この補助金で最初にするのは、補助金の申請ではなく「診断」の申込みです。専門家が事業所を訪ねて設備の導入計画を見て、申請してよいかを判定します。診断で「可」と判定されなければ、補助金には申請できません。
診断を通れば、設備費の3分の2以内(100万〜500万円)が補助されます。対象は県内に事業所がある法人で、製造業以外も使えます。
ただし、令和8年度の補助金は、予算上限額に達して、2026年10月16日に申請受付を終了しました。公式サイトは10月22日に、令和8年度の申込受付は終了したと案内しています。伴走型現場改善診断だけは、申込状況によって実施できない場合がありますが、引き続き申込みを受け付けています。
広島県 生産性向上設備導入補助金の要点まとめ
正式名:生産性向上設備導入補助金事業
だれが
- 申請者
- 事業者(法人のみ。個人事業主は対象外)
- 対象業種
- 業種の指定なし(製造業以外も可)
- 利用目的
- 省人化・省力化・生産性向上のための設備導入
- 対象地域
- 広島県
- 従業員数
- 規定なし(中小企業者の基準を満たす法人)
いくら
- 補助上限額
- 500万円(補助額は100万〜500万円)
- 補助率
- 補助対象経費(税抜)の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月8日開始。予算上限額に達して2026年10月16日に終了
- 事業の完了
- 2026年12月28日まで(支払いまで)
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人事業主
- ✕ 設立から3年たっていない法人
- ✕ 医療法人・社会福祉法人
- ✕ みなし大企業
法人でも、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・特例有限会社と、企業組合・協業組合・事業協同組合等に限ります。一般社団法人や学校法人なども対象外です。
中小企業者の基準は、資本金と従業員数のどちらか一方を満たせば足ります。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。一部の業種は別の基準なので、募集要項で確かめてください。
みなし大企業とは、大企業が株式の2分の1以上または3分の2以上を持つなど、中小企業でも対象外になる会社のことです。
パートナーシップ構築宣言は、発注側の立場で代表者の名前により、取引先との共存共栄を公表するものです。公表済みか、実績報告までに申請していれば足ります。
赤字でも申請できます。売上の条件もなく、従業員が0人の法人も対象です。
申請書に付ける誓約・同意書には、労働関係の法令を守っているという誓約が入っています。年5日の有給休暇の取得、時間外労働の上限、地域別最低賃金以上の賃金、定期健康診断の実施の4つです。
いくら補助される?
補助率は経費の3分の2以内です。補助額は100万〜500万円で、対象経費の合計が150万円(税抜)に満たないと申請できません。
- 生産管理システムを入れる:150万円 × 2/3 = 100万円(下限)
- 検査装置を入れる:450万円 × 2/3 = 300万円
- 加工機を入れる:900万円 × 2/3 = 600万円 → 上限の500万円
上限の500万円に届くのは、経費が750万円(税抜)以上のときです。金額は仮の例です。
審査のうえ、申請額より減らされることがあります。補助金は後払いなので、代金はいったん自社で支払います。
何に使える?
対象にならないもの
- 中古品とリース契約の設備
- 省エネ設備(空調・照明・太陽光発電・蓄電池など)
- 古い設備の撤去・廃棄費
- 単なる老朽更新と、同等品への置き換え
- 建物の工事・改修と、基礎工事
- ホームページの作成・改修費
- 現場改善に結びつかない、会計・人事など事務用のソフト
- Officeなどの一般事務用ソフトと、セキュリティ対策ソフト
- 自動車・トラック、複合機などのOA機器
- 申請書類の作成代行費と、振込手数料
- 県外に置く設備
対象になるもの
- 機械装置・専用ソフト・システムの購入(加工機、検査装置、センサー、IoT機器、生産管理システム)
- 設計費(導入に欠かせないもの)
- 据付・配線・配管・運搬の工事(機械の設置と一体の軽いもの)
- 技術指導費(システムの初期設定、操作説明)
- クラウド・サブスクの利用料(12月28日までの分)
機械装置・システムの購入がない申請は認められません。パソコンやタブレットは、導入するシステムと一体で使う最小限のものに限ります。
支払いは銀行振込だけです。現金・クレジットカード・ポイントは使えません。
申請の流れ
- 診断を申し込む(事業者→事務局。診断申込書と設備導入計画の資料をメールで。令和8年度分は2026年10月16日に受付終了)
- 専門家の現場診断を受ける(専門家→事業所。ヒアリングと現地確認)
- 設備導入計画案を出す(事業者→事務局。診断を踏まえて作り、可否の判定を受ける)
- 「可」なら交付申請を出す(事業者→事務局。個別の説明のあと、書類をメールで)
- 交付決定を待つ(事務局→事業者。決定の前は発注しない)
- 発注・納入・検収・支払いを終える(事業者。12月28日まで。利用開始も含む)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。完了から30日後か2027年1月8日の早い方まで)
- 額の確定を受けて請求する(事業者→事務局。請求から1〜2か月ほどで振込)
必要な書類
準備できた 0 / 12
納税証明書と履歴事項全部証明書は、申請日から3か月以内の発行分に限ります。見積書は「一式」では認められず、内訳が分かるものが必要です。2社以上から取れないときは、理由書を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定より前に発注・契約・支払いをした分は対象外です。見積書を取るだけなら、決定前でも構いません。
- 12月28日までに終わらなかった:納入・検収・支払い・利用開始まで済ませる必要があります。遅れると交付決定が取り消されることがあります。
- パートナーシップ構築宣言をしなかった:実績報告までに申請がないと、交付決定が取り消されます。
- 同じ設備で他の補助金も申請した:併用はできません。別の設備や別の目的なら申請できます。
- 予算がなくなった:予告なく受付が終わることがあります。診断申込書には、交付できない見込みが高いという断り書きがあり、受け付けたあとでも、予算の執行状況によっては交付できないことがあります。
- 偽りや目的外の使用があった:交付決定が取り消され、補助金の返還を命じられます。受け取った日から返すまで、年10.95%の加算金も付きます。
- 取得した設備を勝手に処分した:単価50万円(税抜)以上の設備は、耐用年数に相当する期間、事前の承認なしに売却や廃棄ができません。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できません。この補助金の対象は法人です。屋号で申請することもできません。法人化を考えている個人事業主は、設立から3年以上たつことも条件なので、すぐには対象になりません。株式会社・合同会社などの法人であれば、従業員がいなくても、赤字でも申請できます。まず自社が法人格と設立年数の条件を満たしているかを確かめてください。
設立から3年未満の法人は申請できますか?
