福岡県がこの10万円を出す目的は、従業員100人以下の会社に、男性が育休を取りやすい下地を作ってもらうことです。給付されるのは会社で、育休を取った本人ではありません。
公式の給付要件に、男性が実際に育休を取った実績は入っていません。 求められるのは、育児・介護休業法に沿った行動計画の策定と、就業規則の整備です。計画を作り、規則をそろえた会社が申請できます。
よかパパ育休助成金の要点まとめ
正式名:福岡県よかパパ育休助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし
- 利用目的
- 男性の育休を促す行動計画の策定と、制度の整備
- 対象地域
- 福岡県内
- 従業員数
- 常時雇用する労働者が1人以上100人以下
いくら
- 補助上限額
- 10万円(定額。1法人または個人につき1回)
- 補助率
- 定額
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月1日〜2027年2月28日(当日消印有効・先着順)
申請できる会社の条件は?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
「子育て応援宣言企業」とは、福岡県の両立支援ポータルサイトから登録する制度です。申請の時点で、登録または登録手続き中であれば足ります。
常時雇用する労働者とは、正社員、パート、派遣などの雇用形態を問いません。期間の定めなく雇われている人と、1年以上引き続き雇われている(見込みを含む)人が数えられます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 労働者が101人以上
- ✕ 本社が県外にある会社
- ✕ 風俗営業などを行う事業者
- ✕ 暴力団員、またはその密接な関係者
本社が県外の会社は、県内の支店や支所が登録していても対象になりません。登記上の本店が県外でも、実際に本社機能を持つ事業所が県内にあり、登録されていれば対象です。県外の本社と別に法人格を持つ県内の会社も、登録していれば対象になります。
いくらもらえる?
10万円の定額です。かかった費用に率をかけて決まる補助金ではありません。給付は1法人または個人につき1回だけです。
- 県内に1事業所の会社:10万円 × 1回 = 10万円
- 福岡市に本社、北九州市に支店がある会社:本社が代表して申請し、10万円 × 1回 = 10万円
- 事業所ごとに申請する:できません。支店の分は上乗せされません
この助成金は、一般事業主行動計画の策定が努力義務にとどまる100人以下の会社を対象にしています。公式は、計画づくりにかかる費用への助成と位置づけ、男性の育休取得、ひいては国の両立支援等助成金の活用を促すことを目的に挙げています。
満たすべき要件は?
要件は、全員が満たす2つと、選べる1つの組み合わせです。
必ず満たす要件
(ア) 一般事業主行動計画の策定 次世代育成支援対策推進法に基づき、会社が従業員の子育てと仕事の両立のために立てる計画です。計画の目標欄に、次の2点を書きます。
- 対象となる男性労働者に、2週間以上の育休を取得させること
- 対象となる男性労働者の育休取得率を100%にすること
(イ) 就業規則等への規定 育児休業と、育児のための短時間勤務制度を、就業規則か労働協約に書きます。出生時育児休業(産後パパ育休)も含めます。「育児・介護休業法による」とだけ書く委任の規定では認められません。
選んで満たす要件(ウ〜カのどれか1つ)
- (ウ) 研修や相談窓口など、雇用環境整備の措置を2つ以上行い、かつ、育休取得者の業務を代替する人の業務見直しの規定をつくる
- (エ) 育休復帰支援プランで育休の取得と復帰を支える方針を、社内に周知する
- (オ) 代替業務に対応する賃金制度(業務代替手当など)と、原職への復帰を就業規則に定める
- (カ) 育休取得者を原職等に復帰させる旨を、就業規則に定める
(カ)は、育休取得者を原職等に復帰させる規定が1つあれば足ります。(ウ)と(オ)は、2つの条件をそろえます。公式にどれを選べと書かれているわけではないため、自社の規則に何があるかを見て決めてください。
申請の流れ
- 子育て応援宣言企業に登録する(会社→両立支援ポータルサイト)
