東京都のZEV車両購入補助金は、令和8年7月1日以降に初度登録すればEV最大130万円、PHEV最大115万円、FCV最大225万円が上限です。 申請は令和8年4月30日〜令和9年3月31日で、東京都内に住所または事務所・事業所があれば事業者・個人のどちらも対象です。
東京都でEVを買うとき、補助金の額は「国からいくら、都からいくら」の足し算になります。国の分は車種で決まりますが、都の分は購入者側の条件で大きく動くので、同じ車でも受け取る額が人によって変わります。
そして令和8年度には、もう1つ大きな分岐が入りました。初度登録が令和8年7月1日以降かどうかで、都の補助上限がEVで最大100万円から最大130万円に変わります。 6月30日と7月1日で30万円の差です。
この記事では、都の補助額がどう決まるのかを分解して、自分の場合いくらになるのかを計算できる形にします。国のCEV補助金がいつまで使えるのかはEV補助金はいつまで使えるかにまとめました。
7月1日で何が変わったのか
東京都は令和8年6月24日に、EV・PHEVの補助上限額の一部引上げを公表しました。適用されるのは令和8年7月1日以降に初度登録または初度検査された自動車です。
| 区分 | 令和8年4月1日〜6月30日登録 | 令和8年7月1日以降登録 |
|---|---|---|
| EVの上限 | 最大100万円 | 最大130万円 |
| PHEVの上限 | 最大85万円 | 最大115万円 |
| ベース額(事業用貨物) | EV・PHEV 100,000円 | EV・PHEV 200,000円 |
| メーカー別上乗せ | 最大400,000円 | 最大600,000円 |
引き上げの中身は、ベース額を10万円、自動車メーカーのGX実現に向けた取組の評価による補助額を最大20万円、それぞれ上げたものです。合わせて30万円の増額になります。
申請の受付開始は、郵送申請が令和8年7月1日(水)、オンライン申請は令和8年7月上旬(予定)と公表されました。
納車が7月をまたぐ場合、初度登録の日付だけで30万円が変わります。 6月末の納車を急ぐより、7月に入ってからの登録にしたほうが有利になるケースがあるということです。契約前に、販売店に「登録は何月何日になるか」を確認してください。
補助額はどう決まるのか(4つの積み上げ)
東京都の補助額は、次の要素を積み上げて決まります。
① メーカー別の基本額(ベース額+給電機能+メーカー別上乗せ)
② 充放電設備・公共用充電設備の導入による上乗せ
③ 再生可能エネルギー電力の導入による上乗せ
④ 高額車両の調整(税抜840万円以上は合計に0.8を乗じる)
① メーカー別の基本額
ベース額に、給電機能の有無と、メーカーごとの評価が乗ります。
給電機能があれば10万円上乗せされます。ここでいう給電機能とは、外部給電器・V2H充放電設備を経由して、または車載コンセント(AC100V/1500W)から電力を取り出せる機能のことです。災害時に家電を動かせるかどうか、と考えると分かりやすいと思います。
メーカー別の上乗せは、都が公表している表で確認できます。主なメーカーの令和8年度の額は次のとおりです。
| メーカー | R7の上乗せ額 | R8.4.1〜6.30 | R8.7.1〜 |
|---|---|---|---|
| トヨタ自動車(トヨタ・レクサス) | EV 35万円/FCV 40万円 | EV 40万円/FCV 40万円 | EV 60万円/FCV 40万円 |
| 日産自動車(日産) | 40万円 | 40万円 | 60万円 |
| 本田技研工業(ホンダ) | EV 30万円/FCV 40万円 | EV 40万円/FCV 40万円 | EV 60万円/FCV 40万円 |
| Stellantis ジャパン(アバルト、アルファロメオ、シトロエン、ジープ、DS、フィアット、プジョー) | 35万円 | 35万円 | 55万円 |
メーカー別の上乗せは、次の3つの評価で決まる仕組みです。
