原材料費と最低賃金がじわじわ上がる中で、社員の基本給まで引き上げるのは正直きついというのが本音ではないでしょうか。一宮市はその引き上げ分の一部を、従業員1人あたり3万円という形で肩代わりします。
一宮市賃上げ促進支援金は、2025年1月1日から2026年12月31日の間に従業員の基本給を月額3%以上引き上げた市内の中小事業者等を対象にした制度です。支援対象になった従業員1人につき3万円、1事業者あたり10人分・上限30万円まで受け取れます。申請受付は2026年7月1日から始まっています。
一宮市賃上げ促進支援金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 一宮市賃上げ促進支援金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(中小企業、個人事業主、社会福祉法人、医療法人など市内に事業所を有する中小事業者等) |
| 利用目的 | 基本給の引き上げ(賃上げ)にかかる経営負担の軽減 |
| 対象地域 | 愛知県一宮市(市内に事業所を有すること) |
| 従業員数 | 規定なし(対象は市内在勤の正規雇用労働者、および週20時間以上の非正規雇用労働者) |
| 補助上限額 | 30万円(1事業者につき10人分が上限) |
| 補助率 | 定額。支援対象賃上げ率を満たした従業員1人につき3万円 |
| 申請受付 | 2026年7月1日〜2027年1月31日(予算6億円に達し次第終了) |
| 公式サイト | 一宮市「一宮市賃上げ促進支援金」 |

いくら受け取れるか。人数と賃上げ率の両方で決まる
補助額は「投資額の何割」ではなく、基本給を3%以上引き上げた従業員の人数で決まります。基準は次のとおりです。
- 2025年1月1日〜2026年12月31日の間に、基本給を月額3%以上引き上げること
- 対象になった従業員1人につき3万円
- 1事業者あたりの上限は10人分・30万円
具体的に見てみます。
- 従業員4人の飲食店で全員の基本給を3%以上引き上げた場合: 3万円×4人=12万円
- 従業員12人の製造業で10人の基本給を引き上げた場合: 3万円×10人=30万円で上限に到達
- 従業員1人の個人事業主(雇用スタッフ1名)が3%以上引き上げた場合: 3万円×1人=3万円
対象になるのは市内在勤の正規雇用労働者と、週20時間以上働く非正規雇用労働者です。週20時間未満のパート・アルバイトは対象に含まれない可能性が高いため、勤務時間を事前に確認しておくとよいでしょう。
賃上げの基準時点はいつか
対象期間は2025年1月1日から2026年12月31日までの2年間です。この期間内のどこかで基本給を月額3%以上引き上げていれば対象になります。すでに2025年中に引き上げを済ませていても、さかのぼって申請できる可能性がある点が、他市の同種制度と異なるポイントです。
ただし、賃上げの前後を比較できる資料(賃金台帳・労働条件通知書等)が必要になるため、引き上げ前の記録が残っているかどうかを確認しておく必要があります。
予算6億円という規模の意味
この制度の予算規模は6億円です。上限30万円で計算すると、単純計算で2,000事業者分に相当する規模になります。予算に達し次第終了する仕組みのため、対象になる見込みがあるなら早めに申請準備を進めるのが安全です。
申請の詳細な手続きは、一宮市が開設している特設サイトで案内されています。
よくある質問
2025年にすでに賃上げを実施しました。今から申請できますか?
対象期間は2025年1月1日から2026年12月31日までとされているため、この期間内の賃上げであれば申請できる可能性があります。必要な書類(賃上げ前後の賃金台帳等)が残っているか確認したうえで、一宮市賃上げ促進支援金事務局にお問い合わせください。
週20時間未満のパート従業員の賃上げは対象になりますか?
対象外です。対象は「申請時点で市内事業所に勤務する正規雇用労働者、および週所定労働時間20時間以上の非正規雇用労働者」に限られており、週20時間未満の非正規雇用労働者は含まれません。
役員や個人事業主本人の賃上げは対象になりますか?
