個人の農家さん1軒では、この補助金は使えません。申請できるのは、農林漁業者や商工業者が2戸以上で組む団体などです。
「ふくしまプライド。」県産農林水産物販売力強化支援事業は、県産品の販売促進活動とパッケージの向上を、団体単位で後押しします。補助率は新規が4/5以内、継続が3/4以内。上限は新規70万円、継続60万円です。GAPの取組と「福島ならでは」の取組には30万円ずつの加算があり、両方に当たれば新規で最大130万円になります。令和8年度の募集は4月・6月・7月〜8月の3回で、すべて終了しています。次の募集に備えて、団体の作り方と経費の線引きを先に押さえておく記事です。
福島県 ふくしまプライド。販売力強化補助金の要点まとめ
正式名:「ふくしまプライド。」県産農林水産物販売力強化支援事業
だれが
- 申請者
- 団体(農林漁業者団体・商工業者団体・法人など)
- 対象業種
- 農林漁業・商工業(団体単位で申請)
- 利用目的
- 県産農林水産物の販売促進・パッケージの向上
- 対象地域
- 福島県内に主たる事務所を置く団体
- 従業員数
- 規定なし(主な構成員が2戸以上)
いくら
- 補助上限額
- 最大130万円(新規70万円+加算30万円×2。継続は60万円+加算)
- 補助率
- 新規4/5以内、継続3/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 募集終了(令和8年度の最終回は7月27日〜8月21日)
- 事業の完了
- 令和9年1月31日まで
うちの団体は対象になる?
次の項目にすべて当てはまれば、対象になる見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
対象の団体は、農林漁業者の団体、商工業者の団体、特定非営利活動法人(NPO法人)、事業協同組合、企業組合、公益社団法人・公益財団法人、一般社団法人・一般財団法人です。農林漁業者の団体は農林漁業者が、商工業者の団体は中小企業者が、それぞれ2戸以上主な構成員になっている必要があります。会社法人が「農林漁業者の団体」に当たるのは、農業に従事する正社員(役員を含む)に元から農家だった人が2戸分いるときです。入社を機に就農した人は、農家に数えません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人1者だけで申請する
- ✕ 販売する商品の開発・加工が目的
- ✕ 木材・花卉だけを売り込む
- ✕ 主な材料が県産でない加工食品
- ✕ 工芸品を売り込む
木材と花卉は、国が風評の存在を認めていないため、この2つだけを売り込む事業は外れます。工芸品は、県産の素材を使っていても対象外です。この補助は、1つの団体につき年度ごとに1回限りです。募集は3回ありましたが、どれかで採択されると、同じ年度にもう一度は受けられません。
審査はある?
申請すれば出るお金ではなく、審査があります。採択の基準は、評価点の合計が50点以上です。見られるのは次の5つの視点です。
- 実施体制:構成員が農林漁業者か。規約の目的に販売促進などがあるか。総会資料に事業が載っているか
- 取扱品目:地域の振興品目か。加算を申請するなら、その品目のPRが中心か
- 計画性:目標が数値で決まっているか。活動と事業費の積算が妥当か
- 事業効果:活動地域が広いか。イベントだけでなく、商談やパッケージ向上などの販路づくりを含むか
- 新規性:新規の団体か。続けて申請する団体は、前年と比べて取組に新しさがあるか
数値目標は、事業実施計画書に来場者数、試食数、取引開始件数などの形で書きます。加算を申請するときは、加算の対象品目のPRと目標も書きます。
新規と継続は何が違う?