- ZEV乗用車の販売実績等(最大10万円): 令和7年に都内でZEV乗用車の新車を60台以上、非ガソリン乗用車の新車を300台以上販売したメーカーのうち、一定の販売実績、最多販売台数、対前年比2倍以上といった条件を1つ満たすごとに5万円(最大10万円)
- 車両ラインナップ数(最大10万円): 令和7年末時点の非ガソリン乗用車の販売車両を12種類に分類し、該当する種類数が7種類以上なら10万円、4〜7種類未満なら5万円
- メーカーのGX実現に向けた取組(最大20万円): 安心して乗り続けられる環境構築、ライフサイクル全体での持続可能性の確保、自動車の活用を通じた他分野への貢献などを総合的に評価
つまり、同じ価格帯のEVでも、メーカーが違うと都の補助額が20万円以上変わります。 ここは車選びの段階で効いてくる情報です。
② 充放電設備・公共用充電設備の上乗せ
| 対象者 | 設備 | EV・PHEV | FCV |
|---|---|---|---|
| 事業者・個人 | 充放電設備(V2B・V2H)1口と対になる補助対象車両1台 | 10万円 | 10万円 |
| 事業者 | 公共用普通充電設備 1口と対になる補助対象車両1台 | 5万円 | — |
| 事業者 | 公共用急速・超急速充電設備 1口と対になる補助対象車両1台 | 10万円 | — |
上乗せは1台につき、上記のいずれか1つを選択します。 複数を重ねることはできません。
V2B・V2HはVehicle to Building・Vehicle to Homeの略で、EVに積んだ蓄電池から建物や家庭に電力を供給できる設備のことです。停電時の非常用電源としても使えます。
なお充放電設備の設置による上乗せ申請には期限があります。令和6年度以降に対象事業の申請を行い、額確定通知日から30日以内に上乗せ申請をすることが条件です。車両の補助金が確定してから設備を検討していると、30日を過ぎてしまいます。
③ 再生可能エネルギー電力の導入による上乗せ
| 車両区分 | 再生可能エネルギー100%電力メニュー契約 | 太陽光発電システムを設置 |
|---|---|---|
| EV | +15万円 | +30万円 |
| PHEV | +15万円 | +15万円 |
| FCV | +25万円 | +25万円 |
この2つは併用できません。 どちらか一方を選びます。EVの場合は太陽光発電システムの設置のほうが15万円多いので、太陽光を入れる予定があるなら、そちらを選ぶことになります。
東京都には太陽光発電そのものへの助成もあります(既存住宅3.75kW以下で15万円/kW、上限45万円)。EVと太陽光を同じ年度に検討している方は、東京都の太陽光補助金も合わせてご確認ください。
④ 高額車両の調整
税抜840万円以上の高額車両については、①から③までの合計額に0.8を乗じた額が補助額になります。
輸入EVを検討している方には効いてくる条件です。たとえば①〜③の合計が100万円になる計算でも、車両価格が税抜840万円以上なら80万円になります。
いくらもらえるか(試算)
具体的に組み立ててみます。以下は補助額の決まり方を理解するための計算例で、実際の額は車種・メーカー・登録日により変わります。 都は「EV・PHEV・FCV車両助成金額シミュレーション」を公開しているので、確定額はそちらでご確認ください。
例1: 令和8年7月に国産EVを購入、給電機能あり、太陽光発電システムを設置済み
ベース額+給電機能+メーカー別上乗せ(最大60万円)
+ 太陽光発電システム設置 +30万円
= 都の補助(上限130万円の範囲内)
+ 国のCEV補助金(車種により最大130万円)
国と都を合わせると200万円を超える計算になります。
例2: 同じ車を令和8年6月に登録した場合
メーカー別上乗せが最大40万円に下がり、ベース額も10万円低くなるため、都の分だけで30万円少なくなります。国のCEV補助金は変わりません。
例3: 税抜900万円の輸入EV、給電機能あり、再エネ100%電力契約
(ベース額+給電機能+メーカー別上乗せ+再エネ15万円)× 0.8