対象外です。この支援金の対象は「常時使用する従業員」であり、役員や事業主本人、家族従業員は含まれません。対象になるのは、正規雇用労働者と週20時間以上・1年以上雇用予定の非正規雇用労働者です。
基本給3%の計算は、いつと比べますか?賞与も含みますか?
比較月(賃上げ前)と対象月(賃上げ後)の賃金を比較し、3%以上増加しているかで判定します。月給制の従業員は所定内賃金、時給制の従業員は時給換算額で比較し、賞与や諸手当は計算に含みません。基本給そのものの引き上げが要件です。
支援金を受け取った後、賃金を下げたらどうなりますか?
返還を求められる可能性があります。賃金引き上げ後1年以内に賃金を引き下げると、支給要件に反するとして返還の対象になります。ただし従業員の自主退職による対象外化は返還不要とされ、雇用主都合での退職の場合は返還の可能性があるとされています。
対象になった従業員が支給決定前に自己都合で退職した場合はどうなりますか?
自主退職の場合は返還の対象にならないとされています。一方で、事業主都合による退職の場合は返還を求められる可能性があるため、退職の経緯によって扱いが分かれる点に注意してください。詳しい判定は事務局へご確認ください。
非正規雇用の従業員を正社員に登用した場合、賃上げの扱いはどうなりますか?
特設サイトのFAQには非正規から正規への登用(正社員化)の対応についての項目があります。基本給の比較方法など個別の判定が必要になるため、詳細は一宮市賃上げ促進支援金の特設サイトのFAQ、または事務局(0586-27-0154)でご確認ください。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。ただし2025年の一宮税務署への開業届提出と、2025年・2026年の事業実態があることが前提です。2026年に開業したばかりで2025年の事業実績がない場合は、対象外になる可能性があります。
資本金や従業員数の要件はありますか?
中小企業基本法にもとづく中小企業者等の基準に該当する必要があります(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、どちらか一方を満たせば該当します)。製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。
市税を滞納していても申請できますか?
原則できません。対象事業者の要件として、国税および地方税を滞納していないことが挙げられています。ほかにも過去の助成金不正受給がないこと、暴力団関係者や風俗営業でないことなどが条件です。
国の重点支援交付金や他の助成金と併用できますか?
この支援金は国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を財源としているため、国の交付金と重複支給と判断される場合は対象外になります。キャリアアップ助成金や業務改善助成金との具体的な併給調整については公式情報に明記がなく、事務局への確認が必要です。
国の業務改善助成金と一緒に使えますか?
特設サイトの公開情報には、業務改善助成金との併給可否について明確な記載が見当たりません。同じ賃上げ分を国の制度と重複して申請することはできないため、併用を検討する場合は一宮市の事務局にあらかじめ確認することをおすすめします。
予算6億円はいつ頃なくなりそうですか?
公式ページには予算の消化状況(残額)の記載は確認できませんでした。予算上限に達し次第受付終了となるため、最新の状況は一宮市賃上げ促進支援金事務局(電話0586-27-0154)へお問い合わせください。
申請にはどんな書類が必要ですか?
賃上げ前後の労働条件通知書または雇用契約書の写し、対象月と前月分を比較できる賃金台帳の写し、支援金の振込先口座が分かる預金通帳の写しなどが必要です。ケースによって追加書類を求められる場合があるため、申請前に特設サイトの案内を確認してください。
申請は賃上げの前後どちらで行いますか?
賃上げを実施した後に申請します。対象期間(2025年1月1日〜2026年12月31日)内に基本給を月額3%以上引き上げたうえで、申請受付期間(2026年7月1日〜2027年1月31日)内に、その実績にもとづいて申請する流れです。
複数の事業所がある場合、事業所ごとに申請できますか?
特設サイトのFAQには複数事業所の申請方法についての項目があります。事業者単位での申請が基本と考えられますが、詳細な取り扱いは特設サイトのFAQ本文、または事務局へご確認ください。
