。海外の大学に進学する人向けには、JASSOの「海外留学のための給付奨学金」が別にあります。国内の修学支援新制度とは別の制度なので、この記事では扱いません。

退学すると、給付奨学金は終わります。退学の理由によっては返還が必要になります(上の「廃止」と「懲戒処分」の場合です)。

対象になる学校と学校の種類

対象は、国などが要件を確認した大学、短期大学、高等専門学校(第4学年以上)、専門学校(専修学校の専門課程)です。

確認していない学校でも、民間や学校独自の奨学金は別に探せます。ただし、国の制度としての給付奨学金と授業料減免は、対象校として確認された学校だけが対象です。進学先の候補を絞る段階で、文部科学省の支援対象校一覧に載っているかを確かめてください。

大学院生は、修学支援新制度の対象の学校の種類に挙がっていません。大学院生向けの給付型は、大学や民間財団の制度を探す形になります。一覧は大学の給付型奨学金にあります。

民間・企業・大学・自治体の給付型奨学金

「給付型奨学金」という言葉は、JASSOの制度だけを指すとは限りません。民間財団、企業系の財団、大学、自治体が、それぞれ独自に給付型の奨学金を出しています。

  • 民間の財団には、年額15万円を3年間給付する学奨財団や、月額5万円(年額60万円)を給付するDaiso Foundationのように、募集人数や条件がはっきり決まっているものがあります
  • キーエンス財団のような企業系の財団も、給付型の奨学金を出してきました。募集の内容と時期は年度で変わるので、財団の公式サイトで確認してください
  • 大学が独自に出す給付型は、成績優秀者向けや特定の分野の学生向けなど、条件がさまざまです
  • 自治体では、東京都港区が区独自の給付型奨学金を出しています。国の制度に該当する人は、国の支援を受けたうえで区が給付する仕組みです

「所得制限なし」で探す人は、民間財団や大学独自の制度に当たることが多くなります。国の修学支援新制度で所得制限なしなのは、多子世帯の授業料等の減免です。多子世帯の給付月額は、第1区分の4分の1です。

JASSOは、国費によらない他団体の奨学金との併用を認めています。ただし他団体側が認めていない場合があるため、併用できるかは制度ごとに違います。学奨財団のように他の奨学金との併用を認め使途も問わないと案内している財団もあるので、募集要項の「併用」の欄を必ず確認してください。民間財団の募集は期間が短く、一覧には終了した募集も混ざります。個別の財団の一覧は、大学の給付型奨学金を見てください。

給付奨学金をもらえない・不採用になる理由

「給付型奨学金 もらえた」「もらえない」の検索では、結果が出たあとの人が多いようです。採用の結果は、予約採用なら高校を通じて、インターネットでも確認できます。もらえない理由は、公式に書かれている条件から整理すると次のとおりです。

  • 世帯の区分が第4区分より上で、多子世帯でもない
  • 第4区分だが、多子世帯でも私立の理工農系でもない
  • 本人と生計維持者の資産額が5,000万円以上(多子世帯は3億円以上)
  • 学力の基準に当たらない(評定平均3.5未満で、学ぶ意欲を示す文書や面談もない場合など)
  • 進学先が対象校として確認されていない
  • 過去に給付奨学金の支給を受けたことがある、または廃止の認定を受けたことがある
  • 本人が職業訓練受講給付金や教育訓練支援給付金など、国費による給付を受けている(その間は給付奨学金が支給されません。生計維持者が受けている場合は該当しません)
  • 申込み時期や書類の期限に間に合わなかった

JASSOは、給付奨学金の新規採用者数を学校の所在地別に公表しています。令和7年度の全国の計は47万3,700人です。ただし申込者数は載っていないため、「もらえる確率」は計算できません。確率を数字で書いているページを見かけても、出どころを確かめてから信じてください。

不採用でも、進学後に家計の状況が変わったり、学力の基準を満たしたりすれば、在学採用で再度申し込めます。春に申し込んで対象外だった人は、秋に再度申し込めます。家計が急に変わったときは、家計急変採用もあります。

よくある質問

給付型奨学金は本当に返さなくていいですか

原則として返す必要はありません。ただし、学業成績が著しく不良でやむを得ない事由がないまま「廃止」になった場合や、懲戒処分で退学・除籍・無期停学・3か月以上の停学になった場合は、支給済みの分の返還を求められます。返還が決まると、JASSOから通知と返還誓約書が届きます。病気や災害などのやむを得ない事情があれば、廃止や警告にならないことがあるので、学校の奨学金窓口に早く相談してください。

給付奨学金とは何ですか

日本学生支援機構(JASSO)が行う、返還が要らない奨学金です。「高等教育の修学支援新制度」の一つで、授業料・入学金の免除または減額とあわせて、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の学生を支援します。世帯収入の基準を満たし、学ぶ意欲があれば対象になり、成績だけでは判断されません。高校生は在学中に予約採用で申し込めます。

