福島県の避難指示区域等に、住民が日常の買い物をする商業施設を整備するための補助金です。補助率は3/4以内で、上限は5億円です。
申請できるのは市町村とまちづくり会社・協同組合・商工会などで、商店主が単独で店舗の建築費を申請する制度ではありません。個々の店舗は、施設に入る被災中小企業者として設備費の申請に加わります。
自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(商業施設等復興整備)の要点まとめ
正式名:自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(商業施設等復興整備補助事業)(十一次公募)
だれが
- 申請者
- 市町村・まちづくり会社・協同組合・商工会等、入居する被災中小企業者
- 対象業種
- 卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、サービス業ほか
- 利用目的
- 避難指示区域等での商業施設の整備
- 対象地域
- 福島県の12市町村(田村市・南相馬市・川俣町は一部)
- 従業員数
- 制約なし(入居事業者は中小企業者に限る)
いくら
- 補助上限額
- 5億円(全区分の合計。公設型・民設型とも)
- 補助率
- 3/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月30日〜2027年2月19日(17時まで)
- 事業の完了
- 2029年3月31日まで
うちは申請できる?
申請の形は2つあります。市町村が公設の商業施設を整備する「公設型」と、まちづくり会社などが商業施設を整備する「民設型」です。民設型でそろえたい条件は次の4つです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 設備の購入だけの事業
- ✕ 対象区域の外に建てる
- ✕ 個人商店が単独で建てる
対象の12市町村は、田村市の一部、南相馬市の一部、川俣町の一部、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村です。一部とされた3市町のどこまでが区域に入るかは、公募要領に書かれていません。事務局に確かめてください。
民設型の申請者は、まちづくり会社(出資の過半数を地元企業・協同組合・市町村・商工会等が持つ会社)、商店街振興組合・商工会・商工会議所・事業協同組合などです。公設型の申請者は、対象地域の市町村です。
施設そのものにも条件があります。大企業が入居する店舗の面積が全体の1/2未満で、入居事業者の1/2以上が被災中小企業者であることです。満たせないときは、テナントの公募か入居意向調査をしていることなど、別の2要件を満たします。
入居事業者として設備費を申請できるのは、被災中小企業者に限られます。対象になるのは被災前に持っていた設備で、資産計上するものです。他の公的支援で設備を復旧済みの場合は対象外です。入居事業者の申請だけでは出せず、必ず施設の整備とあわせて申請します。
この補助金でいう中小企業は、小売業なら資本金5,000万円以下か従業者50人以下です。サービス業は資本金5,000万円以下か従業者100人以下、卸売業は資本金1億円以下か従業者100人以下です。製造業その他は資本金3億円以下か従業者300人以下で、どちらか一方を満たせば足ります。
いくら出る?
補助率は対象経費の3/4以内です。全区分を合計した上限は5億円で、上限に届くのは対象経費が約6億6,700万円を超えるときです。
- 商業施設の整備に4億円かかる:4億円 × 3/4 = 3億円(自己負担は1億円)
- 調査設計と設備を合わせて2億円かかる:2億円 × 3/4 = 1.5億円
- 整備費が8億円かかる:8億円 × 3/4 = 6億円 → 上限の5億円
「以内」なので、3/4が満額出るとは限りません。応募時の申請額がそのまま交付決定額になることもありません。補助金は事業の完了後に、実績報告と額の確定を経て支払われるのが原則です。工事の支払いは、先に自己資金か融資で立て替える計画にしておきます。
公設型の上限は原則5億円です。福島県知事が特に認め、事務局も認めた施設は、この制限を緩められます。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定日より前に発注・購入・契約したもの
- 申請者の人件費
- 事務所の家賃・保証金・敷金・光熱水費
- 電話代・インターネット料金などの通信費
- 商品券などの金券
- 簡易な備品・消耗品
- 新聞・雑誌の購読料、団体の会費
- 飲食・接待・娯楽の費用
- 汎用性があり、目的外にも使えるものの購入費
