東大阪市のこの補助金が支えるのは、機械の入れ替えです。工場に機械を足す投資や、空調の更新は対象になりません。
市が目的に挙げているのは、エネルギー価格の高騰のなかで消費量を減らし、生産性を上げることです。だから古い設備を同じ用途の新しい設備に替える投資だけを見ています。申請の前提は、市から先端設備等導入計画の認定を受けていることです。認定のない会社は、補助金より先にそちらの手続きから始めます。
東大阪市 省エネ設備更新事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度東大阪市省エネ設備更新事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 製造業
- 利用目的
- 生産設備の更新による省エネ化・生産性向上
- 対象地域
- 大阪府東大阪市(市内の事業所に設置する設備)
- 従業員数
- 製造業は資本金3億円以下または300人以下
いくら
- 補助上限額
- 300万円
- 補助率
- 1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月1日〜2027年2月28日(予算上限に達し次第終了)
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで(支払いと実績報告も)
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 中古品を買う
- ✕ 空調など生産設備以外を入れる
- ✕ 設備を増やすだけの投資をする
数字や用語は、次のとおりです。
製造業の中小企業とは、中小企業等経営強化法で定める中小企業者のうち製造業のことです。公募要領の表では、資本金が3億円以下か、常勤の従業員が300人以下の会社または個人が該当します。どちらか一方を満たせば足ります。ゴム製品製造業は従業員900人以下です。ただし自動車・航空機用のタイヤとチューブ、ベルトの製造業は除かれます。
製造業者かどうかは、履歴事項全部証明書(法務局で取る登記の証明書)に、製造や加工にあたる記載があるかで見ます。
先端設備等導入計画は、生産性を上げる設備投資の計画を、市が認定する仕組みです。この補助金では、2025年4月以降に東大阪市から認定を受けた設備だけが対象です。認定の申請には、認定経営革新等支援機関(国が認定した商工会議所・金融機関・税理士などの支援機関)の事前確認書が要ります。市は認定にかかる期間を10日ほどと見込んでいます。
SIIは、一般社団法人環境共創イニシアチブの略称です。国の省エネ・非化石転換補助金を運営していて、その「生産設備」の一覧に載る設備が対象になります。
市外の会社でも申請できます。東大阪市内の支所や事業所に置く生産設備を更新する場合です。そのときは、認定を受ける計画に市内への設備導入を書いておく必要があります。
いくら戻ってくる?
対象経費(税抜)の1/2です。上限は300万円で、上限に届くのは対象経費が600万円以上のときです。補助額は千円未満を切り捨てます。
- 対象経費が400万円の設備:400万円 × 1/2 = 200万円
- 対象経費が800万円の設備:800万円 × 1/2 = 400万円 → 上限の300万円
見積書に値引きがあれば、値引き後の額が対象経費です。公募要領の記入例では、見積書の本体が600万円で出精値引きが5万円なので、対象経費は595万円になります。1/2は297万5千円です。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税
- 保守、輸送、役務(工事や作業)の費用
- 見積書に本体と別に書かれたオプション
- 中古品
- 空調や変圧器などのユーティリティ設備
対象になるもの
- 生産設備の購入金額(税抜)
- 生産設備のリース料金(税抜)
対象の機械は、旋盤、マシニングセンタ、レーザー加工機、フライス盤、研削盤、歯車加工機、放電加工機、射出成形機、押し出し成形機、ブロー成形機、真空・圧空成形機、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシンです。市のページに挙がっています。
SIIのサイトに載る設備情報は随時更新されます。発注の前に、候補の機種が載っているかを自分で確かめてください。
更新前後で、使う目的が同じことも条件です。新しい機械で、古い機械と同じ加工や製作ができなければなりません。
申請の流れ
- 先端設備等導入計画の認定を受ける(事業者→東大阪市。2025年4月以降の認定が要ります。市の目安は10日ほどです)
