診療所の後継者不足は、一般の中小企業の事業承継と同じ構図で起きています。ただし診療所の場合、後継者が見つからないと地域から診療科そのものが消えるという違いがあります。
広島県はこの事業で、尾三圏域(三原市・尾道市・世羅町)と医師少数スポット地域で診療所を承継・開業する医師に、施設整備費や住宅整備費を補助します。同じ区域を対象にした支援事業は他にもあり、この記事は承継・開業する側の支援に絞って解説します。派遣元医療機関への支援は別記事で扱っています。
診療所承継・開業支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(医療機関) |
| 制度名 | 重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継・開業支援事業 |
| 対象業種 | 医療業(診療所) |
| 利用目的 | 診療所の承継・開業にともなう診療部門の整備費、医師・看護師住宅の新築・増築・改築・改修費の支援 |
| 対象地域 | 尾三圏域(三原市・尾道市・世羅町)および県が指定する医師少数スポット地域 |
| 従業員数 | 規定なし(医療機関としての要件のみ) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(関係事業者あて通知文の別紙に記載。医療政策課へお問い合わせください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(医療政策課へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 活用意向調査(2次募集)の締切は令和8年8月21日(金曜日)17時必着 |
| 公式サイト | 広島県「重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継・開業支援事業」 |

「令和7年11月11日以降」という起点が意味すること
対象になる診療所は「令和7年11月11日以降に承継・開業した診療所」に限定されています。この日付を境に線を引いているということは、この事業自体が令和7年度後半に新設された枠組みだと読み取れます。
つまり、それより前から承継・開業していた診療所は対象になりません。自院の承継・開業日がこの基準日以降かどうかを、まず確認する必要があります。基準日をまたいで検討している段階の医療機関は、タイミングを合わせられるかどうかで支援の対象・対象外が分かれる可能性があります。
2次募集で「対象外」になった項目に注意
この募集は2次募集にあたり、公式ページには「設備整備と定着支援は対象外」と明記されています。1次募集では対象だった項目が、2次募集では絞られているということです。
つまり2次募集で使えるのは診療部門の整備費と医師・看護師住宅の整備費のみで、開業後の運営を支える設備投資や、定着を後押しする支援メニューは今回の対象に含まれません。制度の年度内での変化に注意してください。
申請前に確認したいタイミング
- 提出方法はメールのみ(fumedsei@pref.hiroshima.lg.jp)。件名を「【医療機関等名】診療所の承継・開業支援事業」とする指定があり、フォーマットを守らないと受理されない可能性があります
- 広島県医療対策協議会・保険者協議会での合意形成が必要な制度です。意向調査の締切から実際の支援対象決定までにはさらに時間がかかると見込んでおくべきでしょう
よくある質問
令和7年11月11日より前に開業した診療所は今後も対象になりませんか?
公式ページに記載なし(医療政策課へお問い合わせください)。今回の2次募集では基準日以降の承継・開業が条件です。
住宅整備費だけを申請することはできますか?
診療部門の整備費と医師・看護師住宅の整備費が対象経費として並記されていますが、両方が必須かどうかまでは公式ページに明記がありません。医療政策課へ確認してください。
この事業と派遣元医療機関支援事業を、同じ診療所が両方使えますか?
対象が異なります。この事業は承継・開業する診療所側の支援で、派遣元医療機関支援事業は医師を送り出す病院側の支援です。承継する診療所が同時に医師を派遣する立場になることは想定しにくいため、通常は片方の申請になります。
