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特定技能に専用の補助金は無い。使えるのは既存の助成金

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「特定技能 補助金」を調べている方にまず伝えたいのは、特定技能という在留資格そのものを対象にした国の補助金・助成金は存在しないということです。特定技能外国人を雇用しているというだけでは対象にならず、既存の雇用系助成金の要件(正社員化・研修の実施等)を満たして初めて活用できます

この記事では、特定技能外国人の雇用に転用できる代表的な助成金と、自治体独自の受け入れ支援策を、使う場面別に整理します。「特定技能人材を雇うと自動的に何かもらえる」という誤解を避けつつ、実際に使える制度を確認していきましょう。

特定技能に専用の補助金・助成金が無い理由

国の雇用系助成金の多くは、「特定の在留資格の外国人を雇うこと」自体を支給要件にはしていません。 助成金は「正社員化」「処遇改善」「教育訓練の実施」「就職困難者の雇用」といった、雇用の"質"や"対象者の属性"に着目して設計されているためです。特定技能はあくまで在留資格の一種であり、その資格を持つ人を雇ったこと自体は、多くの助成金の直接の支給要件にはなりません。

そのため、特定技能外国人を雇用する企業が助成金を活用するには、「特定技能人材に対して、他の助成金が求める取り組み(正社員化・研修等)を実施する」という形になります。

場面別に見る、特定技能で使える制度

特定技能外国人の雇用に関連して使える可能性がある制度を、場面別に整理します。

使う場面制度名特定技能人材が対象になるか
有期雇用から正社員に転換したいキャリアアップ助成金(正社員化コース)対象になり得る(雇用形態の転換が要件)
日本語教育・技能研修をしたい人材開発支援助成金対象になり得る(訓練の実施が要件)
高齢者・障害者等を雇用したい特定求職者雇用開発助成金原則対象外(対象者の類型に特定技能は含まれない)
職場環境を整備したい人材確保等支援助成金コースにより対象になり得る
受け入れ体制の整備費用を補いたい自治体独自の外国人材受け入れ支援補助金自治体により対象・内容が異なる
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正社員として雇用したいとき: キャリアアップ助成金

特定技能人材を、有期雇用から無期雇用・正社員へ転換する場合、キャリアアップ助成金の正社員化コースの対象になり得ます。このコースは、対象労働者の国籍や在留資格を理由に対象外にする規定はなく、雇用形態の転換という実態に着目した制度です。

支給額は、重点支援対象者(雇用期間が3年以上の有期雇用労働者等)を正社員化した場合、中小企業で1人あたり80万円、それ以外の場合は40万円が目安です(令和8年度)。詳しい支給要件・全コースの内容はキャリアアップ助成金の記事で解説しています。

注意点として、特定技能1号は在留期間の上限(通算5年)が定められています。 正社員化コースの支給要件には、転換後一定期間の雇用継続が求められる場合があるため、在留期間の制約とあわせて確認しておく必要があります。特定技能2号への移行を視野に入れているかどうかも、正社員化を検討する際の判断材料になります。

日本語教育・技能研修をしたいとき: 人材開発支援助成金

特定技能人材の日本語能力向上や、業務に必要な技能習得のための研修を実施する場合、人材開発支援助成金の対象になり得ます。この助成金は、事業主が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。

特定技能の受け入れ企業には、1号特定技能外国人支援計画の実施が義務付けられており、その中には日本語学習の機会提供が含まれます。この支援計画にもとづく研修を、人材開発支援助成金の対象となる訓練として設計できれば、義務的な支援と助成金の活用を両立できる可能性があります。

高齢者・障害者向けの助成金は対象外になる点に注意

「外国人雇用で使える助成金」として紹介されることがある特定求職者雇用開発助成金は、注意が必要です。この助成金は、高年齢者(60歳以上)・障害者・母子家庭の母等、就職が特に困難とされる方を対象にした制度で、特定技能という在留資格を持っているというだけでは対象になりません。

外国人であっても、対象者の類型(高年齢者や障害者等)に該当し、かつハローワーク等の紹介で雇用した場合は対象になり得ますが、「特定技能人材だから」という理由だけでは支給要件を満たさない点を正確に理解しておく必要があります。