令和2年度以降に、この補助金に採択されたことのない団体が「新規」です。過去に申請して不採択だった団体も、新規に数えます。名前を変えただけでは新規になりません。構成員の重なりが、団体の規約で決めた意思決定に必要な人数以下なら、別団体として新規で申請できます。
いくら戻る?新規と継続で、率も上限も違う
新規は4/5、継続は3/4が補助されます。新規の上限70万円に届くのは、対象の経費が87.5万円以上のときです。計算の例を並べます。
- 新規で、イベントの出展料とチラシで60万円:60万円 × 4/5 = 48万円
- 新規で、デザイン費と試作費とポスターで100万円:100万円 × 4/5 = 80万円 → 上限の70万円
- 継続で、広告費と旅費で60万円:60万円 × 3/4 = 45万円
- 継続で、委託費とイベント費で100万円:100万円 × 3/4 = 75万円 → 上限の60万円
- 新規でGAPの加算があり、経費が125万円:125万円 × 4/5 = 100万円(上限は70万円+30万円)
- 新規でGAPと「福島ならでは」の両方の加算があり、経費が162.5万円:162.5万円 × 4/5 = 130万円(上限は70万円+30万円+30万円)
上限を超えた分は、団体の自己負担です。継続の上限60万円は、経費が80万円で届きます。
実際の支給額は、活動ごとに1,000円未満を切り捨てて出します。宿泊費は1泊11,800円までが対象で、超えた分は対象外です。公式の記載例では、旅費の宿泊費が20,000円のとき、対象は11,800円、残りの8,200円は自己負担になっています。
何に使える?
対象にならないもの
- 販売する商品の加工・開発、新商品の試作
- 商品名ラベル、食品表示ラベルなど、販売に欠かせないパッケージ・容器・ラベル
- スーパー、百貨店、オンラインストア、消費者への配送料(納品やお客様への配送)
- 個人が管理するウェブサイトの作成・改良
- ふるさと納税の返礼品のパッケージ改良
- ロゴマークの商標管理の費用
- GAP認証マークの取得費用
- 前年度までに改良を終えたパッケージ
- パッケージを改良するだけで、活用した実績がない活動
- 飲食代(試食のための材料や皿は対象)
- 構成員への日当など人件費、構成員や関係先への発注
- テーブル、テント、カメラ、パソコンなど何度も使える物の購入費
- 工芸品に関する経費
- 試食に使う、構成員自身が生産した農林水産物や加工品
- 水など、県産でない試食用の品
- 景品やノベルティの作成・購入費(県産農林水産物と加工品は除く)
- 通年実施や常設ブースへの配送料、年間契約の費用
- 申請書類の作成費(インク代、郵送代)、キャンセル料
対象になるもの
- 販売促進の企画の委託費
- 新聞・ラジオなどの広報費
- 販売促進のための旅費(交通費、ガソリン代、宿泊費。宿泊は1泊11,800円まで、食事代は対象外、新幹線は自由席料金まで)
- チラシ、のぼり、販促用のPRシール(GAPや受賞を示すシールなど)
- キャラクターやポスターのデザイン費
- パッケージ向上のための試作の材料費、版代
- 団体が管理するウェブサイトの作成・維持費
- 消費者の意識調査、試食アンケートの費用
- イベントの出展料、マネキンなどへの謝金
- イベント、展示会への配送費(単発の催事での、販売を目的としないサンプルなど)
- 電気設備などの施設借料、車両の借上料
- 試食用の食材や、箸、皿などの経費(県産のもの)
- 旅行者の保険料
領収書だけで数量や品目がわからないときは、見積書や納品書などの明細を添えます。「パッケージ作成一式」のような一式の書き方はだめで、デザイン費と印刷費のように内訳を分けます。支払いは現金か銀行振込です。ポイントが付くカードでの支払いは、原則として対象外です。やむを得ずクレジットカードを使うときは、還元率がわかる書類を出します。判断がつかない経費は、事前に農林事務所へ相談します。事後に対象外とわかると、自己負担になります。
「パッケージを新しくする」だけでは足りない点が、いちばん外しやすいところです。改良したパッケージを、イベントや販促で使った記録まで揃って、活動実績になります。
申請から受け取りまでの順番
- 事業計画承認申請書を出す(団体→管轄の農林事務所。募集期間内に必着)
- 事業計画の承認(内示)を受ける(県→団体)
