グループホームを増やしたい法人や、老朽化した入所施設を建て替えたい法人は、動き出す時期に注意が要ります。県が整備計画を集めるのは、着工する年度の前の年の夏だからです。令和9年度の整備なら、2026年の7月28日付の照会から8月28日の締切までの1か月でした。
令和9年度分は、2026年8月28日(金)17時15分に受付が終わりました。提出後は、県から求められた場合を除いて、書類の追加や修正もできません。次の照会の時期は、公式ページに記載がありません。この記事は、令和9年度分の流れを手がかりに、次に備える点をまとめます。
広島県 障害児者施設整備費補助金の要点まとめ
正式名:令和9年度社会福祉施設等(障害児者関係施設)整備費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(社会福祉法人等)
- 対象業種
- 社会福祉業(障害児者関係施設を運営する法人等)
- 利用目的
- 障害児者関係施設の創設・増築・改築・大規模修繕など
- 対象地域
- 広島県内(広島市・福山市・呉市での整備は原則対象外)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(障害者支援課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 公式ページに記載なし(国の交付要綱の基準額による)
- 補助率
- 公式ページに記載なし(国の交付要綱で施設の種類ごとに決まる)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月28日〜2026年8月28日(受付終了)
- 事業の完了
- 2028年3月まで(単年度事業が原則)
次に向けて、うちの法人は対象になる?
令和9年度分の照会と方針にもとづく目安です。次回の条件は、公式ページで確かめてください。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象の整備は、障害者支援施設・障害福祉サービス事業所・障害児入所施設・児童発達支援センター・障害児通所支援事業所などです。グループホームや短期入所、相談支援事業所の整備も含まれます。
次のどれかに当たると対象外、または採択されません。
- ✕ 広島市・福山市・呉市での整備
- ✕ 設備基準を指定権者と調整していない
- ✕ 就労継続支援A型の新設で専門家会議が未了
- ✕ 年度をまたぐ整備計画
広島市・福山市・呉市は、それぞれの市が国と手続きをします。そのため県のこの補助の対象外です。例外があります。福山市と呉市で障害児入所施設と児童発達支援センターを整備する場合は、県の対象に入ります。
就労継続支援A型の創設(移転改築を除く)や、増員を伴う整備は、県の専門家会議で事業計画が採択されていることが条件です。採択されていないと、整備計画は採択されません。
いくら戻ってくる?
県のページには、補助率も上限額も書かれていません。金額は、国の「社会福祉施設等施設整備費」と「次世代育成支援対策施設整備交付金」の交付要綱で決まります。要綱には、施設の種類と整備の区分ごとに、基準額と国庫補助率の表があります。
障害児施設は、令和5年4月のこども家庭庁の創設から、「次世代育成支援対策施設整備交付金」の対象です。障害者施設(成人向け)は、従来どおり「社会福祉施設等施設整備費国庫補助金」です。財源が違うので、国へ協議する時期も内示の時期も違います。
対象経費には、工事費のほかに工事事務費(旅費・消耗品費・設計監督料など)があります。国の交付要綱では、工事事務費の限度額は工事費の2.6%です。たとえば工事費が10,000万円の計画なら、次の計算になります。
- 10,000万円 × 2.6% = 260万円(工事事務費の限度額)
これは対象経費の枠の計算で、補助される額ではありません。補助額は、この対象経費に国庫補助率などを掛けて決まります。
国の要綱の表から読み取れる割合もあります。ただし、県が実際にどの割合で補助するかは、県のページに書かれていません。
- 障害児施設(次世代育成支援対策施設整備交付金):民間の法人に県が補助する場合、国1/2、県1/4、法人1/4が国の想定割合です。国の質疑応答集は、障害児施設等の自治体負担は、この割合以外は認められないとしています。
- 障害者施設(社会福祉施設等施設整備費国庫補助金):要綱の表に県補助率3/4、国庫補助率2/3と書かれています。国庫補助率は、県の補助額のうち国が見る部分(国庫補助基本額)に掛ける率です。法人が受け取る割合そのものではありません。
交付額は、施設の種類ごとの基準額と、対象経費の実際の支出額を比べて、少ない方をもとに決まります。基本設計料は対象経費に入らず、実施設計料は工事事務費の枠(2.6%まで)に入ります。障害児施設の整備では、建物が自己所有でない賃貸物件の整備は、対象外とされています(大規模修繕等の「障害福祉サービス事業等改修整備」を除く)。
補助額をいくらと見込めるかは、整備する施設の種類で変わります。計画の段階で、障害者支援課(電話082-513-3158)に確かめるのが確実です。国の予算は、要望額が大きく上回っています。補助が付かない場合の事業計画も考えておく、と県が書類作成の留意点に書いています。
どんな整備が選ばれやすい?