- 行動計画をつくり、労働局へ届ける(会社→都道府県労働局)
- 就業規則を整え、労働基準監督署へ届ける(会社→所管の労基署)
- 電子申請で書類を出す(会社→事務局。2027年2月28日まで)
- 審査を受け、給付決定の通知を待つ(事務局→会社。書面で届きます)
- 口座へ10万円が振り込まれる(申請時に書いた口座)
申請は原則として電子申請です。やむを得ない事情があるときに限り、郵送も認められます。郵送は、追跡できる簡易書留やレターパックを使い、控えを手元に残してください。
登録手続き中に申請したときは、登録が完了したタイミングで給付決定の通知が出ます。審査が終わっていても、通知は待つことになります。
必要な書類
準備できた 0 / 6
労働保険の申告書は、直近年度の概算・増加概算・確定保険料のものです。受付印があるもの、または「受付(電子申請)」と印字されたものが必要で、ない場合は保険料の支払いがわかる書類を足します。
就業規則は、会社名、労基署の受付印、育休と時短の規定がわかる部分を出します。労働者が10人未満で就業規則を作っていない会社は、制度が文書で定められ、周知されているとわかる書類で代えられます。通帳の写しは、口座名義人のカタカナがわかる見開きのページを付けます。申請書には、役員の一覧(氏名、生年月日、性別)と口座情報も書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 本社が県外にある:県内の支店や支所が登録していても、対象になりません。
- 書類に虚偽がある:給付決定が取り消され、助成金の返還と、同額の違約金を求められます。再度の申請も認められません。
- 不備を直さない:事務局の求める是正に応じなかったり、連絡が取れなかったりすると、申請は取り下げられたものとして扱われます。
- 口座の記載が合わない:振込ができず、補正もされないと、同じく取り下げ扱いです。
- 予算がなくなった:先着順です。2027年2月28日より前に、受付が終わることがあります。
同意事項と、併用について
申請には、11項目の同意が要ります。なかでも次の2つは、あとから負担になります。
- 給付決定をもって、「イクドリ!宣言」の認証を同時に受けたことになります(九州地域戦略会議が、男性の2週間以上の育休取得率100%を宣言した企業を認める制度です)
- 令和8年度以降に県が行う、男性の育休取得実績などのアンケートに協力します
この認証は、取得率100%を宣言した企業を認める制度です。公式に、実際の取得を求める記載はありません。ただ、行動計画の目標としては書いたことになるので、社内の運用は計画に沿って考えておくのが安全です。
ほかの助成金との併用が可能かは、公式に記載がありません。同じ助成金を重複して申請することは禁止されています。国の両立支援等助成金など別の制度を使うときは、事務局へ先に確かめてください。給付金への課税の扱いも、公式に記載はありません。
よくある質問
育休を取った本人に、お金は入りますか?
入りません。この助成金は会社へ10万円を給付する制度で、従業員個人への支給ではありません。給付の目的は、従業員100人以下の会社が行動計画を作り、男性が育休を取りやすい仕組みを整えることです。本人向けの給付は、この制度とは別の話になります。
まだ誰も育休を取っていませんが、申請できますか?
申請できます。公式の給付要件に、男性が実際に育休を取った実績は入っていません。必要なのは、行動計画の策定、就業規則への規定、そして(ウ)〜(カ)から選ぶ取組のどれか1つです。ただし行動計画には、対象となる男性に2週間以上の育休を取らせることと、取得率100%を目標に書く必要があります。計画に書く以上は、運用も目標に沿って考えておきましょう。
子育て応援宣言企業の登録は、今からでも間に合いますか?
間に合います。申請の時点で、登録または登録手続き中であれば足りるとされています。登録は福岡県両立支援ポータルサイトの電子申請でできます。宣言書を出してから登録証が届くまでは、1か月程度とされています。ただし、手続き中に申請した場合は、登録が完了したタイミングで給付決定の通知が出ます。申請期間は2027年2月28日までで、先着順です。予算が尽きると期間内でも終わるため、早めに登録を済ませて申請したほうが安全です。
行動計画は、どこに届けるのですか?
