登録済みの特許や実用新案を製品にするための試作・試験研究費を、1件100万円を限度に交付する奨励金です。令和8年度の募集は終わっています。次の募集は、申請要領のとおり毎年5月1日から7月31日です。
対象は「登録済み」の権利に限られます。出願中や審査請求中の発明は、申請できません。
発明研究奨励金の要点まとめ
正式名:発明研究奨励金交付事業
だれが
- 申請者
- 中小企業または個人(個人の共同発明は代表者)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 登録済みの特許・実用新案の試作・試験研究
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 1件100万円(原則)
- 補助率
- 公式ページに記載なし(協会へお問い合わせください)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月1日〜2026年7月31日(令和8年度分は終了)
うちの発明は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
実用新案の場合は、登録されたうえで実用新案技術評価書を手に入れている必要があります。実用新案は物品の形や構造に関する考案を守る権利で、技術評価書は考案を評価した書類です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 特許が出願中で登録前
- ✕ 実用新案の評価書が未入手
- ✕ 国・都道府県・大学が出願人
申請者になれるのは、特許権者か実用新案権者として名前が載っている人だけです。権利者が複数いるときは、申請者以外の権利者の同意書が要ります。企業内の発明は、企業の代表者の承認を得た人が申請します。
国・都道府県の機関や、大学・高等専門学校が出願人のときは申請できません。民間企業や個人が、こうした機関と共同で出願したときは、民間企業か個人だけが申請者になれます。
外国人の場合は、日本企業に在籍し、日本の特許を取っていることが条件です。過去に交付を受けた人が再び申請するには、前回の試験研究が終わって1年後の報告書を出している必要があります。
中小企業の基準は、申請要領に数字で書かれていません。自社が当たるか迷うときは、協会に確かめてください。
いくら交付される?
交付額は原則として1件あたり100万円が限度です。経費に対して何割が出るかは、申請要領に書かれていません。限度の100万円を超える分は、交付の対象になりません。
- 試作の直接経費の見積もりが80万円:限度の100万円に届かないので、交付は80万円以内
- 試作の直接経費の見積もりが150万円:100万円 × 1件 = 100万円が上限。超える50万円は自己負担
補助率が書かれていないため、経費の何割が交付されるかは分かりません。上の2例は、100万円の限度に届くかどうかだけを示しています。実際の交付額は審査で決まります。申請書には、使い道ごとの見積もりを添えて、直接経費を具体的に書いてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 人件費
- 事務費などの間接経費
対象になるもの
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託・外注費
- 専門家指導費
対象は、発明を実施化するための試作・試験と、発明をさらに展開するための調査研究にかかる直接経費です。
申請の流れ
- 申請要領と様式を取る(申請者→協会のサイト。募集の期間内に)
- 申請書を書く(申請者。所定の様式で9頁以内、1件の申請に特許は原則1つ)
- 添付資料をそろえる(申請者。発明は特許公報、考案は登録実用新案公報と技術評価書)
- 申請書類を出す(申請者→発明研究奨励金交付事業実行委員会。7月31日必着)
- 審査を受ける(協会。予備審査のあと審査委員会で審査し、11月に直接通知)
- 交付後に報告する(交付を受けた人→協会。6か月ごと、完了後、完了の1年後)
提出は、申請書2部と添付資料各2部、電子データです。令和8年度は、郵送に加えてオンラインでも受け付けました。次回以降の方法は、協会のページで確かめてください。
申請書類は返却されません。記入漏れや書類の不備があると、受け付けられません。
必要な書類
準備できた 0 / 7
申請書類は、すべて各2部(コピーで可)です。申請書はできるだけ電子データで作成します。補足の説明や図表は、申請書に書かずに別紙で出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 権利が登録されていない:特許は登録済みのものが対象です。実用新案は、登録済みで技術評価書を入手済みのものに限ります。
- 申請書に不備がある:記入漏れや書類の不備があると、申請書は受け付けられません。
- 虚偽の申請をした:虚偽の申請で交付を受けたと分かると、奨励金を返納します。
- 報告書を出さなかった:報告書を出さない場合も、奨励金を返納します。
- 前回の報告が済んでいない:過去に交付を受けた人は、完了1年後の報告書を出していないと再び申請できません。
よくある質問
特許を出願しただけでも申請できますか?