- 2者以上から見積書を取る(事業者→販売事業者。確定金額で、最も安い見積書を使います)
- 電子申請システムで交付申請をする(事業者→東大阪市。2027年2月28日まで。省エネ効果の計算も申請書に書きます)
- 交付決定を待つ(東大阪市→事業者。通知は1〜2週間が目安で、申請が多いと延びます)
- 交付決定日以降に発注し、導入と支払いを終える(事業者。リース契約も同じ)
- 実績報告と交付請求を出す(事業者→東大阪市。完了から2週間以内か2027年3月31日の、早い日まで。実績報告書と交付請求書を同時に出します)
- 補助金の確定通知を受ける(東大阪市→事業者。確定後に、請求した口座へ振り込まれます)
実績報告のあとは、市職員の実地検査があります。申請書に書いた型式と、設置した機械の型式を突き合わせます。
交付申請書(様式第3号のExcel)には、更新前の設備と新しい設備の消費電力、1日の稼働時間、年間の稼働日数を書いて、省エネ率を計算する欄があります。更新する古い設備は、2026年4月1日から2027年3月31日の間に廃棄・除却することに同意して申請します。
必要な書類
準備できた 0 / 9
法人は履歴事項全部証明書、個人事業主は開業届を出します。開業届がなければ青色申告決算書で代えられます。どちらも直近3か月以内の発行であることが条件です。
滞納のない証明書も直近3か月以内のものです。市役所3階の納税課で、1通300円かかります。行政サービスセンターと税務署では出していません。
国・府の交付決定通知書は、後ほど説明する併用をするときだけ要ります。
実績報告では、実績報告書(様式第9号)、交付請求書(様式第11号)、納品書・請求書・領収書の写し、新しい設備の写真3枚、東大阪市技術交流プラザへの登録画面の写しを出します。様式第9号と第11号は、交付申請で作った様式第3号のExcelに書き足して出します。領収書がないときは、通帳の写しなどで代えられます。手形払いは認められません。写真の1枚は、設備に補助金名を書いたシールや油性ペンの表示を撮ったものです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前の契約・発注は、原則として対象外です。やむを得ない場合の事前着手は、承認を受ければ認められます。
- 予算がなくなった:受付は2027年2月28日までですが、予算の上限に達すると、期間の途中でも終わります。
- 期限に間に合わなかった:2027年3月31日までに、導入、支払い、実績報告のすべてを終えます。納期は発注の前に、メーカーへ確かめてください。
- 本体以外の費用を混ぜた:保守費や輸送費、別記載のオプションは対象外です。見積書は本体と分けてもらいます。
- 古い設備を処分しなかった:更新前の設備は、2027年3月31日までに廃棄・除却すると同意して申請します。
- 設備を処分した:減価償却資産の法定耐用年数の期間内に、売却や貸し付け、担保に入れると、補助金の返還を求められることがあります。
- 条件に違反した:うその申請や交付条件の違反があると、交付決定が取り消されます。すでに受け取った分の返還も命じられます。
国・大阪府の補助金と併用するには
原則として、国や府など他の補助金を受けた設備は対象外です。ただし例外が2つあります。国の省エネ・非化石転換補助金(令和7年度補正予算の設備単位型)と、大阪府の令和8年度中小事業者の脱炭素に係る自主的取組支援補助金です。
この2つとは併用できます。条件は、市への交付申請より前に交付決定を受けていることです。
併用すると、市の補助額は次の式で決まります。
市の追加補助 = 対象経費 × 1/2(上限300万円)- 国または府の補助額
- 対象経費800万円で国から200万円を受けた:300万円 - 200万円 = 100万円
- 国または府の交付が300万円以上:市の追加補助はなし
国の補助は空調なども対象にしますが、市の追加補助が出るのは生産設備だけです。
編集部としては、国の公募の時期を先に見てから、市の申請順を決めることを勧めます。市の申請の前に国の交付決定が要るからです。
受け取ったあとの義務
設備は、市に償却資産として申告します。事業が終わった年度の終了後3年間は、市のフォローアップ調査に答えます。領収書などの書類は、5年間保管します。
賃上げ表明に注意
2025年度の国の税制改正で、固定資産税の優遇を受けるには、先端設備等導入計画の認定の際に1.5%以上の賃上げ表明が必須になりました。
この補助金の要件に、賃上げは入っていません。ただし固定資産税の優遇もあわせて使うなら、認定の申請時点で賃上げ表明を用意します。
よくある質問
先端設備等導入計画の認定を受けていなくても申請できますか?
