名古屋市の中小企業デジタル活用支援補助金は、ECサイトや勤怠システム、ロボットの導入費の半分を補助する制度でした。実施するのは名古屋産業振興公社です。
令和8年度の受付は、全枠で終了しました。通常枠・賃上げ枠は6月1日、ロボット枠は9月30日の16時が締切でした。次の募集は、公式ページに案内が見当たりません。
名古屋市 中小企業デジタル活用支援補助金の要点まとめ
正式名:中小企業デジタル活用支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- デジタル技術による販路開拓・生産性向上、ロボット導入
- 対象地域
- 愛知県名古屋市内
- 従業員数
- 業種ごとの中小企業の範囲に収まること(詳細は本文)
いくら
- 補助上限額
- 500万円(ロボット枠。通常枠100万円・賃上げ枠150万円。下限10万円)
- 補助率
- いずれの枠も1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度は終了(通常・賃上げ枠は6月1日、ロボット枠は9月30日)
- 事業の完了
- 通常・賃上げ枠は2026年12月31日、ロボット枠は2027年10月31日
うちの会社は対象になる?
3つの枠のうち、自社がどれに当たるかで条件が変わります。共通の条件は次の4つです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
個人事業主は、住民票の住所と主たる事業所が、ともに市内にあることが条件です。
中小企業者は、中小企業基本法(中小企業の定義を決めた法律)で業種ごとに決まっています。資本金か従業員数のどちらか一方を満たせば足ります。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
みなし大企業は、中小企業でも大企業の持ち株や役員の兼務が一定を超えるために、対象外になる会社です。同じ大企業が株式の2分の1以上を持つ場合などが当たります。
相談の窓口は、名古屋市新事業支援センターと名古屋商工会議所の2つです。ロボット枠は新事業支援センターだけで受けられます。過去に受けた相談は数えられません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 一般社団法人・NPO法人・医療法人など
- ✕ 過去にこの補助金の交付を受けた
- ✕ 設備を置く場所が市外の支店のみ
- ✕ 訴訟や法令違反の処罰をかかえている
- ✕ 風俗営業など、許可・届出が要る事業
ソフトは、市内の事業所が含まれていれば、市外の事業所で使うこともできます。設備は、市内の事業所に置くものに限ります。
枠ごとの追加条件は次のとおりです。
- 賃上げ枠は、給与支給総額を1.5%以上増やす計画を立て、従業員に表明します
- ロボット枠は、対象経費にロボットの導入費を必ず含めます
- 産業用ドローンを入れる場合は、国の無人航空機操縦者技能証明書が要ります
給与支給総額は、従業員と役員に払った給料・賞与・役員報酬の合計です。福利厚生費、法定福利費、退職金は含みません。1.5%の比較先は、決算が確定している直近の事業年度です。
従業員がいない法人や個人事業主は、新しく雇う計画でも足ります。法人は役員報酬、個人事業主は所得を1.5%以上増やす計画でも構いません。
通常枠・賃上げ枠・ロボット枠は、1事業者につき年度内に1回しか申請できません。ロボットを含む経費は通常枠・賃上げ枠で申請できず、産業用ドローンを含む経費はロボット枠で申請できません。
いくら補助される?
対象経費(消費税抜き)の1/2以内です。対象経費の合計が20万円以上でないと申請できません。補助額は10万円以上で、千円未満は切り捨てです。
消費税の仕入控除額(税の計算で差し引ける消費税)が含まれる場合は、その分を補助額から引きます。
- ECサイトの構築と紹介動画の制作に120万円 × 1/2 = 60万円(通常枠)
- 生産管理システムとタブレットに340万円 × 1/2 = 170万円 → 上限の150万円(賃上げ枠)
- 協働ロボットと周辺のソフトに800万円 × 1/2 = 400万円(ロボット枠)
- 検査ロボットの導入に1,200万円 × 1/2 = 600万円 → 上限の500万円(ロボット枠)
上限に届く経費は、通常枠で200万円、賃上げ枠で300万円、ロボット枠で1,000万円です。
認定や交付が決まった後に、実際の費用が増えても、補助額は増えません。減った場合は、減った金額に合わせて下がります。
令和7年度の申請は175件で、採択は42件(24%)でした。令和8年度の予定件数は、通常枠10件・賃上げ枠30件・ロボット枠5件です。申請すれば必ず通る制度ではありません。審査は先着順ではなく、事業計画の内容で決まります。
何に使える?