都道府県労働局へ届けます。提出した「一般事業主行動計画策定届」の写しが、要件(ア)の添付書類になります。受付印が押されたものが必要です。受付印がないときは、行動計画を外部に公開していることがわかる資料を足します。計画の目標欄に、2週間以上の育休と取得率100%の2点を書いていないと、要件を満たしません。作成の前に、この2点が入っているかを確かめてください。
就業規則の「育児・介護休業法による」という書き方でもいいですか?
認められません。要件(イ)は、育児休業と育児のための短時間勤務制度の内容を、就業規則や労働協約に自社の規定として書くことを求めています。育児・介護休業法への委任規定は不可と明記されています。産後パパ育休と呼ばれる出生時育児休業も含めて書く必要があります。自社の規定として書かれているかを、提出前に見直してください。
従業員が10人未満で、就業規則がありません。どうすればいいですか?
常時雇用する労働者が10人未満で、就業規則の作成・届出をしていない会社は、書類の読み替えが認められています。労働協約または就業規則の代わりに、制度の措置が明文で定められ、労働者に周知されているとわかる書類を出します。どの書類で足りるかは、出す前に事務局へ電話で確かめると安心です。
支店が複数ある場合、支店ごとに申請できますか?
できません。給付は1法人または個人につき1回だけです。県内に事業所が複数あっても、子育て応援宣言企業に登録している本社(本店)が代表して申請します。県外に本社があって県内に支店だけがある会社は、支店が登録していても対象になりません。県外の本社と別に法人格を持つ県内の会社は、登録していれば対象です。自社の形がどれに当たるか迷うなら、事務局へ相談してください。
(ウ)〜(カ)は、どれを選ぶのがよいですか?
どれを選ぶと有利になるという記載は、公式にありません。必要な書類の重さで選ぶことになります。(カ)は、育休取得者を原職等に復帰させる旨を就業規則に定めるだけです。(ウ)と(オ)は2つの条件をそろえる必要があります。(エ)は育休復帰支援プランの周知が要ります。自社の就業規則に、すでに復帰の規定があるかを先に見てください。
申請の方法は、電子申請と郵送のどちらですか?
原則は電子申請です。郵送は、やむを得ない事情がある場合に限られます。電子申請では、必要事項を入力して添付書類を送ります。郵送するときは、申請書と添付書類を事務局へ送ります。配達の状況がわからなくなる事故を防ぐため、簡易書留やレターパックなど追跡できる方法を使ってください。控えの返送はできないので、書類は手元にも残しておきます。
いつ振り込まれますか?
時期は公式に示されていません。審査は申請書類の受付順に進み、終わった順に給付決定が通知され、申請時に書いた口座へ入金されます。入金完了の連絡や、給付時期、審査経過の個別の問い合わせには応じてもらえないと書かれています。口座情報の誤りや通帳の写しの不足は遅れる原因になるので、提出の前によく見直してください。
給付が決まったあと、何かやることはありますか?
あります。給付の決定が出ると、「イクドリ!宣言」の認証を受けたことになり、のちに認証のステッカーが送られてきます。また、令和8年度以降に県が行う、男性の育休取得実績や業務効率の改善に関するアンケートへの協力が同意事項になっています。協力を求められたら応じてください。虚偽が判明すると、返還に加えて同額の違約金を求められます。
問い合わせ先はどこですか?
よかパパ育休助成金事務局です。電話は092-627-7134で、平日の9時から17時まで受け付けています。土日祝日と年末年始は休みです。事務局は福岡県から委託を受けた事業者が運営しています。ポータルサイトの問合せフォームからも連絡できます。対象になるか、どの書類で足りるかなど、判断に迷うことは、申請の前に確かめておくと出し直しを防げます。