登録支援機関への委託費用は補助されるか

特定技能1号の受け入れ企業は、1号特定技能外国人支援計画を自社で実施するか、登録支援機関に委託して実施することができます。出入国在留管理庁の調査によると、特定技能外国人1人あたりの支援委託料の月額平均は約2万8,386円で、月額3万円以下が約9割を占めています。

この登録支援機関への委託費用そのものを補助する国の制度は、現時点では確認できていません。 一部の自治体が、外国人材の受け入れにかかる初期費用(住宅確保支援、生活オリエンテーション費用等)を補助する制度を設けている例はありますが、登録支援機関の委託料を直接補助する制度は一般的ではないため、自社で負担するコストとして見込んでおく必要があります。

自治体独自の外国人材受け入れ支援策

国の制度とは別に、都道府県・市区町村が独自に、外国人材の受け入れを支援する補助金を設けている場合があります。 代表的な例は次のとおりです。

  • 外国人材の住宅費用(家賃補助、初期費用の一部補助)
  • 生活オリエンテーション・日本語学習の費用補助
  • 外国人材受け入れのための社内体制整備(多言語対応マニュアルの作成等)にかかる費用補助
  • 特定技能人材の採用活動(合同企業説明会への参加費、人材紹介手数料等)の一部補助

こうした自治体独自の補助金は、実施している自治体とそうでない自治体の差が大きく、内容も年度によって変わります。 外国人材の受け入れを検討している事業所が多い自治体(製造業・農業・介護等が集積する地域)ほど、独自の支援策を設けている傾向があります。自社の所在地の商工担当部署や国際交流協会に確認することをおすすめします。近隣の自治体と比較すると、思わぬ支援策が見つかることもあります。

職場環境を整備したいとき: 人材確保等支援助成金

特定技能人材を含む従業員全体の定着率向上や、職場環境の改善に取り組む場合、人材確保等支援助成金のコースが対象になり得ます。この助成金は目的別に複数のコースがあり、賃金制度の整備、職場定着支援、外国人労働者向けの雇用管理改善など、取り組みの内容によって使えるコースが変わります。

特定技能人材を含む外国人労働者を雇用する事業所では、多言語対応の就業規則・マニュアルの整備、相談窓口の設置といった雇用管理改善の取り組みが、コースによっては対象になる場合があります。ただし、コースの新設・廃止が年度によって行われることがあるため、最新の実施コースを厚生労働省の公式ページで確認する必要があります。

外国人労働者の雇用管理は法律上の努力義務でもある

特定技能に限らず、外国人労働者を雇用する事業主には、「外国人雇用管理指針」にもとづき、適正な労働条件の確保、安全衛生の確保、生活支援等に努めることが求められています。また、外国人を雇い入れた際・離職した際には、氏名・在留資格等をハローワークに届け出る義務(外国人雇用状況の届出)があります。

助成金を活用する・しないにかかわらず、これらの法的な義務・努力義務は履行する必要があります。 助成金の要件を確認する際は、こうした基本的な雇用管理のルールを満たしていることが前提になっている点も押さえておく必要があります。

特定技能人材の賃金水準と助成金の関係

特定技能で外国人を雇用する場合、同種の業務に従事する日本人労働者と同等以上の報酬を支払うことが、在留資格上の要件になっています。これは助成金の要件ではなく、特定技能の制度そのものに組み込まれたルールです。

助成金の中には、賃金の引き上げや処遇改善を支給要件にしているものもあります(キャリアアップ助成金の賃金規定等改定コース等)。特定技能人材の賃金を日本人と同等以上に設定する義務を果たしつつ、さらに賃金水準を引き上げる取り組みを行えば、こうした助成金の対象にもなり得ます。 詳しい支給要件は各コースの個別記事で確認してください。

業種別に見る、特定技能人材の活用と助成金の組み合わせ

特定技能の受け入れが多い業種を例に、助成金の組み合わせ方を見てみます。

製造業(金属加工・従業員30人)の場合

特定技能で受け入れた人材に、機械操作や品質管理の技能研修を実施する場合、人材開発支援助成金の対象になり得ます。あわせて、一定期間の勤務実績を経て正社員に転換する場合は、キャリアアップ助成金の正社員化コースも検討できます。研修と正社員化を段階的に組み合わせることで、受け入れから定着までの各段階で助成金を活用できる可能性があります。