- 交付申請書などを出す(団体→農林事務所。2週間以内)
- 事業を実施する(団体。令和9年1月31日までに。着手は原則、交付決定のあと)
- 実施状況報告書を出す(団体→農林事務所。11月30日現在の状況を12月20日までに。執行額が0円でも必須)
- 事業完了報告書を出す(団体→農林事務所。最終の支払いから1週間以内)
- 実績報告書を出す(団体→農林事務所。事業の完了日から60日以内、または3月31日の早いほうまで)
- 交付請求書を出す(団体→県。補助金が支払われる)
内示のあと、やむを得ない事情で交付決定の前に着手するときは、事業交付決定前着手届を出します。補助金が出なくなっても異議を申し出ないことと、決定の前に事業計画を変えないことが条件です。11月30日より前に事業完了報告を出したときは、実施状況報告は省けます。補助金は、概算払い(先に概算で受け取る形)も請求できます。
必要な書類
準備できた 0 / 12
GAP認定証の写しは、GAPによる加算を申請するときだけ要ります。ならではの加算は、登録団体の構成員であることが分かる書類などを添えます。事業交付決定前着手届は、内示のあとに交付決定の前に着手する必要があるときだけ出します。収支予算書の写しを出せない団体は、「予算に関する確約書」を出し、予算に計上されしだい収支予算書を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:事業の着手は、原則として交付決定日以降です。内示のあとでやむを得ない場合は、着手届を出してから進めます。
- 計画を大きく変えた:総事業費の30%を超える増減などの重要な変更は、変更の承認申請が先に必要です。軽微な変更は変更届で足ります。
- 対象外の経費を入れた:判断のつかない経費は、事前の相談が必要です。事後に対象外とわかったものは自己負担になります。
- 領収書の宛名や日付が抜けていた:宛名が団体名と違う、日付が無い領収書は対象外です。納品書や請求書は支払いの証明になりません。
- 活動の実績が足りない:パッケージを改良しただけで、活用した記録がないと対象になりません。
今年度の変更点と、これからのこと
県は令和8年度から、この補助金に補助率を導入しました。団体の負担が急に大きくならないよう、補助率は段階的に見直していくとしています。次の募集でも、率や上限が今回と同じとは限りません。
よくある質問
個人の農家や、1者だけの会社でも申請できますか?
申請できません。対象は団体で、農林漁業者の団体なら農林漁業者2戸以上、商工業者の団体なら中小企業者2戸以上が主な構成員であることが条件です。代表者の定めと、組織や運営についての規約もそろえます。1軒で出したいときは、近隣の生産者とそろって団体を作るか、すでにある組織に加わって申請する形を考えることになります。
新規と継続の違いは何ですか?
令和2年度以降にこの補助金に採択されたことのない団体が新規です。過去に申請して不採択だった団体も、新規に当たります。新規は補助率が4/5以内で上限が70万円、継続は3/4以内で上限が60万円です。初年度のほうが手厚い設計になっています。団体名を変えただけでは新規になりません。構成員の重なりが規約上の意思決定に必要な人数以下なら、別団体として新規の申請ができます。
補助率が高くても、自己負担はありますか?
あります。新規は経費の2割、継続は2割5分が団体の負担です。新規では、対象経費が87.5万円を超えた分は、上限70万円に達するので全額が自己負担になります。継続は、80万円を超えた分が自己負担です。県は、国の復興財源を使っているため、補助率を段階的に見直す考えを示しています。見積の段階で、自己負担を含めた資金計画を立てておきます。
上限の加算(嵩上げ)はどんなときに使えますか?
加算は2種類あり、それぞれ30万円が上限に加わります。1つ目は、GAP(農業生産工程管理)の生産物のPRや販売促進をするときです。GAP認証の農産物が1品目でもあれば、ほかの品目にGAPが含まれていても加算できます。2つ目は、地理的表示(GI)保護制度、地域団体商標制度、産地の「ならではプラン」のいずれかに関わる生産物のPRをするときです。2つは併用でき、両方で最大60万円が加わります。ならではの加算は、登録団体、その構成団体や生産部会、それらの構成員だけの団体に限られます。対象の団体は、県が一覧で公表しています。
パッケージの改良だけに使えますか?
