医師が地方の診療所への赴任をためらう理由は、仕事の内容だけではありません。住む場所の質が、赴任するかどうかの判断を左右することがあります。
広島県のこの事業は、正式名称を「重点医師偏在対策支援区域における医師の勤務・生活環境改善のための施設整備事業」といいます。医師住宅などの生活環境を整備する費用を支援する制度で、代替医師確保支援事業と同じ「勤務・生活環境改善」の枠組みに属します。この記事は施設整備に絞って解説します。
医師住宅等施設整備事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(医療機関) |
| 制度名 | 重点医師偏在対策支援区域における医師の勤務・生活環境改善のための施設整備事業 |
| 対象業種 | 医療業(保険診療を主とする医療機関) |
| 利用目的 | 医師の勤務・生活環境を改善するための施設整備(医師住宅の整備等) |
| 対象地域 | 尾三圏域(三原市・尾道市・世羅町)および県が指定する医師少数スポット地域 |
| 従業員数 | 規定なし(医療機関としての要件のみ) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(関係事業者あて通知文の別紙に記載。医療政策課へお問い合わせください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(医療政策課へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 活用意向調査(2次募集)の締切は令和8年8月21日(金曜日)17時必着 |
| 公式サイト | 広島県「重点医師偏在対策支援区域における医師の勤務・生活環境改善のための施設整備事業」 |

「診療所の承継・開業支援事業」との違い
似た名前の事業に「診療所の承継・開業支援事業」があります。どちらも医師住宅の整備を対象に含みますが、前提となる状況が違います。
承継・開業支援事業は、診療所を新しく承継・開業する医師を対象にした支援です。一方、この施設整備事業は、承継・開業のタイミングに限らず、既存の医療機関が医師の勤務・生活環境を改善するために行う施設整備を広く対象にしていると読み取れます。自院がどちらに当てはまるかは、承継・開業のタイミングかどうかで判断する材料になります。
「勤務・生活環境改善」という言葉が指す範囲の広さ
制度名にある「勤務・生活環境改善」という言葉は、住宅整備だけでなく、働き方そのものの改善も視野に入れた表現です。実際、同じ枠組みには代替医師確保支援事業(休暇・研修時の代替医師確保)も含まれています。
この事業単体では「箱もの」の整備が中心ですが、県としては「住環境」と「働き方」の両輪で医師を呼び込む設計にしていると考えられます。施設整備を検討する医療機関は、あわせて代替医師確保支援事業の活用も視野に入れるとよいでしょう。
申請前に確認したいタイミング
- 提出方法はメールのみ(fumedsei@pref.hiroshima.lg.jp)。郵送での提出は想定されていません
- 事業計画を提出したあと、広島県医療対策協議会及び広島県保険者協議会での合意を得て初めて支援対象として確定します。意向調査の回答だけで支援が決まるわけではない点に注意してください
よくある質問
医師住宅の新築・増築・改築・改修、どこまでが対象ですか?
公式ページには施設整備の対象工事の種別までは詳しく記載されていません。工事内容ごとの対象可否は医療政策課へ確認してください。
既存の医師住宅の老朽化対応(改修)だけでも申請できますか?
公式ページに記載なし(医療政策課へお問い合わせください)。
代替医師確保支援事業とあわせて申請することはできますか?
同じ「勤務・生活環境改善」の枠組みに属する別メニューです。両方の申請が可能かどうかは医療政策課医療支援グループへ確認してください。