- 自動車などの車両の購入・修理・車検費用
- 税理士・公認会計士・弁護士への支払い
- 消費税を含む公租公課
- 各種保険料・借入金の利息
対象になるもの(公設型)
- 土地取得費(運営に必要な範囲の新規取得)
- 土地造成費
- 建物取得費(設計・新築・増築・改築・中古建物の取得、既存建物の改修費・撤去費を含む)
- 設備費
- 調査・設計費
対象になるもの(民設型)
- 施設整備費(土地の取得費は除く)
- 調査設計・企画費
- 設備費(資産計上し財産管理するもの)
民設型の施設整備費には、入居店舗ごとの内装や店舗設備の費用が含まれません。そうした設備は、入居事業者が設備費として申請します。コミュニティスペース・駐車場・アーケード・街路灯・防犯カメラ・路面舗装など、商業施設に付随する整備も対象です。
申請の流れ
- gBizIDプライムを取る(申請者→gBizID。取得に2週間程度かかる)
- 公設型は県に事前説明する(市町村→福島県商業まちづくり課。確認に2週間程度、同意書をもらう)
- jGrantsで応募する(申請者→jGrants。2027年2月19日17時まで。郵送・持参・メールは不可)
- 審査を受ける(事務局が書面審査をし、原則ヒアリングもある。受付期間中は随時審査)
- 採択後に交付申請する(採択者→事務局。2027年2月19日まで)
- 交付決定のあとに発注し、2029年3月31日までに終える(補助事業者)
- 実績報告を出し、額の確定後に受け取る(補助事業者→事務局)
やむを得ない事情で2029年3月31日までに終わらないと見込まれる場合は、所定の手続きを経て、基金設置法人が認めたときに限り、2030年3月31日まで延ばせます。基金設置法人は、この補助金の基金を管理する福島県産業振興センターです。
公設型は、jGrantsの応募に加えて応募書類1部を福島県商業まちづくり課へ郵送します。受付期間内の必着です。
公募要領は、交付申請の受付も2027年2月19日までとしています。応募の締切ぎりぎりまで待つと、採択から交付申請までの期間が足りなくなるおそれがあります。早めの応募を勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 12
様式は公募要領と一緒にJグランツからダウンロードします。資金計画書と収支計画書は、民設型で10年以上の計画を求められ、参考様式が事務局のサイトに載っています。決算書類と登記簿謄本は民設型の事業者情報の添付です。個人事業主は決算書類の代わりに直近3年分の税務申告書を出します。り災証明は、設備費を申請する入居事業者の被災状況を示すものです。公設型は図面や予算措置の資料など別の添付が要ります。表のほかにも確認書類があるため、公募要領の提出書類チェックシートで抜けを確かめてください。ファイルは1つ16MBまでです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前の発注・購入・契約は対象外です。
- 施設を5年以内にやめた:運営開始後5年以内に休止か廃止をすると、補助金の全部か一部の返還を求められることがあります。災害などやむを得ない場合は除きます。
- 財産を無断で処分した:補助で取得した財産は、処分制限期間内に譲渡・貸付け・廃棄・担保にできません。やむを得ず処分するときは事前の承認が要り、原則、補助金の全部か一部を返納します。
- 国の他の制度と重複した:国が助成する他の制度と重複した交付申請は認められません。
- 不支給要件に当たった:補助金の不正受給や、役員等が暴力団員である場合などは、交付の相手方として認められません。
採択後に続く義務
補助事業が終わったあとも、手続きは続きます。
- 事業完了の日が属する会計年度の終了後5年間、毎年の会計年度終了後90日以内に、施設の運営状況と財産管理の状況を事務局へ報告する
- 経理の証拠書類を、補助事業完了日の属する国の会計年度の終了後10年間保存する
- 整備した施設を貸すときは、賃料収入が維持管理費を大幅に上回らない額にする
- 風俗営業や性風俗関連特殊営業の事業者には貸さない
収益納付は求められません。ただし民設型は、工事の着手前に基本設計書と実施設計書を事務局へ出す必要があります。
よくある質問
商店主が1人で店舗の建築費を申請できますか?
できません。建築費などの施設整備費を申請できるのは、公設型なら対象地域の市町村、民設型ならまちづくり会社・協同組合・商工会・商工会議所などです。店舗を持つ事業者は、整備される施設に入居する被災中小企業者として、自社の事業に使う設備費だけを申請できます。この場合も、施設の整備とあわせた申請になります。どの形で参加できるかは、早めに事務局へ相談してください。
公設型と民設型は何が違いますか?