令和9年度の方針では、次の整備を重点的に採択するとされていました。
- 重症心身障害児(者)の支援を強める整備(医療型の短期入所、重症心身障害児を主な対象とする児童発達支援など)
- 児童発達支援センター(未設置の市町が整備するものを優先)
- 児童発達支援や放課後等デイサービスなどを複数組み合わせた整備
- グループホーム(入所施設の定員を減らす地域移行と合わせたもの、長期入院の精神障害者の住まいを確保するもの、短期入所などの体制を備えた日中サービス支援型)
- 昭和56年以前の建物の改築など、耐震性のない建物の整備
- 非常用の自家発電設備・水害対策・給水設備・多床室の個室化の改修
共通の方針もあります。同じ市町内に事業所がない地域か、圏域内で事業所が足りない地域での、創設や拡充が対象です。創設のときは、土砂災害警戒区域などの危険箇所の外で整備します。市町の補助を受けられる予定がある整備は、優先されます。避難スペースを一体で整備するもの、地域生活支援拠点として整備するものも優先されます。法人の運営実績や財務状況、借入金の返済計画、内部留保資金も見られます。
申請から完成までの流れ
令和9年度分の予定です。
- 県が整備計画を照会する(県→法人。2026年7月28日付)
- 整備計画を電子申請で出す(法人→県。8月28日17時15分まで。ページのスケジュール欄は回答締切を8月27日としていますが、提出期限は照会文も8月28日です)
- 補助事前協議のヒアリングを受ける(法人→県。9月以降。書類がそろえば8月中でも順次)
- 県の審査会を受ける(県。11月に予算要求、12月に審査会)
- 国へ協議し内示を待つ(県→国。障害児施設は2027年1月協議・4月内示、障害者施設は4月協議・6月内示)
- 交付申請をして、内示後に入札・契約・着工する(法人→国・県。障害児施設は5月、障害者施設は7月)
- 2028年3月までに完了する(法人。完成検査のあと、指定の手続きに進む)
障害者施設の内示は、7月にずれ込む可能性があります。整備の内容によっては、補正予算で計画を出す場合もあります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
意見書(様式4)は、整備する市町(広島市を除く)の障害福祉担当部署に作成を依頼します。市町長名で出す書式で、市町内の施設整備状況やニーズ、市町の福祉計画との整合性を市町が書きます。整備計画理由書(様式2)には、指定権者や市町との事前協議の状況を書く欄があります。ハザードマップの図は、創設の場合に付けます。見積書と図面は、できるだけ設計事務所が作ったものを出します。見積書は国の積算基準にもとづき、中項目程度のものです。
決算報告書には、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書を含めます。借入金は、整備計画の分を含めたすべてについて、借入期間・残りの返済期間・年間返済額を書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 内示の前に着手した:内示の前に入札や契約をすると、補助の対象外になる場合があります。内示後に着手します。
- 財産処分の承認を受けなかった:補助で整備した施設や設備を、国が定める期間の内に転用・譲渡・貸付・取壊し・交換・廃棄するには、中国四国厚生局長の承認が要ります。承認なしだと補助金の返還が必要になる場合があります。
- 採択されなかった:整備計画を出しても、採択されるとは限りません。国に協議した案件がすべて採択されるわけでもありません。
- 熟度が足りなかった:次年度に実施できる熟度が求められます。基本設計程度が目安です。設備基準に合うかどうかは、指定権者と調整します。県の整備担当は確認しません。
- 年度内に終わらなかった:単年度事業が原則です。年度内に完成できない場合は、協議が要ります。
よくある質問
令和9年度分は、いまから申請できますか?
申請できません。令和9年度分の整備計画は、2026年8月28日(金)17時15分で受付が終わりました。提出後は、県から求められた場合を除いて、書類の追加・削除・修正もできません。令和10年度以降に整備を予定しているなら、次の照会が出る時期を障害者支援課 指導検査グループ(電話082-513-3158)に確かめてください。
次の募集はいつ出ますか?