申請できません。対象は、特許権として登録済みのものです。出願中の発明や、審査請求をしたばかりの発明は含まれません。実用新案も、登録済みで実用新案技術評価書を入手済みのものに限られます。募集の期間に間に合わせたいときは、権利が登録されるまでの時期を見込んで準備してください。申請書には特許公報の添付が必須です。
実用新案でも申請できますか?
申請できます。ただし、登録済みで、実用新案技術評価書を入手済みであることが条件です。添付資料には、登録実用新案公報と技術評価書の両方が必須です。特許の場合に必須なのは特許公報で、要約書は任意です。実用新案で申請するときは、技術評価書が手元にあるかを、申請書を書き始める前に確かめてください。
個人の発明家でも申請できますか?
申請できます。申請者の資格は中小企業または個人です。個人の共同発明なら代表者が申請し、企業内の発明なら企業の代表者の承認を得た人が申請します。申請者になれるのは、特許権者か実用新案権者として名前が載っている人だけです。権利者が複数いる場合は、申請者以外の同意書が要ります。
100万円は全額もらえますか?
100万円は交付額の限度です。全員が100万円を受け取れる制度ではありません。経費に対する割合は、申請要領に書かれていません。交付額は審査を経て決まります。申請書には、試作や試験研究にかかる直接経費の内訳と見積もりを具体的に書いてください。限度を超える経費の分は、交付の対象にならないため、自己負担になります。
人件費や事務費は対象になりますか?
対象になりません。対象は、原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、専門家指導費の4つの直接経費です。人件費や事務費などの間接経費は除かれます。自社の社員が試作に費やす時間の分は、見積もりに入れても対象外です。試作の外注先からの見積もりや、材料の購入見積もりを、経費の根拠にしてください。
次の募集はいつですか?
申請要領では、募集期間を毎年5月1日から7月31日の必着としています。令和8年度の募集は終了しました。審査の結果は11月に、直接申請者へ通知されます。年に1回の募集のため、期間を逃すと次の年まで待つことになります。次回の様式や方法は、協会のページに載ります。
結果はいつ分かりますか?
審査は、予備審査を行ったあとで、審査委員会が行います。結果は11月に、直接申請者へ通知されます。協会のページでは、交付も11月を予定しているとされています。通知までの途中経過は、申請要領に書かれていません。申請から結果まで数か月あるため、試作の発注は交付が決まってからにするのが安全です。
オンラインで申請できますか?
令和8年度は、郵送に加えてオンライン(Microsoft Forms)でも申請を受け付けました。申請要領は、申請書2部と添付資料各2部、電子データを提出先に出す形で書かれています。次回の方法は、募集が始まる前の協会のページで確かめてください。提出先は、東京都渋谷区桜丘町4-22の日本発明振興協会 発明研究奨励金交付事業実行委員会です。
大学や公的機関との共同出願でも申請できますか?
民間企業や個人だけが申請者になれます。出願人が国・都道府県の機関や、大学・高等専門学校などの場合は、応募できません。ただし民間企業や個人が、それらの機関と共同で出願したり共同で発明したりした場合は、民間企業か個人が申請者になれます。この場合も、共有の権利者の同意書が要ります。
外国人でも申請できますか?
日本企業に在籍し、日本の特許を取っている場合に限り、申請できます。個人として日本に住んでいても、日本の特許を持っていなければ対象になりません。申請者の資格は、中小企業または個人です。外国籍の方が申請を考えているときは、募集が始まる前に、協会へ在籍と特許の条件を確かめてください。
交付を受けたあと、何をしますか?
試験研究が終わるまで、5月と11月の6か月ごとに、進捗状況と交付金の使用明細を中間報告書で出します。研究が終わったら、すぐに完了報告書を出します。完了の1年後には、その後の進捗状況の報告書も必要です。虚偽の申請や報告書の未提出が分かると、奨励金は返納になります。報告は交付後の義務なので、期日を手帳などに控えてください。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人日本発明振興協会の発明研究奨励金交付事業実行委員会です。電話は03-3464-6991、住所は東京都渋谷区桜丘町4-22です。対象になるか迷う場合や、同意書の様式が必要な場合は、申請の前に問い合わせてください。中小企業の基準のように、申請要領に書かれていない点も、ここで確かめられます。