申請できません。補助対象者は、2025年4月以降に市から認定を受けた中小企業の製造業者です。導入する設備も、その認定を受けたものでなければなりません。認定を受けていない会社は、市の案内ページにある認定の手続きを先に済ませます。認定には支援機関の事前確認書が要り、市の目安は10日ほどです。受付期限から逆算して動いてください。
空調やLED照明の入れ替えは対象になりますか?
対象になりません。市のページには、ユーティリティ設備とその他の設備は対象外と書かれています。対象は、旋盤やプレス機械などSIIの「生産設備」の一覧に載るものです。国の省エネ補助金は空調なども対象にします。ただし市の追加補助が出るのは生産設備だけで、生産設備以外の設備には出ません。
工場の機械を増やすための購入は対象になりますか?
対象になりません。補助の対象は、いま使っている設備を新しい設備に入れ替える事業です。台数を増やすだけの購入は含まれません。更新の前後で、使う目的が同じであることも条件です。新しい機械で、古い機械と同じ加工や製作ができなければなりません。申請書には、更新前の設備の写真も2枚付けます。
リースの設備でも使えますか?
使えます。対象経費には、設備の購入金額のほかに、リース料金(税抜)が入ります。申請では毎月の支払額がわかる書類を出し、実績報告では、支払いが済んだ月の領収書を出します。リース契約も、交付決定日以降に結ぶ必要があります。契約前に、リース会社へ補助金の手続きを伝えておくと安全です。
見積書は何社から取ればよいですか?
異なる販売事業者2者以上に依頼し、最も安い見積書で申請するのが原則です。競争入札などが難しい場合や、不適当な場合は、この限りではありません。見積書は概算でなく確定した金額のものを使います。値引きがあるときは、値引き後の額を書いてもらいます。
国の補助金とは併用できますか?
条件つきで併用できます。国の令和7年度補正予算の省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)と、大阪府の令和8年度の脱炭素に係る補助金が対象です。市への申請より前に交付決定を受けている必要があります。市の追加補助は、対象経費の1/2(上限300万円)から国や府の額を引いた差額です。国や府の交付が300万円以上なら、追加はありません。
交付決定の前に発注してしまったら、どうなりますか?
原則として、交付決定の前に生じた経費は対象外です。例外は事前着手承認で、事業のうえでやむを得ない場合に、モノづくり支援室へメールで申請します。承認されれば、承認日から交付決定日までの経費も対象にできます。ただし承認されても、予算の都合で不交付になる場合があります。その損失について、市は責任を負いません。
補助金はいつ振り込まれますか?
実績報告のあとです。市が内容を確認すると、補助金の確定通知が電子申請システムから届きます。交付請求書は実績報告のときに一緒に出しているので、確定後は指定した口座に振り込まれます。補助金は精算払いで、設備の代金は先に自社で払う必要があります。具体的な振込時期は、公式ページと公募要領に記載がありませんでした。資金繰りは、モノづくり支援室に確かめて組んでください。
同じ年度に2回申請できますか?
できません。申請日の属する会計年度(4月から翌年3月)に、すでにこの補助金の交付決定を受けている場合は対象外です。複数の設備を入れ替えたいときは、同じ年度のうちに何回まで申請できるかが、公式ページに書かれていません。見積を取る段階で、モノづくり支援室に確かめておくと安心です。
補助金で買った設備を、あとで売却できますか?
減価償却資産の法定耐用年数の期間内は、市の承認なしに売却や貸し付けはできません。処分する場合は、先に取得財産処分承認申請書を出します。承認されても、残存簿価か売却額を目安に、補助金額を限度として返金します。自社の工場間で市内移転する場合は、処分に当たりません。ただし市への連絡は必要です。
事業の完了期限に間に合いそうにないときは?
2027年3月31日までに、導入、支払い、実績報告のすべてを終える必要があります。期限を過ぎた分は受け付けません。間に合いそうにないとわかった時点で、必ず事前にモノづくり支援室へ相談します。発注の前にメーカーへ納期を確かめ、期限から逆算して交付申請の時期を決めることが、最も確実な備えです。
問い合わせ先はどこですか?
東大阪市都市魅力産業スポーツ部モノづくり支援室です。電話は06-4309-3177で、メールは monodukuri@city.higashiosaka.lg.jp です。問い合わせが集中すると、回答に時間がかかる場合があります。迷う点は、申請の前にまとめて質問しておくのが確実です。事前着手の承認も、このメールで申請します。