介護施設(従業員50人)の場合

介護分野は特定技能の受け入れが多い分野の1つです。日本語能力の向上や、介護技術の研修に人材開発支援助成金を活用しつつ、離職防止の取り組み(両立支援等助成金や人材確保等支援助成金のコース)もあわせて検討することで、外国人材・日本人職員双方の定着につなげる企業もあります。

農業(従業員10人未満の個人事業主)の場合

小規模な農業経営体でも、雇用保険の適用事業所であれば、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金の対象になり得ます。ただし、季節労働や短期雇用が多い農業の特性上、雇用形態や雇用期間の要件を満たすかどうかを、個別に確認する必要があります。

特定技能ビザの取得費用そのものへの補助は無い

在留資格の申請にかかる費用(各種証明書の取得費用、行政書士等への依頼費用等)そのものを補助する国の制度も、現時点では一般的ではありません。 特定技能の在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請にかかる費用は、原則として受け入れ企業または本人が負担することになります。

「特定技能 補助金」というKWで検索する方の中には、ビザ取得費用の補助を期待している方もいるかもしれませんが、そうした直接的な補助は確認できていません。 活用できるのは、あくまで雇用後の「正社員化」「研修」「職場環境整備」といった取り組みに対する既存の助成金です。ビザ取得にかかる費用は、経営上の必要経費として、あらかじめ採用計画の中に組み込んでおくことが現実的な対応になります。

特定技能2号への移行と助成金の関係

特定技能2号は、1号と異なり在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同も可能になる区分です。2号への移行そのものを対象にした助成金は確認できていませんが、2号移行を見据えて長期雇用を前提とした正社員化を行う場合は、キャリアアップ助成金の対象になり得ます。

長期的な人材育成計画を立てる企業にとっては、「1号の間は研修中心で人材開発支援助成金を活用し、2号移行のタイミングで正社員化してキャリアアップ助成金を活用する」という段階的な組み立て方も考えられます。

特定技能人材を受け入れる分野ごとの傾向

特定技能は、介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業など、人手不足が深刻な特定の分野に限定されています。分野によって、活用しやすい助成金の傾向にも違いがあります。

  • 介護分野: 人材開発支援助成金による介護技術研修、両立支援等助成金・人材確保等支援助成金による離職防止の取り組みが組み合わせやすい傾向があります
  • 製造業(工業製品製造業等): 技能検定に関連した研修が人材開発支援助成金の対象になりやすく、業務改善助成金(最低賃金の引き上げと設備投資)とあわせて検討する企業もあります
  • 外食業・宿泊業: 人手不足が特に深刻な分野で、特定技能人材の正社員化(キャリアアップ助成金)や、職場定着のための処遇改善に取り組む企業が見られます
  • 農業・漁業: 季節労働の性質が強く、雇用形態や雇用期間の要件を満たすかどうかを個別に確認する必要があります

分野ごとの特性を踏まえて、自社の状況に合う助成金を選ぶことが、活用の第一歩になります。

特定技能人材の転職と助成金の要件

特定技能1号の人材は、同一の業務区分内であれば、転職(受け入れ企業の変更)が認められています。 これは技能実習制度との大きな違いの1つです。

助成金の観点では、転職によって新しく特定技能人材を受け入れた企業も、既存の助成金の要件(正社員化、研修の実施等)を満たせば対象になり得ます。一方で、転職前の企業で申請していた助成金の継続性がどうなるかは、コースごとの支給要件によって異なります。 例えば正社員化コースのように一定期間の雇用継続を前提とする制度では、転職によって支給対象から外れる可能性があるため、雇用契約の見直しのタイミングで確認しておく必要があります。

特定技能人材の家族滞在と助成金は関係するか

特定技能1号は原則として家族の帯同が認められていませんが、特定技能2号に移行すると、要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能になります。家族の生活支援(住宅確保、子どもの就学支援等)にかかる費用そのものを直接補助する国の助成金は、現時点では一般的ではありませんが、自治体によっては外国人材の生活支援策の一環として、こうした費用の一部を補助している例もあります。

家族帯同を伴う長期雇用を前提にする場合は、助成金の活用だけでなく、生活基盤の整備にかかるコストも含めて全体像を検討しておく必要があります。人材の定着を長期的に考えるほど、助成金だけに頼らない受け入れ体制の整備が重要になってきます。

よくある質問

特定技能人材を1人雇うだけで受け取れる補助金はありますか?