対象にならないもの
- 商品の仕入れ、販売目的のソフトの開発費
- 宣伝・広告の費用
- コンサル費用、専門家への謝金、人件費
- インターネットの通信料
- 机・椅子・棚などの事務用備品、消耗品
- 設備の運送費、講習費用、保守・保証の費用
- 既存設備やサービスの更新費、修理費
- ポイントでの支払い分、値引き分
- 消費税、保険料、振込手数料
- 代表者本人、または代表者が同じ会社との取引
- 認定・交付決定より前に契約や納品をした経費
対象になるもの
- ソフトの購入費、サブスクの利用料、クラウドの利用料
- WEBサイトの立ち上げのデザイン料、掲載する動画の制作費
- センサー、カメラ、RFIDなどのIoT・AI機器
- PC、タブレット、サーバーなどの電子機器(ロボット枠はロボット導入費と合わせて)
- NAS、POSレジ(通常枠・賃上げ枠の例)
- 設備の動作確認・検収・デバッグの費用
- 産業用ドローンの取得費・リース料(通常枠・賃上げ枠)
- ロボット、自動化装置の取得費・設計構築の委託料(ロボット枠)
中古品も対象です。ただし見積書は要ります。リースは機械設備に限ります。
セキュリティ対策のソフトだけでの申請は、対象外です。
システム会社に一括で発注するときは、契約金額の内訳が分かる書面が要ります。内訳が不明だと、補助対象と認められません。
申請の流れ
令和8年度の日程です。
- 窓口で相談する(事業者→新事業支援センターか商工会議所。事前予約)
- 申請書類を出す(事業者→新事業支援センター。通常・賃上げ枠は6月1日16時、ロボット枠は9月30日16時必着)
- 審査を受け、結果の通知を待つ(公社→事業者。通常・賃上げ枠は7月3日付で郵送済み)
- 交付決定・事業認定のあとに契約・発注して、期間内に支払いまで終える(事業者)
- 事業の完了後30日以内に実績報告を出す(事業者→公社。通常・賃上げ枠は2027年1月31日、ロボット枠は2027年11月30日までのどちらか早い日)
- 額の確定と請求を経て、補助金を受け取る(公社→事業者)
実施期間は、通常枠・賃上げ枠が交付決定後から2026年12月31日です。ロボット枠は事業認定後から2027年10月31日です。
ロボット枠の認定通知は、募集案内の表紙が令和8年10月の認定、よくある質問が11月上旬予定と、案内が分かれています。
交付決定は、補助額を決める通知です。交付決定の前に契約や納品をした経費は、対象外です。
クレジットカード払いは、購入日ではなく口座からの引き落とし日が、期間内に入る必要があります。名義は会社か代表者のカードに限ります。
必要な書類
準備できた 0 / 10
申請時に要るのは、上から決算書までと、賃上げ枠の表明書面です。履歴事項全部証明書と市税の証明は、交付決定の後に出します。
ロボット枠は、交付申請書が事業計画認定申請書になり、賃上げ枠の書面は要りません。
決算書は、法人なら貸借対照表と損益計算書です。個人事業主は、所得税の青色申告決算書か収支内訳書を3年分出します。
業歴が3期に満たなければ、到来した決算分だけです。1期に満たなければ要りません。
支援内容確認書(様式第5号)は、相談を受けた窓口に確認欄を書いてもらいます。賃上げ枠の表明書面は、従業員代表の署名が要ります。公社のひな型は参考例で、表明日・事業年度・表明方法・署名などが書かれていれば別の様式でも構いません。
見積書は、相見積もりが要りません。ネット注文で見積書がなければ、金額が分かる注文画面の印刷で足ります。
個人事業主は、履歴事項全部証明書ではなく、個人番号の記載がない住民票の写しを出します。申請の時点で創業後1年に満たず、第一期の事業年度が終わっていなければ、交付決定の後に、法人は法人設立届出書、個人事業主は開業届の写しも出します。
飲食店などの営業許可が要る業種は、営業許可証の写しも出します。産業用ドローンを含む場合は、操縦者技能証明書の写しも要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 認定・決定の前に契約した:交付決定通知書、または事業計画認定通知書が届く前の契約・発注は対象外です。
- 期間内に支払いが終わらない:実施期間の外で契約や支払いをした経費は、対象にできません。
- 申請後に経費を変えた:補助対象経費の変更は、原則として認められません。総額の20%以内の軽微な変更だけは例外です。
- 取得した設備を処分した:交付決定後5年以内に、設備を売却・譲渡したり、市外へ移したりすると、返還を求められることがあります。単価50万円以上の財産は、交付決定後5年間、処分に制限がかかります。
- 事業を休止・廃止した:交付決定後5年以内に、正当な理由なく事業を休止・廃止した場合も、返還の対象です。
補助金は法人税などの課税対象です。受け取った事業年度の収益に計上します。
交付後は2年間、事業の状況を報告します。賃上げ枠は、賃金台帳や確定申告書など、賃上げが分かる書類も出します。
よくある質問
令和8年度の募集はまだ受け付けていますか?
