補助金kw

予防接種の費用助成は定期接種と任意接種で仕組みが違う

#地域補助金#地域
締切
公式ページで要確認

予防接種の費用は、「定期接種」か「任意接種」かで、自己負担の仕組みがまったく異なります。 定期接種は予防接種法にもとづき、多くが公費で賄われるため自己負担は原則ありません。一方、任意接種は原則自己負担で、自治体によっては独自の費用助成を行っています

この記事では、定期接種と任意接種の違いを整理したうえで、任意接種で使える自治体独自の費用助成の探し方を解説します。「どのワクチンが無料で、どのワクチンにお金がかかるのか」を正確に理解することが、費用助成を活用する第一歩です。

定期接種と任意接種の違い

予防接種法にもとづく予防接種は、A類疾病・B類疾病の「定期接種」と、法律にもとづかない「任意接種」の2つに分かれます。

区分対象疾病の例費用負担の考え方
定期接種(A類疾病)ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・麻しん・風しん・水痘・日本脳炎・ヒトパピローマウイルス感染症・ロタウイルス等接種の努力義務があり、原則として市町村が費用を全額負担(自己負担なし)
定期接種(B類疾病)高齢者のインフルエンザ・高齢者の肺炎球菌感染症等個人予防に重点があり、努力義務はない。費用の一部を市町村が負担し、個人負担が生じることが多い
任意接種おたふくかぜ、小児のインフルエンザ、大人の風しん(定期対象外の年代)等法律にもとづかないため、原則として全額自己負担。自治体独自の助成がある場合がある
横にスクロールできます

A類は「集団予防」に重点を置いた疾病で、接種の努力義務があります。 そのため、費用は市町村が全額負担する仕組みが基本です。B類は「個人予防」に重点があり、接種の勧奨・努力義務はありません。 そのため、一部自己負担が生じる設計になっています。

なぜ定期接種は原則無料なのか

定期接種(特にA類疾病)が原則無料になっている理由は、予防接種法にもとづき、市町村が実施主体として費用を負担する仕組みになっているためです。感染症のまん延を防ぐという公衆衛生上の目的から、個人の自己負担を求めず、社会全体で費用を負担する設計になっています。

ただし「定期接種=すべて無料」ではありません。 B類疾病(高齢者インフルエンザ等)は、個人予防の性格が強いため、一部自己負担が設定されている自治体がほとんどです。自己負担額は自治体によって異なり、無料の自治体もあれば、数千円程度の自己負担を求める自治体もあります。

また、定期接種であっても、対象年齢・接種期間を外れて接種すると、任意接種扱いになり全額自己負担になります。 例えば、麻しん・風しんの定期接種は対象年齢が決まっており、その年齢を過ぎてから接種する場合は任意接種としての費用がかかります。母子健康手帳等で、自分の子どもがいつまでに接種すべきかを確認しておくことが重要です。

任意接種は自治体独自の助成が鍵になる

任意接種は、法律にもとづかない接種のため、原則として費用は全額自己負担です。しかし、多くの自治体が、特定の任意接種について独自の費用助成を行っています。

自治体によって助成の対象・金額は大きく異なりますが、助成の対象になりやすい代表的なワクチンは次のとおりです(すべての自治体で実施されているわけではありません)。

  • おたふくかぜワクチン: 子どもの任意接種として、助成を行う自治体が比較的多い傾向があります
  • 小児のインフルエンザワクチン: 毎年接種が必要なため、費用負担の大きさから助成を行う自治体があります
  • 帯状疱疹ワクチン: 50歳以上を対象に、近年助成を始める自治体が増えている分野です
  • 男性のHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン: 女性の定期接種とは別に、任意接種として一部の自治体が助成を行っています

あるNPOの全国調査(調査時点・自治体数は年によって変動)によると、おたふくかぜワクチンやインフルエンザワクチンの助成を行う市区町村は、全国で500程度にのぼるとされています。 ただし、これは調査時点の目安であり、実施の有無・金額は自治体によって大きく異なるため、この記事の数字を根拠に「自分の自治体でも助成があるはず」と決めつけないでください。

自分の住む自治体の助成を調べる手順

任意接種の助成があるかどうかは、自治体ごとに個別に確認する必要があります。 次の手順で調べるのが確実です。

  1. 母子健康手帳・予防接種の案内を確認する: 子ども向けの助成は、母子健康手帳を交付される際に一緒に案内が渡されることが多くあります
  2. 自治体の公式サイトで「予防接種」のページを探す: 「(自治体名) 予防接種 助成」で検索すると、対象ワクチン・助成額・申請方法が掲載されたページが見つかることが多くあります
  3. 保健センター・保健所に電話で確認する: 公式サイトの情報が古い場合や分かりにくい場合は、直接電話で確認するのが確実です
  4. かかりつけの医療機関に確認する: 医療機関側が、自治体の助成制度を把握していることも多く、接種時に案内してもらえる場合があります