使えます。上限額の全額を、パッケージの向上に充てても構いません。ただし、改良するだけでは対象になりません。改良したパッケージを、イベントや販促で使ったことが活動の実績として必要です。対象は、事業期間内に新たに取り組んだ分だけで、前年度末に済ませた改良は外れます。団体として取り組む意思決定をしていることも、前提になります。
商品の配送料や、パッケージの量産費は対象ですか?
どちらも対象外です。スーパーや百貨店への納品、オンラインストアへの在庫の配送、お客様への配送料は、販売の原価に含まれるものとして外れます。商品名や食品表示のラベルなど、販売に欠かせない包装も同じです。対象になるのは、他の商品との差別化のために貼るPRシールなどです。単発のイベントで、販売を目的にしないサンプルを送る配送料は、対象になります。
団体に所属する個人の商品のために使えますか?
条件を満たせば使えます。パッケージの改良は、団体としてその商品の販路拡大や販売促進に取り組む意思決定があれば、対象です。特定の個人や店の営業活動になってしまわないよう、注意が要ります。ウェブサイトは別で、団体が管理するものだけが対象です。個人が管理するサイトの作成や改良は、対象になりません。
事業はいつまでに終わらせる必要がありますか?
対象期間は令和9年1月31日までです。令和8年度の事業の開始は、募集の回によって異なり、第3次募集の分は9月18日ごろからでした。途中で、11月30日現在の実施状況報告書を12月20日までに出します。これは必須の書類です。事業が終わったあとは、完了報告書と実績報告書を期限内に出します。実績報告は、事業の完了日から60日以内か3月31日の早いほうが期限です。
交付決定の前に事業を始めてもいいですか?
事業の着手は、交付決定の日以降が原則です。内示のあとでやむを得ない事情があるときだけ、事業交付決定前着手届を出して、決定の前に着手できます。事業の日程は、この順番に合わせて組みます。契約や発注の時期に迷うときは、農林事務所へ先に聞きます。
申請の書類はどこへ出しますか?
団体の所在地を管轄する農林事務所です。公式ページには、募集期間の最終日に農林事務所へ必着と書かれています。令和8年度の最終回は8月21日必着でした。このページは南会津農林事務所が掲載しており、問い合わせ先は同事務所の企画部(電話0241-62-5252)です。管轄の農林事務所は、福島県の公式ページで確かめられます。
募集が終わったあとは、何をしておけばよいですか?
次の募集に備えて、団体の形を整えておきます。規約と構成員名簿、直近の総会資料を用意し、2戸以上の構成員と代表者を確認します。販売促進で何をするかの計画と、対象経費の見積も早めに取ります。県は補助率を見直していく方針なので、次の公募の要領が出たら、率と上限、対象経費の変更を確かめます。
支払いは現金でないとだめですか?
現金か銀行振込です。ポイントが付くカード(クレジットカード、ETCカード、電子マネーなど)での支払いは、補助金で利益を得ることになるため、原則として対象外です。現金払いでも、ポイントは受け取らないことになっています。やむを得ずクレジットカードを使ったときは、還元率がわかる書類を出します。領収書だけで数量や品目がわからないときは、見積書や納品書などの明細も添えます。旅費のガソリン代は、事業のために給油した分だけが対象で、出発前の満タンの領収書と、帰着後の領収書が両方要ります。
審査で落ちることはありますか?
あります。採択の基準は、評価点の合計が50点以上です。実施体制、取扱品目、計画性、事業効果、新規性・発展性の5つの視点で採点されます。採点表には、数値目標が適切か、活動内容が明確か、事業費の積算が妥当か、という項目があります。加算を申請するときは、加算の対象品目のPRと目標を、計画書に必ず書きます。
同じ年度に、複数の回へ申請できますか?
この補助は、1つの団体につき当該年度に1回限りです。令和8年度は募集が3回ありましたが、採択を受けた団体が、別の回であらためて受けることはできません。令和8年度の最終回は、第3次募集の7月27日〜8月21日でした。