申請者と、県との手続きが違います。公設型は対象地域の市町村が申請し、事前に福島県商業まちづくり課へ説明して同意書をもらいます。応募書類は県にも郵送します。民設型はまちづくり会社や協同組合などが申請し、入居事業者の設備費も一緒に申請できます。補助率は3/4以内、上限は5億円で、どちらも共通です。
対象になる地域はどこですか?
田村市の一部、南相馬市の一部、川俣町の一部、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の12市町村です。避難指示区域等であることが条件です。田村市・南相馬市・川俣町は、市町村のうち対象になる範囲が限られます。予定地が入るかどうか、公募要領には細かい区域が書かれていません。事務局か福島県商業まちづくり課に問い合わせて確かめてください。
土地を買う費用は補助されますか?
公設型は補助されます。運営に必要な範囲の土地を新しく取得する費用と、地盤面を変える造成の費用が、対象経費に入っています。民設型の施設整備費は、土地の取得費を除いています。民設型で土地の購入を計画しているときは、その分が補助の外になることを前提に資金計画を組んでください。上限は、土地取得費も含めた全区分の合計で5億円です。
いつ補助金を受け取れますか?
原則として、事業が終わり、実績報告書を出し、補助額が確定したあとの精算払いです。工事の支払いは、先に自己資金か融資で立て替える必要があります。事業の途中で進捗や経費の発生を確かめ、所定の手続きを経て、その部分の補助金が支払われる場合もあります。ただし、特に必要と認められたときに限られます。資金繰りは、全額の立て替えを想定して組むのが安全です。
契約や発注はいつしてよいですか?
交付決定のあとです。応募して採択されても、まだ発注はできません。採択後に交付申請を出し、交付決定の通知を受けてから、契約や発注を始めます。交付決定日より前に発注・購入・契約したものは、補助の対象外です。土地の購入や設計の契約も同じ扱いです。着工の予定日は、交付決定の見込みに合わせて組んでください。
申請はいつまでにすればよいですか?
応募は2027年2月19日の17時までに、jGrantsで済ませます。期間中に出された応募は、締切を待たず随時審査されます。採択後の交付申請も2027年2月19日までとされているため、締切の直前に応募すると間に合わないおそれがあります。早めの応募を勧めます。郵送・持参・FAX・メールでは受け付けられません。
gBizIDは必ず必要ですか?
必要です。jGrantsで応募するには、gBizIDプライムの取得が要り、取得に2週間程度かかります。登記された法人や個人事業主ではない申請者は、gBizIDを取れません。たとえば登記のない実行委員会や組合です。その場合は代表申請者を決め、その法人の法人番号などを使って申請します。応募の準備を始める前に、まずIDの手続きを済ませてください。
施設を貸して賃料を取ってもよいですか?
貸せます。ただし賃料は、施設の維持・管理にかかる経費を大幅に上回らない額にします。風俗営業や性風俗関連特殊営業の事業者には貸せません。また、運営開始後5年以内に商業施設としての運営を休止か廃止したときは、事務局を通じて報告が必要です。補助金の全部か一部の返還を求められることもあります。テナントの募集計画も、この条件に合わせて作ってください。
製造業の工場を建てる場合も対象ですか?
この記事の補助事業は、住民生活を支える商業施設の整備が対象です。工場の新設は、この公募の対象に入っていません。自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金は、事業ごとに公募の名称や条件が分かれています。工場の整備を考えているときは、事務局か経済産業省の福島新産業・雇用創出推進室に、該当する公募があるかを確かめてください。この記事の要件は、工場には当てはまりません。
補助対象の設備は、新しく買うものだけですか?
入居事業者が申請する設備は、被災前に所有していた設備が対象です。原則として資産計上し、財産管理を行うものに限ります。他の公的支援制度で設備を復旧した被災中小企業は、その設備を対象にできません。まちづくり会社などが申請する設備費は、商業施設において事業の用に供する設備の購入と据付けにかかる経費です。簡易な備品や消耗品は対象外です。
問い合わせ先はどこですか?
事業全般とjGrantsの操作は、事務局(みずほ総合研究所の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助事業事務局)です。公募期間中は、電話とメールだけを受け付けています。公設型の事前相談や復興計画などは福島県商業まちづくり課、制度の趣旨は経済産業省の福島新産業・雇用創出推進室が窓口です。電話番号とメールアドレスは、公募要領の最終ページとJグランツの公募ページに載っています。