高額車両の調整で2割減額されます。仮に調整前の合計が100万円なら80万円です。輸入EVは車両価格が税抜840万円のラインを超えるかどうかで、実質的な負担が20万円単位で変わります。 グレードやオプションの選択で840万円をまたぐ場合は、そこも判断材料になります。
この試算で分かるとおり、東京都の補助額を左右するのは「どの車を買うか」だけではありません。登録の月、メーカー、給電機能、太陽光や充放電設備を入れるかどうかという購入者側の条件が、合計で50万円以上の差を生みます。車種の比較と同じ熱量で、これらの条件を先に決めておくことをおすすめします。
対象になる人・ならない人
| 車検証の使用者 | 対象車両 | 要件 |
|---|---|---|
| 個人 | EV・PHEV・FCV | 東京都内に住所を有すること |
| 法人・個人事業主 | EV・PHEV・FCV | 東京都内に事務所・事業所を有すること |
| 区市町村 | FCV | 東京都内に住所を有すること |
対象車両の初度登録日は令和7年4月1日〜令和9年3月31日の範囲です。
車両の条件
- 初度登録された日において、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(CEV補助金)の対象車両になっていること
- 初度登録日から申請受付日までの期間が1年以内であること
- 車検証における「使用の本拠の位置」が東京都内であること
超小型モビリティ(トヨタ C+pod)はEV車両として対象です。ミニカー(トヨタ コムス)はこの制度ではなく「電動バイクの普及促進事業」の対象になります。
名義の条件
購入形態ごとに、車検証の名義に条件があります。
| 購入形態 | 所有者 | 使用者 | 使用の本拠の位置 |
|---|---|---|---|
| 通常購入 | 助成対象者と同一名義 | 助成対象者と同一名義 | 都内 |
| リース | リース事業者名 | 申請者(貸与先)の名義 | 都内 |
| 割賦販売(所有権留保付ローン) | 自動車販売業者またはローン会社 | 助成対象者と同一名義 | 都内 |
自家用・事業用のいずれも対象になりますが、事業用車両は法人または個人事業主しか申請できません(個人では不可)。
国のCEV補助金との関係
東京都の補助は、国のCEV補助金の対象車両であることが前提になっています。つまり国の制度と都の制度は併用する設計です。
ただし国の側に事情があります。次世代自動車振興センター(NeV)は令和8年9月4日に、令和7年度補正CEV補助金(車両)の申請受付終了見込み時期を「令和8年12月上旬〜12月下旬目処」と公表しました。 予算額に達した場合は、その日の前日をもって受付が終了します。
国の受付が終われば、都の補助金の前提条件である「CEV補助金の対象車両」という判定はできても、国からの補助は受けられません。 都の補助金の受付は令和9年3月31日までですが、国と合わせた最大額を狙うなら、年内に動く必要があります。
さらにメーカーによっては、国のCEV補助金そのものが年内に減額されます。 一部のメーカー(日産・スズキ等)の車種は、令和8年1月1日以降の登録分から国の補助上限額が見直される予定です。都の補助額が7月1日を境に上がる一方、国の補助額はメーカー・車種によって年明けに下がるという、逆方向の動きが同時に起きています。購入を検討している車種がどちらの影響を受けるかは、次世代自動車振興センターの最新情報で確認してください。
国の予算枠・締切の詳細はEV補助金はいつまで使えるかで扱っています。
申請の流れと期限
申請受付期間: 令和8年4月30日(木)〜令和9年3月31日(水) 申請期限: 初度登録日から1年以内
7月1日以降の増額分については、郵送申請が令和8年7月1日(水)から、オンライン申請が令和8年7月上旬(予定)からの受付開始です。
流れは次のようになります。
- 車両を購入・登録する(初度登録)
- 都の補助金を申請する(オンラインまたは郵送)
- 交付決定
- 額確定通知
- 振込
充放電設備の上乗せを申請する場合は、額確定通知日から30日以内に上乗せ申請を行う必要があります。 ここは期限が短いので、設備の設置を検討している方は車両の申請と並行して準備してください。