公式ページに記載がありません。令和9年度分は、2026年7月28日付で県が照会を出し、締切は8月28日でした。ただし、翌年度も同じ時期になるとは書かれていません。整備を考えている法人は、早めに障害者支援課へ連絡してスケジュールを確かめておくと安心です。前の年の夏までに、基本設計程度の計画をつくっておく流れです。
補助率や上限額はいくらですか?
県のページに、補助率も上限額も書かれていません。金額は、国の交付要綱に定められた基準額と国庫補助率で決まります。施設の種類や整備の区分によって異なります。財源も分かれています。障害児施設は「次世代育成支援対策施設整備交付金」で、障害者施設は「社会福祉施設等施設整備費国庫補助金」です。見込み額は、計画の段階で県に確かめてください。
広島市で施設を整備する場合は、どこに相談すればよいですか?
広島市の障害福祉担当部署に相談してください。広島市、福山市、呉市で行う整備は、県のこの補助の対象外です。それぞれの市が、国との手続きをするためです。例外として、福山市と呉市で障害児入所施設や児童発達支援センターを整備する場合は、県の対象に入ります。迷うときは障害者支援課に確かめてください。
計画を出せば、必ず補助を受けられますか?
受けられるとは限りません。県は、提出された整備計画が採択されるとは限らないと書いています。さらに、国に協議した案件がすべて採択されるとも限りません。近年は、全国の補助要望の金額が国の予算を大きく上回っています。県は、補助が付かない場合の事業計画も考えておくよう求めています。資金計画は、補助なしの場合も試算しておくと安心です。
内示の前に契約や着工をしてもいいですか?
避けてください。内示の前に事業に着手すると、補助の対象外になる場合があります。県は、内示のあとに入札や契約ができると説明しています。国の質疑応答集では、内示前に契約すると交付の対象外で、契約を担保する仮契約も認められません。入札のような契約の事前準備は、内示の前でも認められています。内示の時期は、障害児施設が令和9年4月の予定です。障害者施設は6月の予定で、7月にずれ込む可能性もあります。工事業者との契約や発注の日程は、内示のあとに組むと安全です。
見積書や図面は、誰が作ったものを出せばよいですか?
できるだけ設計事務所が作ったものを出します。県の照会文は、見積書と図面について、可能な限り設計事務所が作成したものを用意するよう求めています。見積書は、国の積算基準にもとづき、積算事務所が作成した中項目程度のものです。創設の場合は、土砂・洪水・津波のハザードマップに整備箇所を示した資料も付けます。
どの程度まで設計が進んでいないと出せませんか?
次の年度に実施できる熟度が必要です。県の留意点では、施設整備は基本設計程度ができているものを、提出できる事業計画の水準としています。設備基準を満たすかどうかは、事前に指定権者と調整します。県の施設整備の担当は、この確認をしません。調整の結果は、計画書に反映してから提出します。
補助を受けたあと、施設を別の用途に変えられますか?
承認なしにはできません。補助で整備した財産は、国が定める期間を過ぎるまで、中国四国厚生局長の承認を受けずに処分できません。処分とは、転用・譲渡・貸付・取壊し・交換・廃棄のことです。承認を受けずに処分すると、補助金の返還が必要になる場合があります。抵当権などを設定する場合も事前の承認が要り、事業計画書(様式1)には抵当権の有無を書く欄があります。事前の相談と書類は、処分の日の1か月前までに厚生局へ出します。国は、処分予定日の2か月前までの申請を求めています。
事業はいつまでに終えればよいですか?
令和9年度分は、2028年3月までに事業を完了します。単年度事業が原則で、年度内に完成できない場合は協議が必要です。完成したら完成検査があります。検査のあとは、完成した翌月を目安に、サービスを始められるよう指定の手続きを進めます。
株式会社やNPO法人でも対象になりますか?
県のページには「社会福祉法人等が行う施設整備」と書かれています。株式会社やNPO法人がどこまで対象になるかは、県のページに記載がありません。国の交付要綱では、施設の種類ごとに設置者が決まっています。障害福祉サービス事業所(療養介護を除く)や児童発達支援事業所などは、NPO法人や営利法人も設置者に挙がっています。障害者支援施設、障害児入所施設、児童発達支援センターは、社会福祉法人などに限られています。県がどこまで受け付けるかは、計画を出す前に障害者支援課 指導検査グループに確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
広島県健康福祉局 障害者支援課 指導検査グループです。電話は082-513-3158です。住所は広島市中区基町10番52号です。整備計画は、県の電子申請システムから出します。財産処分については、中国四国厚生局 健康福祉部 健康福祉課(電話082-223-8264)に相談できます。