特に帯状疱疹ワクチンのように近年助成が広がっている分野は、前年度に無かった助成が今年度から始まっていることもあります。 過去に調べた情報のまま止まっている場合は、最新の情報を確認し直すことをおすすめします。

助成の形式にも種類がある

自治体独自の助成は、「現物給付(窓口での自己負担が最初から減額される)」と「償還払い(一旦全額を支払い、後日申請して助成分が振り込まれる)」の2つの形式があります。

  • 現物給付方式: 委託医療機関で接種すれば、窓口での支払い時点ですでに助成額が差し引かれている方式です。事前の申請手続きが不要な場合が多く、利用しやすい方式です
  • 償還払い方式: 一旦、接種費用の全額を医療機関に支払い、その後、領収書等を添えて自治体に申請することで、助成額が振り込まれる方式です。申請には期限が設けられていることが多く、領収書を捨てずに保管しておくことが重要です

自治体によってどちらの方式かが異なるため、償還払い方式なのに現物給付だと思い込んで領収書を捨ててしまうと、助成を受けられなくなります。接種前に、自治体の案内で方式を確認しておくことをおすすめします。

予防接種の費用助成と医療費控除の違い

「予防接種の費用も医療費控除の対象になるのでは」と考える方もいますが、原則として予防接種の費用は医療費控除の対象になりません。 医療費控除は「治療」を目的とした医療費が対象で、予防接種のような「予防」を目的とした費用は、原則として対象外とされています。

  • 定期接種・任意接種を問わず、健康な人が病気の予防のために受ける予防接種の費用は、医療費控除の対象外です
  • 医師の指示にもとづき、治療の一環として特別な位置づけがある場合など、例外的な扱いになるケースもゼロではありませんが、一般的な予防接種はこれに該当しません

「予防接種の費用は自治体の助成でカバーする」「治療にかかった医療費は医療費控除でカバーする」と、2つの制度を別物として理解しておくことが必要です。医療費控除の詳しい仕組みは医療費控除の記事で解説しています。

職域接種・企業がインフルエンザ予防接種の費用を負担する場合

会社によっては、従業員のインフルエンザ予防接種の費用を会社が負担する「職域接種」を実施している場合があります。これは自治体の助成制度とは別の、企業の福利厚生としての取り組みです。

  • 会社が費用を全額負担する場合、従業員の自己負担はゼロになります
  • 会社の負担額を超える部分(追加のオプション接種等)は、従業員の自己負担になることがあります
  • 自治体の助成と企業の負担を、同じ接種で重複して受けられるかどうかは、自治体・企業の制度によって異なります

勤務先に予防接種の補助制度があるかどうかは、人事部門や健康保険組合に確認するとよいでしょう。 自治体の助成と比較して、どちらを使うのが有利かを検討する材料になります。

ライフステージ別に見る、予防接種の費用の考え方

年代によって、押さえておくべき予防接種の費用の考え方は変わります。3つのライフステージを例に整理します。

乳幼児期(0〜2歳頃)

この時期は定期接種(A類疾病)の対象が集中しており、B型肝炎、ヒブ感染症、小児の肺炎球菌感染症、四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)、BCG、麻しん風しん混合(MR)、水痘等、多くのワクチンが原則無料で接種できます。接種のスケジュールが複雑なため、母子健康手帳の予防接種スケジュール表を確認しながら、決められた期間内に接種を終えることが重要です。期間を過ぎると任意接種扱いになり、自己負担が発生します。

就学前後〜学童期(3〜15歳頃)

定期接種に加えて、任意接種であるおたふくかぜワクチンの検討時期にあたります。集団生活が始まると感染症にかかるリスクが高まるため、自治体の助成があるかどうかを確認したうえで、接種を検討する家庭が多い時期です。中学生になると、女性はHPVワクチンの定期接種の対象年齢にあたります。

中高年〜高齢期(50歳以降)

高齢者インフルエンザ、高齢者の肺炎球菌感染症(いずれもB類疾病)に加え、近年注目されている帯状疱疹ワクチンの検討時期です。帯状疱疹ワクチンは定期接種化の議論が進んでいる分野で、自治体独自の助成が急速に広がっています。「数年前に調べたときは助成が無かった」というワクチンでも、最新の情報では助成が始まっている可能性があるため、定期的に自治体の案内を確認し直すことをおすすめします。