手続代行者に依頼する場合は誓約書が必要です。 オンライン申請の場合も、都のページからダウンロードして添付します。
対象外・返還になりうるケース
| 状況 | どうなるか |
|---|---|
| 初度登録日から1年を過ぎて申請した | 対象外 |
| 車検証の「使用の本拠の位置」が都外 | 対象外 |
| 国のCEV補助金の対象車両でない | 対象外 |
| 個人が事業用車両で申請した | 対象外(事業用は法人・個人事業主のみ) |
| 名義の条件(所有者・使用者)を満たさない | 対象外 |
| 額確定通知日から30日を過ぎて充放電設備の上乗せを申請した | 上乗せは対象外 |
| 補助を受けた車両を早期に処分した | 返還手続きが必要になる場合があります |
車両を処分する場合の返還については、クール・ネット東京が「車両処分に伴う助成金返還手続き」のページを設けています。補助を受けた車両には保有義務があり、途中で手放すと返還を求められる可能性があります。 国のCEV補助金でも原則4年(車種により3年)の保有義務が課されているため、都と国の両方で条件を確認してください。
よくある質問
東京都のEV補助金はいくらもらえますか?
令和8年7月1日以降に初度登録された車両であれば、EVは最大130万円、PHEVは最大115万円、FCVは最大225万円が上限です。令和8年4月1日〜6月30日に登録された車両はEV最大100万円、PHEV最大85万円になります。実際の額はメーカー、給電機能の有無、再生可能エネルギー電力の導入、充放電設備の設置状況によって決まるため、クール・ネット東京が公開している助成金額シミュレーションで確認するのが確実です。
6月に納車された車と7月に納車された車で、そんなに差がありますか?
はい。基準になるのは納車日ではなく初度登録日ですが、令和8年7月1日以降の登録であれば、ベース額が10万円、メーカーのGX実現に向けた取組の評価による補助額が最大20万円、合わせて最大30万円多くなります。契約の段階で販売店に登録日の見込みを確認してください。
国のCEV補助金と両方もらえますか?
はい、併用が前提の設計です。東京都の補助対象車両は「国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象となるZEV」と定められています。ただし国のCEV補助金は令和8年12月上旬〜12月下旬頃に受付終了の見込みが公表されており、予算額に達した日の前日で終了します。都の受付は令和9年3月31日までですが、国の分も受け取りたい場合は年内に動く必要があります。
再エネ100%電力契約と太陽光発電、両方の上乗せをもらえますか?
いいえ、どちらか一方の選択です。EVの場合、再エネ100%電力メニュー契約は+15万円、太陽光発電システムの設置は+30万円で、太陽光のほうが15万円多くなります。太陽光の設置を予定しているなら、そちらを選ぶほうが有利です。
中古のEVでも補助金は使えますか?
初度登録日から申請受付日までの期間が1年以内であることが要件なので、登録から1年以内の車両であれば形式的には期間の条件を満たします。 ただし補助対象車両は「初度登録された日において国のCEV補助金の対象車両になっていること」が条件で、名義や使用の本拠の位置にも条件があります。同じ車両に対して既に補助が交付されている場合の扱いも含め、個別の判断が必要になるため、クール・ネット東京にご確認ください。
リースでも対象になりますか?
なります。リースの場合、車検証の所有者はリース事業者名、使用者は申請者(貸与先)の名義、使用の本拠の位置は都内であることが条件です。リース期間についても条件が付く場合があるため、リース契約を結ぶ前に条件をご確認ください。
補助金を受けた車を売ったらどうなりますか?
保有義務の期間内に処分すると、返還を求められる可能性があります。国のCEV補助金では原則4年(車種により3年)の保有義務が課されています。東京都についても、クール・ネット東京が「車両処分に伴う助成金返還手続き」の案内を設けています。売却・廃車・譲渡を検討する場合は、事前に窓口へご相談ください。