受け付けていません。通常枠・賃上げ枠は2026年6月1日16時に、公式ページで受付終了が告知されました。ロボット枠の締切は9月30日16時でした。日付はすでに過ぎています。次の募集については、公式ページに案内が見当たりません。最新の状況は、名古屋市新事業支援センター(052-735-0808)に問い合わせると確かめられます。
事前の相談は、どこで受ければいいですか?
名古屋市新事業支援センターか、名古屋商工会議所(中小企業部・相談センター)です。事前予約が必要です。ロボット枠は、新事業支援センターの相談しか認められません。令和8年度は、新事業支援センターが4月15日、商工会議所が5月1日から相談を始めました。過去に受けた相談は、要件を満たしたことになりません。
通常枠と賃上げ枠は、どう選べばいいですか?
給与支給総額を1.5%以上増やす計画を立てられるなら、賃上げ枠です。上限が150万円で、通常枠より50万円高くなります。補助率は同じ1/2です。賃上げ枠は、従業員への表明書面が要ります。ただし賃上げ枠は、補助事業の終了日を含む事業年度かその翌事業年度に、実際に1.5%以上増やす計画が前提です。両方に申請することはできません。
パソコンやタブレットだけの購入でも申請できますか?
通常枠・賃上げ枠なら、申請できます。ただし、経営課題を解決する事業に必要な場合に限ります。スマートフォンも対象です。ロボット枠では、PCやタブレットだけの申請はできません。ロボット枠は、対象経費にロボットの導入費を必ず含める必要があるためです。申請のときは、事業計画書で何に使うかを示すことになります。
市外の支店に入れる設備は対象になりますか?
設備は対象外です。設備の設置場所は、市内の事業所に限られます。ソフトは、市内の本社で導入することを前提に、市外の支店で使うことができます。複数の事業所で使うソフトは、市内の事業所が含まれていれば足ります。支店のみに設備を置く計画では、申請できません。申請前に、設置場所が市内かを確認しておくと安心です。
WEBサイトの制作費は、補助の対象になりますか?
対象です。立ち上げのデザイン料や、掲載する動画の制作費が当たります。リニューアルは、単なる更新では対象になりません。動画の掲載や追加機能の搭載などで、付加価値が増えることを事業計画書で示す必要があります。宣伝や広告に当たる費用は、対象外です。たとえばネット広告の出稿費は含まれません。
同じ事業で、国や県の補助金と併用できますか?
併用はできますが、対象経費を重複させてはいけません。補助事業を実施する期間中に、同じ経費が国・県・名古屋市の他の補助金の交付対象になっていないことが要件です。国の補助制度には、他の補助金との併用を認めないものもあります。使う予定の制度の公募要領で、併用の可否を確かめてください。
創業前でも申請できますか?
補助事業の終了日までに開業すれば、対象になります。ただし、本店の登記が市内にあることなどの条件は満たす必要があります。応募の時点で本店が市外なら、市内に移してから応募します。法人設立届出書や開業届の写しなど、創業が確認できる書類も出します。電子申請では、受信通知のメール詳細もあわせて出します。
不採択だった場合、理由を教えてもらえますか?
教えてもらえません。審査結果に関する問い合わせには、一切応じないとされています。結果は、応募者全員に文書で通知されます。不採択でも、次の年度の申請はできます。過去に不採択になった企業でも、申請は可能です。審査では、経営課題の捉え方、効果、実現の見込み、政策的な観点が見られます。
申請書の書き方は、教えてもらえますか?
教えてもらえます。中小企業デジタル活用支援マネージャーなどが、書き方の支援をしています。まずは名古屋市新事業支援センターに問い合わせます。補助事業計画書は、10ページ以内で作ります。様式の欄が足りないときは、行を増やしても構いません。ただし、不要な行を削除する変更はできません。
補助金は、いつ支払われますか?
後払いです。事業が終わったあと、実績報告を出します。公社が内容を確認して額を確定し、請求のあとに振り込まれます。通常枠・賃上げ枠の交付は、2027年2月の予定でした。ロボット枠は2027年12月の予定です。報告から支払いまで時間がかかるため、資金繰りに余裕を持って計画してください。
問い合わせ先はどこですか?
名古屋市新事業支援センターです。電話は052-735-0808、メールはdigital.shien@nipc.or.jpで、受付は平日の9時から17時です。商工会議所の相談窓口は、名古屋商工会議所の中小企業部・相談センター(052-223-5756)です。補助金の最新の状況も、公益財団法人名古屋産業振興公社の公式ページで確かめられます。