申請できません。補助金を申請する時点で、設立から3年以上たっている必要があります。診断の申込みではなく、補助金の申請時点で見る条件です。設立年月は診断申込書に書き、決算報告書は直近3期分が必要です。設立から3年に届かない場合は、この制度は使えないため、別の補助金を探すことになります。
診断で「不可」になったら、もう申し込めませんか?
原則として「可」になった事業者が優先ですが、再び申し込める場合があります。条件は、予算に残りがあることと、2026年12月28日までに発注・納入・検収・支払い・利用開始のすべてを終えられることです。両方を満たす場合に限ります。診断の結果は、可否にかかわらず専門家からのフィードバックが受けられます。
申請の締切はいつですか?
締切日は決まっていません。募集要項には、受付の終了期日は別途定めると書かれています。あわせて、予算がなくなり次第終了するため、予告なく受付が終わることがあります。診断申込書の冒頭には、予算額の上限に非常に近く、交付できない見込みが高いという断り書きもあります。募集は診断が80社程度、補助金が40社程度です。事業の完了は2026年12月28日までなので、診断から交付決定までの日数を考えて早めに動いてください。
製造業でなくても対象になりますか?
対象になります。製造業に限らず、サービス業や小売業も使えます。大切なのは、省人化・省力化につながる設備導入であることです。受発注管理や在庫管理のシステムのような、業務効率化のための導入も対象の例に挙がっています。医療法人や社会福祉法人は法人でも対象外ですが、会社組織で運営している調剤薬局や介護施設は対象になり得ます。
本社が県外でも使えますか?
使えます。広島県内に事業所があれば対象で、本社の所在地は問われません。ただし、設備を置く場所は県内の事業所に限ります。県外に設置する設備は対象外です。複数の事業所があっても、申請は法人ごとに1社1件までで、支店ごとの申請はできません。本社の住所と代表者名で、まとめて1件にします。
パートナーシップ構築宣言とは何ですか?
発注する側の立場で、取引先との共存共栄や付加価値の向上を目指すことを、代表権のある人の名前で公表するものです。この補助金では加点ではなく必須の条件です。公表済みであるか、実績報告書を出すまでに申請していれば足ります。実績報告までに申請がないと、交付決定が取り消されるので、早めに手続きを済ませておくと安心です。
見積書は何社分必要ですか?
設備ごとに、原則として2社以上の見積書が必要です。価格が妥当かを確かめるためで、同等品で比べます。内訳が分かるものに限り、「一式」だけの記載は認められません。2社以上から取るのが難しいときは、理由書を出します。個人からの購入や、ネットオークションでの購入は認められないので、販売業者から買う設備で見積もりを取ります。
古い設備を新しくするだけでも対象ですか?
対象になりません。単なる老朽化による更新や、同等の設備への置き換えは対象外です。古い設備の撤去・廃棄費も補助されません。対象になるのは、省人化・省力化や生産性の向上につながる設備です。計画書には、今の課題と導入後の効果を、工数の削減や不良率の低減などで書きます。診断でもその妥当性を確かめます。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業が終わってから、後払いで振り込まれます。実績報告書を出すと、書類の審査や現地調査を経て、補助金の額が確定します。そのあとに請求書を出し、内容が確認されてから1〜2か月ほどで入金です。書類に不備があると確認に時間がかかります。振込までは、代金を自社で立て替える資金が必要です。
診断に費用はかかりますか?
公式ページと募集要項には、診断の費用についての記載がありませんでした。費用の有無は、申し込む前に事務局へ確かめてください。診断は専門家が事業所を訪ね、ヒアリングと現地確認で設備導入の妥当性を見るものです。申込みには、設備導入計画の資料を作成しておく必要があります。
他の補助金と併用できますか?
同じ設備については併用できません。同一の案件で、国や県、市町などの他の補助金を申請していないことが条件です。別の目的の事業や、別の設備であれば、それぞれ申請できます。他の制度の応募を考えているときは、対象の設備が重ならないかを先に整理し、不安があれば事務局に問い合わせてください。
問い合わせ先はどこですか?
生産性向上設備導入補助金事務局です。電話は06-6534-3222、メールはbs-info@yamazen.co.jpです。診断の申込み、補助金の交付申請、実績報告の書類は、すべてこの事務局に出します。代理申請は認められないため、連絡を受ける担当者は、自社の代表者か従業員にしてください。外部のコンサルタントは担当者になれません。