予防接種による健康被害が起きた場合の救済制度

万が一、予防接種が原因で健康被害(重篤な副反応等)が生じた場合には、予防接種健康被害救済制度による補償を受けられる仕組みがあります。

  • 定期接種による健康被害: 予防接種法にもとづく救済制度があり、市町村を通じて申請します
  • 任意接種による健康被害: 医薬品副作用被害救済制度(独立行政法人医薬品医療機器総合機構=PMDAが運営)による救済の対象になる場合があります

この救済制度は、費用助成とは別の仕組みです。 予防接種の費用がどちらの区分か(定期か任意か)によって、万一の際の救済制度の窓口も異なる点を、あらかじめ押さえておくと、いざという時に迷わずに済みます。

複数のワクチンを同時に接種する場合の費用

子どものワクチンは種類が多く、同時に複数のワクチンを接種する「同時接種」が行われることが一般的です。同時接種の場合、定期接種のワクチンはそれぞれ無料(または一部自己負担)、任意接種のワクチンはそれぞれ自己負担という形で、接種した本数分の費用が積み上がります。

任意接種を複数同時に受ける予定がある場合、自治体の助成が接種本数に応じて設定されているか(1回あたりの助成か、年度内の上限回数があるか)を確認しておくと、想定外の自己負担を防ぎやすくなります。

職場・学校の健康診断と予防接種は別の制度

予防接種の費用助成を調べる過程で、職場の健康診断や学校の健康診断と混同してしまう方もいますが、これらは別の制度です。

  • 職場の定期健康診断は、労働安全衛生法にもとづき事業主に実施義務があり、費用は原則として事業主負担です
  • 学校の健康診断は、学校保健安全法にもとづき実施され、費用は設置者(自治体や学校法人)が負担することが一般的です
  • 予防接種は、これらの健康診断とは別に、個別に医療機関で受けるものです

「健康診断でワクチンの接種状況も確認してもらえるはず」と考えて予防接種を後回しにすると、定期接種の対象期間を過ぎてしまうことがあります。 健康診断と予防接種は別々のスケジュールとして、それぞれ独立して管理する必要があります。

予防接種の費用助成を受ける際の一般的な流れ

自治体の助成を利用する場合の、一般的な流れを整理します。自治体によって細かい手順は異なりますが、大まかな流れは共通しています。

  1. 対象になる予防接種か確認する: 自治体の公式サイトや保健センターで、助成対象のワクチン・年齢・接種期間を確認します
  2. 委託医療機関を確認する: 自治体が助成の対象としている医療機関(委託医療機関)は限られていることが多く、対象外の医療機関で接種すると助成を受けられない場合があります
  3. 必要な書類を準備する: 現物給付方式の場合は特に書類が不要なこともありますが、償還払い方式の場合は申請書・領収書・母子健康手帳の写し等が必要になることが一般的です
  4. 接種を受ける: 予約時に助成の利用を伝え、委託医療機関で接種を受けます
  5. (償還払いの場合)申請手続きを行う: 期限内に、必要書類をそろえて自治体の窓口に申請します

特に3.の「委託医療機関」の確認を怠ると、せっかく助成制度があっても対象外の医療機関で接種してしまい、助成を受けられなくなることがあります。 かかりつけ医が委託医療機関に含まれているかどうかを、予約前に必ず確認しておくことをおすすめします。

予防接種の費用相場を知っておく(助成の有無に関わらず)

助成の有無を判断する前提として、任意接種の費用相場を大まかに把握しておくと、助成額がどの程度お得なのかを実感しやすくなります。医療機関によって価格は異なりますが、一般的な傾向として、次のような費用感で語られることが多いワクチンです。

  • おたふくかぜワクチン: 1回あたり数千円〜1万円程度が一般的な相場とされています
  • 小児のインフルエンザワクチン: 1回あたり数千円程度で、年齢によっては2回接種が必要です
  • 帯状疱疹ワクチン: ワクチンの種類(生ワクチンか不活化ワクチンか)によって価格が大きく異なり、不活化ワクチンは2回接種で数万円規模になることがあります

費用は医療機関ごとに設定が異なるため、正確な金額は接種を受ける医療機関に直接確認してください。 ここで示したのはあくまで一般的な費用感の目安であり、断定的な金額ではありません。助成額と自己負担後の実質費用を比較したうえで、接種を検討する材料として活用してください。

よくある質問

子どものインフルエンザ予防接種はなぜ無料にならないのですか?