特定技能人材を雇用しているという事実だけで自動的に受け取れる国の補助金・助成金は、現時点では確認できていません。正社員化や研修の実施など、他の助成金が求める具体的な取り組みを行って初めて対象になります。

特定技能の登録支援機関への委託費用は助成金で賄えますか?

登録支援機関への委託費用そのものを直接補助する国の制度は一般的ではありません。一部の自治体が受け入れ企業向けの支援策を設けている場合があるため、自社の所在地の自治体に確認することをおすすめします。

特定技能1号と2号で使える助成金は変わりますか?

助成金の多くは在留資格の号数そのものを要件にしていませんが、在留期間の見込みや雇用の継続性が支給要件に関わる場合があります。特に正社員化コースのように一定期間の雇用継続を求める制度では、在留期間の制約とあわせて確認する必要があります。

外国人技能実習制度からの移行者にも同じ助成金が使えますか?

技能実習からの移行者を含め、雇用形態や実施する取り組みの内容が支給要件に合致すれば、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金の対象になり得ます。ただし移行のタイミングや雇用契約の切り替え方によって、要件の満たし方が変わる場合があるため、個別に確認することをおすすめします。

特定技能人材の日本語学校の授業料は助成金で補助されますか?

受け入れ企業が実施する職業訓練の一環として日本語教育を行い、人材開発支援助成金の要件(訓練計画の作成、訓練時間の記録等)を満たせば、訓練経費の一部が助成の対象になり得ます。一方で、人材本人が個人で通う日本語学校の授業料を、企業側の助成金で直接補填する仕組みとは異なるため、対象になる訓練の範囲を事前に確認する必要があります。

特定技能人材を雇う前に相談できる窓口はありますか?

助成金の要件や雇用管理に関する一般的な相談は、最寄りのハローワークや労働局で受け付けています。在留資格や登録支援機関に関する相談は出入国在留管理庁の窓口が担当です。窓口が制度ごとに分かれているため、最初にどちらへ相談すべきかを整理しておくと、その後の手続き全体が、とてもスムーズに進みやすくなります。制度が複雑に絡み合うため、社会保険労務士など各分野の専門家に無料相談することも検討するとよいでしょう。自社だけで抱え込まず、早い段階から複数の窓口を積極的に活用することをおすすめします。

助成金と特定技能の在留資格審査は連動していますか?

いいえ、連動していません。助成金の支給決定は厚生労働省・労働局の管轄、在留資格の審査は出入国在留管理庁の管轄で、それぞれ別の制度・別の審査プロセスです。助成金を受給していることが在留資格の審査に有利に働くことはなく、逆に助成金を受給していなくても在留資格の審査には影響しません。両者を混同しないよう注意してください。

複数の特定技能人材を雇う場合、助成金の申請回数も人数分になりますか?

コースによって異なります。キャリアアップ助成金の正社員化コースのように、対象労働者1人ごとに支給額が積み上がる制度もあれば、職場環境整備のように事業所単位で申請する制度もあります。複数人を同時に雇用する予定がある場合は、コースごとの申請単位(人数単位か事業所単位か)を事前に確認しておくと、申請計画が立てやすくなります。年間で受け入れる人数が多い企業ほど、早い段階で全体のスケジュールを整理しておくことをおすすめします。

免責事項: 本記事の内容は2026年9月時点で確認できた情報にもとづきます。各助成金の支給要件・支給額・対象範囲は年度により変更されるため、申請前に必ず厚生労働省・出入国在留管理庁・お近くの労働局の公式ページで最新の内容をご確認ください。自治体独自の受け入れ支援策は特に内容の変動が大きいため、毎年度はじめに最新情報を確認することをおすすめします。

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対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

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出典(一次情報)

この記事を書いた人
まっさん。|元経営者
補助金で会社を立て直した元経営者

補助金で会社を立て直した元経営者。資金繰りに悩んだ末に補助金を活用して事業を再建した経験から、中小企業・個人事業主が“本当に使える補助金”とその活かし方を発信しています。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。