「中小企業イノベーション創出推進事業費補助金」という名前だけを見ると、幅広い中小企業が対象に見えます。しかし実際は厚生労働省が指定した研究開発課題に取り組むスタートアップ限定の制度です。令和4年度補正予算分は2023年9月15日で公募が終了しています。
この補助金はSBIR(中小企業技術革新制度)フェーズ3基金事業の一部として実施されています。フェーズ3とは、実用化の一歩手前、社会実装に向けた大規模な技術実証の段階を指します。
厚生労働省 中小企業イノベーション創出推進事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(厚生労働省が提示する研究開発課題に取り組む代表スタートアップ) |
| 制度名 | 中小企業イノベーション創出推進事業費補助金(厚生労働省) |
| 対象業種 | 研究開発・実証 |
| 利用目的 | 研究開発・実証(先端技術の社会実装に向けた大規模技術実証) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業基本法上の中小企業者に該当することが前提) |
| 補助上限額 | 30億円(基金全体の予算枠) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(基金設置法人へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 2023年9月15日で終了 |
| 公式サイト | 厚生労働省「中小企業イノベーション創出推進事業」 |

なぜ「厚労省の課題」を解く企業しか対象にならないのか
一般的な補助金は、事業者が自由にテーマを決めて申請します。しかしこの補助金は違います。厚生労働省があらかじめ研究開発課題(テーマ)を提示し、それを解決できる革新的な新技術を持つスタートアップだけが対象になる仕組みです。
なぜこの形なのか。 SBIRフェーズ3は、国の政策課題(この場合は厚労行政の課題)を解決する技術を、実用化の最終段階まで押し上げることを目的にした基金事業だからです。誰でも自由な設備投資に使えるお金ではなく、国が「これを解決してほしい」と提示した課題に応募する形の制度だと理解しておくと、申請すべきかどうかの判断がつきやすくなります。
中小企業基本法上の「中小企業者」とは
対象になるのは中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者です。業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。
スタートアップの多くはこの基準を満たしますが、大企業の出資比率が高い場合は「みなし大企業」として対象外になることがあります。
今から目指すなら
SBIR制度そのものは中小企業庁が横断的に運営しており、フェーズ1・2・3と段階を踏んで進みます。厚労省のテーマに限らず、まずはSBIR制度の全体像(中小企業庁の特設サイト)を確認し、自社の技術がどの省庁のどのテーマに合致するかを探すのが現実的な進め方です。
よくある質問
今から申請できますか?
令和4年度補正予算分(2023年9月15日締切)はすでに終了しています。 SBIRフェーズ3基金事業は各省庁がテーマを設定して継続的に実施しているため、最新のテーマ公募を中小企業庁のSBIR特設サイトでご確認ください。
中小企業なら誰でも対象になりますか?
なりません。厚生労働省が提示する特定の研究開発課題を解決できる技術を持つスタートアップに限られます。テーマに合致しない中小企業は対象外です。
補助率はどのくらいですか?
公式ページには具体的な補助率の記載が確認できませんでした。基金設置法人(一般社団法人低炭素投資促進機構)に個別にお問い合わせください。