給付奨学金は月いくらもらえますか

大学・短大・専門学校では、多子世帯の第4区分の月7,300円から、7万5,800円まで幅があります。もっとも高いのは私立・自宅外通学・第1区分の7万5,800円です。国公立・自宅通学・第1区分は2万9,200円です。第2区分は第1区分の3分の2、第3区分は3分の1、多子世帯の第4区分は4分の1で、授業料・入学金の減免が別に付きます。

年収がいくらまでなら給付型奨学金をもらえますか

年収の一つの数字では答えられません。区分は、本人と生計維持者の住民税情報から計算した支給額算定基準額で決まります。予約採用の目安では、給与所得者の4人世帯(給与の親1人、無収入の親、中学生)で第1区分が271万円、第3区分が378万円です。在学採用では、同じ4人世帯(高校生の兄弟姉妹)の第1区分が295万円です。目安を超えても対象になる人がいます。JASSOの進学資金シミュレーターで確かめてください。

親の資産が多いともらえませんか

資産基準があります。本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円未満であることが条件で、多子世帯は3億円未満です。預貯金、有価証券、投資信託、NISAの投資額が数えられ、住宅ローンなどの負債とは相殺できません。不動産は資産の対象にならないとJASSOの在学採用のページにあります。

高校生でも給付型奨学金に申し込めますか

高校3年生の春から、在学中の高校を通じて「予約採用」で申し込めます。受給できるのは進学後です。高校に通っている間に出る給付は、別の制度の高校生等奨学給付金です。予約採用に間に合わなかった人は、進学後の春に在学採用で申し込めます。支援の内容は同じです。

給付と貸与の両方を申し込めますか

申し込めます。給付を受けると、第一種奨学金の貸与月額は調整され、多くの場合は減額、第1区分・第2区分では0円になる例もあります。調整されるのは第一種だけで、第二種の金額は自由に選べます。

給付奨学金はいつ振り込まれますか

採用後、卒業予定の時期まで毎月支給されます。予約採用の場合、支給の開始は進学後です。日付はJASSOの振込日カレンダーで確かめます。毎年10月に支援区分の見直しがあり、区分が変わると10月以降の金額が変わります。詳しい日付は奨学金はいつ振り込まれるかにあります。

給付型奨学金の対象校はどこで調べますか

文部科学省の「支援対象校一覧」で調べます。国などが要件を満たすと確認した大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校が載っています。対象校でなければ、給付奨学金も授業料の減免も受けられません。志望校が決まった段階で、早めに一覧を見てください。

私立の理系に行くと給付はもらえませんか

私立の理工農系の学科に通い、世帯が第4区分に当たり多子世帯でない場合、給付奨学生として採用されますが、給付奨学金は0円です。授業料・入学金の減免は受けられます。第1区分から第3区分の人は、理系でも通常の月額が給付されます。理工農系にあたる学科は、文部科学省のリストで確かめてください。

休学や留学をしたら給付はどうなりますか

休学すると給付奨学金は「休止」になり、手続きをしないまま振り込まれた分は返金が必要です。復学後は「復活」の手続きで再開できます。休止の期間に年数の制限はありません。海外留学支援制度(協定派遣)を受ける場合は、給付奨学金が「本人都合による停止」になる例があります。留学の前に、学校の奨学金窓口へ相談してください。

給付奨学金が止まる「警告」と「停止」の違いは何ですか

警告は、支給が続く状態です。修得単位数が標準の7割以下、GPAが下位4分の1、出席率8割以下などで出され、次回も警告だと廃止になります。停止は、2回連続の警告のうち2回目がGPAのみの理由のときの中断で、次の判定で警告や廃止に当たらなければ再開します。廃止は、資格を失います。

民間の給付型奨学金とJASSOの給付は併用できますか

JASSOは、国費によらない他団体の奨学金との併用を認めています。ただし他団体側が認めていない場合があり、財団ごとに違います。学奨財団のように併用を認めると案内している財団もあれば、条件を付けている財団もあります。応募する前に、各財団の募集要項の「併用」の記載を確認してください。

家計が急に悪くなったとき、給付奨学金に申し込めますか

在学中に、生計維持者の死亡、3か月以上の就労困難、非自発的な失職、被災などがあれば「家計急変採用」で申し込めます。通年で受け付けられ、事由が発生した日から原則3か月以内の申請が必要です。定期採用との並行申込みはできません。申込みは在学中の学校を通じて行います。

この補助金について、専門家に相談する

対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

この補助金の専門家に相談する

免責事項: 本記事の内容は2026年10月時点で確認できた情報にもとづきます。支給額・家計基準・対象校・募集時期は変更される場合があるため、申込前に必ずJASSOの公式ページ、または在学する(進学予定の)学校でご確認ください。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
白木さん|元・自治体職員
制度をつくる側にいた元・自治体職員(産業振興)

市の産業振興課で補助金の設計・審査に関わってきました。「なぜこの要件があるのか」を制度の目的から説明できるのが強みです。窓口では伝えきれなかった制度の意図まで踏み込んで書きます。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。