インフルエンザワクチンは、高齢者を対象にした定期接種(B類疾病)はありますが、子ども向けのインフルエンザ予防接種は法律上の定期接種に含まれていません。そのため、原則として自己負担が必要で、費用は自治体独自の助成があるかどうかで変わります。

引っ越しをした場合、前に住んでいた自治体の助成券は使えますか?

使えません。予防接種の助成は、住民票のある自治体の制度であることが一般的です。引っ越し後は、新しい住所地の自治体の制度を改めて確認する必要があります。

里帰り出産等で、住民票のある自治体以外で接種する場合はどうなりますか?

自治体によっては、里帰り出産や長期出張等の事情がある場合、住民票のある自治体以外での接種でも、事前申請により助成の対象になる制度を設けていることがあります。対応の有無は自治体ごとに異なるため、事前に住民票のある自治体に相談することをおすすめします。

定期接種の対象年齢を過ぎてしまった場合、助成は受けられませんか?

定期接種の対象年齢を過ぎると、その接種は任意接種として扱われ、原則自己負担になります。ただし、一部の自治体では、キャッチアップ接種(過去に定期接種の機会を逃した方向けの特例的な公費負担)を実施している場合があります。対象になるかどうかは、自治体の公式ページで確認してください。

生活保護世帯や住民税非課税世帯は、任意接種の費用も免除されますか?

自治体によっては、生活保護世帯や住民税非課税世帯を対象に、任意接種の自己負担分をさらに減免する制度を設けている場合があります。すべての自治体で実施されているわけではないため、該当する世帯は、自治体の福祉担当窓口や保健センターに個別に確認することをおすすめします。

予防接種の助成に所得制限はありますか?

多くの自治体では、任意接種の助成に所得制限を設けていませんが、一部の自治体では高所得世帯を助成の対象外にしている場合や、逆に低所得世帯への上乗せ助成を行っている場合があります。所得制限の有無は自治体ごとに異なるため、案内をよく確認してください。

妊娠中でも予防接種の助成は受けられますか?

風しんの抗体検査・予防接種については、妊娠を希望する女性やそのパートナーを対象にした自治体独自の助成制度が広く実施されています。ただし、生ワクチンは妊娠中の接種が禁忌とされているものもあるため、接種のタイミングは必ず医師に相談してください。助成制度の対象や条件は自治体によって異なります。

委託医療機関以外で接種した場合、後から助成は受けられませんか?

自治体によって扱いが異なります。委託医療機関以外で接種した場合でも、償還払いの形で一部助成を受けられる自治体がある一方、委託医療機関でなければ助成の対象外としている自治体もあります。事前に自治体の窓口に確認し、可能であれば委託医療機関で接種することをおすすめします。

会社の福利厚生と自治体の助成、両方使えますか?

制度によります。同じ接種に対して、自治体の助成と会社の福利厚生の両方を重複して受けられるかどうかは、それぞれの制度の規定次第です。二重に助成を受けられない場合もあるため、事前にどちらの制度を利用するかを決め、重複していないか確認しておくことをおすすめします。

予防接種の助成券に有効期限はありますか?

多くの自治体で、助成券や助成制度そのものに有効期限(対象年齢の期限、年度内の期限等)が設けられています。有効期限を過ぎると助成を受けられなくなるため、案内をよく確認し、余裕を持って期限内に接種を済ませることが大切です。

助成の対象になるワクチンの種類を選べますか?

ワクチンの種類(メーカー、生ワクチンか不活化ワクチンか等)によって、助成の対象が限定されている場合があります。例えば帯状疱疹ワクチンは、生ワクチンと不活化ワクチンで価格・効果・接種回数が異なり、自治体によってはどちらか一方のみを助成対象にしていることがあります。事前に自治体の案内で、対象になるワクチンの種類を確認しておくことをおすすめします。

免責事項: 本記事の内容は2026年9月時点で確認できた情報にもとづきます。定期接種の対象疾病・任意接種の助成内容や金額は、法改正や自治体の予算により変更される場合があるため、必ずお住まいの自治体・厚生労働省の公式ページで最新の内容をご確認ください。特に任意接種の助成は自治体ごとの差が非常に大きいため、他の自治体の情報をそのまま自分の自治体に当てはめないよう注意してください。

この補助金について、専門家に相談する

対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

この補助金の専門家に相談する

出典(一次情報)

この記事を書いた人
まっさん。|元経営者
補助金で会社を立て直した元経営者

補助金で会社を立て直した元経営者。資金繰りに悩んだ末に補助金を活用して事業を再建した経験から、中小企業・個人事業主が“本当に使える補助金”とその活かし方を発信しています。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。