省力化の設備を入れたいだけなのに、賃上げまで条件になる。なぜでしょうか。結論から言うと、この補助金は「機械を入れる」ことではなく「利益を賃上げに回す」ことまでセットで求める制度だからです。
尾張旭市の生産性向上設備投資促進補助金は、省力化・省人化設備の導入費を補助率3分の2・上限200万円で補助します。ただし、労働生産性1.5%以上の向上と、事業場内最低賃金を50円以上引き上げることが条件です(労働生産性は(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間総労働時間で計算します)。
生産性向上設備投資促進補助金の要点まとめ
正式名:生産性向上設備投資促進補助金
だれが
- 対象業種
- 業種指定なし(省力化・省人化事業を行う全業種)
- 利用目的
- 省力化・省人化設備の導入、生産性向上、賃上げ
- 対象地域
- 愛知県尾張旭市
- 従業員数
- 市内に事業所を有する小規模企業者・中小企業者(会社法上の法人・個人事業主)
いくら
- 補助上限額
- 200万円(1事業者・1年度あたり)
- 補助率
- 3分の2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年6月15日に再開したが、予算上限(3,000万円)に達して受付終了(公式ページの更新日は10月5日)
- 公式サイト
- https://www.city.owariasahi.lg.jp/page/51225.html

あなたの会社は対象になるか
対象になるのは、次をすべて満たす場合です。
- 尾張旭市内に事業所を有する小規模企業者・中小企業者であること
- 市税の滞納がないこと
- 会社法上の法人、または個人事業主であること
一般社団法人・NPO法人は対象外です。 会社法で定義される法人形態でないと、この補助金の対象になりません。「うちはNPO法人だから当てはまる」と思っていた場合、ここで対象から外れます。
対象になる設備を具体例で見る
対象になるのは、省力化・省人化に資する設備です。公式ページには次のような例が挙げられています。
- 産業用ロボット、自動搬送装置、自動包装機
- 工作機械、プレス機
- 自動検査装置、3Dスキャナ
- 自動倉庫システム、フォークリフト
- 自動調理機器、真空包装機、急速冷凍設備
対象経費は、設備費・工事費(いずれも税抜)に加えて、既存設備の撤去費・運搬費・据付費も含まれます。
賃上げ要件で、対象になる/ならないが分かれる
ここが最重要ポイントです。設備を入れるだけでは対象になりません。次の2つの数値要件を、両方とも満たす必要があります。
- 労働生産性が1.5%以上向上すること
- 事業場内最低賃金を50円以上引き上げること
たとえば、時給1,020円で働くパートがいる工場を考えます。最低賃金を1,070円に引き上げると、この条件をクリアします。フルタイム1人が月160時間働くなら、時給50円アップで月8,000円、年9.6万円の人件費増です。
補助上限200万円に対して、年9.6万円の人件費増。設備投資による効率化分が、この人件費増を上回るかどうかが、投資判断の分かれ目になります。
賃上げをしない設備投資は、対象になりません。 「機械を入れたいだけ」で申請すると、要件を満たせず対象外になる可能性があります。
補助額のシミュレーション
補助率は3分の2、上限は200万円(1事業者・1年度あたり)です。
上限に届くのは、対象経費が300万円のときです。それ以上投資しても、補助されるのは200万円までです。
- 自動包装機200万円を導入:補助額は約133万円(3分の2)
- 自動倉庫システム350万円を導入:補助額は上限の200万円(自己負担150万円)
受付は年2回に分かれていない、一度きりの期間
この補助金は、令和8年度に6月15日から受付を再開しました。表示上の受付期間は12月18日(金)まででしたが、予算総額の3,000万円に達したため、公式ページでは申請受付が終了となっています(公式ページの更新日は10月5日)。
7月15日の公式ページ表示では、予算残額は868万5千円(残り28.9%)でした。表示上の締切より前に、予算の上限で受付が止まる制度だったことになります。
交付決定前の発注は対象外
公式ページには「交付決定通知を受領後(交付決定日以後)に事業着手してください」と明記されています。見積もりを取るところまでは進めてよいが、契約・発注は交付決定後という順番です。
あなたの会社がすでに設備を発注してしまっている場合、その経費は対象外になります。次の投資計画から、この順番を守ってください。
- 問い合わせ先:尾張旭市 産業課 商工振興係 0561-76-8132
賃上げ要件と設備投資をセットで求める補助金は、他の自治体にもあります。
よくある質問
NPO法人でも対象になりますか?
なりません。 対象は会社法上の法人です。一般社団法人・NPO法人は対象外と明記されています。
賃上げをしなくても設備投資だけで申請できますか?
できません。 労働生産性1.5%以上の向上に加えて、事業場内最低賃金を50円以上引き上げることが要件です。設備投資だけでは対象になりません。
予算がなくなったら、締切日の12月18日より前に終わりますか?
実際に早く終わりました。 予算上限の3,000万円に達したため、12月18日を待たずに申請受付が終了しています。先着順の制度は、締切日より前に止まることがあります。
