特許は取った。でも、それを実際に製品にする試作費がない——発明家からよく聞く話です。アイデアを権利化するところまでは自力でできても、そこから先の試作・試験研究には、まとまったお金がかかります。 その壁を埋める選択肢のひとつが、公益財団法人日本発明振興協会の発明研究奨励金です。
対象になるのは、特許または実用新案として登録済み、あるいは出願して公開・審査請求まで済んでいる発明・考案(係争中のものは除く)。中小企業でも個人でも申請できます。交付額は1件あたり上限100万円で、用途は試作・試験研究に必要な直接経費に限られます。募集は例年5月から7月で、審査を経て11月ごろに交付式が行われます。
発明研究奨励金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者・個人のどちらも |
| 制度名 | 発明研究奨励金交付事業 |
| 対象業種 | 指定なし(発明・考案を行う中小企業または個人が対象) |
| 利用目的 | 特許・実用新案の実用化に向けた試作・試験研究費 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(個人でも申請可) |
| 補助上限額 | 1件100万円(試作・試験研究に必要な直接経費) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(日本発明振興協会へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 例年5月〜7月ごろ募集、11月ごろ交付(2026年度分は受付終了の可能性。次回募集時期は公式サイトでご確認ください) |
| 公式サイト | 公益財団法人日本発明振興協会「発明研究奨励金交付事業」 |

自分の発明が対象になるか、まず確かめる
この奨励金の対象は「まだ商品化されていない発明・考案」です。 具体的には次のいずれかに当てはまる必要があります。
- 特許権として登録済みのもの
- 特許を出願していて、すでに公開され、かつ審査請求済みのもの(係争中のものは除く)
- 実用新案として登録済みで、実用新案技術評価書を入手済みのもの
つまり、出願しただけ・アイデア段階では対象になりません。権利化の手続きがある程度進んでいることが前提という考え方です。共同発明の場合は代表者が、企業内の発明であれば企業代表者の承認を得たものが申請者になります。
いくら、何に使えるお金なのか
交付されるのは1件あたり100万円が上限です。使い道は「特許を具体化するための試作研究」に必要な直接経費で、たとえば試作品の製作費や試験にかかる材料費・外注費が想定されます。交付は定額補助ではなく、実際にかかる直接経費の範囲内での支給という考え方なので、見積もりを先に固めておくと申請がスムーズです。
申請の時期を逃さない
募集は例年5月から7月にかけて行われ、審査を経て11月ごろに協会の会議室で交付式が開かれます。年1回だけの募集なので、この期間を逃すと丸1年待つことになります。 令和8年度からは郵送に加えてオンライン申請(Microsoft Forms経由)にも対応しています。申請書類は公式サイトからダウンロードできます。
よくある質問
出願しただけでまだ審査請求していません。対象になりますか?
対象になりません。特許は「登録済み」か「公開・審査請求済み」、実用新案は「技術評価書入手済み」であることが条件です。出願直後の段階では申請できません。
個人でも申請できますか?
できます。中小企業だけでなく個人の発明家も対象で、共同発明の場合は代表者が申請します。
100万円は毎年もらえますか?
制度上、複数年にわたる支給を保証するものではありません。1件の発明・考案に対する交付であり、詳しい取り扱いは協会にご確認ください。
